昨日の新聞やTVで一部伝えられていましたが、原発事故のあおりで都営バスが赤字に転落する見込みだそうです。
東京電力の配当がなくなるため、大量の株式を持っている都も配当を得られなくなり、赤字の穴埋めが出来ない、という事らしいです。
なぜ電力を使う地下鉄・都電・ライナーでなくバスなのかとも思いましたが、交通局の前身の電気局の創業時からの経緯に理由があるようです。
(東京電力のルーツもここにあるらしい)
ちょうど100周年という節目になんて事と思います。
でも、先日少々暑かった日に都バスに乗って少し思ったのですが、今年はひょっとしたら都バスに限らず、首都圏ではバスの乗客がわずかでも増えるかもしれない。
鉄道は現在の節電ダイヤがこの夏も避けられない(大口利用者の15%節電要請の対象からはずされるとしても)上にクーラーの設定温度が高めになる一方、バスはドアtoドアの上、冷房は電力ではないからフルで使えてよく効くから。
あくまで希望的観測ですが…。
5月1日(日)
昨日の続きです。
残念ながら、ホテルの部屋の窓の外はどんよりした曇り空。
所々桜が満開で、晴だったらさぞキレイだったろうな…と思ったりしました。
それで、バスの終点を訪ねる事にして、出発の直前、もし今日も悪天だったらここへ行こうと思っていた、八戸市営バスの金浜小学校へ行ってみる事にします。
ただ、一つ難点が。
八戸市営バスに限らず田舎のバスでは良くある事だけれど、一つの目的地へ向かうバスが複数あるのに、どこが始発で、どこを経由していくのかがわかりづらいという事l。
事前にインターネットで検索しても、途中のバス停の発車時刻は表示されているが、どこから出ているのかは解からない。
結局電話してみなければわからず、この辺は改善が望まれる所。
それで、金浜小学校に10時台に着くバス、これはどこが始発なのか。
担当と思われる旭ヶ丘営業所に聞いてみた所、鮫が始発と判明。
先ずは中心街ターミナル(といっても専用の広場があるわけではなく、路上のいくつかのバス停をまとめて呼称)
から鮫へ向かいます。
今回は、この乗車券を利用しました。
土・休日と毎月25日に発売する一日乗車券で、大人600円。
鮫→金浜小学校の片道が510円ですから、かなりオトクです。
車内で発売。
運賃箱に発券する装置があるので、ボタンを操作して購入。
裏の乗車日の部分をコインで削るスクラッチ式になっています。
中心街からのバスは、行先は「鮫」ですが、終点は駅前から通りを一つ隔てた「鮫小学校前」。
鮫付近が一方通行のルート形態になっていて、折返しの大杉平営業所方面行が「鮫」を経由して帰る事になります。
この辺も少々ややこしい。
JR八戸線の鮫駅。
普通の木造平屋建てですが、車寄せの柱が多少趣があるでしょうか。
スレートの屋根が北国らしい所。
海にかなり近いですが、この駅は幸い大津波の影響はなかったようです。
(後で市の公式HPで見ると、ギリギリセーフだったみたい)
しかし八戸線は、階上から先の岩手県区間が大津波に被災して運休のまま。
バス代行輸送は行われていますが、青森県内区間でも一部運休の列車が発生しています。
なお、「リゾートうみねこ」の編成が、土・休日の八戸~階上間の定期普通列車1往復で運用されるという事でした。
10時21分発金浜小学校前行の市営バスは、駅から見ると駅前の道路を左に進んで右側の釣具店の前のバス停から出発します。
(先の「鮫小学校通」は、駅前のゆるい坂道を上がって、次の十字路を左)
後で入手した時刻表から推理すると、このバスは旭ヶ丘〔営〕からシーガルビューホテルに向かい、折返しが鮫止まり、そして鮫から金浜小学校に向かうダイヤになっているようです。
陸奥白浜付近までは内陸を経由、種差から海岸が見えるようになります。
種差から見た限りでは、特に何もない、普通の海岸のように見えました。
しかし…。
「あれが津波でやられたんだ」という運転手の声。
