№788 バスラマインターナショナル133(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル133」が発売になりました。
 いつもの通り、目に付いた記事をピックアップしてみます。

★いすゞエルガハイブリッド登場!
 この号では「新保安用件及び新ワンマンバス構造用件等に対応した新型車両の特集記事が中心」だろうと思ったのですが、大きく紹介されたのはこのモデルだけになりました。
 そういえば時々上大岡駅付近を走っていたんだよなあ。何だろう?
 本当にパッと見た目は普通のエルガ・ノンステップそのもので、公式側から見たら、「ハイブリッド」と書いてくれなかったら解らないと思う。
(多分事業者サイドで書いてくれるでしょう)
 JBUSはこれで日野ブルーリボンシティ(シリーズ式)といすゞエルガ(パラレル式)の競作になるが、どのように共存していくのだろうか。
 価格が短尺のQQG-LV234L3が約3,045万円、同尺のディーゼルエンジン車(QPG-LV234L3)が約2,486万円だそうだから、補助も受けた上で少し余分に出せば手が届くという値段ではあります。
 ただ、「ライバル」のBRCハイブリッド(LJG-HU8JMGP)が約2,950万円だし、バッテリー等を車内を置いた事で座席定員が減少している所はどう評価されるのか。
 いずれにしろ、市販第一号がどこになるのかは注目されます。

 この他、三菱ふそうエアロエースや日野ブルーリボンⅡにセレガハイブリッド、日産シビリアンの改良と合わせて、「新エコカー減税実施」以降の形式変更の一覧があります。
 どうも外観は全く変わらないまま形式(規制記号)だけ変更になるモデルが大半のようで、これは判別がものすごくしんどくなるな…。
(エアロスターはアドブルー供給孔の位置がまた変わってくるのだけれど)

★OPEN OR CLOSED
「OPEN」とは日の丸自動車興業の「スカイホップバス」。
 在来より運行されていた、屋根がオープンになった「スカイバス」に加え、天井はガラス張りの全天候型が加わり、新たに3つの周遊・巡回コースで定期バス的な運行を開始したというもの。
 車両やコースもさる事ながら、フリータイプの乗車券が「日」ではなく「時間」を単位にしていると言うのが日本では目新しく、今後は他社の一般路線バスの「一日乗車券」等も時間制に移行できればと思います。
(最近のICカード付加タイプなら難しくないのでは?)
「CLOSE」はウィラー・トラベルのアトラクションバス「スターファイター」。
「バスは外が見られてナンボ」という考え方の持ち主には少々ついていけない部分も感じましたが、最近のゲーム世代にはウケるのでしょう。

★バス事業者訪問 158

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 今回は1社だけで、新潟交通とその関連会社。
 17年前の27号でも取り上げられています(表紙は「なまず」が2台並んでいた)。
 新潟交通は1999(H11)年まで電車を運行していたのですが、17年前も今号でも、電車については全然触れられていなかったですね…。
 電車代替バスの現状はどうだとか、あるいは連接車を使用したBRTの構想があるそうだけれど、鉄道営業の経験が生かされるのかどうか、そのあたりの話も聞きたかったと思います。
 また関連して新潟市内路線の現状は記されていますが、政令指定都市移行後、各区毎に運行形態や需要に変化は見られたのか、その辺も聞きたかったです。
 路線網を17年前と比較すると、思ったよりは路線が維持されているなとは感じたものの、それでも加茂や三川などなくなってしまった営業所もあるし、弥彦は他のエリアから孤立してしまい、北部も中条と村上の間で分断されてしまっています。
 話を聞いていると大分きつそうですね…。
 24号でもそうだったが、佐渡地域にある程度スペースが割かれ、定期観光バスのルポもあります。
 知名度の高い島、という事もあるでしょうが、バスラマ誌では意外に島のバスを取り上げる機会が少ないように思われるので、他事業者でももう少し増やしても良いのではないでしょうか。
 島のバスでも求められるものは本土と変わらないのだし、佐渡でもそうだけれど、島特有の苦しさがあるので。
 車両面では、かつて地方にあった東急などからの中古車両は、もうなくなったのでしょうか。
「標本になった『なまず』」は傑作だけれど、それ以前のモノコックの北村ボディ、どこかで残っていないかなあ。
 なお高速バス新宿線の夜行便が、10月1日より新宿駅西口発着に延伸すると、昨日リリースがありました。
 
