№374 乗り物中心のフランス旅行記 1
長らくお待たせいたしましたが、今日から先日のフランス旅行について書きたいと思います。
前回の更新では1日あたりを2回に分けて書くとしましたが、やはり1日を1回で書く事にします。
(容量オーバーになった場合は2回に分けます)
ただ、合間合間に他の記事を挿入していくので、今年中には完結しないかも知れません。
フランスでは出発の直前、政府の年金改革案に抗議するストライキやデモが連日繰り広げられ、公共交通もしばしばマヒ状態に陥ったとの報道が連日日本のニュースをも騒がせていました。
この時期しか選択肢がなかったとはいえ、なんともタイミングが悪い事で、一体どうなる事かと思いながら、成田空港へ向かう<成田エクスプレス15号>の車中の人となったのでした。
成田エクスプレス15号
東京スカイツリー
車内液晶モニター
10月26日(火)
<成田エクスプレス15号>は思ったよりガラガラ。隣を走る東海道線のE231系のラッシュとは別世界のようだ。車内は253系時代(回転クロスシート更新後)と比べて、それ程大きく変わったと言う印象はなかった。天井に設けられた液晶モニターが目を惹く程度か。ニュースではちょうど日米オープンスカイ協定締結が取り上げられていた。
東京の地下駅で池袋発と連結して12連となってもガラガラなのは変わらない。錦糸町から地上へ出ると、左手に東京スカイツリーが現れるが、この日は雨模様、雲も低く、てっぺんは雲に隠れている。<成田エクスプレス>にしろ、京成の<スカイライナー>にしろ、成田空港から来て都内に入ると、東京スカイツリーが真っ先に目に入る事になる。この塔を見て、ついに東京に来た(あるいは帰ってきた)事を実感する事になるのだろう。
千葉を通過すると、モニターは成田空港からの出発便の表示を始めた。今の時点では16時30分の出発まで表示される。それにしてもコードシェア便が非常に多くなった。ANAのワシントンD.C.行など、NH以外にUA・CO・US・TG・SQと5社の便名がついている。国内線でもJALの福岡行にはMU・BA・AF・AYの便名がついていた。
成田空港94番ゲート
さて、今回は往復の足として、フィンランド航空(AY)を利用する。今日はヘルシンキ乗継でパリまで。AY94便のA330-300は既に第2ターミナルのサテライトに到着していた。94番ゲートのカウンターにムーミンのぬいぐるみがあったのがAYらしい所だっただろうか。
A330に乗るのは初めて。エコノミーでもパーソナルテレビがついていて、しかもタッチパネルというのは時代が変わったなあと思わされる。とりあえず飛行予定ルートが表示されていた。
シンガポール航空 A380
成田空港離陸
なんだかせかされるような搭乗が終わると、4分早く出発。整備地区にはマークを消されたJALのB747-400が見えて少々悲しい。ANAのハンガーにも真っ白なB747-400が見られた。一方、SQのA380-800がこちらの後を追うようにタキシングしていくようだ。30分ほど遅いようだが…。
12時14分、R/W34Lを離陸、しかしさくらの山を左手にチラッと見たと思ったらもう雲の中、出発前に見た天気予報からしたら、日本の上空では地上の景色は眺められないだろうと思った。
札幌上空
この便は、東北地方を縦断、北海道を経由してシベリアに抜けるルートを取るようだ。いままで利用してきたシベリアルートの便は、皆例外なく新潟上空から日本海に抜けるルートを取っていたのだが、AY独自のルートなのかもしれない。それだけに曇り空は悔しいと思っていたのだが、それでも北海道上空はわずかに雲が切れて地上が見えた。成田離陸から1時間弱で札幌ドームを見る。もっともこの先はまた曇り空。晴なら右手には利尻・礼文も見えたのだろう。
A330機内
機内食1回目
その北海道を抜ける頃に最初の機内食がサービスされる。豚か魚のチョイス、と言う事だったが、豚を選択したら、スパゲティナポリタンだった。他にポテトサラダ・日本そば・クラッカー・オレンジゼリー・チーズ・パン。
機内エンターテイメント「数独」
パーソナルテレビで提供されるエンターテイメントも、10数年前とは比べ物にならないくらい多くなった。映画だけで34もある(ただし、全てが日本語に対応しているわけではない。提供される言語にかなりの違いがあるので念のため)。ゲーム・パズルも定番になった。「数独」まである。説明のテキストは英語だが、この程度の事は見なくても解かる。かの地でもブームらしい。
シベリア上空
機内食2回目
ひたすらシベリア上空を飛ぶ。この便はウラル山脈よりさらに北を飛行し、ヘルシンキを目指すルートを取る。この便では飛行中でもキャビンの減光は行われなかった。
到着2時間前に2度目の機内食がサービスされる。といってもチキンサンドイッチとドリンクだけ。JALやANAだと2回目もある程度本格的なミールが振るまわれるのだが、欧州のキャリアでは長距離便でも2度目の食事はかなり簡素になる傾向があるようだ。
