一ヶ月ぶりに「私鉄の車両シリーズ」やります。
今回は兵庫県の海岸部を走るインターシティ、山陽電気鉄道の5000系です。
5000系は、それまで普通電車で運用されていた、300系などの非冷房の旧性能車を置き換えるため、3000系以来22年ぶりのモデルチェンジ車両として1986年より製作されました。
車体は3000系の一部で試用されていたアルミ製とし、制御装置はVVVF制御は時期尚早として、旧国鉄205系などで開発されていた界磁添加励磁制御を採用しました。
運転台は2ハンドルながら横軸タイプとしています。
正面窓は車掌側を上下に大きく取り、客室後方からの展望を向上させています。
冷房は集中式で、パンタグラフは下枠交差式を採用していた3000系とは異なり、一般的な菱形を採用しています。
一番のセールスポイントは客室で、バケットタイプの固定型クロスシートを採用しました。
中央の扉を境にした集団離反形としています。
妻面側はロングシートで、連結面間の引戸は大形の窓になりました。
側窓は上下2段式です。
当初は3連でデビューし、普通電車で運用されていましたが、アコモデーションの良さから特急運用に転用される事になり、T車1両を増結の上順次4連化、特急にも使用されるようになりました。
さらに1990年からは特急を一部6連化する事になり、6連2本と、中間増結用6両が製造されました。
この増備車両は座席が転換クロスシートとなり、在来車両でも一部改造を行った車両があります。
6連に組み込まれた5200形は新設計で、山陽電鉄史上初の乗務員室を持たない中間M-Mユニットとなりました。
1993年には残った3連を4連化するためT車2両が製造されましたが、この車両から一部の窓が固定式になりました。
初めて車椅子スペースも設けています。
さらに1995年に製造された5200形では、3連窓の中央部が大形固定窓となり、フリーストップ式のカーテンが設けられました。
この仕様は後の5030系に受け継がれています。
合計で60両が川崎重工で製造され、この時点では6連×6、4連×6の陣容でした。
1998年より阪神電鉄との直通特急の運行が始まり、山陽では5000系の6連が、後継車でVVVF制御を採用した5030系と共に、大阪の梅田まで乗り入れを行っています。
4連のうち4本は2000年になって直通特急増発用として、5030系5030形を組み込んで6連化されています。
4連で残った2本はS特急や普通電車で運用されています。
【編成】
←西代方 山陽姫路方→
M'2c 5000 - *M 5000* - T 5500 - M' 5200 - *M 5200* - Tc 5600
M'2c 5000 - *M 5000* - T 5500 - Tc 5600
* パンタグラフ
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1990年5月臨時増刊号 【特集】山陽電気鉄道/神戸電鉄」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2001年12月臨時増刊号 【特集】山陽電気鉄道/神戸電鉄」(鉄道図書刊行会)
「週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄08 山陽電気鉄道 北神急行電鉄・神戸電気鉄道」(朝日新聞出版) 等
を参考にさせて頂きました。
次回は岡山電気軌道の7000形~7500形を取り上げます。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログの次回の更新は3日(月)の予定です。
明日夜(3日付)に本体の更新を行います。
お待たせいたしました。6月に撮影した韓国のバスの画像を明日公開いたします。
その他関東の事業者や阪急バス・九州産交バスの画像を追加します。
九州産交バスについては画像サイズの拡大も行ないます。
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《今日のニュースから》
陸上世界選手権・やり投げ 海老原有希選手 日本人初の決勝進出
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