「バスマガジン」53号が先月末発売されましたので、少々遅くなりましたがここで取り上げます。
表紙は鹿児島交通バスで、首都圏から移籍した日野の3ドア車。
◆ 鉄道廃止からバス路線開設の瞬間を見た
3月一杯で廃線になった、長野電鉄屋代線と十和田観光電鉄の廃止代替バスのリポート。
どちらの路線も通学対策が課題だったみたいで、通学対策の直行便が設定されています。
特に長野は高速道路(上信越自動車道)経由便があるという事で、ローカル鉄道代替バスとしては異例でしょう。
ノンステップの新車も入っていて、気合は感じられます。
一方十鉄は中古車のみでまかなわれているようです。
「大阪・兵庫で運行している事業者」からの「652号車」は多分阪急バス、クーラーユニットの色が阪急バス色のままのように見えているので、ひょっとして旧塗装はラッピング?
どうしてこの路線は系統番号が入っているのだろう。
それと前も書きましたが、一部でも三沢空港への延伸も期待したい所。
鉄道代替バスも最近は簡単ではなく、代替後わずか数年で廃止されてしまった名鉄谷汲線→名阪近鉄バスの例もあります。
長野も十鉄も、末永い運行が望まれます。
◆ 全国で活躍する 日野ポンチョ
最近急速に導入が伸びている日野ポンチョを、一般路線バス、送迎バス、観光周遊バス、コミュニティバスからいくつか例を挙げて詳しく取り上げている他、読者から投稿された写真を掲載。
以前はコミュニティ系に特化して使用される傾向があったが、最近は一般路線バスでも積極的に導入が進められているようで、全国的に一般路線カラーのポンチョも増えつつあります。
宮崎交通はその典型という事なのでしょう。
(元々現モデルのポンチョはある程度長距離の運行も想定されていた。それにしても「新燃岳噴火」「鳥インフルエンザ」「口蹄液」って覚えています?)
ただその際欠点を一つ挙げると、同じ小型でもリエッセに比べると収容力がさらに若干落ちる事。
(前輪部がデッドスペースになるため)
このため経年化したリエッセの代替としてポンチョを導入しているが、一部の系統ではまだ見送っている横浜市営の例もあります。
コミュニティでない一般路線への運用だと、このあたりが課題になるでしょうか。
最長路線はどこになるだろう?多分日本中央バスの新町駅~上野村路線だと思うが。
ポンチョそのものから外れるけれど、もうちょっとデザイナーの多様化って、できないのかなあ。
上の「玄関口」バスもそうだけれど、どこもかしこも同じデザイナーだと逆に食傷気味になってしまうので、特にコミュニティは地元のデザイナーを発掘して欲しい。
◆ 東日本大震災の被災地で活躍するバスを追う 第1回
短期集中連載で、第1回は岩手県大槌町のボランティアツアー、貸切バス事業者、町民バス。
菜の花畑だけを見ていると、津波の被害なんてもう信じられないけれど。
町民バスは全区間無料という事で、バス会社はもちろん、自治体も財政面で大変だろうけれど、なんとかがんばってほしいとしか言えないです。
◆ 吹屋ふるさと村 巡回ボンネットバス
今号で一番印象的だったのがこれ。
ボンネットバスが吹屋の古い町並みを上ってくる姿は、昔は日本の田舎のどこでも見られたのだろうけれど、残念ながら土休日のみ運行ということなので、個人的には今の所は見に行けないなあ(土日は仕事なので)。
ただ一般の備北バス路線があるので、町を訪れるのは可能だけれど。
◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.53 いわさきグループバス事業
鹿児島のいわさきグループをまとめて取り上げています。
特に21世紀に入って林田バスをグループ入りさせたり、逆に清算した分社もあったりで変遷がめまぐるしく、個人的に少々ややこしく感じていた所もありましたが、冒頭の路線図を見ると、現在は一応「鹿児島交通」「いわさきバスネットワーク」「三州自動車」「種子島・屋久島交通」でエリア毎の分担は出来ている様子。
ネットワークも北部を除いてほぼ全県に広がっています。
「いわさき」と言うのは、バスファンにはヒュンダイ・ユニバースの代理店になった事で全国区になった印象があるけれど、10年前のサッカーW杯ではグループの施設がフランス代表の合宿地になったりした位で、地元では相当な大企業グループのようです。
「民営・鹿児島交通~」の車体のメッセージは余計な事だと思う。
以前川内から鹿児島へ行く一般路線の車内にもそんなメッセージがあったけれど、気概を持つ事自体はいいとしても、人前におおっぴらに見せるメッセージではないでしょう。
そんなに公営(鹿児島市営)とは仲が悪いの?
