№733 2年ぶり 秋田を訪ねて 1.寝台特急あけぼの

 今日から4回に渡り、5月21・22日の両日に渡った秋田旅行について書きます。
 由利高原鉄道の訪問がメインでしたが、その他秋田のバスもかなり撮ってきました。
 今回は多少遠くでありながら、行き・帰りとも珍しく(?いけないなあ、こんな事では)鉄道利用となり、特に行きはなんと22年ぶりの寝台特急、それも寝台利用になりました。

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 今回、羽後本荘への足は寝台特急〈あけぼの〉。
 羽後本荘へは夜行高速バス〈ドリーム鳥海〉がありますが、今回は最初から〈あけぼの〉利用と決めていました。
 今春には〈日本海〉が廃止になるなど夜行列車は退潮に歯止めがかからず、そのあり方も喧々諤々議論が続いていますが、でも実際に利用してみないとやっぱり良いも悪いも、あれこれ語る事は出来ませんよね。
 まず現状を知るためにも、とにかく利用する必要があるだろうと言う事で〈あけぼの〉だ、という事になりました。
 乗車当日にみどりの窓口に並んだのですが、第1希望の「ゴロンとシート」は満席、第2希望のB寝台「ソロ」に空きがありました。
 日本の寝台特急の寝台の利用は、1990(H2)年11月の〈北斗星〉でやはりB寝台「ソロ」を利用して以来で、なんと22年ぶりの事になります。
(〈なは〉〈あかつき〉の「レガートシート」はありましたけれど)

 5月20日(日)

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 上野発車は地上ホームの13番線。
 ホームに着くと、ややして推進運転で回送が入ってきました。
 カメラ、というかケータイで撮る人が多い。
 遠い昔の「ブルトレ・ブーム」の頃はどうだったのだろう?
 私は加わる事はなかったのだけれど、上野駅も東京駅も、寝台特急が行き交う度にものすごいファンの人々がホームを埋め尽くした、そんな事があったという記憶があります。
 それにしても13番線は〈カシオペア〉〈北斗星〉も出発するのだけれど、思ったより殺風景かなとも思えた。
 待っていたお客さんは、東北在住の、比較的高齢の方々が多い気がしました。

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 長岡まではEF64 1052が牽引します。
 あくまで個人的な感想ですが、EF64の〈あけぼの〉は今ひとつピンとこない。
「〈あけぼの〉=奥羽本線」というイメージがあるからでしょうか。
 これが〈鳥海〉〈出羽〉だったら何とも思わないのだろうけれど。

 備忘的に編成を記しておきます。

  カニ24 112
8.オハネフ25 117 (ゴロンとシート)
7.スロネ24 552 (シングルDX)
6.オハネ24 551 (ソロ)
5.オハネ24 553 (ソロ)
4.オハネフ25 121
3.オハネ25 152
2.オハネ25 220
1.オハネフ25 202 (レディースゴロンと)

と言う事で、5号車の22号室、進行方向右側の上段の1室に収まったのでした。

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 はっきり言って狭い。
 まあB寝台の1人個室となればそうなるだろうが、特に大きなバッグがあると、置き場所に困る事になる。
 また正直インテリアは改造前の開放型B寝台時代をそのまま引きずっている感があり、デザイナーなどの手が入った最近の各種の列車やバスに比べると、安っぽくて現代のニーズにはマッチしていないと思う。
 
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 秋田運輸区手製の、寝台メイクの手順。

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 出発の直前。
 多いのか少ないのかは解らないけれど、ともあれ見送りの人々、そして列車そのものの撮影を目当てとする人々に見送られ、定刻に上野を出発しました。

 お馴染みのオルゴールが鳴り、車内アナウンス。
 しかしお休み前の放送はこれ1回きりですか。
 まだ21時を回ったばかりだし、大宮も22時前だから、大宮発車後に詳細な放送を入れてお休み、でもいいのではないか。
 朝は秋田到着前から。
 従って羽後本荘下車では、アナウンスを聞くのはこの1回きり。

 何のかんの言っても、周りの喧騒から隔絶され、一人で静かに過ごせるスペースがあると言うのは、ありがたい事ではありました。
 就寝前だったけれど、明かりを消して外を眺めます。
 京浜東北線のE233系を追い抜いたり、高崎線の211系とすれ違ったり。

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 ソロの車内。
 両側が個室寝台だから通路だけとなり、列車の車内としては異様かも。

 もう少し起きていたいかなとも思ったが、寝不足気味だったし、明日の朝も早いし、高崎の直前で就寝体制に入る事になりました。
 完全に足を延ばして、横になって眠れるのは、やっぱりバスにはないアドバンテージだなあ。

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 一応ケータイのアラームを5時30分に設定していたのだけれど、5時には目が覚めました。
 酒田に到着する所で、ほぼ定刻。

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 おお、ちょうど夜明けだ。
 鳥海山のシルエットも美しい。
 これを見て気付いた。これこそ、バスにはない、鉄道の夜行の醍醐味だと。
 路線や時間帯にもよるだろうけれど、遮るものが何もなく、存分に朝の田園地帯、そしてダイナミックな山の風景を楽しむ事が出来るのが、鉄道の夜行ならではなのでしょう。

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 秋田県に入り、鳥海山がさらに迫ってきました。
 東北の山はどこも好きだけれど、ひょっとしたら鳥海山はその中でも一番かも知れない。

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 羽後本荘も定時に到着。
 ELは長岡から、EF81 138に交代。
 割と降りるお客さんも多かったようです。
 特にアナウンスもなく、静かに青森に向けて出発していきました。

 短時間でしたが、久しぶりに寝台特急に乗って、良い所も、ここはちょっと…と思う所も多々見えました。
 それも踏まえて、寝台特急の未来について、この旅行の連載の後ちょっと考えてみたいと思います。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 JR磐越東線で走行中にドアが開くとか、スカイマークに対する東京都の抗議文とか、今日もいくつかあるのですが、その中で少々古い話になってしまいましたが、アメリカでも「格安高速バス」が問題になっているという事。
 アメリカでも格安運賃の高速バスが人気になっているそうですが、一方でこの1年余りの間、この手のバスの事故で、全米で合計20人余りの犠牲者が出ているのだそうです。
 格安高速バスは事故発生率が在来のバスと比べて7割も高いそうで、アメリカ運輸省が抜き打ちで過去最大の安全検査をやって、26の事業者が業務停止、ドライバー116人が停職処分となった、と伝えられています。
 なんでも運賃1$のバスもあったそうで、これじゃ市内バス以下。
 不況を背景にした人気とされていますが、グレイハウンドを筆頭にした在来の長距離バスだって、他交通機関と比較して相当割安というイメージを抱いていたので、それさえ高く思えるほど不況は深刻なのでしょうか。
 結局どの国でも同じだけれど、経済が落ち込むと人々のモラルも比例して低下してしまうのかなあ、と思ってしまいます。
 こうなるとヨーロッパも心配だなあ。

 母校という訳ではなさそうですが、モンゴルからの留学生を数多く受け入れているそうです。
《今日のニュースから》
 夏場所優勝 旭天鵬関 山梨県甲斐市の高校で優勝報告

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