№641 特別展・横浜にチンチン電車が走った時代

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 かつては横浜市内にも路面電車が走っていました。
 最後まで走っていた横浜市電が廃止になったのは、1972年3月31日。
 今年はちょうど40年になります。
 これを記念し、横浜都市発展記念館で1月28日より特別展を行なっておりますので、先日行ってまいりました。
 非常に簡単ですが、レポートしてみたいと思います。

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 会場の横浜都市発展記念館。
 みなとみらい線日本大通り駅の3番出口(情交センター口)と直結。
 また、バス停「日本大通り駅県庁前」のバス停前。
(横浜駅からだと市営バス8・58系統)
 特別展は、この記念館の3Fで開催されています。

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 この特別展の入場券。
 300円で、このチケットで4Fの常設展・2Fの「横浜ユーラシア文化館」も入場可。

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 入ってすぐの所で、横浜市電に関する書籍類を販売。
 公式ガイドブックとも言える図録(1,500円)も販売しています。

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 1Fの一角の映像コーナーでは、市電に関するプログラム5種類を放映。
 カラー映像もあります。
 これは、「廃止される市電 長者町線(山元町線)」から。

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 もう一つ、これは市電を中心に横浜の交通のミニニュースを集めたもので、これは国鉄根岸線(1964(S39)年 桜木町~磯子開業)の着工を伝えるもの。
「大和町」は山手駅の事。

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 この近辺では、路面電車のパネル展を行なっています。
 横浜市電の現役時代の写真の他、日本各地の路面電車の写真の展示を行なっています。

 常設展は3Fで行なわれていますが、残念ながら撮影禁止。
 先の「図録」に、展示されていた資料の大方が掲載されていますから、そちらをご覧いただければと思います。
 市電のみならず、市バスや市営地下鉄についても少しあります。

 この展示を見て、思った事・気づいた事数点。


1.横浜市電の路線網は、全盛期(S30年代)でも東海道線の南側に集中し、北部はほとんど路線がなかった。
 大正時代は六角橋より北、保土ヶ谷より西はまだ横浜市ではなかった。
 市電路線網は、この当時の市域(この特別展では「大正市域」という言葉を使っている)に限定されている。
 また、この方面は丘陵地帯で発展が遅かったし、東横線や相鉄線、それらを補完する民営バス路線網の存在があるだろう。 

2.御多分に漏れず「道路渋滞で思うような運行ができなくなった」事が市電の衰退につながったというのは、横浜も同じ。
「渋滞でご迷惑をお掛けしている」という、1967(S42)年の車内ポスターも展示されていた。
 ただし横浜では加えて、国鉄根岸線の磯子延伸が大打撃となったように思う。
 バスでもそうだが、高速鉄道の新規開業は、地べたを走る交通には辛い。

3.戦意高揚のステッカーがいくつかあったけれど、「ぜいたくは敵だ」は有名として、

胸に愛国 手に国債

のスローガンがはっきり笑ってしまった。
 戦争の愚かさ、というのもあるし、昨今の「国債」を巡る国内外の騒動もあるので。

4.戦争前(S11年)の市営バスの路線図もあったが、「峰」(今の10系統の停留所・「路線バス 終点の情景」でも取り上げられた所)への路線が既に開業していた。
 そんなに歴史のある場所だったのか。
 他の市バスとの接続がない、今風に言えば「落下傘路線」。

5.根岸線の写真もあり、近代的な高架駅と73系の取り合わせはアンバランス。
 クハ55も写っていた。
 マリンタワー付近には、高層ビルが全くない。

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 2F「横浜ユーラシア文化館」では、関連して海外を中心としたLRTのパネル展示が行なわれていました。
 ポルト(ポルトガル)がなかったのが、ちょっと残念。

 なおこの日は、常設展では展示解説が行なわれていました。
 この先は2月12日、26日、3月25日(いずれも日曜日)が予定されています。

 私が生まれた時にはまだ市電が走っていましたが、残念ながら現役の市電は見た事も乗った事もありませんでした。
 つくづく残念です。
 遠い地方の乗り物を追うのももちろん楽しいのですが、たまには地元の乗り物の歴史に向き合うのもまた楽しいものではないのか、そんな事も少し感じた特別展でした。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

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《今日見た・聞いた・思った事》
 関東地方は、今日は風が強かった…。
 京葉線に遅れが出ていたようでした。
 また大雪も相変わらずで、<北斗星><あけぼの>が運休と表示されていました。
 今年の雪は凄まじいようで、JR西日本では木次線(出雲横田~備後落合)が1月4日以降不通が続いているのに加え、大糸線(南小谷~糸魚川)が雪崩の恐れのため、今日から21日まで全列車が運休すると発表がありました。
 各地では除雪作業中の事故も続いているようですし、秋田では温泉が雪崩に遭い、3人意識不明という情報もあります。
 繰り返しですが、皆様、充分お気をつけ下さい。
 
《今日のニュースから》
アメリカ大統領選挙 共和党フロリダ州予備選挙 ロムニー候補圧勝

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