少なくとも市内路線やローカル線では、事業者の垣根を露わにしている場合ではないはずだけれど。
(鹿児島からは少々脱線するが、堂々とこのような主張を掲げる民営バス事業者がいると言う事は、「絶対黒字でなければならない訳ではない」とするLRTの推進にとっては障害では?)
いわさきのバスに敢えて苦言を呈するとしたら、一般路線の中・大型車の自社導入は2000(H12)年が最後(KK-LR233J1改)で、市営はもちろん、同じ民営でも南国交通等と比較して格差が大きくなっている事(中型以上ではノンステップ車がない)、いわさきグループの公式Webサイトの更新がおろそかで、バスの情報が全く得られない事、この2点は指摘させて頂きたいと思います。
その車両は(一般路線は)4メーカー仲良く、と言う所ですが、一般道を走る長距離便(鹿児島~加世田間など)で運用されていた、貸切格下げのトップドアはもうないみたい。
種子島の「鹿児島22き935」は、車体は富士重7Eのはずだけれど、ヘッドライトやその周りが独特。
マキシオンっぽいのだけれど、どうしてだろう?
ところで、車両解説のキャプションで「東京、埼玉の路線を持つ電鉄系事業者」とか、「神奈川県内の公営事業者」とか、言い回しがまだるっこしいのだけれど、読者に推理させようと言う意図?
(元JR九州バスのみ、路線ごとだからか素性を明らかにしている)
あと鉄道線の写真があったらよかった。
◆ バス営業所ってどんなとこ?
「バスマガ調査隊が行く!!」シリーズの第1弾だそうで、軽いノリだけれど、女性レポーターが営業所をレポートするもので、4月16日に営業を開始した、京浜急行バスの新子安営業所(記号は「J」)のレポートです。
営業所そのもののルポなので開設の経緯などは記されていなかったが、都内の羽田や京浜島、大森の各営業所ではオーバーワーク気味な事(特に羽田〔営〕は狭かったし)、神奈川県発着のリムジン路線が増えた事もあるでしょう。
(でも都内オンリーの渋谷線も受け持ちなんだ。一般路線はなし)
横羽線の子安ランプがすぐそばだし、数年後には№707で書いたように横浜環状北線が開通するので、立地条件として好適だったのでしょう。
新しいと言う事もあるけれど、大手らしくさすがに設備もチェック体制もきちんとしていて、関越の事故を見た後だけに、ブラックな事業者などとは全然違うと痛感しました。
(ちなみに取材日は事故の4日前)
◆ 路線バス全方位レポートvol.53 鳥取県
なんとたったの2ページで、恐らくこれまでの連載では最小。
県全体の人口が少ないし(鹿児島市より若干少ない)、事実上日本交通と日ノ丸自動車の2社のみだけで、他県からの一般路線の入り込みもないからでしょうか。
代替の新規参入もないようだし、恐らく一番一般路線の事業者が少ない都道府県でしょう。
昔は米子~鳥取間の急行バスもあったはずだが、この区間は高速道路もないし、横のつながりがないなあ。
なお日ノ丸自動車のWebサイトに寄れば、米子は支店で、松江が営業所との事。
今号はこの他、東武の「スカイツリーシャトル」専用車が公表されました。
ヘッドライトのキャプションは「エルガ」の誤植?と思ってしまいましたが、先日トラックの「エルフ」を見て納得。
天窓は扁平ではなく、後方に緩く下がっていっているのですね。
最新ニュースでちょっとショックだったのは、国際興業が飯能地域からの撤退を表明していると言う事。
一応2014年(H26)3月までは国際興業による運行が確定されているという事だからあと2年弱の猶予はあるが、範囲が広いし、引受け手も簡単には見つからないかも。
常識的には西武バスで、西武鉄道と連携しての観光・行楽輸送に活路を見出すという所になるのかもしれない。
ただ西武バス自体も隣の日高市から撤退して日が浅く、ローカル地域丸々全部というのは難しいかも。
後は…イーグルバスあたり?
次号は「日野」と「関東の富士重ボディ」。
また、スカイツリーがいよいよオープンしたので、関連のバス路線が再度取り上げられるかも知れません。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
今日は夕方関東地方で地震があって、新幹線も空港も原発も慌しかったようです。
関東地方では数日前にも夜中に起きているから不気味…。
「標高」6.1m、だから今日。
大阪市の「天保山」が4.53mともっと低いのですが、自然に出来た山としてはここだという事です。
《今日のニュースから》
「日本一低い山」 徳島市・弁天山で「山開き」
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