№569 私鉄の車両シリーズ100 大阪高速鉄道1000形

「私鉄の車両シリーズ」はついに100回目になりました。
 いつも駄文に付き合っていただいてありがとうございます。
 100回目は大阪高速鉄道(大阪モノレール)1000形です。

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 大阪モノレールは1990年6月1日に千里中央~南茨木間が開業したのを皮切りに順次路線の延伸を繰り返し、2007年3月には支線の「彩都線」も含めた28.0㎞の路線が完成しました。
 ギネスブックより、「世界最長のモノレール」の認定を受けています。
 1000形はその開業当初より運行されている主力です。

 開業当初は0番台の4連×6編成が導入されました。
 将来の6連化を想定して番号が付与されています。
 車体は全アルミとして軽量化を図った上、車両不燃化基準に適合しています。
 無塗装ですが、大阪府のシンボルカラーであるウルトラマリンブルーの帯を巻いています。
 運転台はワンマン対応で右側に設けられ、コンソールはL形ワンハンドルを採用しています。
 制御方式は1C8M方式の界磁チョッパで、80kwの電動機を、ボルスタレス方式を採用した各台車に備えています。

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 車内は車輪による突起がない平床で、0番台については最初から全席ロングシートとなっています。
 当初は緑系でした。
 貫通路は扉のない広幅タイプ。

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 1994年9月30日の柴原~千里中央間の開業に合わせて1月に投入された増備車は30番台となり、仕様が一部変更されました。

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 車内はドア間が転換クロスシートになり、乗務員室後方の仕切り窓を大型化した上、2人掛けの展望席と車椅子スペースを後方に設置しました。
 外観では前面ガラスを大型化、前照灯の形状も変わりました。
 また、赤いラインが追加され、窓部は黒色に着色されて連続窓風になっています。
 30番台は2編成が製作されました。

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 さらに1997年の大阪空港及び門真市までの延伸時に増備された編成は20番台に若返り、両先頭車のみ再びロングシートに戻されています。
 こちらは5編成が製作されました。

 以降の増備はVVVF制御を採用した2000形に移行しています。
 その後2006年度よりリニューアル工事が行われ、室内を中心とした改造工事が順次施されました。
 ドアの開閉予告装置の追加、照明装置の変更などが行なわれた他、0・30番台はドア上部にLCD車内表示装置を追加、20・30番台の転換クロスシートは全てロングシートとして混雑緩和が図られました。
 0番台については乗務員室後方に展望席と車椅子スペースを設け、座席に袖仕切りを設けた上、カラーも変えています。
 座席には掴み棒も増設されました。
 この結果、20番台のドア上部の表示(LED式)を除き、車内の仕様は全て同じになったといえます。
 全13編成52両が2000形と共に全線で運用されています。

【編成】
←大阪空港     門真南
Mc1 1600 - M2 1500 - M1 1200 - Mc2 1100

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1990年10月臨時増刊号 新車年鑑1990年版」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル1994年10月臨時増刊号 新車年鑑1994年版」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル1998年10月臨時増刊号 新車年鑑1998年版」(鉄道図書刊行会)
「週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄30 モノレール 新交通システム・鋼索鉄道」(朝日新聞出版) 等
を参考にさせて頂きました。

 30番台にデビュー直後に乗った時は、モノレールで転換クロスシートとは関西らしいなあと思ったものだったのですが…。
「私鉄の車両シリーズ」は次回より5周目に入ります。
 京成電鉄の「赤電シリーズ」、3200形を取り上げます。

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