鉄道関連でちょっとしたニュースが2つ。
① 羽田空港の国際線ターミナルとD滑走路が10月21日供用開始になるというのは今朝のニュースでもご存知かと思いますが、合わせて東京モノレールと京急空港線の新駅も同日開業と発表がありました。
東京モノレールは「羽田空港国際線ビル」。
京急は「羽田空港国際線ターミナル」と呼称します。
なお、京急は、現在国内線ターミナルの地下にある「羽田空港」駅を「羽田空港国内線ターミナル」と改称します。
② 都電荒川線と阪堺電軌が提携し、都電7500型が阪堺旧カラー(深緑色でドア・窓部がオレンジ色)、阪堺モ501型が都電旧カラー(黄色に赤帯)をまとって走る事になるとか。
一体どんな物になるのでしょう。
カラーに関する提携といえば、江ノ電と嵐電が既に相手方のカラーをまとった電車を走らせています。
今後は、こういうケースが流行になるのでしょうか。
なお、運行開始はどちらも6月6日(日)との事です。
本題に入って、今日はこちらも路面区間を走る電車、京阪800系です。
といっても、かなり一般的な郊外電車に近くなりましたが。
京阪800系は、1997年10月に開業した京都市営地下鉄東西線への直通用として製作された、京津線専用の通勤車です。
京津線は京阪三条~浜大津を結んでいた路線で、京都市内及び大津市内に併用軌道区間があり、小型車両の2両編成で運行されてきました。
しかし、建設が進められていた京都市営東西線が京阪三条~御陵間で重複する事から、同区間を廃止し、御陵から地下鉄に直通する形態に改められる事になりました。
また、架線の電圧が1500Vに昇圧される事、東西線の各駅にはホームドアが設けられ、ワンマン運転となる事で在来の車両は使用できなくなり、全車両新造の800系による運行に置き換えられる事になります。
800系は、走行条件が大きく異なる京津線と東西線の直通のため、さまざまな工夫が施されています。
(路面区間を走る路線が地下鉄に直通するのは初のケースです。)
車体は東西線と同じ16.5mに延長。
イメージは京阪本線の7200系に似ていますが、大津市内に併用軌道区間が残る事から、自動車との接触事故を想定、アルミではなく修理が容易な鋼製となっています。
スカート部と側面には警告用の車副灯を設置。
車体色は琵琶湖をイメージしたライトブルーと白を基調にし、黄色の帯を巻いています。
全電動車方式で、制御方式はIGBT素子のVVVFで京津線では初、パンタグラフは京阪全体でも初となるシングルアーム方式を採用しました。
この他、東西線用のATOやワンマン運転用の機器も装備されています。
車内は、先頭車は2-1配置のクロスシート、中間車はロングシートとして、観光・通勤の双方の需要に応えています。
薄型クーラーを採用した事で、小型車両ながら天井の高さを最大限確保。
各車両に車椅子スペースも設けられています。
なお、座席のモケットは2006年に柄入りの深い青色+黄色のカバー(クロスシート)に交換されています。
4連×8編成が製作され、1997年10月12日の直通運転開始時より一斉に運行を開始。
在来車両は600・700形のみ石山坂本線専用となり、他は全て廃車となりました。
直通は当初は京都市役所前まで。
市営50系は京津線には乗り入れず、京阪側からの片乗り入れになっています。
2002年より京津線内においてもワンマン運転が行われています。
東西線は2007年に太秦天神川まで延伸しましたが、これに合わせて直通区間も延伸し、日中の一部列車が太秦天神川までの直通を行っています。
同じ京阪グループの嵐電と接続するようになった訳です。
【編成】
←御陵方 浜大津方→
Mc1 800 - *M1 850 - M2 850* - Mc2 800
* パンタグラフ
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル2000年12月臨時増刊号 【特集】京阪電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2009年8月臨時増刊号 【特集】京阪電気鉄道」(鉄道図書刊行会)
「京阪電車 車両の100年」(京阪電気鉄道/ネコ・パブリッシング ↓) 等
を参考にさせて頂きました。
次回のこのシリーズは、阪急7300系です。
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