№433 バスラマインターナショナル124(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル124」は先月25日には発売になりましたが、JALのB747-400の特集をやっていたので少々遅くなってしまいました。
 例によっていくつか気になった記事をピックアップしてみます。

◆各地の新車から
 まず、最初に眺めた時点では見過ごしてしまったのですが、改めて見直して「あっ!!」と思ったのが、南国交通のエアロエース。
 先日山陽道で事件に巻き込まれ、挙句に横転事故になってしまったのはこの車両ではないですか!?
 ビール缶を模したバスはBLCハイブリッドですか。
 横浜の「ズーラシア」(相鉄バス)もそうだけど、観光客向けのユニークなスタイルの車両にもBLCが使われ始めているようです。
 それと別枠でリムジンバスの燃料電池バスも紹介されていて、前号で「わかるといいが…」と書いたダイヤも公表されていました。
 羽田空港を起点に午前は東京駅へ、午後はTCATへそれぞれ1往復。

◆ 連節バスのニューフェース
1.前号で取り上げられた岐阜バスの「清流ライナー」。
 カラーに関しては「清流」と謳うからにはブルー系の方が良かった気もしないではないですが。
2.いわさきバスネットワークの連節が鹿児島市内を走る事になりました。
 車両は京成バスの中古のボルボ。
 どんなカラーリング、そしてダイヤになるか。
3.その京成バスの「シーガル幕張」が5台増車。
 連節バスが並んだ茜浜車庫は日本離れした感じ。

 でも、やっぱり連節バスはどの事業者も運行ルートが限られる事になり、やっぱりダブルデッカーの方が日本にあっているんじゃないかなあ。

 と思っていたら、これも別枠でロンドンのダブルデッカー車についての記事がありました。
 ロンドンでは新市長の公約に沿って、導入から4~5年の連節バスに代わってダブルデッカー車が導入が進み、昔の「オープンデッキ」を復活させるプロジェクトも進行中との事。
(ライターはこの動きはコスト面から疑問視している様子)
 写真を見ると、なんだか妙チクリンなフロントマスクだけれど、ハイブリッド車なのだそう。 
 
◆ バス事業者訪問142 岡山電気軌道株式会社

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 今回も乗合と貸切専業の2社構成で、まずは岡山市の市内線を中心に運行する岡山電気軌道(岡電)。
 規制緩和政策発動よりも早くから規制緩和が行われた結果、特に中鉄バスとの不毛の競争になってしまったようで、それは「アーカイヴス」の写真からも伺えます。
 この事は貸切事業や高速バス・空港バスにも影響を与えていたようです。
 岡山市は最近政令指定都市になったばかりで、最初から市営バスが存在せず、市内路線は一応岡電が中心にはなっていましたが、郊外に多数の有力な事業者があって、中心部で競合するようになると、どうしても激しい競争になってしまうようです。
 それは岡山に限らず、全国どこでもそういう傾向が見られる気がします。
 今でもそれを引きずっている部分があり、共通磁気カードを廃止して代わりに導入したICカードは一部事業者は最初から参入しないなど、サービスダウンになってしまっている所もあります。
 車両面では、思った以上に両備バスとの仕様の違いが大きいよう。
 路面電車や両備バスの貸切車にある「たま」デザインが、岡電の路線バスにもあったらいいと思うなあ。
 貸切の漢字一文字は、同じデザイナーのJR九州バスの数字2桁と同じ発想なのでしょうか。

◆ バス事業者訪問143 株式会社ワールドキャビン
 もう一社の貸切専業は、「インバウンド」専門のワールドキャビンで、「インバウンド」自体、バスラマで取り上げるのは初だとしています。
「インバウンド」と言われれば、そういえば最近は中国語を大きく書いた貸切バスが目立つよなあとか思っていました。
 確かにちょっと前は特に車両があまりに古く、どういう体制になっているんだろうなあと思ってしまう所も少なくなかった。
 ワールドキャビンは韓国製で統一されていますが、興味深いのがヒュンダイ・ユニバース導入の経緯。
 当初はデウを導入してきたが、あまりに早くに導入が始まった結果、アフターサービスが追いつかなくなってしまったため、後発で日本の事業者も味方につけたヒュンダイ(前号で書きました)に追い越されてしまった、そんな感じです。
 国際情勢に左右されやすいのもらしいよなあと思いました。
 特に極東アジアは大変だろうと。
 担当者の方も、影で日本の政治情勢には肝を冷やす毎日でしょうか?
 今後は、個々の事業者のみならず、「会員制ツアーバス」のような、「インバウンド」事業者の実態はどうなっているのか、といった追跡の記事も必要になるのでしょう。

◆その他

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 千葉県の都自動車が、バス事業から撤退する事になり、簡単に特集の記事があります。
 都自動車というと、つい最近まで「貸切=大手」、一方で「細々と路線バス」という印象がありましたが、まず貸切が去年の内に全面撤退、茂原から2路線と言う一般路線もまもなく撤退と言う事。
 ただ、今日現在では都自動車(今後はハイヤー・タクシー専業)にWebページに茂原の乗合バスの営業所がある事にはなっているが、今後どうなるかという事には一切触れられていませんし、譲渡先とされるHMC東京、またコミュニティバスを委託しているいすみ市のWebページにも何も情報がありません。
 うーん、いつかも書いたけれど、貸切は新興勢力が台頭する一方で、老舗が次々に力尽きて倒れていく、そんな感じがします。
(他に北海道の3社の撤退も記事になっている)
「インバウンド」もその一つなのだろうけれど、貸切の形態のあまりの多様化についていけなくなっているのでしょうか。

「世界の都市の公共交通18 チューリヒ・VBZの場合」では、スイス・チューリヒのバスや市電の現状がレポートされています。
 全体的に使いやすく、解かりやすい事で評価は高く、私もその通りと思いますが、不正乗車はやはりここでも悩みの種とされています。
 この点に限っては、LRTの普及が叫ばれる日本も少し注意を払うべきでしょう。
「信用乗車制」の導入が、LRT普及の鍵(長編成になり、従来のワンマン運転システムは適合しないと思われるため)とされていますので…。
「言葉だけではダメ」という一文は全く同感。

 長崎市の「らんらん」、廃止ですか…。
 
 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

《今日のニュースから》
大学入試投稿事件 仙台の予備校生を逮捕

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