№695 バスグラフィックvol.14(ネコ・パブリッシング)

「バスグラフィックvol.14」が発売になりました。

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《空港バスで行こう!》の特集に合わせ、今号も表紙はタレントの女の子と、リムジンバスの燃料電池バスという組み合わせ。
 冒頭のトピックスは三菱ふそうの新エアロミディ・ノンステップと東京ゲートブリッジ開通式、「はむらん」のポンチョEV。
 ゲートブリッジを走る燃料電池バスは、その空港リムジンと同型に見えるけれど、2台いるのですか?
 ポンチョEVは「はむらん」が日本初になったようです。

《羽田空港ワンデートリップ》は、表紙のの女の子が燃料電池バスで羽田空港に向かい、一日遊んだ後横浜行の京急バスで帰るというもの。
 そういえば第1ターミナル「ビッグバード」がオープンしたのは1993(H5)年、オープンの日に行った事があって、「ああこのターミナルだけで一日存分に遊べるなあ」とか思ったものです。
 今だったら第2ターミナルや国際線もあるし、バスや旅客機が好きな人はもちろん、そうでない人も結構楽しめるスポットだと思います。

 棚町宣弘氏の絵画は今号も京急バスで、〔園11〕系統は、京急バスの一般路線バスではほとんど例がない(と思う)、東海道線より延々と西側を走り、東横線の田園調布に至る系統でした。
 確か池上駅で京急のバス停標識を見た記憶もあります。
 ただ行先の表記を「国際線ビル」としたのは1993年9月の「ビッグバード」(国内線専用の新ターミナルで、今の第1ターミナル)オープン時からで、それまではただの「空港」表記だったはずです。
 この系統はビッグバードまでは延伸されませんでしたから、「国内線までは行かないよ」という意味での表記だったのではないでしょうか。
 系統開設当時に「空港アクセス」という概念があったとは思えず、どのような経緯があったのでしょうか。
 リムジン試験色の「ブル」にいすゞの小型車(本体に掲載しています)の絵も懐かしく、京急バスの空港アクセスの黎明期という印象がしました。

 なお「羽田・成田空港行きバスたち」の中の、京急バスH6550は、キャプションが完全にK5243とダブってしまっていました。
 一般路線車ベースでエアロバスのフェイスを採用したもので、羽田空港~大船・藤沢線で高さ制限3.1mの横須賀線のガードをくぐるため(№690でもご覧頂いたばかりです)このような仕様になったと思われます。
 撮影場所は、後方に湘南モノレールの駅と「鎌倉カラー」車が見えるので、大船駅のはずです。
 江ノ電バスにも同仕様の車両がありました。

 今回一番興味深かったのが「JALスカイシャトル」。
 当然他のバス趣味誌でやってくれるだろうと思っていたのにやってくれていないので。
 元の事業者名はぼかされているけれど、京王バスですよね、多分。
 ANAはやらないのかな?
 第2ターミナルは第1以上に国際線ターミナルから遠い一方、羽田空港からの国際線便は現在、便数・提供座席数共にJALを上回っている状況なので、ANAにこそ必要な気もします。
 関東地方在住者だと、逆に乗れないバスという事になります。
(ちなみに羽田空港からのJAL国内線で、一番羽田に近いディスティネーションは山形)

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《徹底紹介!羽田空港・成田空港のランプバス》も、大小さまざまな車両が紹介されていて、特に羽田や成田だとものすごく幅が広い改造車両という印象がありますが、普通の路線バスっぽい車両も意外に多くあるようです。
「ユーロツアー」が転用されているとは知らなかった。あまりランプバスとしては適していない気もしますが。
 グラフィック誌だから突っ込んで書かれる事はないだろうけれど、ランプバスの運用の実際もルポとかであったら面白かったとおもいます。
 あと、どうして一般の緑ナンバーをつけた車両があるのだろう。
 空港敷地内にはスペースがなくて、空港の外の車庫まで帰るためとか?

