№189 私鉄の車両シリーズ33 相模鉄道(新)6000系

 今日はついに、東北新幹線・八戸~新青森間に試験車両(East-i)が入線しました。
 今日は八戸から時速30㎞でトロトロ走って、新青森まで7時間かかって着いたそうです。
 新青森駅のホームは、一般の人も入れたのですね。
 20日には営業車両も入るそうで、いよいよ12月の開業までカウントダウンという所でしょうか。

 一方、一転してローカルな話になりますが、戸塚バスセンターの移転(移転しても名称は変わらないみたい)が18日に迫り、今日は乗務員の教習で神奈中バスが新バスセンターに乗り入れていました。
 戸塚駅西口は再開発事業が一つの節目を迎え、「トツカーナ」「パルソ」が今月2日にオープンしています。
 「パルソ」の一角には相鉄が経営するビジネスホテル「フレッサイン」が入りました。
 戸塚駅西口には30年前まで、相鉄バスが一日5往復、横浜駅西口から横浜新道を経由して乗り入れていました。
 なので、30年ぶりに戸塚で「相鉄」の2文字が見られたわけです。
 という訳…でもないですが、今日の私鉄の車両シリーズは、相鉄の(新)6000系です。

 №139で取り上げた相鉄6000系は、1970年の16次車より大幅なモデルチェンジを行い、以降1974年までの間に70両が製作されました。
 同系列を名乗りつつ、旧モデルとは印象が大幅に異なっています。

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 新6000系は、旧モデルのMMユニット試作車、モハ6144-6145の実績を元に、本格的なMMユニットを採用、電動車は新たにモハ6300形を名乗っています。
 また、横浜方先頭車も新たにクハ6700形が起こされました。

 車体も大きく変わり、幅は2,930㎜と、在来線(狭軌)では最大級になりました。
 前面も高運転台となり、窓下に前照灯を配置。
 また、窓上には種別・運行番号表示を設けました。
 側面の扉配置も旧モデルと異なり、左右対称になっています。
 また、側窓の幅も広くなりました。
 制御システム自体は変わっておらず、旧モデルとの混結も可能です。

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 1971年製の内の4両が試作冷房車として製作され、翌1972年より本格的に冷房車となりました。
 非冷房車の室内の色調は旧モデルと同様の寒色系でした。
 この年の冷房車より、室内の色調が暖色系に改められ、これは9000系まで受け継がれています。
 非冷房車についても順次冷房化が行われ、1978年11月までには全車両冷房車となりました。

 4両1ユニットで量産されましたが、不足する2両はモハ6144-6145のユニットを組み込み、車体幅が異なるためアンバランスな印象を与えました。
 需要の増大により、2ユニット連結の8連で運用されるようになり、さらに横浜方に旧モデルの2両を連結した10連での運用もありました。
 10000系のデビューにより、2003年11月のさよなら運転で引退しました。
 これにより、相鉄から鋼製車体の形式が姿を消しています。


 ところで車体色は旧モデルと同様、濃緑+灰色をベースにしていました。
 1973年、横浜駅西口の相鉄ジョイナスが開業するのを機に車体色を変更する事になり、2種類を比較した上でライトグリーンをベースにしたカラーに改められました。
 なお、特別塗装を施した編成が3本あり、6718Fが「ほほえみ号」(久里洋二デザイン)、6717Fが「緑園都市号」(柳原良平デザイン)、6713Fが「アートギャラリー号」(池田満寿夫デザイン)として運行されていました。
 これとは別に6707Fが2002年より旧塗装を復刻しており、車体色に関しては終始バラエティに富んでいました。

 残念ながら試験カラーの黄色系・「ほほえみ号」は撮る機会がありませんでしたが、ここでは「緑園都市号」・「アートギャラリー号」・旧塗装復刻編成の画像を御覧頂こうと思います。