金浜地区に差し掛かると、あちらこちらに、廃墟と化した家屋が見受けられました。
やはり津波の被害はあったんだ…。
この市営バス種差線自体、他の路線が運行を再開した後も、しばらくは運休が続いたそうです。
終点の金浜小学校は、海岸線を右に曲がり、八戸線を乗り越して内陸の農村地帯に位置しています。
中型バスの回転が精一杯という感じの折返所の付近は、校庭の桜が満開の小学校を除くと、ほとんど何もありません。
わずか4分の滞在で帰る事になります。
折返しは旭ヶ丘営業所行になり、鮫は経由しません。
それで、種差海岸で途中下車。
種差海岸は、被害がなかったはずはないけれど、少なくとも浸水という事態はなかったようです。
種差海岸からは「種差海岸遊覧バス」に乗車。
このバスはJR種差海岸駅を起点としています。
(種差海岸線は経由しない)
種差海岸駅は無人駅で、ホームの待合室にはバスの時刻表と共に、「津波避難マップ」が掲げられていました。
地元の駐在さんが作ったもののようです。
今回の津波災害で、役に立っていると良いのですが。
遊覧バス(といっても車両は普通の市営バス)の車窓は、海がふんだんに見られていいのですが、残念ながら乗客が皆無に近い…。
鮫についた後、蕪島によってみる事にします(遊覧バスも蕪島を経由)が、そこかしこに大津波の影響が見て取れました。
被災家屋の前に、かろうじて残った桜の木。
一階部分がつぶれてしまった食堂。
蕪島の前にある公衆トイレもひっくり返ってしまいました。
蕪島自体はほぼ無事で、訪れる観光客も決して少なくはないと感じました。
その蕪島から見た八戸港。
八戸港は大津波の影響で港湾施設がかなりやられ、室蘭へのフェリーが発着できなくなって青森港発着に変更、また館鼻漁港の被害も大きく、市営バスの「日曜朝市循環バス・いさば号」も運休になっているという事でした。
しょせんよそ者がわずか半日足らずの滞在でああだこうだと語るのも不謹慎ですが、確かに港湾部の被害はやはり大きく、そのツメ跡がそこかしこで見られました。
とはいえ、壊滅的だった三陸地方に比べれば、八戸はまだまだマシだったのかも知れません。
中心部に関しては一部節電は行っているものの、ホテルは通常通り営業しているし、バスも(館鼻漁港関連を除いて)完全に通常通りの運行に戻っていました。
八戸は、少なくとも観光客の滞在は何も問題がない事を、この場を借りて強調しておきたいと思います。
後は早く港が復旧し、元の賑わいを取り戻す事が期待されます。
最後に。
中心街には「モビリティセンター」というものがあります。
何かというと、要は「路線バスの利用の案内を行う」というもので、バスの路線や時刻・運賃の案内、乗降の支援を行うというものです。
案内所内だけではなく、一部の路線(南部バス河原木団地線)やバス停(中心街ターミナル3番)で「アテンダント」も行っているそうです。
私は以前、№422でバスの案内所について取り上げ、「事業者の垣根を越えた案内所が必要なのではないか?」と書きましたが、中には子供の遊び場もあって、普通の人が気軽に立ち寄れるようにという配慮が感じられました、ある程度その理想に近いと思いました。
後は定期券や高速バスの乗車券の発券などが行えればいい(回数券は発売)のと、八戸駅前にもあればなあとは思いましたが、社団法人(「北海道開発技術センター」とはどういう事だろう?)が市から委託されて運営しているという事なので、そこまでは行けなかったのでしょう。
ともあれ、こういう取り組みが他地域にも広がればと思います。
残念ながら曇り空は一日変わる事なく、バスそのものの撮影はかなわぬまま、夕方のJAL便で東京に戻る事になります。
続きは明日です。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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