 それと巻末の近くにリムジンバスのデータがあるけれど、初公開ではないですか?
「バスラマ・インターナショナル」「バスマガジン」では共にリムジンバス特集でも公開されなかったので。

《日本バスめぐり》の第2弾は川中島バスのモノコック編。
(東野交通のスケルトンをやるかと思いましたが、違いましたね)
 個人的には、モノコックにアルピコカラーは合わないと思いますが。
 特に旧塗装は、車体そのもののユニークさ、渋さもあって見ごたえがあるようです。
 モノコックの時代に低床車が入っていたのですか。
「KAWA BUS」カラーは経営破綻後に松本電鉄の支援を受けて再生を図る際に導入されたカラーで、赤系の松電の色違いですね。

 私はこの歳になり、田舎の風景に非常にあこがれるようになったので、《平成ボンネットバス物語》は、走行写真がわー、いいなあと思ってしまいます。
 ボンネットでなくていいけれど、こういう風景を走る路線バス、日本にあとどの位残っているのでしょうか。

《この春サヨナラ!?のバスたち》は、皆首都圏のメジャーな事業者の車両ばかりなのだけれど、東急や京急のワンロマもありますが、後は特に一般には何気ない、ごく普通の路線バスが選ばれています。
 そうか、この後のバスの廃車体の写真集(《小春日和にバスは眠る》)にも遠州鉄道バスの廃車体があるけれど、気がつけばキュービックも、特に東京都や神奈川県ではほとんど見なくなりました。
 関東バスのU-UA440HSNは、その後の規制強化(KC-)型式でさえ首都圏では見られなくなりつつある中で、良くぞここまで生きてこれたと思います。
 細かいんですが、神奈中の「や031」をはじめとする、中山〔営〕配置のキュービックは、横浜ナンバーをつけた初の神奈中キュービックでもありました。
(横浜・舞岡・戸塚〔営〕にはキュービックの配置はなかったので。相模ナンバー車の乗り入れはあったが)

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 横浜市営のKC-HU2MLCAについては、広島電鉄で数台運用を確認しています。
 このタイプのクーラーのユニットを載せたブルーリボンのワンステップ車は、横浜市営の他にはどの位いたでしょうか?
 だいたい1999年式でワンステップだと、ビルドインクーラーが普通だと思ったので。
 巻末の折込ポスターでも4面ショット(都バスのみ走行写真)が公開されています。

 歴史物の記事では《初代ブルーリボンの香り》で、特に信南交通のローカル線の運用が目を引きました。
 道路事情で営業所自体が封じ込め同然だったというのが興味深く、秘境の路線であり、裏を返せばそれだけバスの需要があって、ローカル路線も相当数維持されていた事の証だと思います。

《北海道青春バス紀行》は第6弾になり、札幌市営バス、じょうてつ、国鉄バスに貸切専用事業者数社。
 特に国鉄バスの「いすゞ」+「日野車体」は、上の川中島バスで出てきている「日野」+「川重車体」と正反対という事になり、昔のバスのシャーシ+車体の組み合わせのバラエティの豊かさを体現しているように思えて興味深い。
(皆今はJ-BUSなのだけれど)
 同様の車体を持った車両を本体でも公開していますが(民営化・塗装変更後)、521-1008あたりを眺めると、川重純正と共通のヘッドライトベゼルや2段サッシの影響もあってか、「シンプルで端正だなあ」と思います。
 西日本JRバスで最後の1台が消えてもう10年以上、廃車体すら残っていない(と思われる)のが残念です。
 札幌市営バスは、側面の区間表示を先に大型化していたのが興味深い。

 台湾のローカルバスの旅もいいですねぇ。
 アジアだと、インフォメーションの入手が(特にローカル線だと)大変なのだけれど、一度挑戦してみたいです。

 おそらく6月末発売になるだろうと思われる次号も、大いに期待します。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 今日・明日のプロ野球、楽天VS西武の2連戦は甲子園球場で行われています。
 楽天は昨年、東日本大震災でクリネックス・スタジアムがしばらく使えなくなったため、たまたま丸々日程が空いていた甲子園球場で代替して、対オリックス3連戦を主催しました。
 甲子園の使用はこの時限りなのかと思ったのですが、オーナーが兵庫県出身という事なので(だから№669で書いたように、明石トーカロ球場でオープン戦も主催しているらしい)、これを契機に今後、楽天の甲子園主催シリーズが定着するのかも知れません。 

《今日のニュースから》
発達障害者専門の特別支援学校 徳島県に開校

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