№461 私鉄の車両シリーズ90 近畿日本鉄道16000系

 今回の震災の前に名鉄4000系を書いて、それから2ヶ月経ってしまいました。
 ひょっとしたらもう忘れられているかもしれませんが、久々に「私鉄の車両シリーズ」やります。
 ところで、その前回の名鉄4000系の次で「大手私鉄は『4000』は使いたがらない」と書きましたが、どうも東急の東横線に4000系がデビューする事になりそうです。
 といっても5050系とどこが違うのか、という事になるかと思われますが、10両固定編成らしいので(一部在来車両組み込み)、副都心線及び東武・西武との相互直通運転開始の時よりデビューするかと考えられます。

 今回の「私鉄の車両シリーズ」は近鉄で、南大阪線・吉野線初の本格的な専用特急車両として製作された、16000系です。

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 橿原神宮や吉野・大台ヶ原などの著名な史跡や観光地を控えた南大阪線・吉野線にも、京都方面からの接続も考慮した特急網を整備する事になり、1965年より製作が開始されて改造特急車を置き換えました。
 大阪線用11400系をベースとしていますが、車体幅は2,740㎜と多少狭くなっています。
 Mc-Tcの2両ユニットで、135kwの狭軌線用としては強力なモーターをMc車に4台装備、南大阪線では初めて電気ブレーキ・抑速ブレーキを装備しています。
 ドアは当初は2両とも2箇所ずつ設けられ、大阪線等と比較して多少ローカル色が濃い見附とも言えます。
 Mc車に車内販売準備室、Tc車にはトイレをいずれも連結面側に配置しています。
 クーラーは分散式で、各車6台ずつ配置されています。

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 車内は回転式クロスシートが並び、当初はデッキの仕切りが設けられていませんでした。
 登山者の大型リュックなどを収納できるようにするため、車体の屋根のカーブを小さくして、荷物棚上部の空間を広く取っているのが特徴です。

 1977年までの間に20両が近畿車輛で製作されました。
 このうち1974年に製作された16008Fは中間にM-Tを組み込んだ4両固定編成で製作されました。
 以降の増備は16010系や26000系「さくらライナー」に引き継がれています。

 1985年より車体更新工事が始まり、特に1994年度の16007Fより車内販売室や一部の扉の撤去、デッキ部の仕切りの設置、台車枠の改良が施されました。
 一方1997年より廃車も始まり、16001F及び16002Fの2編成が大井川鉄道に譲渡されました。
(2003年には16003Fも譲渡)
 2009年には南大阪線でも新型特急車16600系「Ace」が就役しており、更新工事は続けられているものの、現役の最古では43年になろうとする16000系は、今後置き換えも並行して進められる事になると思われます。

【編成】
←大阪阿部野橋     吉野
 Mc 16000* - Tc 16100*
 Mc 16000* - T 16150 - M 16050* - Tc 16100*
* パンタグラフ

 今回の記事は
「私鉄の車両13 近畿日本鉄道Ⅱ」(保育社) ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「きんてつの電車」(近畿日本鉄道)
「鉄道ピクトリアル1992年12月臨時増刊号 【特集】近畿日本鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2003年1月臨時増刊号 【特集】近畿日本鉄道」(鉄道図書刊行会) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは、京阪の中之島線快速急行用としてデビューし、鉄道友の会のローレル賞を受賞した3000系(新)です。
 しかし中之島線は思った以上に不振のようで、今月28日改正では快速急行は大幅縮小、3000系の今後の運用のあり方は注目されそうです。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 明日はさらに久々になる、「バスで行くバス」を書く予定。

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