アメリカのLCC(Low Cost Carrier=格安航空会社)最大手・サウスウエスト航空が、同じLCCのエアトランを14億$で買収すると発表しました。
サウスウエスト航空はいまさら語るまでもないLCCの雄で、そのビジネスモデル(旅客機の形式は1機種に統一・サービスの簡素化、など)は全世界のLCCのお手本となっています。
LCCといいながら旅客キロ数で全米6位・世界でも8位の規模になっているそうで、昨今の経済のニュースでもLCCが特集される時、必ずといっていいほど真っ先に取り上げられる存在です。
一方のエアトランは、以前はヴァリュー・ジェットと呼んでいました。
1996年に墜落事故を起こして評判が落ちたため、同じLCCの旧エアトランを買収、自らの社名をエアトランと改称しました。
イメージ回復のために、買収した会社の名前を利用したわけです。
※この機体は1999年10月23日、ボーイング社がB717をアジアに売り込むためのツアーとして成田空港に飛来した時のものです。
サウスウエストがエアトランを買収する事により、規模としてはこの後コンチネンタルと合併する新ユナイテッド航空に次ぐ規模になるそうです。
また、エアトランの路線網を手に入れる事で、アトランタやボストン、そしてニューヨークへの路線を手に入れる事ができるようになるとの事で、さらには近距離国際線にも進出するという事です。
(ニューヨークへの乗り入れがなかったというのは意外だが、「South West」=「南西」の社名の通り、東部は路線があまり多くなかったようだ)
日本でも既に何回か書いている通り、昨今の航空業界はLCCの台頭が無視できなくなってきており、茨城空港に4,000円という上海便の就航が話題になったり、№323で書いたとおり既存大手のANAがLCC事業に乗り出す事になったとかいうニュースが、毎日のように経済面のみならず、一般のニュースも賑わせるようになっています。
しかし日本では既存キャリアvsLCCという構図で語られる事がまだ多いですが、これだけLCCが増えてくれば、今度はLCC同士の競争が待っている事になります。
LCCは全体的には小規模だし、あまりコストを下げすぎると安全運航に悪影響を与える事も指摘されています。
(バリュー・ジェットの事故もその一面が出たもの)
そうなると、LCCの世界でも、体力がない所は大きい所に吸収される、というケースがこれからも全世界規模では起きてくるのでしょう。
果たして日本、特に国内線では…。
それ以前に個人的には国土が狭く、新幹線や高速道路が発達した日本でLCCが5つも6つも並立して競争するようになるとは、考えにくいのですが…。
あと、サウスウエストはエアトランのB717をどうするのだろう?
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《今日のニュースから》
「第三国定住」のミャンマー難民 日本到着
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