「私鉄の車両シリーズ」、今回は京浜急行電鉄700形です。
本当は水曜日あたりに取り上げる予定だったのですが、事故があったので先延ばしにさせて頂いていました。
700形はバリバリの高速運転を繰り広げる京急の電車群の中にあっては、終始地味な存在に終始したようでした。
限定的ながら、快特の運用もあったのですが…。
700形は、地上線専用の経済的な通勤車として、1967(S42)~1971(S46)年にかけて4連×21編成、合計84両が川崎車輛(川崎重工)及び東急車輛によって製作された。
本線の普通電車のスピードアップと乗降時間の短縮をめざしたため、18m級ながら片開き4ドア車となった。
開閉できる窓が片側4箇所ずつと少ない。
Mc-T-T-Mcの組成で、客室面積の等分化と乗務員室のスペースの確保、粘着性能の向上を図るため、先頭の700形は18.5m、中間の770形は17.5mと全長を変えている。
制御方式は1000形と同じだが、1C4M制御で、モーターの出力が150kwと大きい。
Mc-T-Mcの3連で本来の性能を発揮するよう設計されていたが、終始4連で製造された。
このため、3連を想定して形式が制定されたT車770形は番号が行き詰まり、12両は車号が形式より小さくなっている。
運転台は、1次車709Fまでは高運転台式で正面窓が小さく、それまでの京急の車輛とは趣きが異なった表情になった。
2次車711Fから通常の運転台になり、窓も拡大されている。
車内のロングシートは奥行きを詰め、床面積の拡大を図るなどラッシュ対策が盛り込まれている。
そのため京急の電車としては、実用本位の簡素な雰囲気があった。
換気装置は1000形のファンデリアから通常の扇風機になった。
1975(S50)年より一時期、770形を1両抜いて3連として運用され、編成からはずされた770形は1000形に編入して運用された事もあった。
5年程で元の4連に戻り、高速性能を生かして、ラッシュ時には特急や快特の増結車両としての運用が設定されるようになった。
このため増結運用に入る編成から優先して冷房化改造が行われ、1988(S63)年までの8年間で全編成の冷房化が完了した。
分散式冷房装置を3基ずつ搭載している。
合わせて1次車の運転台が改造され、正面の形態が統一された。
編成によって行先・種別幕の地の色が変更されたものがある。
以降ラッシュ時のピーク時には700形のみで組成された12連の快特(通勤快特)の設定もあったが、他は急行・普通電車での運用が中心で、終始地味な存在と言えた。
1997(H9)年より廃車が始まり、2003(H15)年には本線運用から撤退、晩年は大師線専用として運用された。
2006(H18)年に全車両引退している。
Mc車700形合計22両は高松琴平電気鉄道に譲渡、1200形として琴平線・長尾線で運用されている。
【編成】
←浦賀・京急川崎方方 品川・小島新田方→
Mc1 700* - Tu 770 - Ts 770 - *Mc2 770
* パンタグラフ u=「浦賀寄り」・s=「品川寄り」で、機能的な意味はない
今回の記事は
「私鉄の車両18 京浜急行電鉄」(保育社) ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「鉄道ピクトリアル1998年7月臨時増刊号 【特集】京浜急行電鉄」(鉄道図書刊行会)等
を参考にさせて頂きました。
ちなみに700形オンリーの12連運転は1978(S53)年に始まりましたが、この場合編成中の旅客ドア数が片側48となり、国鉄常磐線快速の103系で15連運転が始まる(確か1985(S60)年)までは最多記録でした。
多少ノッペリした顔つきは賛否両論あったようでしたが、私は端正な部分も感じて悪いとは思っていなかったですけれどね。
次回のこのシリーズは相鉄7000系の前期形、正面が切妻のタイプについて取り上げます。
この正面スタイルを持つ相鉄車も、気付けば相当減ってきました。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
明日・明後日の更新はお休みします。
実は30日(日)及び10月1日(月)の2日間で、九州(熊本・福岡)に行く予定です。
しかしご存知の通り、台風17号が日本に接近しており、最悪の場合、30日には日本列島を直撃するかもしれません。
30日の羽田空港7時50分出発・熊本行ソラシド11便が欠航にならない限りは行きますが、行けても、当日の熊本の好天は期待できなさそう…。
その場合は熊本の市電に乗ってきます。
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《今日見た・聞いた・思った事》
東急東横線で東京メトロ10000系に続いて7000系(7016F)も営業運転に入り、実は先ほど、仕事帰りにたまたま乗ってきました。
今日かららしいのですが、今日は08K運用に入っていて、通勤特急の菊名~横浜間で乗車しました。
車内は、天井吊り広告は他の東急車と同じ、窓上は全部東急関係(クレジットカードや旅行代理店など)、規格が違うため、プラスチック板に描いてはめ込んでいました。
ドアの窓ガラスの注意喚起や「To Me CARD」はさすがにメトロのままでしたが、ドア上の千鳥状のLED表示は使用せず、横浜に近づくと女性車掌の肉声による放送が流れました。
西武6000系(6052F)、東武9000系(9002F)の訓練運転も連日熱を帯びていて、半年後に迫った相互直通運転開始に向けて、ムードが盛り上がってきているようです。
という事で明日・明後日の土日は駅も沿線も大勢の「鉄」たちが集まるでしょうが、くれぐれも事故を起こしたり、他の人に迷惑をかけたりしないように。
この問題は場所だけでなく、お子様の面倒を見る「人」の問題も関わってくるから、思っている以上に難しいと考えます。
自分の大事な子供を、訳のわからない人には任せられないでしょ?
《今日のニュースから》
保育所の待機児童 全国で2万4000人
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