№517 バスマガジンvol.48(講談社ビーシー/講談社)

 今晩のNHKの「ブラタモリ」、ご覧になりました?
 渋谷の街歩きの拡大版(3月に放映されたものに未公開部分を加えたもの)という事で、渋谷川の源流とか、銀座線の渋谷の車庫や東横線の地下線の工事現場、それに「ヒカリエ」の工事現場が出てきました。
 渋谷の街は、渋谷川によって作られた谷間に位置する「谷の街」で、実は渋谷駅前にも暗渠として流れているから東急百貨店東横店の東館には地下がなく、「デパチカ」が1F(東横線のホームの真下にある「東横のれん街」の事)にあるとか、台地を抜けて発着するから銀座線が地下鉄なのに地上3階に発着する(渋谷に発着する鉄道で一番高いのが銀座線)とか、面白い話が数多くありました。
 だから道玄坂とか宮益坂とか、駅のすぐ近くに坂が多くある訳ですね。
 でもタモリ、楽しそうだったなあ?

「バスマガジンvol.48」は先月末に発売になりました。
 少々遅くなりましたが、ここで取り上げてみます。

◆ 夏休みはバス三昧で楽しみまくれ!
 残念ながら私には夏休みはないのですが…(泣)

Part1 … 北海道から宮崎まで…全国各地のエアロキングに乗ろう!
 定期観光バスと高速バスの2部構成。
 定期観光バスはもちろん他にはとバスのコースがいくつもあり、新しい車両も使われているのですが、ここでチョイスされた5コースはいずれも、1985年~1990年代前半に導入された、比較的古い車両を使っています。
 エアロキングでなくてもそうでしょうが、定期観光バスだと手入れさえキチンとしていれば、後はガンガン飛ばして走る事はないから、古い車両でも有効に使えるのでしょう。
 しかし本体でも先日掲載しましたが、北海道中央バスで1985年式が未だ現役というのは凄い。
 もう四半世紀以上走っているわけですから。
 宗谷バスは利尻・礼文とも京阪バスだそうで、なるほど「グランパノラマ」の表記はその名残みたいです。
 でも利尻・礼文は自然が魅力的だけれど、行くのは大変そう。
 特に礼文島はエアー北海道廃止で空路がなくなってしまったので…。

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 最短路線として中鉄バスの岡山空港線が挙げられていますが、これは以前は中鉄バスの独占だった所、岡山電気軌道のバスが参入してきたので対抗措置として投入された、という経緯があります。
 当初は通常の中鉄カラーをアレンジしたデザインでした。
 福島高速バスターミナルは、原っぱに何気なく建つひまわり形のバス停とエアロキングの取り合わせに意表をつかれる所です。
 JRの東福島駅及び阿武隈急行の卸町から約1.5~2㎞位で、福島飯坂ICが近くのようですが、なんとも辺鄙そうな場所です。
 白黒ページにエアロキングで運行される高速バスのリストがあって、これを見ると半分近くはJRバス関東がらみ。

Part2 … バスで行く、バスで巡る!東北の観光スポット!!
 大震災で被災し、風評被害もあって未だに苦闘する東北のバスの応援企画。
 1泊2日で平泉と福島を巡る旅を中心に、東北各地の観光路線を紹介しています。(2部構成)
 十和田湖のバス、特に<はやぶさ>に合わせた新型バスを導入したJRバスがもう少し詳しくても良かったかも。
 残念ながら全体的にかなり前から十和田湖へ行くバスも寂しくなってしまい、最近では十和田観光電鉄の十和田市からの路線が1日1往復に削減された上、今年の5月からは土曜・休日が運休になってしまいました。
 つまりは観光ではなく、本文にもあるけれど生活路線の色合いが濃かったという事でしょう。
 まあ「十和田湖奥入瀬まるごとシャトル」を運行しているので、十鉄としてはそちらをどうぞ、という事なのでしょう。
(夜行バス<シリウス>が七戸十和田駅発着になったのは、ひょっとしたらこのバスのためなのかも)
 八戸からJRバス<おいわけ号>もあるし。
 八戸市営バスの館鼻漁港乗り入れ再開、「いさば号」運行再開は嬉しい限りです。
 個人的には、東北に限らないけれど最近観光地へバスで行く事がなくなっているなあ、とかなり反省しています。
 
