№783 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 5.東急東横線渋谷駅(前)

画像

 いよいよ東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通開始が来年(2013(H25)年)3月16日と決まりました。
 関係各線では本格的な訓練運転も行われており、一方で相互直通開始後を見据えた行楽・観光のポスターやチラシも各駅で見られ、まだ半年以上も先ですが、徐々にムードが高まってきているようです。
 一方、現在の東横線渋谷駅は今年で開業85周年を迎え、28日には記念のイベントも行われるという事ですが、相互直通が始まれば東横線の駅も地下に移転して副都心線の駅と統合、地上駅は姿を消す事になります。
 今回は東横線のターミナルであり、間もなく大きな転機を迎えるその渋谷駅の時刻表から、四半世紀の東横線のダイヤを振り返ってみようと思います。

画像

1986(S60)年4月1日現在
 手持ちの時刻表で一番古いのは、1986(S60)年4月1日現在のものです。
 当時の土曜日は平日ダイヤでした。
 基本的に日中は、急行1:各駅停車2の割合で、各駅停車は2本に1本が日吉で急行の待ち合わせを行うというパターンでした。
 この他、中目黒から営団日比谷線直通列車が15分間隔で日吉まで乗り入れていました。
 まだ7000系と営団3000系、という時代。
 それと、休日の日中には、渋谷~日吉の区間運転が設定されていました。
 買物・行楽客に対応したものかと思いますが、間隔が不規則で、ちょっと設定の意図が見えにくい気もします。
 今の目で見ると、平日夕方ラッシュ時の急行がかなり少ないです。
 このパターンがこの後も若干の修正を加えつつも、基本的には21世紀になるまで踏襲される事になります。

画像

1989(H元)年8月20日改正
 土曜日が独立したダイヤになりました。
 日吉駅ホームの地下化工事のため、各駅停車急行退避が、日吉待ち合わせ→元住吉通過待ちに変更になりました。
 また平日夜間の急行の運転間隔が短縮された他、一部列車は運行区間を延伸しています。
 一方で休日の日吉折返し区間運転が取り止めになりました。
 この他日比谷線直通運転は菊名まで延伸しています。
 折返し線が使用できなくなったためで、あくまで暫定的な扱いだったのですが。

 日吉駅の地下化は1992(H4)年に完成、9月11日のダイヤ改正で各駅停車急行退避駅は元住吉→日吉に戻りました。
 日比谷線直通は朝晩は菊名折返しで残り、日中のみ日吉折返しに戻りました。

 1997(H9)年7月27日改正では、菊名までATCが導入された事で、最高速度の110㎞/h引き上げを実施、急行の渋谷~桜木町は最速34分→31分に短縮されています。
 また平日夜間は約12分間隔に増発されました。

 1999(H11)年12月3日改正では急行の運転時間帯拡大が行われ、平日は23時30分まで桜木町行急行が運行され、休日は7時00分発から急行が出発するようになりました。

 この頃、東横線の混雑緩和のため、目蒲線の内、目黒~田園調布間を全面的に改良、田園調布からは東横線に貼り付ける形で武蔵小杉方面へ延伸、さらに目黒から建設中の営団地下鉄南北線・都営地下鉄三田線との相互直通を行わせる事で新しい通勤ルートを提供する工事が進行していました。

画像

2000(H12)年9月22日改正
 目蒲線は多摩川で分断、目黒側は「目黒線」と改称の上南北線・三田線との相互直通運転を開始、田園調布からは東横線と併走して武蔵小杉まで運行される新しい形態になりました。
 一方蒲田側は「東急多摩川線」と改称、多摩川~蒲田の折返し運転に変更しました。
(車両は池上線と共通化)
 この多摩川線との接続を確保するため、多摩川が急行停車駅となりました。
 ダイヤそのものは、前年改正ダイヤとほとんど変わっていません。

 こうして小変化を繰り返しながらも、20世紀の終わりに至るまでの東横線のダイヤ形態自体はまったく変わってこなかったと言えます。
 しかし21世紀にはいると、東急内部の変化に加え、JRの「湘南新宿ライン」の運行開始が視野に入るようになり、これを見据えて東横線のダイヤに一大変化が訪れる事になります。
 それについては次回です。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 B787×35機はキャンセル、だって…。
 巨大航空会社の経営が苦しいのは、どの国も変わらないようです。
《今日のニュースから》
カンタス航空 民営化後初の赤字決算

この記事へのトラックバック