昨日の話になりますが、JALがプレスリリースで、2010年度の「路線便数計画」を正式にプレスリリースしました。
一般の関心も相当高かったようで、公式HP上ではアクセスがしにくくなっている事へのお詫びもありました。
(私は深夜という事もあってかすんなりアクセスできましたが。)
既に一部新聞等の報道で公になっている部分も多いですが、座席キロベースで国際線が4割、国内線が3割削減、加えてB747-400とA300-600Rが全機退役という、やはり相当厳しい内容になりました。
ここでは、公表された内容について、私なりの感想を書いてみたいと思います。
ただし、以前書いたように私は甘ちゃんな経済オンチで、業界内部の事も全然わからず、今日書く事もあくまで趣味的な部分に基づく憶測がかなり入っている事は、ご承知置きください。
また、このリリースを受けて各種報道が論評なども行っているようですが、それらは全部見ないで、全てリリースだけを基にして書いている事もお断りしておきます。
(「松井ジェット」として就航した事があるB747-400DとA300-600R。奇しくもこの両機種が、そろってJALから姿を消す事になった。)
《国際線》
まず運休・減便路線について。
サンパウロ(ブラジル)、アムステルダム(オランダ)、ミラノ・ローマ(イタリア)、ブリスベーン(オーストラリア)、デンパサール(インドネシア・バリ島)、コナ(ハワイ・オアフ島)から完全撤退。
イタリアは、ローマはともかくミラノは残るかと思われたのですが、これでイタリア自体から撤退になります。
しかし、観光の要素が強いデンパサールやコナ等はともかく、アムステルダムはビジネスユースが多そうな気がするし、そんなに成績が悪かったのかなあ。
歴史のあるディスティネーションだし、昔は週3~4便だった所、MD-11を導入したあたりからデイリー運航になって、着実に需要が伸びていたんじゃないかと思っていたのですが…。
私もMD-11のアムステルダム線を何度か利用させてもらいました。
関空~広州線は、関空開港時旧JASによって開かれた路線で、広州に日本の航空会社が乗り入れるのは初めてでした。
サンフランシスコは最初聞いて「えっ、ここも撤退?」と一瞬思いました。
何しろ、JALが初めて自主運航で乗り入れた、由緒ある場所ですから。
ただ、これは羽田へのシフトになるようです。
なお、これにより赤道より南のディスティネーションは、シドニーとジャカルタの2箇所のみになります。
撤退場所については、恐らくJAL便が全く行かなくなるのではなく、「ワン・ワールド」を中心とした、他の航空会社のコードシェア便で対応する部分も多くなるかと思われます。
特にイタリアの2地点は、間違いなくブリティッシュ・エアウェイズか、エール・フランスとのコードシェア便が設定される事になるでしょう。
サンパウロについても、アメリカン航空あたりとのコードシェアで、路線そのものは維持されるだろうと思います。
あるいは、ヨーロッパ(大西洋)経由のコードシェアもあるかも知れません。
実は、そう思える節があるのです。
JALは22日に、サンパウロ行の「ビジネスセイバー」(ビジネスクラスの正規割引運賃)を設定したとリリースしているのですが、新たに大西洋経由の運賃も発表しているのです。
撤退すると言っている場所への運賃ですし、JALの大西洋経由南米路線など最初からないのですから。
(実は日本~ブラジル間だと、アメリカ経由でもヨーロッパ経由でも、時間的な差はそんなにない。)
ただ、今回のリリースではコードシェア運航にまでは触れられておらず、これを受けて今後各社と交渉する事になると思われますので、必ずそうなるとも言えません。
一方、羽田発着の路線が新たに5路線開設になり、現在運航中の4路線も増便になります。
台北の「松山」(しょうざん)空港というのは、現在就航中の「桃園」(とうえん)空港とは別の「国内」線専用空港で、羽田D滑走路供用開始時に路線が開設される事が、既に日本と台湾の交渉で決まっています。
ほとんどが他の路線からのシフトですが、パリ線は成田発着便も維持されるようなので、純増になります。
(最も、去年まではセントレア発着便があったのですが。)
しかし、具体的なダイヤまでは公表されていないけれど、深夜・早朝発着枠利用という事は、パリ行はひたすら夜間の飛行になるでしょう。
時間は有効に使えるけれど、下界の景色を楽しめないのはつまらないなあ。
逆に香港線が昼行便に変更になります。
大阪(関西)~ソウル(金浦)線は国内・国際線共用で176席仕様のB737-800に変更するとありましたが、クラスJの設定がない、全普通席の機材(コードV31)の事のようです。
このための仕様だったという事でしょうか。
《国内線》
特に名古屋の両空港、セントレア・県営名古屋(小牧)両空港の廃止・減便が目立ち、小牧からは来年の3月26日を持って撤退となるようです。
既にそういう話はチラホラ聞こえていました。
その時点で思ったのですが、名古屋に関してはむしろセントレアの方から(国際線も含めて)撤退し、小牧一本に絞った方が良いのではないか?
