№784 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 5.東急東横線渋谷駅(後)

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 前回は1990年代までの東横線渋谷駅の時刻表から、東横線のダイヤを簡単に振り返ってみました。
 多少の変化はありながら、基本的には急行1:各駅停車2のパターンを踏襲してきた東横線でしたが、21世紀に入ると大きな変化が訪れる事になります。

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2001(H13)年3月28日改正

 東急史上初の特急が設定された、歴史的といえる改正になりました。
 急行1:各駅停車2のパターンを残しながらさらに増発する形になっています。
 当時は渋谷の次はもう自由が丘、以降武蔵小杉・菊名・横浜と停車し、日中は横浜まで28分、桜木町まで31分と、急行より4分の短縮になっています。
 特急急行とも基本的に、自由が丘と菊名で各駅停車を追い抜くダイヤとなっています。

 随分大盤振る舞いな改正でもありますが、このダイヤが実現した理由として、

1.もともと急行の停車駅が多いと言う指摘があり、加えて前年には多摩川にも停車するようになった。中間21駅の内、半分近くの10駅が急行停車駅。本数も比較的少ない。
2.一方、年末にはJRの湘南新宿ラインの運行開始が視野に入っていて、先手を打つ必要があった。渋谷~横浜の所要時間短縮は必須。

この2点が挙げられます。

 一方、トータルとして結構な増発にもなりますが、これが可能になったのは、

1.目黒線への転移が進んで、朝ラッシュ時は多少本数が減少している。また日中の日比谷線直通は30分間隔に削減され、特急を増発しても列車走行キロの大幅な増加は抑えられる。
2.目黒線・東急多摩川線・池上線でワンマン化が実施されていて、要員を東横線に振り向ける事ができた。

この2点が考えられますが、どうでしょうか。
 なお、平日の朝ラッシュ時には設定がありません。
 日比谷線直通については、この改正の頃から、東横線内部における地位の低下が始まったように思われます。
 この他急行の運転時間帯が拡大し、平日は午前0時を過ぎて出発する列車が設定されました。
 この改正より、土曜日は休日ダイヤと統合。

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2003(H15)年3月19日改正
 通勤特急が設定になり、上りのみ平日の朝ラッシュ時に運行された(一部特急も運行)上、下りの夕方ラッシュ時に特急から建て替えられました。
 日吉で各駅停車(主に日比谷線直通)と接続を取ります。
 この時点ではまだ朝夕それぞれ片方向のみですが、この後改正毎にジワジワと運転時間帯を拡大していきます。
 また特急も中目黒に停車となりました。

 2004年2月1日、横浜~元町・中華街の「みなとみらい線」(横浜高速鉄道運営)が開業、東横線は横浜経由でみなとみらい線との相互直通運転を開始しました。
 横浜~桜木町は2日前の1月30日をもって廃止となり、72年の歴史に幕を閉じました。
 発展的解消とはいえ、大手私鉄の本線クラスが一部でも廃止になるとは異例でした。
 翌31日は横浜・反町両駅が地下線に移転し、横浜折返しの形態で運行されて(実際は訓練でみなとみらい線へ直通)相直開始に備えました。

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2004(H16)年2月1日改正
 横浜発着のほぼ全列車がみなとみらい線に直通する形態で、この改正ではパターン自体は変化がありませんでした。 

 2006(H18)年3月18日改正では、初めて平日の下り朝方にも3本の通勤特急が設定されました。
 上りは夕方の特急通勤特急に立て替えられています。

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2006(H18)年9月25日改正
 続いて半年後に行われた改正では、特急の所要時間が渋谷~横浜が最短で27→24分に短縮されました。
 また通勤特急の運転時間帯が拡大されています。
 それと、元住吉駅の高架化により検車区への出入庫ルートが変更になったため、元住吉終着の列車は、最終を除いて武蔵小杉終着に短縮されています。
 この他オフピーク時や夜間に増発や運転区間の延伸も行われています。

 2007(H19)年6月23日改正では、日吉駅の目黒線延伸のため再び退避・折返しが出来なくなり、退避は元住吉に変更、日比谷線直通は日中も再び菊名まで運行される事になりました。
 目黒線は翌2008(H20)年6月22日に日吉まで延伸、同時に東横線も改正を行いました。
 上下とも、平日朝方及び夜間の特急通勤特急に統一されています。

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2009(H21)年6月6日改正
 現行のダイヤです。
 前年の改正ダイヤをベースに、土休日の夜間に増発を行っています。
 また平日朝ラッシュ時の日比谷線直通1本を渋谷発着に変更しています。
 このダイヤが、来年の副都心線との相互直通運転まで使われる事になるはずです。

 最後にここで、昨年に東日本大震災直後の節電ダイヤを御覧頂きます。
 発生直後、首都圏では深刻な電力不足に陥り、東急も例外なく巻き添えになりました。
 東横線では特急急行系が全て取り止めになり、各駅停車のみの運行となりました。
 日比谷線直通運転も取り止め。

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2011(H23)年4月2日実施臨時ダイヤ
 これは4月2日より24日まで使用されたダイヤです。
 特急通勤特急急行の運行が再開されました。
 ただし特急は30分間隔に間引き。
 一方日比谷線直通運転が引き続き取り止めのため、代替で平日の朝夕ラッシュ時には渋谷~菊名の区間運転が設定されました。
 朝方では一部、日比谷線直通運用を失った1000系が運用されています。
 4月24日以降、段階的にダイヤの復元が行われる一方、夏期は4時台より運行を開始、早朝に増発するなど、時差通勤に対応した臨時ダイヤが策定されてきました。
 現行ダイヤに戻ったのは、9月23日でした。

 この四半世紀の間の、ポイントと思われるダイヤ改正時の渋谷駅の時刻表から、東横線のダイヤを簡単に振り返って見ました。
 こうして見ると、特急運転開始の2001(H13)年3月28日改正が最も大きな転機となりましたが、その前後では、案外長らく同じようなパターンが続いてきた事が解ります。
 来年3月16日以降ですが、プレスリリースを読む限りでは、ここでもほぼ現行のダイヤパターンを維持しつつ、副都心線、さらには西武線・東武東上線へ直通する形態となると思われます。
 東横線自体には今後大きな伸び代があるとはあまり考えられず(せいぜい横浜駅西口再開発位か)、在来のみなとみらい線に加えて、副都心線・西武・東武と協力して、沿線外からの旅客の誘致が図られる事が期待されます。
 どのようなダイヤになるか、今から期待をもって見守りたいと思います。

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