№341 私鉄の車両シリーズ79 京王電鉄8000系

「私鉄の車両シリーズ」、今日は京王電鉄の京王線用通勤車8000系です。
 6000系以来20年ぶりのフルモデルチェンジ車で、新CI導入もあって、純粋な通勤車としては割と華々しくデビューした記憶がありますが、気づけば8000系自体、もう20年近く経ってしまいました。

画像

 車体は軽量ステンレス製ですが、正面は普通鋼製としています。
 前面窓は大型パノラミックウインドウを用いて、往年の名車5000系のイメージを出し(個人的にはかなり違うと思うが)、プラグドア式の貫通扉を中央に配置しています。
 車体幅は2,800㎜のストレート構造ですが、肩部分と裾部分に丸みを持たせています。
 制御装置は京王初のVVVFインバータ制御を採用、大容量GTOサイリスタを1ユニットに1台装備。
 補助電源装置はSIV、ブレーキは電気指令式のHRDA-1方式。
 運転室は全室構造でマスコンはT字形ワンハンドル。
 ユニット構造でモニターを採用。
 車体には京王の新CIカラーの「京王レッド」+「京王ブルー」を通しています。
 なお地上線専用としており、都営新宿線への直通は考慮されていません。

画像
 
 車内は明るさを追求、化粧板はアイボリー系とし、床は模様入りのブラウン系単色として、座席部分を示すラインが引かれています。
 座席はピンク系のバケットシートとなり、1人分の区分がなされ、10㎜拡大して440㎜としています。
 編成中各1箇所に車椅子スペースが設けられました。

 1991年よりまず6連+4連の分割編成(八王子・高尾方が6連)の製作が始まり、1992年5月より主に特急用として運用が始まりました。
 行楽期の土休日には高尾行+八王子行の特急に使用され、分割編成の機能が活用されています。
 また1994年から8両固定編成の製作も始まり、20番台で区別されて、主に当時設定されていた相模原線特急に投入されました。
 車椅子スペースは編成中2箇所。
 最終2編成はボルスタレス台車が採用されています。
 1998年までの間、合計244両(後述のサハ8564を除く)が日本車輌・東急車輛によって製作されました。

 2006年のダイヤ改正で特急の分割運転は廃止になり、後に10連は終始固定編成として運用されるようになりました。
 2008年頃には6連と4連の連結位置の入れ替えが行われ、6連が新宿方に連結されています。
 近年では更新工事が進められ、ATCの装備、シングルアームパンタへの交換、行先表示のフルカラーLED化、座席端部への仕切り板の設置・握り棒の増設などが行われています。
 10連は分割を行わずに特急・準特急などの優等列車に、8連は各駅停車を中心に運用されています。

 なお2008年8月、高尾線内で8728Fが土砂崩れに遭遇、先頭のクハ8728が廃車になりました。
 代替として10連の8864Fの中間に組み込まれていたクハ8814を改番して転用。
 その後にはサハ8564を新製して組み込んでいます。
 先頭車の運転室側と中間車の連結部が貫通せずに向き合う、珍しい編成になりました。
 クハでなくサハを製作したという事で、今後も分割運用は行われないだろうと予想され、10連の中間運転室の処遇が注目になりそうです。

【編成】
←新宿     京王八王子・橋本
 Tc1 8700 - M1 8000* - M2 8050 - M1 8000* - M2 8050* - Tc2 8750 + Tc1 8700 - M1 8000* - M2 8050* - Tc2 8750
 Tc1 8700 - M1 8000* - M2 8050* - T1 8500 - T2 8550 - M1 8000* - M2 8050 - Tc2 8750
* パンタグラフ

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1992年10月臨時増刊号 新車年鑑」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル1993年7月臨時増刊号 【特集】京王帝都電鉄」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2003年7月臨時増刊号 【特集】京王電鉄」(鉄道図書刊行会)
「私鉄新型車両コレクション」(交通新聞社)
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは、小田急の初代4000系(旧型車の車体更新車)です。
 ただし、次回は来月中旬位になると思います。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。

 明日は、本体の更新のため、当ブログの更新はお休みです。
 今回の本体は非常に申し訳ないのですが、画像の追加5枚に終わってしまいました。
 箱根登山バス3枚と三重交通2枚です。
 また平和交通で画像サイズの拡大とデータの追加を行っています。
 箱根登山バスは、箱根町内の「観光施設めぐりバス」で一昨年から運行を開始している「Skylight」及び今年導入の「SkylightⅡ」を追加しています。
 これらを撮りに行った時の事については、10月2日に書く予定です。

 それから「バスジャパン・ハンドブック シリーズR71 京阪バス」が発売されました。
 現在データ整理中で、これも来月半ばに取り上げる予定にしています。

《今日のニュースから》
宮崎県東国原知事 県知事選不出馬を表明

この記事へのトラックバック