№254 私鉄の車両シリーズ56 東京急行電鉄3000系

 昨日は少々つまらない事を書きました。
 要は選挙をやっていない時位、静かにして欲しいという事を言いたかった訳で。
 今日は久し振りに「私鉄の車両シリーズ」をやります。
 東急の目黒線用車両、3000系です。

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 東急において3000系とは、以前は釣掛式の旧型車各形式を総称した呼称でもありました。
 ここでは2000年に運転系統を変更し、営団(当時)南北線及び東京都営三田線との直通運転を開始した目黒線用としてデビューしたステンレスカーを取り上げます。
すべてにやさしく美しい車両」をコンセプトに掲げ、内外共に、それまでの東急の車両から大きく脱却したスタイルとなりました。

 車体は当然ながらステンレスですが、ついにコルゲート・ビードがなくなり、スッキリした側面になりました。
 正面は8000系以来の切妻スタイルから一転、FRPの一体整形による曲線的なデザインになりました。
 非常用扉はプラグドア。
 運転台は相互直通用、及びワンマン運転用の機器を装備したT字形ワンハンドル式で、上部にはホーム監視用のITVモニターが設けられています。
 パンタグラフはシングルアーム式、冷房は集中式で、共に東急では初採用になりました。
 制御装置はIGBT素子を用いた1C2M×4群のVVVF制御になっています。

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 車内も「お客様に優しい車両」をテーマに、アコモデーションが全面的に改められました。
 座席は床下の空間を確保した片持ち式のバケットシートとし、1人あたりの幅を拡大。
 4-3の区別をかねたスタンションポールを新設し、大型の袖仕切り板を設けました。
 この他、高さを低くした吊手を新設し、荷棚も低くして荷物の出し入れを容易にしています。
 編成中に2ヶ所設けられた車椅子スペースには、乗務員との双方向通話が可能な非常通報器とヒーターが設けられ、貫通扉も車椅子が通過できるように拡幅されています。
 ドア上部には千鳥状に車内案内表示装置が設けられました。

 まず、目黒線の相互直通運転開始に先立つ1999年に、1次車8連1本(4M4T)が先行して製作され、暫定的に東横線で運用されました。
(一番上の画像がその当時のもので、祐天寺を通過する所。)
 その後目黒線の運転形態変更にあわせて2次車が増備され、1次車の8連も中間車4両の落成時に編成替えを行い、6連×2本となって本来の目黒線用に転用されました。

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 6連では1C4M制御の1M車が製造され、3M3Tの構成になっています。
 最終的に13編成78両が2001年までに出揃いました。
 後継の5080系と共に、目黒線~南北・三田・埼玉高速の各路線の相互直通運転で活躍しています。

【編成】
←目黒     日吉
 Tc2 3000 - M2 3250 - *M1 3200* - T 3500 - *M 3400* - Tc1 3100
* パンタグラフ

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1999年10月臨時増刊号 新車年鑑」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2004年7月臨時増刊号 【特集】東京急行電鉄」(鉄道図書刊行会)
を参考にさせて頂きました。

 次回のこのシリーズは、京急の先代快特車で、最近になって「エアポート急行」での運用で再度話題を集めている2000形について書きます。

 JTB時刻表2010年7月号が発売になりました。
 詳しくは後日書きたいと思います。

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 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)

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