№919 私鉄の車両シリーズ109 東京都交通局6300形

 久し振りの「私鉄の車両シリーズ」、今回は東京都交通局(都営地下鉄)三田線6300形です。

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 6300形は1968(S43)年の開業以来使用されていた6000形を置き換えるために製作された車両で、冷房化率の向上を図るために製作された1・2次車と、ATOによるワンマン運転開始に対応した3次車に大別できる。

 1993(H5)年デビューの1次車は、車体は無塗装の軽量ステンレス車体とし、三田線のラインカラーの青に赤のラインを配している。
 先頭部はFRP製で、曲面ガラスを配している。
 6連で製作されているが、将来の8連化を想定して番号が付与されている。
 GTOサイリスタのVVVF制御(4500V・2300A)1C4M方式で、180kwの電動機を制御する。
 運転台はT字型ワンハンドル方式で、TIS(車両制御情報管理装置)を搭載している。


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 座席は1人ずつ区分したピンク系(優先席は紫色)のロングシートとなり、方持ち式として足元のスペースを大きく取っている。
 また車端部には、地下鉄では珍しいボックスシートを設けた。
 ドア上部のLED式車内案内表示装置や双方向方式の非常通報器を設置、車椅子スペースは編成中1箇所(T1車)に設けられている。
 冷房装置は集中式。
 1次車30両、翌1994(H6)年には2次車48両が川崎重工で製作され、6000形の冷房改造車と合わせて、三田線の実質全車冷房化が達成された。
 2次車ではスカートの形状を変更している。


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 三田線は2000(H12)年に目黒へ延伸(目黒~白金高輪は営団南北線と共用)、同時に東急目黒線との相互直通運転を開始した。
 これに先立ち、ATO運転とホームゲートの採用によるワンマン運転実施のため全車両を6300形に統一する事になり、1999(H11)年に3次車144両が川崎重工・近畿車輛により製作された。
 外見ではスカートの形状を再度変更している。
 VVVF制御装置はIPT素子として軽量化・低騒音化を図った。また営団(東京メトロ)・東急線にも対応するSR(空間波無線)を搭載している。
 運転台にはホーム監視用モニターが設けられ、TISのモニターを頭上に移した。
 これらの仕様は1・2次車でも改造により揃えられている。


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 車内はコストダウンを図るため一部仕様を簡素化しており、クロスシートは廃止、ロングシートも足元は通常の形態になった。
 袖仕切りも簡素な形態に変更しており、ドア部の化粧板も廃止し、ステンレスの地肌をむき出しとしている。


 3次車は2000(H12)年8月までに全車出揃い、37編成222両の陣容となって、三田線は全車両が6300形に統一された。
 現在は三田線から東急目黒線・日吉まで相互直通運転を行なっている。


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 東急目黒線(東横線)の元住吉駅で偶然並んだ、6300形の2次車(左)と、3次車(右)。
 目黒線内では急行の運転もあります。

【編成】
←西高島平方     新宿方→
 Tc1 6300 - *M1 6300* - M2 6300 - T1 6300 - *M1 6300* - Tc2 6300
* パンタグラフ

 今回の記事は
「私鉄新型車両コレクション」(交通新聞社)
「私鉄スーパートレインコレクション」(交通新聞社)
「鉄道ピクトリアル1994年10月臨時増刊号 新車年鑑1994年版」(鉄道図書刊行会)
「同 2000年10月臨時増刊号 新車年鑑2000年版」(鉄道図書刊行会)
「同 2001年7月臨時増刊号 【特集】東京都営地下鉄」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは、芝山鉄道3600形です。
 京成電鉄からのリース車両で、芝山鉄道の目線で取り上げます。

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《今日のニュースから》
ユーロ圏失業率12% 過去最悪を更新

 何回か書いているけれど、一応「西側先進資本主義国家」のスペインが26.3%って、様々日本と異なる事情もあるのだろうが、いくらなんでもあまりにも異常だと思うのですが…。

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