本題に入る前に。
モスクワの地下鉄で自爆テロと見られる爆発事件が連続して発生し、多数の死者が出ているという事です。
モスクワの地下鉄では6年前にもテロによる爆発事件で大勢の死者が出ていますし、最近では長距離急行列車をねらったテロらしき事件も起きています。
ロシアに限らず、イスラエルではパレスチナ過激派によるバス車内での自爆テロが相次いだ時期がありましたし、ロンドンでもサミットの最中にバスが爆破される事件が起きた事もあります。
日本でも地下鉄サリン事件は今だに記憶に新しい所です。
政治的・思想的な事を云々語るつもりはありませんが、その争いに公共交通機関が巻き添えを喰らい、大勢の旅客が犠牲になるのは、悲しむべき事と言わざるを得ません。
人々が「つまらない」争いごとを止め、安心してバスや鉄道、旅客機などを利用できる日が来る事を強く望みます。
ちなみにJALのWebサイトのTOPには、「モスクワ線は平常どおりの運行を予定しているが、警戒が強化されているので空港には早目に来るように。」という旨のお知らせがありました。
JALは2007年にモスクワの空港をドモジェドボに移転していますが、ここは市内への鉄道のアクセスがあるそうです。
本題に入って、今日は小田急電鉄の4000形について書きます。
4000系というと、かつて、「HB」「ABF」車と総称された旧型車を5000形並の車体に更新し、後に高性能・冷房化が行われて2004年まで使用された鋼製通勤車が存在しました。
ここでは、その後2007年度にデビューした、地下鉄千代田線直通対応のステンレスカーの2代目について取り上げます。
初代については、別の機会に取り上げます。
4000形の基本仕様は、JR東日本のE233系をベースとしています。
4056FはJR新津車両製作所です。
新津製の私鉄車両は、相鉄10000系、東京都10-300系に次ぐものになりました。
車体も同様の軽量ステンレスで、東急車輛の製造方法が取り入れられています。
ただし、千代田線の建築限界から、車体幅は2,790㎜の狭幅タイプとなっています。
もちろん、非常用の貫通扉も設けられています。
帯の色は、それまでのステンレスカーより鮮やかなブルーになりました。
この帯の色や、前面のデザインは、VSE・MSEを手がけたデザイナー・岡部憲明氏の監修を受けています。
制御方式はIPM素子のVVVFで、「編成滑走制御」を導入しています。
主な機器や回路はJR車同様二重化され、故障に強い設計が追求されています。
ただし、E233系と違い、予備のパンタグラフは装備されていません。
運転室は非常扉を車掌側にオフセットして設置されており、前後方向に拡張されています。
コンソールはワンハンドル方式。
TIOS装置のモニターを設けています。
D-ATS-P設置の準備工事も行なわれています。
行先表示装置は前面・側面ともフルカラーLEDとし、JR車と同様の表示内容を提供しています。
車内の仕様も基本的にJR車に準じていますが、暖色系となりました。
座席は片持ち式で、1人あたり座席幅は460㎜に拡幅。
座席間には4-3の仕切りを兼ねてスタンションポールを設置しています。
車椅子スペースはE233系と異なり両先頭車両に設置、1次車のみ折り畳み式の座席を設けていました。
ドア上部には、液晶15インチの表示装置を設けています。
当面は1扉につき1台で、次停車駅の案内などを表示しています。
2009年までに11編成が製作され、千代田線直通の急行・多摩急行に投入され、1000形の4+6連分割運用を置き換えました。
また、改良工事の進捗により全線で快速急行・急行の10連運転が可能になっている事から、地上区間の快速急行・急行への運用も拡大しています。
(1000形の10両固定編成と共通運用。)
【編成】
←新宿方 小田原・藤沢方→
Tc1 4050 - M1 4000* - M2 4100 - M3 4200* - M4 4300 - T1 4350 - T2 4450 - M5 4400* - M6 4500 - Tc2 4550
* パンタグラフ
今回の記事は
「鉄道ピクトリアル2008年10月臨時増刊号 鉄道車両年鑑」(鉄道図書刊行会)
を参考にさせて頂きました。
次回のこのシリーズは、東急8500系です。
ただし、明日は違う事を書く予定です。
また、31日もお休みを頂く予定で、次回は4月になります。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
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