№846 交通業界 磁気カードの終焉
香港旅行記を始めたばかりですが、1回お休みします。
昨日の話になってしまいますが、JRグループは来年3月一杯を持って、磁気式プリペイドカード「オレンジカード」の発売を終了するとリリースしました。
オレンジカードはJR各駅の券売機に投入する事で乗車券に引き換えられるカードで、国鉄時代の1985(S60)年に発売が始まりました。
その後、大手を中心とした私鉄や地下鉄でも独自のカードを発行、表面に様々なデザインを施した企画物も多数発行されました。
当ブログでも一部御覧頂いています。
券売機での引き換えを必要とする初期のカードを「第一世代」とすれば、改札機に直接投入出来る「ストアードフェア」方式のカードは「第二世代」と言えます。
恐らく1991(H3)年のJR東日本「イオカード」が最初で、以降JR西日本「Jスルー」、JR九州「ワイワイカード」、旧営団地下鉄「SFメトロカード」等が発売されていきます。
私鉄・地下鉄では関西の「スルッとKANSAI」、関東の「パスネット」、愛知圏の「トランパス」など、事業者の枠を越えた利用が可能なネットワークの整備も進みました。
バスでも磁気式カードの導入が進み、やはり関東地方など、広域ネットワークを形成した所もあります。
しかし「Suica」「PASMO」「ICOCA」等を初めとするICカードが普及するにつれて、磁気式カードの利用は急速に少なくなっていきます。
第二世代でさえ「イオカード」や「パスネット」、「トランパス」等は改札機でのサービスを終了、一部のカードが第一世代カード並の扱いで利用できるのみになりました。
関西の「スルッとKANSAI」は、ICカード「PiTaPa」がポストペイ方式でクレジットカード入会を必須としていて、気軽に入手できるものではないため、当面は現状を維持するでしょう。
ただそのため、京阪が「PiTaPa」とは別に「ICOCA」も発売するとか、阪急バス・阪神バスが独自の「hanica」を発行するなど、ICカードの普及を促進させようとする動きも見えていて、「スルッとKANSAI」とて数年先はどうなるか。
(記念カードの発行が各社とも、この数年目に見えて少なくなってきているし)
まして第一世代となると、私鉄や地下鉄ではかなり前にサービスを終了している所がほとんどです。
一部では細々とサービスを提供していますが、小田急は「ロマンスカード」を来年3月15日で完全に終了させると発表しているなど、縮小傾向は明らかです。
チャージにより繰り返し使える上、交通だけでなく電子マネーとしても利用でき、しかも一部はカードさえ必要とせずケータイでOKのICサービスが普及すれば、いちいち券売機に並ばなければならず、使い切ればリサイクルされなければそれで終わりの第一世代の磁気カードは、生き延びられる場所はほとんどなくなるでしょう。
交通業界における磁気式プリペイドカードの草分けであり、代名詞ともいえた「オレンジカード」の発売終了は、交通業界における磁気カードそのものの終焉を告げるものになるのではないでしょうか。
JR四国が2003(H15)年に発売した、「5100形電車(快速マリンライナー)ブルーリボン賞受賞記念」オレンジカードセット。
しまった、右側のカード、全然使っていない!
今になって気付くとはね。
(4月1日以降も利用は可能だから焦る必要もないけれど)
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明日は香港旅行記を再開する予定です。
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《今日見た・聞いた・思った事》
歌舞伎俳優の中村勘三郎さんがお亡くなりになりました。
今朝6時過ぎ、ニュース速報のテロップで知りました。
厳しいと聞く歌舞伎の世界で生きている人物とは思えぬ、温厚な表情や人柄は印象的でした。
正直歌舞伎は知らないし、当然見た事はないからそれについて語る事は出来ません。
TVもあまり見ないのですが、印象的なのは、相当昔ですけれど、1988(S63)年の大河ドラマ「武田信玄」でした。
今川義元を演じていて、24年前だから32~33歳?
桶狭間の合戦で織田信長の軍勢に敗れるのですが、あの酷ったらしい最期に至るお芝居は、歌舞伎俳優ならではだったのでしょう。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。
《今日のニュースから》
韓国大統領選挙 初の在外投票 日本国内韓国大使館などで開始