◆緑園都市号 6717F
「横浜八景」と題し、一両毎に横浜の名所及び相鉄沿線の風景が描かれています。
 多分に相鉄の事業のCM的な面も入っています。

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クハ6717 日本丸
 柳原良平氏といえばやはり船の絵ですから、横浜方2両はドーンと大きく、船の絵が描かれています。

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モハ6325 クィーンエリザベスⅡ世号
 当時の世界最大級の客船で、何度か横浜にも来航し、YES89の時はホテルシップにもなりました。

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モハ6326 山下公園
 隅に見えるマリンタワーが旧カラーの赤と白のゼブラトーンになっているのが注目で、人形の家や氷川丸も描かれています。

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クハ6543 赤レンガ倉庫と横浜三塔
「横浜三塔」とは、「キングの塔」=神奈川県庁本庁者、「クィーンの塔」=横浜税関本関庁舎、「ジャックの塔」=横浜市開港記念会館。
 なお、この編成は通常は分割されることはないのですが、中間に組み込まれた先頭部にもしっかりイラストが描かれています。 

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クハ6716 中華街
 ドア毎にそれぞれ異なった中華街の門が描かれています。
 どこの門なのかは申し訳ないですがわかりません。
 なお、この車両の先頭部にもイラストが描かれています。

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モハ6323 横浜駅西口
 この辺が相鉄のCM的な部分が現れている所で、相鉄ジョイナスと、横浜駅ビルの「CIAL」(今耐震補強の問題でどうするのか検討が続けられている)が描かれています。
 相鉄バスにも注目。

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モハ6324 万騎が原こども自然公園
 この公園は、南万騎が原駅または二俣川駅から徒歩で行ける所にあります。
 二俣川駅からはバスもあります。

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クハ6541 緑園都市
 これは明らかに相鉄のCMで、当時相鉄によって開発が進行中だった緑園都市の街並が描かれており、改築なったばかりの緑園都市駅も見られます。

 お披露目は1987年の事で、今だったら少し違う選択で描かれたかも知れません。
 横浜の名所ならベイブリッジ・ランドマークタワー・ズーラシア、相鉄のCMというなら「シェラトンホテル」(相鉄本社跡地に立てられた外資のホテル)が描かれたとも思えます。


◆アートギャラリー号 6713F
 どこか抽象的に自然が描かれています。
 ドアが左右で別の色になっているのが特徴。

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クハ6713 UMI(海)

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モハ6317 SAKANA(魚)

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モハ6318 KUMO(雲)

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クハ6538 TORI(鳥)
 なお、「緑園都市号」と異なり、中間に封じ込められた先頭部には、何も描かれていません。

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クハ6715 HANA(花)

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モハ6327 KAWA(川)

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モハ6328 KI(木)

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クハ6542 HITO(人)

 なお、池田満寿夫氏デザインの車両は、現在も樽見鉄道で運行されています。


◆旧塗装復刻車 6707F

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【編成】
←横浜     海老名・いずみ中央
 Tc 6700 - M1 6300* - M2 6300* - Tc 6500 + Tc 6700 - M1 6300* - M2 6300* - Tc 6500
* パンタグラフ

 今回の記事は
「私鉄の車両20 相模鉄道」(保育社) ※現在はネコ・パブリッシングによって復刻
「鉄道ピクトリアル1986年8月臨時増刊号 【特集】相模鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル1999年7月臨時増刊号 【特集】相模鉄道」(鉄道図書刊行会)
「私鉄の車両編成表 91年版」(ジェー・アール・アール) 等
を参考にさせて頂きました。

 私鉄の車両シリーズ、次回から5回は大手を離れ、地下鉄・都市近郊・路面電車・ローカル線・第3セクターを取り上げます。
 次回は同じ横浜の横浜市営地下鉄、1000形です。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)


徹底チェック 民鉄車両?JR発足後、民鉄はどんな車両をつくってきたか〈下〉
中央書院
川島 令三

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