№180 バスマガジンvol.40(講談社)

 2010年度スタートの4月1日です。
 様々な事が終わり、様々な事が始まる一日です。
 交通業界でも色々な出来事があって、全部を並べる事もできないほどですが、ぜひそれらが今後の乗り物の明日の飛躍ににつながるよう、願いたいと思います。
 当ブログも、今日から「I LOVE トランスポート」と改称、デザインも一新してみました。
(でも表紙の写真(相鉄の旧塗装復刻車です。)が少し大きすぎるか。後で手直ししてみます。)
 さらに陸海空全般に渡って、深く掘り下げて書けるよう、そして「のりもの」の楽しさを伝えられるよう頑張っていきたいと思います。
 よろしくお願いいたします。

 「バスマガジン vol.40」は、先月末発売。
 表紙は小田急バスのエルガ。

◆ ノンステップバス ディティールファイル
 今回は、エルガ・ノンステップの10年間のディティールの変化を、関東のヘビー・ユーザー、小田急バス・川崎市交通局・京浜急行バス・京成バス(京成タウンバスを含む)・国際興業で比較してみようというもの。
 まず、メーカー仕様の違いで、フロント・リアの違いが掲げられていますが、フロント上部のリアの形状の違いなんて、写真を並べられてみて、ああそうかと初めて気がついた次第。
 事業者ごとで言うと、表紙を飾っている小田急バスの生田〔営〕は今は全部エルガですか。
 小田急線が生田〔営〕の裏(生田~よみうりランド)を走るのですが、確かに、ズラッと並ぶ路線車のリアが全部同じなんですよね。
 整理券路線というのは、〔柿23〕系統(柿生駅~町田バスセンター)の事ですが、現在は一日2往復しかありません。

画像

(2003年3月22日撮影)
 わざわざ中扉部に整理券発行機やカードリーダーを設けるのは不経済で、全区間先払い(行先は申告)にすれば良い気もします。
 ただ、系統の大半が整理券方式の神奈中バスと併走なので、そうせざるを得ないのでしょう。
 川崎市営は公営としては比較的珍しい標準尺車がありますが、東扇島を中心とした臨海工業地帯を控えているからで、エルガにはないけれど、スペースランナーでは長尺まである位です。
 同様に、京急バスにも「船の科学館線」仕様として、標準尺車が配置されているのですが、先日大井町で見たら、専用車だけでなく、スペースランナー(2004年式)も運用されていて、完全な限定でもない様子。
 エルガに限った事ではありませんが、こうして見ると特に民営事業者では、営業所によっても仕様がいくらか異なる事が多いようです。
 あと、屋根上のクーラーのユニットについても簡単に触れられてはいますが、もう少し掘り下げても良かったかなと思います。
 この5者にはありませんが、この他にサーモキングを採用している所もありますし、今後クーラーについても独立した研究記事があってもいいかもしれません。

◆ バス顔今昔物語
 戦後すぐから現代に至るまでのフロントマスクをズラッと並べたという所。
 ヘッドライトがチャームポイントになるかと思いますが、1980年代初頭から丸→角型への移行が始まっています。
 恐らく、三菱ふそうがニューエアロスターをデビューさせた1996年が、少なくとも一般的なバスでは丸型のヘッドライトの採用を終了した年でしょう。
 やはり現行のエアロクィーン・エアロエースが一番シンプルで端正だなあ。

◆ いすゞ純正バスボディ大研究 (第5回:1983~90年/P車)
 今回はP-規制車両で、シャーシ自体のモデルチェンジによって、特に路線車は同時にキュービックに移行するという一大転機を迎えた時期です。
 あまりにも大胆すぎるマスクが故、一部の事業者ではボディを原則FHIに乗り換えてしまったりする事業者も現れたりもするのですが。
(東武鉄道など)
 また、1986年には、純正ボディメーカーが川崎車体工業(川重)からIKコーチに移行するという一大事も起きました。
 ここで、川重製のキュービック車の写真が見つかりましたのでご覧頂きたいと思います。

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 明石市交通局の3125号車。
 前輪の前に、川重の旗のマークがあるのがお解かりでしょうか。
 ちなみに撮影場所は、高架化が行われる前の山陽電鉄・山陽明石(確か当時は電鉄明石)駅前の踏切です。
 もう一枚、今度はIK移行後のLTキュービックをご覧頂こうと思います。

画像

 同じ兵庫県の全但バスで、姫路22あ1601号車。
 こちらは前輪の後にIKマークがあります。
 撮影はJRの城崎駅(城崎温泉駅)前。
 鵡川高校の野球部後援会所有のP-LV219Qは、26年使用で31万㎞、という事は、1日平均約33㎞のみの走行という事になります。
 こういうバスに乗れる野球部員はある意味うらやましい、と思うファンも少なくない…かも知れません?
 