フィンランド上空
ヘルシンキ降機
フィンランド上空に差し掛かると森と湖が連続し、自然の豊かさを感じさせる。
ヘルシンキ・ヴァンター空港到着は15分早かった。ターミナルじか付けではなく、バスでの移動になる。外に出ると寒い!ナメてセーターは預けておいたのだが、バスとは想定外。吐く息も白い。
ヘルシンキ空港カフェ
ターミナルはところどころ、拙いけれど日本語・中国語・韓国語の表示が見られ、アジアからの乗り継ぎ客の獲得をもくろむAYの経営戦略を垣間見るようだ。しかし、ヨーロッパの各都市へ向かうにはここでパスポートコントロールや手荷物検査を受ける事になるのだが、ベルトまではずすよう要求され、意外に厳しい。
ここもフランスも同じユーロ圏だからと、まず10000円を両替する。77.35EUR。窓口には先にスキンヘッドのお兄さんが並んで外貨を受け取っていたが、どちらも紙幣の枚数が半端じゃなく多い。どこのか?と思ったが、何でもタイ・バーツらしい。
次のパリ行まで3時間以上あるので、飛行機が見えるカフェで一息。夕方は日本着・日本発が両方あるので当然日本人の姿が多くなるし、日本語の呼び出しアナウンスも聞こえた。また、出発表示を見ると、JAL便名をつけたAY便が多い。デュッセルドルフ行AY707にはJL5169、ブリュッセル行AY817にはJL5369、という感じ。
それにしてもAYはフリート構成が全く変わった。マクドネル・ダグラスは全く見られなくなり、空港で見かけるAY機はエアバスとエンブラエルのEジェットばかり。(機内誌によればB757もいるらしいのだが、ここでは見かけなかった)ワン・ワールドのタイトルを描いた機体もいくつか見られた。
AY3677便 E170
さて、次のパリ行AY3677便は、一度28と表示されていたゲートナンバーが消えてしまった。他社のパリ行もゲートナンバーの表示がなく、欠航になるかもしれないと少々不安を感じる。何しろ年金改革に関する抗議行動では、航空にも影響が出ていると、日本で見たニュースでは言っていたし…。
もっともこれは杞憂に終わり、やがてナンバーを変更して21番ゲートと表示された。ただし、15分遅れての出発になるらしい。ただでさえパリ到着が遅いのに…。19時を過ぎて、パリからの便と思われる機材が着いた。この便は定刻らしいので、どうやら機材が変更になるようだ。案の定、搭乗の改札を通過する際には、機材変更だからとシートナンバーも変更になった。
外観では暗くてよく解からなかったのだが、この機材はE170だ(本来はE190のはずだが)。J-AIRやFDAより先に、ここで乗れるとは。しかし、日本ではコミュータージェットのE170だが、ヘルシンキ~パリ線となると1176マイルと、東京~宮古(1156マイル)より長い。
ジェット機とはいえやっぱり小型だ。隣のA320がかなりデカく見える位。ターミナルにはフィンランド語と並び、スウェーデン語の表記"HELSINGFORS-VANDA"の文字も見られる(フィンランドは、スウェーデン語も公用語としている)。
E170機内
機内食
E170のキャビンの感想としては、天井やはり少々低いとは思うが、この後乗車する事になるTGV「デュプレクス」の2階とほぼ同じだろうか、ゆとりは充分あると思う。目の前にストウェッジがあるので荷物の出し入れはしやすそう。ただ、窓が少ないと思った。もちろん、座席の列毎に1つあるので外を眺めるには充分だが。
もっとも、終始夜間飛行では見るものが少ない。マカロニとツナのサラダの機内食が振舞われた後は免税品の販売が回るが、関心のある乗客はいないみたい。パリまで約3時間、淡々と飛行が続く。
パリ降機
パリ・シャルル・ド・ゴール空港には定刻より12分遅い到着となった。ただ、ヘルシンキが30分以上遅い出発になっていたから、これでも20分も短縮した事になる。ここもターミナルまでバス。やっぱり寒い。
さすがの大空港も22時が近づくと閑散としている。バーも閉店し、清掃の真っ只中。もっとも、まだ成田に行くAFの便があるようなのだが…。
時間が時間なので今日は市中には向かわず、空港のそばのホテルに1泊。インフォメーションに乗場を聞いて外に出ると、ちょうどホテルに行くバスが着いた所。本数が意外に少ないのでラッキーだった。
空港の中の道路を見た限りでは、特に抗議行動の影響は感じられなかった。製油所封鎖なんて事態も起きていたのだが、ガソリンの供給は大丈夫だったのだろうか。普通の田舎町風情の中にあるホテルまで20分以上も走った。
とにかく今日は疲れた。時差ボケ対策もあるし、シャワーを浴びた後早々に床に就く。
さて、明日から本格的にフランスめぐりだが、果たしてきちんと列車は走ってくれるだろうか。明日はミュールーズまで行くつもりだが…。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
《今日のニュースから》
サッカー・ワールドカップ開催地 2018年はロシア・2022年はカタールに決定