№985 バスグラフィックvol.18(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックvol.18」は少々間が空いて、約半年振りに今月の頭、発売になりました。
 雑誌ではなくムック本なので、こういう事もあるでしょう。

画像

 特集が、「横浜市営バスでキマり!」か…。
 地元だし、本体でもかなりページを割いているので、私的には「今更」という部分も少なくはないが、一方で再発見したところもありました。
 市営バスの現状の部分では、横浜交通開発についてもう少しテキストが割かれても良かったと思う。
 初期に野庭〔営〕配置のKL-HU2PREA(上の画像の車両)も、一部の車両は一時期、横浜交通開発籍となった事がありました。
「オススメ路線10選」もあるが、2007(H19)年3月までは、もっと面白い路線があったのだけれど。
 異国情緒も感じる山の手を走る11系統(今は神奈中が「YAMATE LINER」として運行)とか、第3京浜を走っていた95系統とか。
 リエッセ退役が進んでいるからなのか、20系統は中型車が入っているのか。
(元々は横浜駅~山手駅の系統で、浅間町〔営〕大型車の運用だった)
 関連なのか、ここにはないが89系統(横浜駅~一本松小学校)も、一部大型車が入っています。

 棚町宣弘氏のイラスト記事は、短命に終わった150系統。
 もう少しがんばってみても、日中や土休日にも運行があれば良かったとも思うが、若葉台団地は横浜市内といっても通勤圏が田園都市線経由で東京の方に向いている事も、短命に終わった理由かもしれない。
 運行内容もあって、未乗のまま終わりました。
 車両は転属を繰り返しつつも、市営バスのまま使命を真っ当しえたのは幸いと思います。

 タレント起用の「横浜ベイサイドラインに乗った!」は、新セレガを導入してリニューアルされて久しい定期観光バス。
 こういう企画なら、女の子のリポーターの起用も違和感がないかな。
 新セレガというと、今復興支援で「スパリゾートハワイアン」への直行バスを会員募集形式で運行しているので(ベイサイドラインとは、デザインは同じだが別車両)、その辺も軽く触れられれば。
「浅間町営業所の一日」で、少々意外と思われたのが、乗務員の運行スケジュールの作成。
 私は私鉄(鉄道)の乗務員の経験があるが、ダイヤ改正の時点で1つ1つの乗務員の運用は完全に決定、パターンの繰り返し(泊→明→日勤→泊→明→2連休が原則だった)なので、原則次のダイヤ改正までは乗務のパターンははっきりしていた。
(もちろん他の職員の休み等で入れ替わる事もなくはない)
 他の鉄道の事は解らないが、当然バスもそれを踏襲しているのかと思っていた。
 先のスケジュールが解るのは、意外に直近の事になるのか。
「スターフ」は、今は不明だが、少なくとも昔は、緑〔営〕あたりは体裁が違っていたはず。

「市営バス車両10選」を見ると、そうか、市営バスでも富士重工は全滅間近か。
(最後の車両がデビューしてもう10年)
 横浜市営は幕車のLED改造は行わなかったが、いつの間にか幕車も残り少なくなってきた。
 市営バス全般では、細かい所で、LED表示の「回送車」表示に「「制限速度厳守車」の表記が添えられていたり、車内のシートの柄に特徴があったりする(市内の名所がプリントされている)ので、そこも注目してもらえれば良かったかな。
 過去車両はVol.8で1980年代の車両を相当取り上げていたから、ここでは「U-規制車」が並んでいます。
 4メーカー並行導入だったから、本当にバラエティに富んでいて、いい時代だったと感じさせられました。
 他事業者でもそうだが、リフトバスや都市型超低床車など、ノンステップバス本格導入前の、バリアフリー車両黎明期でもあったと言えます。
 巻末に、今月配布開始の市営バス路線図の折込付録が封入されています。
(本当は路線再編成時の4月には配布を始めて欲しかったのだが)