◆ 動き始めた 新世代の電気バス
「慶応大学+いすゞ」の電動低床フルフラットバスに大きくページを割いていますが、ここでは早稲田大学が研究している、非接触給電システムによる電動マイクロバスが注目されました。
 確かBLCハイブリッドをベースとした試作車が京急バスや都営バスでも運行されていたと思いますが、それに比べると簡便で、「比較的狭い地域、短い路線をぐるぐる周回するコミュニティバス」に向いたシステムではないかと思われます。
 あと他に4例ありますが、ただ多少不安なのが、なんといっても肝心の電力の供給で、現状の電力不足を見ると、果たして大丈夫かなあとも思います。
 何度も言っているように、こういう状況の時は、公共交通に優先的に配分するルールが作られるべきでしょう。

◆ 苫小牧市交通部バス事業完全ガイド!

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 苫小牧は新千歳空港へ離発着する旅客機の窓から見下ろす事は良くあります。
 確かに工業地帯も広がっているけれど、一方で原野が広がっていて雄大だなあと思う場所です。
 一番最近行ったのが2004年3月で、苫小牧駅前で何枚か撮影しているのですが、中古車両の導入はその直後ですか。
 やはり北海道の一般路線車としては大分短いなあと思わされます。
 当時は広告車両が多くて、多少ガッカリかなあ(経営状況から仕方ない事だとは解かっていても)と思ったものですが、今現在はかなり減ったようです。
 一般路線車は「三方車」と呼ぶらしいが、なぜそう呼称されるのか、理由が記されていないのは残念。
(「三方シート」から?今の車両は皆前向きシートみたいだけれど)
 現存の車両の半分近くは非冷房車になっていますが、苫小牧を含む道南地域は、北海道の中でも比較的涼しいみたい。
 JRのキハ150形も苫小牧に配置されている100番台は非冷房だし、道南バスも自社発注は非冷房だったそうです。
 なお、「北海道最後の公営交通」は誤り。
(札幌市・函館市は共に路面電車は存続、札幌市には地下鉄もある)
 実はこれを読んで来月7日、もう一度苫小牧に行く事に決めましたが、とにかく晴れて欲しいなあ。

◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.48 長崎県交通局
 県営と言っても、運行エリアは島原半島からの撤退もあって、県の中央部が中心になっているようです。
 ただ公営で、しかもそれでも運行エリアが広いという事は、民営事業者との軋轢はないのかと思います。
 長崎空港路線は以前は独占で、後に長崎バスが入りましたが、その時点でははっきりと競争状態になっていました。
(今はダイヤを調整して共同運行化)
 さらに福岡県にも貸切の営業所が出来たそうで、福岡の民営貸切事業者はいい顔しないのではないかと、心配もあるのですが、大丈夫でしょうか。
 とにかく県外から観光客を呼び込もうという、積極的な姿勢は見えるのですが。
(これは高速バスも同じ) 

◆ 路線バス全方位レポートvol.47 兵庫県
 PART1として、県東部を取り上げられています。
 兵庫県は全体的には南部の神姫バス、北部の全但バス、淡路島の淡路交通にエリアが分かれているというイメージがありますが(PART2で取り上げられるみたい)、県東部は私鉄系のバスや小規模な公営バスも多数運行されています。
 県庁所在地の神戸市があるし、大阪にも近いので需要が旺盛という事なのでしょう。

 今号はこの他にも横浜市交通局(富士ボディのいすゞ車引退や109系統のルート変更など)やかしてつバス専用道乗車ツアーなど。
 カラーページの新車情報に南国交通のエアロエースがありますけど、これ山陽道上で事件に巻き込まれた挙句に横転事故になってしまった車両です。

 呉市、苫小牧市と来て、次号は明石市営ですか。
 明石市営バスは、撮りに行かなければならないかな?
 ユニークなカラーの車両も多そうだし。
 それと予告にはありませんが、中型車のポスト新長期規制モデルの発売が迫っているようで(日野メルファ/いすゞガーラミオは発表済み)、あるいは紹介記事が載るかも知れません。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
山口県宇部市の環境保護活動キャラ着ぐるみ アニメキャラ酷似で使用中止

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