№639 ベンツ特急と日本急行バス
いつ撮影したのか忘れてしまったのですが、これは神戸・ポートピアホテルで撮影した、日本急行バスの「ベンツ特急」(O303RHD)です。
日本急行バスは名神高速道路が開通した頃より名神高速バスを運行していた事業者で、名鉄が主導する合弁会社でした。
近鉄主導の合弁会社「日本高速バス」(現名阪近鉄バス)及び国鉄と共同運行を行なっていましたが、業績不振により、後に正式な名鉄グループとなります。
1987(S62)年の時点では名古屋(名鉄バスセンター)~京都間のみで超特急・特急・急行合わせて10往復でした。
1988(S63)年、名古屋~神戸間に「ベンツ特急」の運行を開始。
他社との共同運行ではなく、日本急行バスの単独運行でした。
1989(H元)年には7往復に増発されました。
これは、その時のチラシです。
「ベンツ」を全面に押し出して、なかなか意欲的です。
この後神戸線はポートピアホテルまで延伸。
また、大阪線にも投入されました。
大阪線もJR・日本高速とは別の単独運行で、大阪の発着地は中之島ロイヤルホテル(今京阪の中之島駅があるあたり)でした。
大阪線は、1995(H7)年には廃止になっていて短命に終わったようです。
(阪神・淡路大震災の影響もあったかも)
また具体的な日付は解りませんでしたが、神戸線でもその直後あたりに、ベンツ車の運行が終わったようでした。
日本急行バス自体、1999(H11)年には名鉄から夜行の佐世保・熊本線を引き継ぎましたが、2002(H14)年には名古屋観光バスと合併して「名古屋観光日急」になりました。
その後2008(H20)年には名鉄グループのバス事業再編の課程で「名鉄観光バス」となりましたが、結局2009年より高速バスは全て名鉄バスが引き継ぎ、今日に至ります。
多少データが少なく、今ひとつ解りづらくなってしまったかもしれません。
名鉄バスグループは特に21世紀に入ってから改編が著しく、それは高速バスでさえも例外ではありませんでした。
今の高速バスや会員制ツアーバスでは、韓国製のヒュンダイ・ユニヴァースの導入が活発です。
しかしその導入の目的は国産に比べて安くつくコストで、少なくともヒュンダイ製である事を売り物とはしていません。
むしろ京成バスや神奈中バス(町田でもまもなく運行開始)、岐阜バスの連接バスがベンツ製である事を大きく謳っていますが、それも機能面での話です。
それを考えると、1980年代後半、昼夜ひっくるめて全国各地に高速バス路線が新設が相次いだ「高速バスブーム」の中では、外国車は、それ自体が他と差別化するためのステイタス的な存在であった事が伺え、今とは事情が異なっていました。
今後、そのような車両が現れる機会は、あるでしょうか。
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《今日見た・聞いた・思った事》
昨日「関東地方はまだまだ乾燥する日々が続きそうだ」と書きましたが、一方新潟の十日町市では、除雪作業についての講習会が行われたというニュースがありました。
十日町といったら有名な豪雪地帯ですから、作業も馴れっこだろうと思っていたのですが、住民の高齢化が進んでいる事も理由にあるようです。
新潟も先の大震災の被災地ですし、中越沖・中越地震の傷も完全に癒えている訳ではないので大変だと思います。
日本海側はまた大雪になりそうです。
どうかお気をつけて。
地震といえば、関東地方は今日もたまに揺れたりして、ちょっと不気味…。
東北の被災者の方々に比べれば、どうという事はないのでしょうが。
富士急行線も昨日に続き、今日も一時運転を見合わせたそうです。
《今日のニュースから》
「神戸ビーフ」海外初輸出 マカオに向け初出荷の式典