◆ バス大好き!な女の子の活動絵日記 最終回
 ああ、最終回ですか。
 なかなか面白かったですよ。
 はる佳ちゃん、お疲れ様でした。

 昨年12月に発売が開始された、京王バスグループの一日乗車券を使った乗継。
 既に1日乗車券を発売している他社では、ICカード(PASMO・Suica)に移行している所も多いですが、京王は紙のスクラッチ式で始まっています。
 新宿→高尾山口は京王バスグループ一本でつながるのですが、ダイヤ上はかなり綱渡りだったようです。
 永福町→久我山の〔鷹64〕系統は久我山~三鷹駅の本線の出庫系統なので、早朝だけの設定になるのですね。
 映画のロケ地を経由するというのは、「らしい」かな。
 高尾山口に行く京王バスは、確かに現在は1日一本だけ。
 昔はその先、大垂水峠の手前の大平まで運行されていてもう少し本数が多かったし、さらに遠い昔だと、休日だけ峠を越えて相模湖駅に行く路線もあったのですが。
(この他神奈中バスが現在も毎日運行。)
 それにしても、お寺の「萌え看板」が出てきたけれど、どこもかしこも「萌え・萌え・萌え」で、正直食傷気味。
 労働組合の今年の春闘のポスターにも、そういう傾向のイラストが使われた所があるけれど(私鉄総連)、もうちょっと違う発想がでてこないものか、と思ってしまいます。 

 「全国乗合バス100選」は今週も休載。

◆ 今月の気になりバス事業者 日立自動車交通
 個人的に歓迎の1社。
 本体でも取り上げさせていただいていますが、最近は23区のコミュニティ輸送でかなり存在感が増した事業者です。
 台東区「めぐりん」は、2004年4月運行開始とありますが、正確には東京都交通局からの引継で始まっています。
(なお、今の所「PASMO」は不可。)
 この他にも一般的な観光バスもあり、エアロエースも導入したばかりとか。
 あと、このグループは、似たような名前のタクシー会社が3社あるのですね。
 なお、次回5月の更新時に、所有車両データを反映させていただく事にします。
 中央区「江戸バス」の写真も、ここで公開する予定です。

◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.40 広島電鉄グループ
 広島電鉄の他、芸陽バス・備北交通・エイチ・ディー西広島(ボン・バス)もまとめて取り上げられています。
 路面電車のイメージが非常に強い広島電鉄(広電)ですが、バスもグループ全体をひっくるめれば、広島県西部のほぼ全部を網羅しているといえます。
 それだけにローカル輸送も多くて、特に芸陽・備北は大変(芸陽は昨年大幅に路線を縮小し、三次市への乗り入れがなくなっている。)だと思うけれど、どちらもBLCハイブリッドを入れているのは素晴らしい。
 広電本体はBLCはないが、セレガでハイブリッドを入れたそうです。
 またいつか広島に行って、撮れるものなら撮りたいですねえ。
 この広電グループに関しても、次回更新時にデータを反映させたいと思います。 

◆ Things happened in a year 第1回 関東バス
 新連載で、特定の事業者の1年間に渡る話題をまとめてピックアップするというもの。
 第1回は関東バス。
 一番大きかったのが、ケイビーバスの関東バス本体への再統合。
 バス専業事業者の分社は、一昨年の9月に多摩バスが西東京バスに再統合され、また、臨港グリーンバスも昨日を持って、川崎鶴見臨港バスに再統合されています。
 関東バスに限らず、この辺はどういう事情かわからないのですが、いずれバス事業者の分社のあり方についての検証が発表される事を期待したいと思います。
 車両面では3ドア車の代替で標準尺ワンステップの導入、そしてプレート式の社紋をつけた車両の消滅。
 もっとも、社紋自体はステッカーで続々復活という事です。
 でも、通常は「PASMO」などの幕で見られない事も多いんですよね。

◆ 紀州鉄道で走るレールバス
 紀州鉄道で運行されている、富士重工製のレールバス「Le-Car」については、№21で取り上げました。
 当時は1両で、キハ603との併用でしたが、昨年もう一両が北条鉄道から譲渡され、2両体制となりました。
 白黒なので良く分からないですが、2号車は1号車と塗り分けが異なるようです。
 短区間のJR線フィーダー輸送は、まさに2軸レールバスにはうってつけのロケーションでしょう。

◆ 都バス情報局
 BLCハイブリッドが44台の大量導入。
 恐らく、日本全国でも、都営バスがBLCハイブリッドの最大ユーザーでしょう。
 巣鴨〔営〕はドライバーも管理職も女性が活躍しているようです。
 ドライバーは、好きな系統は〔里48〕(ほとんど一直線だから)と語っているようですが、残念ながら今日、のダイヤ改正でさらに減便になってしまいました。
「日暮里・舎人ライナー」との並行路線ですからね。
 なお、このコーナーも、この形式では最終回との事。

◆ 都府県別・地域別路線バス全方位レポート vol.40 高知県
 何といっても今は「龍馬伝」ですから、結構賑わっているみたいで、関連のラッピングをしたバスも目立つみたい。
 一方、高知県のバスの大きな特徴だったモノコックも、ついに土佐電ドリームサービスの2台だけになってしまったようです。
(他に高知県交通に動態保存車が1台いるが、今は登録番号がないそうです。)
 高知県でもICカード(「DESUCA」)がスタートしたそうで、高知のバスも、時代の波には逆らえないという事でしょう。
 後は何といっても、高速バスが心配。
 高知県に限らず四国全域で、高速道路の割引による高速バスへの影響が、他の地域以上に厳しいと聞いていますので…。
 高南観光バスのレインボー7mが渡っている「沈下橋」は、道幅が狭そうなのに欄干がなくて、危なくないですか?

 西日本車体工業の撤退に関してはニュースのみで伝えられており、特に特集記事はありませんでした。
 生産が終了する時期のあたりで、特集が組まれるのかもしれません。

 ところで、裏表紙の広告が「スカイラインのCMコレクション」DVD。
「あ~いの、スカ~イライン~♪」ってアレですが、バスの雑誌の広告としては意表をつきますね。
「バスマガジン」誌が「別冊ベストカー」の扱いという事もあるでしょうが。
 
 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)



香港路線バスの旅
TOKIMEKIパブリッシング(角川グループパブリッシング)
小柳 淳




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