他社との競争という点では、セントレアはどうしてもANAの方が強くなるし(名鉄がANAの大株主になっている事もある。)、今後の延びしろもなさそうな気がするのです。
むしろ小牧に路線を集中させて、市中心部に近い事をアピールしても良いのではないか?
もちろん大型機が就航できないので、札幌や沖縄の幹線はどうするのかという問題も起きるでしょうが、そこは便数を増やしてカバーするという事で。
廃止・減便ばかりでは、内部のモチベーションも上がらないですからね。
それから、これは初耳だったのですが、北海道エアシステム(HAC)は「持ち株比率を引き下げてJALグループ対象外」にするとの事です。
現在のHACは、JAL51%、北海道49%と持ち株比率がほぼ半々の「第3セクター」です。
JALが比率を引き下げるとなると、その分は北海道が引き受けるのか、それとも第3者に割り当てられるのか?
でも今の北海道にはそれを引き受ける余裕はなさそうに思えるし、かといってコミューター会社に新たに出資する企業が現れるのかどうか。
リリースが出たばかりなので、道は今の所コメントを出していないようですが、丘珠空港存続の問題もあるし(既にANAが6月一杯を持って撤退する事が決定済み。)、北海道内の航空路線そのものの行方に大きな影響を与える事は必至です。
HACもそうですが、今回は発表されていないものの、他のグループ会社の大幅な再編成も、今後十分にありえるでしょう。
なお、国内線の下期スケジュールについては8月末に改めて発表があるそうで、もう少し変化があるかも知れません。
特に12月に東北新幹線、来年春に九州新幹線が延伸するので、東京~三沢・青森線、福岡~鹿児島線あたりがどうなるでしょうか。
《機材》
この再編を受けて、既に書いたようにB747-400とA300-600Rが前倒しで、今年度中に全機退役する事になりました。
というか、少なくとも国際線のB747に関しては、この夏季スケジュールを持って全機運用を離脱するようです。
国内線は機材についてのスケジュールは公表されていないので解らないのですが、貨物用のB747も夏季を持って運航が終了するので、やはり時期をそろえて運用を終了するのではないでしょうか。
1970年の初就航以来ちょうど40年、通算100機以上運航されてきたJALのB747が、こんな形で終焉を迎えるとは、残念でなりません。
しかし、去年の時点で合計56機あった両者がいっぺんに消えるとなると(既にリタイアした機体もありますが。)、いくら路線の廃止や便数の削減が多いといっても、今後の運航に支障は出ないのか?と思ってしまうのですが。
当面は残りの機材でやりくりし、来年導入が予定されるB787に期待、という所でしょうか。
私事としては、とりあえず「one world」タイトルのB747-400を早く撮らないと。
先日(25日)成田に行った時に整備地区に駐機されているのを見ており、まさかこのままリタイアとは思いたくないのですが…。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
さて、明日は当ブログの更新はお休みし、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」の更新を致します。
今回の更新では新たにJRバス東北と神姫バスの画像の公開を始める他、この両者を含めて合計111枚の画像を追加します。
また、「アーカイヴ」では、先日廃止になった姫路市営バスの画像を公開します。
お楽しみに。
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