 小田急バスの登戸営業所開設(生田〔営〕からの移転)は、随分と話題になりました。
 最近は都内のバス営業所の再編が相次いでいて、去年も京急バス新子安〔営〕に続いて、京成バスの新都心〔営〕開設という事もありました。
 登戸〔営〕の場合は、工場機能の統合の方が意味が大きいかもしれない。
 バスの場合は運行の不確定要素(特に渋滞)が他の交通機関に比べて多く、それだけドライバーへの負担も大きくなるので、新設備による勤務条件の改善が、小田急に限らず、特に首都圏のバス事業者では強く望まれるのだろうと思います。
 生田〔営〕は神奈川県内の小田急沿線の宅地開発(特に多摩線の開業)が進んだ事で新設・発展が進んだという事で、この辺は田園都市線の開通を機に神奈川の路線が急速に伸びた東急バスに傾向が似ている。
 ローカル線もあった事はあったようだが。
 新百合ヶ丘駅前への乗り入れはそんなに遅かったとは知らなかった。
 今は羽田・成田両空港へのリムジンバスが発着したり、東急バスや川崎市営バスも入る多摩地域の一大ターミナルで、買い物・行楽客も終日多く、ロマンスカーの停車もあったりして、遠い昔の事はとても連想できません。

《青春バス紀行》第3回は昭和バスで、ギンギラギンに赤い帯、独特のマークをつけていた、1980年代位の車両が並んでいます。
 当時はローカル路線でも皆大型、貸切格下げ車も多くて、行先も恐らく今では見られないものが多いでしょう。
 福岡市中心部へは、普通の路線バスはなくなってしまったし。
 昭和バスに限らず九州のバスでは今でも、「緑の三角形+黄色の○」の旗やワッペンを良く見かけるが、どのような意味があるのでしょうか。
 
 後は都営バスの4月の再編成とか(猪瀬知事が表明した、渋谷~六本木の「終夜運転」構想はまだ記されていない)とか、都営バスに加えて東急バスもツーステップ車全滅とか。
 豊後高田のボンネットバスとか(カラー写真が美しい)、国鉄バスのツーマンカーとか、乗ってみたい、乗ってみたかった車両、一方で「ゆとりーとライン」の新型の写真とか、今号も新旧様々な写真で楽しめました。
 次号も期待するが、いつになりますかねえ。
 西日本の事業者の特集が欲しい気がする。
 
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「オランダ旅行クロニクル」は明日再開の予定、ハーグ市電とマドローダムについて書きます。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 JR北海道の連続アクシデントは深刻になってきたようです。
 昨日の<スーパーおおぞら>は281系で、場所も配電盤だし、先日の183系<北斗>のエンジン系とは違うとは思います。
 しかし、一昨年の<スーパーとかち>火災事故の影響が未だに癒えない内にここへ来て重大アクシデント連続とは、もはや検査体制そのものに重大な問題があるのではないか?
 社長や経営陣が命を投げ出す必要はないので、その代わり徹底的な原因の究明や対策が施される事を望みます。
 夏休みシーズン前の連続アクシデントでは、営業への影響も心配(運休も多くなってきたし)。
 JR北海道と同じ位問題みたいなのがフランスSNCFで、パリ郊外の事故は、ニュース映像を見た限りでは、よく犠牲者が一桁で済んでいるよなあと唖然とさせられます。
 バカンスシーズン+「独立記念日」の休前日で、結構混んでいたはずだから。
 ポイント部分の「継ぎ目」が原因究明の焦点になりそうだが、フランスでも在来線の設備の老朽化が指摘されているそうで、先日も書いた「TGV新線計画大幅見直し」でも、「TGV偏重の結果、在来線への投資がおろそかになっていた」事が理由と一つとされていたようです。
 確かに彼の地に行った時も、車両も新車はまだしも、旧型車はとことんボロだったしなあ。
 国の内外関係なく、鉄道に限った事でもなく、「安全」確保には充分な投資が必要でしょう。
(口で言うほど簡単な事でもないのは事実だが、それでも)
 
《今日のニュースから》
仮設の「トラック郵便局」 福島県相馬市磯部地区に開設

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