★新たなステージに立つ 三菱ふそうのバス事業
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 わずか2ページですが、バスラマ誌でメーカーサイドの代表の談話が掲載されるのは、随分久しぶりではないですか?
 三菱ふそうは日本のバスのメーカーではトップ級だったはずなのですが、10年位前の不祥事(直接バスではないが)とか、UDトラックスとの提携がご破算になったりと、最近はちょっと元気がないかもと思っていたので、新体制で巻き返しが期待される所です。
 ただ、今後に関してはいくつかクエスチョンもあって、
1.再度海外に打って出るのもいいが、その前に肝心の日本国内の市場はどう防衛するのか。エアロエースはヒュンダイ・ユニヴァースとの競争が激しいし、路線車は先述の不祥事の影響か、特に公営バスでかなりシェアを落としているので、なんとか立て直さないといけない。
2.現在中断しているハイブリッド車の再度の開発は考えているのか?EVやCNG等、他の低公害車の開発もありうるのか?
3.ノンステップ車の改良はどう進める?ダイムラー・ベンツ(シターロとか)の技術の導入もありなのか?
このあたりは突っ込んで聞きたかった所でもあります。
 とりあえずは新規のラインナップに期待しましょうか。

★特集 改めてバスの安全を問うV
 連載の4回目だが、この間にまた東北道でツアーバスの事故が起きてしまいました。
 今回は幸い犠牲者を出す所までは行かなかったけれど、在来事業者のショックは深刻なようで、自社の高速バスの安全対策についてWebサイトのページを割く事業者がかなり増えました。
 読者の投稿では行政の監視の問題を指摘するものが少なくないけれど、前にも書いた通り監視のための人員が決定的に少ないし、平時だと「行政は口を出すな」という雰囲気が世論の間にあるのも事実で、この辺の意識は一般の世論も変えなければならないと思う。
 また「ツアーバスの発展は、必ずしも地域の発展にはつながっていない」という意見は、長期に渡ってでも一度検証してみる必要はあるかも知れません。
(LCCでもこの手のセリフはよく口にするけれど)

★各地の新車から
 今号は高速・貸切車が中心になりましたか。
 富士急は先日河口湖に行ってきたのだけれど(それについては来週書きます)、このCNGノンステップ車はちょっと見かけなかった。

 西武バスのハイグレード貸切の新車が「レグルス」(獅子座)とは、やはり西武(ライオンズ)だなあ。

 中国の寝台バスの写真が並んでいますけれど、中国でも先日陝西省で寝台バスがタンクローリーに追突、火災を誘発して33人も犠牲になったそうで、どうやら全土で寝台バスの運行が禁止になる方向のようです。
「寝台」だから犠牲者が増えたのかどうかは解りませんが、原因は不明だけれど、どうも最近、この手の事故は洋の東西を問わなくなってきているようです。 

 次号のバス事業者訪問は岩手県北バスだそうで、津波被害の影響の実際の話を聞く事が出来るでしょう。
 それと、気仙沼線の鉄道不通区間が一部BRT方式によるバス運行で再開されていて、速報もありましたが、より具体的な運行の実際も知りたいと思います。
 
 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 さて明日はその本体の更新のためお休み、土日と合わせて3連休とさせて頂きます。
 本体の更新では五月雨式に、関東地方を中心とした事業者数社の画像を追加します。
 それと日・月の2日間で北海道に行ってきます。
 目的はズバリ、「千歳でLCCを撮る」事なのですが、とにかく晴れて欲しいです。

《今日のニュースから》
サッカー U-23代表 関塚監督退任

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