№225 「停車駅ご案内」から振り返る 京急のダイヤの変遷

 №212及び№221で、16日の京急線のダイヤ改正について書いた所、どちらもいつもより遥かにアクセス数が多くて、正直驚いています。
 特別な事は書いていないつもりですが、ありがたい事です。
 今回のダイヤ改正の目玉は「エアポート急行」でした。
 横浜方面への「急行」の設定は、1999年 … 過去には1998年とか、2000年とか書いたりしていたような気がします。後で直しておきます。 … 7月31日以来11年ぶりの事ですが、それ以前の急行とは停車駅が異なると言うのは、前にも書いたとおりです。
 では、急行に限らず、昔の京急の各列車の停車駅はどのような設定だったのでしょうか。
 京急に限らず、大手私鉄(最近はJRもか。)では、ドアの上に停車駅を表示した路線図を掲げています。
 その路線図「停車駅ご案内」から、過去の京急のダイヤを停車駅を中心にを振り返ってみようと思います。

 過去といっても、手持ちの路線図の写真で一番古いのは、1993年4月1日改正時のものです。
 空港線・穴守稲荷~(旧)羽田空港の工事が完成し、(旧)羽田空港駅は地下に移転、「羽田」と改称しました。
 但し、羽田空港の新ターミナル「ビッグバード」への移転は9月の話で、東京モノレールとの接続もこの時点での事になります。

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 撮影時点では、既に羽田でモノレールに接続していました。
 但し、国際線は旧ターミナルのままだったので、地上に出てバスへの乗換えが必要でした。
 品川方面からの急行の直通が始まりましたが、やはり京急蒲田の配線が大問題で、直通運転は原則日中のみ。
 今回の改正では、「エアポート快特」の京急蒲田通過が大分問題になっているようですが、当時は本線の快特自体が完全に素通りです。
 急行はこの路線図の記載以外、平日朝夕ラッシュ時に鶴見市場※・井土ヶ谷・弘明寺・能見台※に停車していました。
(アナウンスでは「臨時停車」と呼んでいましたね。は朝の上りのみ。)
 また、花月園競輪(今年3月一杯で廃止)開催時に花月園前臨時停車もありました。

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 1996年7月20日改正時です。
 路線図には書かれていないのですが、この改正時から、平日夕方の下り快特の京急蒲田臨時停車が始まりました。
 朝方の通勤快特は前の年の8月21日より京急蒲田を停車駅としており、その事もあるのか、通勤快特の停車駅が独立して記載されています。
 それから、左側を注目してほしいのですが、快特が野比・京急長沢を停車駅とした他、普通電車が三崎口まで延伸しています。
 これは、京急久里浜から先の乗車機会を増やすためです。
 但し、普通電車の乗り入れは平日の日中のみ。
 それと、直通列車の増加のためなのか、押上から先の京成・北総線も停車駅が全て書かれるようになりました。

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 1998年11月18日、いよいよターミナル直下の羽田空港駅が開業します。
(羽田はモノレール共々、天空橋と改称。)
 目玉は「エアポート快特」「エアポート特急」の新設。
 どちらも都営浅草線内を急行運転するため、この名前で他と区別していました。
 前者は成田空港発着、後者は京成高砂発着で京成本線の特急に接続という形態でした。
 それぞれが80分間隔なので、空港線では運転間隔がバラバラになってちょっとわかりづらかったような気がします。
 当時は大江戸線が開通していなかったので、大門は通過でした。
 なお、エアポート特急は平和島で快特の通過待ちあり。
 路線図からは離れますが、この改正から600形(及び都営5300形)が成田空港、さらには京成線内特急で京成上野まで乗り入れるようになりました。
 それと、快特が正式に京急蒲田を停車駅とし、全列車停車になりました。

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 1999年7月31日改正。
 これが極めて重要な改正になりました。
 羽田空港直通以外は急行を全面廃止、特急も日中は快特にして、快特を10分間隔で運転。
 普通電車は京急川崎~金沢文庫間で1時間12本運転としました。
 京急というと優等列車嗜好が強い会社だと勝手に思っていたので、この改正は少々驚きでした。
 ただ日中の急行は既に1997年10月4日改正で普通に置き換えられていましたから、兆候はありました。
 また、このダイヤ編成を可能にしたのは、もちろん京急自身の研究の成果もありましょうが、加えて快特の停車駅と通過駅の差が極めて大きく、「この駅は停めるべきか、通過でいいか。」と悩むような場所がほとんどない事もあるかと思います。
 もっとも特急停車駅の汐入は、日中は普通列車のみの停車になってしまうので反発も出てくる事になるのですが。
 快特は久里浜線内は各駅に停車する事になります。
 もちろん、普通列車の三崎口乗り入れはなくなりました。
 それと通勤快特は、金沢文庫までは特急→その先は快特として運行、という形になりました。
 また急行廃止のため、平日朝方のみ逗子線に特急が設定されています。
 さらに、早朝に初めて横浜方面→羽田空港の直通列車が設定されました。
 三浦海岸4時50分発の快特と、京急久里浜5時38分発の特急です。
 羽田空港関連では他に、エアポート特急がエアポート快特に統合されました。

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 間が空いて申し訳ないのですが、これは2005年10月2日改正時です。
 基本的には2002年10月12日改正時と変わっていません。
 2002年の改正では、いよいよ羽田空港~横浜方面の直通運転が本格的にスタート。
 日中は4連で、京急川崎~金沢文庫間は快特に併結という、先日のダイヤ改正まで行われていた形態で運行される事になります。
 さらに2003年7月19日改正では、品川~羽田空港は快特(エアポート快特を含む)と急行の2本立てになって、かなりすっきりしたダイヤになりました。
 停車駅で言うと、むしろ直通先の方に大きな変化が起きています。
 京成は2002年の改正で本線の急行を廃止し、新たに「快速」を設定。
 羽田~成田両空港間の直通を原則廃止して、快速が羽田空港へ直通する形態に改まっています。
 また、北総線内に特急が設定されました。
(平日朝方の上りのみ。)
 ダイヤと直接は関係ないのですが、2004年12月1日に羽田空港の第2旅客ターミナルがオープン。
 京急の羽田空港駅も改札を新設したため、ターミナルの案内が書き加えられています。

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 そして、これが16日より使用を開始した「ご案内」です。
 停車駅については、改めて触れる必要はないでしょう。
 京急自体は、当面このダイヤを基本にしていく事になるでしょう。
 ただ、この「ご案内」では7月17日開業の「成田スカイアクセス」については(当然ながら)全く触れられていません。
 その時が来たら、また交換されるのでしょうか
 それともステッカー添付のみか?
 それは、京成のダイヤ次第という事になるでしょう。
 京成の方は座席指定制のスカイライナーがあるので、遅くとも6月初旬には発表があるはずです。
 今から内容が楽しみですが、その時点で京急の「ご案内」には、どのように書き加えられる事になるでしょうか。
 また、京成の方もダイヤ改正を行った時点で、同じように過去の停車駅やダイヤを検証してみようかと考えています。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)

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