№922 バスマガジンvol.58(講談社ビーシー/講談社)

「バスマガジン」58号が先月末発売されました。
 少々遅くなってしまったが、ここで取り上げます。
 表紙は箱根登山バスだが、特集記事も含め、全体的に奈良交通のバスがちょくちょく現れるような。

◆ 路線バスで行く!奈良の観光スポット
 奈良交通のバスを使った奈良県内(浄瑠璃寺は京都府)の観光プランを、具体的な時刻まで記して提示しています。
 JR奈良駅の写真を久し振りに見たが、ほお、今はこうなっているのか。
 浄瑠璃寺は、写真で見た感じでは秋に訪れたら印象深そう。
 ところでボンネットバスの復活はともかく「あれ、『バンビーナ』(京急バス「りんどう号」)ってなかったっけ?」と思ったのですが、実は「車両老朽化」を理由に、3月16日を持って運行を終了しているそうです。
 でもどこにも書いていなかったな。
 後は昨年に50周年を迎えた八木新宮線の特急バス。
 この後別ページで、再復活するボンネットバスの記事があります。
 車体が艶々で美しく、是非撮りに行きたい…。
 さらに、エルガ・ノンステップで旧塗装の復刻も行われているそう。 

◆ 沖縄県の路線バス 再生プロジェクト
 沖縄はもう十数年も行っていなくて、当然モノレールも乗った事がないから、今年中には久し振りに行ってみたいと思っています。
(ただし早くても秋以降。暑いのと、台風が怖いから)
 確かに昔の沖縄のバスは「730」に代表される老朽車両も多く、本土と比べて全体的なサービスレベルは少し劣るかな、とは感じた。
 ただ各路線の便数は一部を除けば決して少なくはなかったし、ほんの少しのきっかけで大きく良い方向に向かうのではないか、とも思っていました。
 この十数年の間で本土の資本が入って経営再建が行われた事もあって、写真で見るだけだけれど、車両の傾向は大分変わってきているようです。
 ノンステップ車もかなり入っているようだし。
 後は「基幹バス」に代表されるオペレーション面、バス⇔バス・バス⇔モノレールの連携(ダイヤ・運賃制度等)の向上が課題となるでしょうか。
(実は本土でも、同じ問題を抱えている場所は少なくないと思う)
 ちょうど今日、米軍基地返還の計画が発表になり、これも影響を与えるはずです。
 別ページで新石垣空港開港に関連した石垣島のバス(東運輸)もあるけれど、離島の空港にしてはバスのアクセスは破格だし、東運輸は本島はおろか、本土以上に積極的かも。

◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.58 箱根登山バス

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 最近の箱根登山バスは、結構アグレッシブなイメージがあります。
 路線網こそ縮小して秦野や沼津・熱海からは撤退したものの、箱根山上での相次ぐ新路線開設や新型車両の導入などの施策は目を見張ると思います。
「芦ノ湖スカイライン線」的な路線は、かつては日本全国どこの湖でも見られたと思うのだけれど、乗客激減でほとんどなくなってしまいました。
 地域の足ではなく、中間のバス停もないし。
 この路線の場合はバス単独ではなく、「海賊船」との連携なのか。成る程。
 車両面では貸切タイプ車の路線車がなくなって久しいけれど、最古参が2002(H14)年式、大型路線車が全部三菱ふそうに統一、というのは少々ビックリ。
 以前は2003(H15)年式エルガもあって、まだ10年しか経っていなかったのに。
(神奈中より若返っている)
 別のコラムで箱根登山バスからの移籍車両について取り上げられているが、特にお隣静岡県の同じ小田急グループ、東海バスグループへの移籍のルートができているようだから(登山カラーのままで走る車両が多い)、代替のペースを早くできるようになったのでしょう。
 後は場所柄、一般路線バスでも低公害車の導入が期待されるが、座席定員が少なくなるノンステップ車しか選択の余地がない現状では難しいかも。
 営業では、やはり伊豆箱根バスとの営業協力の深度化が期待されます。
 ただ、運行の完全な共同運行までには至らないだろう、とも思われます。
(小田原駅東口で、箱根登山・伊豆箱根両者で待機場所を統一、CO2削減を図る試みを行っているとの事)
  
◆ 新時代のバス交通を探る
 3部構成になっていて、
1.新高速バス始動
 既に決まった事なので、特に目新しい物はなく、ウィラーエクスプレスは8月1日に新高速バス以降を表明、在来の高速路線バスは今月から、新運賃制度を採用している所がいくつかあるようです。
 アンケート結果は、まあ想像通りでしょう。
 高速ツアーバスからの移行組は、全国規模の大手数社に収斂されそうな気がする。
2.地方交通の未来
 セミナーと、井笠鉄道バスの今後にページが割かれているが、気になるのは、大阪市営バス(=大阪市交通局)の民営化計画についてなんら触れられていない事。
 大都市だから純粋な地方交通とは言い難いと言っても、地下鉄まで含んで規模が比べ物にならず(しかも一気に「民設民営方式」)、既に赤バス廃止など規定事実として進行中の事柄であり、どこかで本格的に検証が行われるべきではないでしょうか。
 公営バスに関しては(小松島・尼崎も民営移行が決まったらしいが)、大阪市が止めとなって、今後全国で公営バスの民営化が一気に進む事になりそう。
3.地域とバスと環境と
 岐阜に関してはどうなんだろう?
 路面電車(名鉄岐阜市内線)が廃線になったら商店街の客が減った、とも聞くが…。
(実際どの程度関連があるかは解らない)
 
◆ 路線バス全方位レポートvol.58 北海道 道南地区

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 「道南」と一口に言っても北海道ゆえ広大、函館~苫小牧はJR線で250㎞、<スーパー北斗>でも2時間20分程度はかかるだけに、一くくりでは語れない地域だと思います。
 自然が美しいのはどこも同じだが。
 室蘭の経済的地盤沈下が心配で、特に道南バスは苫小牧市営バス引継ぎもあり、重心が東に移動していくのか。一度道南バスを単独で取り上げて欲しいかなあと思います。
 共通して目立つのは資本関係の変化で、函館バス・あつまバスが東急グループから離脱、函館タクシーが帝産グループから独立する一方、北斗交通は銀嶺バスの傘下に入るなど、この10年では市営バス民営化以外でも、資本の動きが目まぐるしいようです。
 函館市営バスがなくなって、ちょうど10年か。
 室蘭・苫小牧は直接は関係ないだろうが、今後の北海道新幹線の新函館開業・札幌延伸はどのような影響を与えるだろうか。

 繰り返しになるが、大阪市交通局民営化は全国的な影響が大になると思われるだけに、集中した特集記事が必要だろうと思います。

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 明日・明後日はお休みします。
 月曜日から、「思い出の海外旅行クロニクル」第5回、1995(H7)年11~12月のイタリア旅行について書きます。
 せっかくの土日なのに、天気は大荒れになりそう…。

《今日のニュースから》
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