№169 私鉄の車両シリーズ25 東京モノレール1000形

「私鉄の車両シリーズ」、今回は初のモノレールです。
 東京モノレール1000形は輸送力増強と、非冷房の500形の置き換えのため、1989年にデビューしたモデルチェンジ車です。

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 1000形では設計のポイントとして、
①輸送力増強
②快適な車両
③性能と保安度の向上
④低騒音化
⑤保守・点検の容易化
が掲げられました。
 東京モノレールでは開業当時は10m級の100・200・300・350形3連、後には15m級の500・600・700・800形2連を適宜連結する事で編成を組んでいました。
 1000形では初めて6両固定編成になり、中間の運転室を廃止した事で輸送力を15%増加させています。
 運転台はワンハンドルマスコンを採用、ATSと将来使用予定のATC及びモニタリング装置を装備しています。
 ブレーキは電気指令式を初採用、流線型となった先頭部の正面窓は大型の曲面ガラスを使用し、運転台からの視野の拡大が図られています。
 車体色はそれまでの赤系から変わり、白をベースに窓廻りは黒地+赤帯(スカート部グレー)としました。

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 側窓は強度の限界一杯まで大型化され、熱線吸収ガラスを使用しています。
 カーテンは当初は設けられませんでした。
 車内は700形と同様クロスシートを基本とし、両端部のタイヤハウス上にはロングシート及び手荷物置き場が設置されています。
 乗務員室直後は仕切り窓を大きくとり、座席は展望席風のレイアウトとして、乗客が正面の展望を楽しめるように配慮されています。

 1999年より車内中央部の側窓部に横引きカーテンが設けられました。
 また、2002年より開始したワンマン運転に応し、運転台への後方監視モニターの新設などが行われています。
 さらに2004年より快速運転が始まった事で、側面にLEDの列車種別表示機を設けている他、近年は座席のモケット時を青系に変更する車両が現われています。

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 車体色は2000年以降、2000形に合わせた青・赤・白の3色になりました。
(青は2000形より明るい。)

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 1019Fは2003年7月より、車体色を開業時の100形以来のカラーを模した濃淡青+白に復刻し、現在も運行中です。

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 この他、2006年より「ポケモンモノレール」の運行を開始、現在は1085Fが3代目の任を担っています。

 1996年までの間に16編成・96両が製造され、500形を置き換えて完全冷房化を達成しました。
 その後の新製は2000形に引き継がれていますが、デビューから20年以上経った現在も、東京モノレールの主力となっています。
 ただ、あくまで勝手な推測でしかありませんが、今年の秋、羽田空港はD滑走路及び国際線ターミナルビルの開業を控えています。
 当然輸送量の大幅な伸びが予想されますので、そろそろ新形式という話が出るような気がします。

【編成】
←浜松町     羽田空港
 Mc1 1000 - M2 1000 - M1' 1000 - M2' 1000 - M1 1000 - Mc2 1000

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1990年10月臨時増刊号 新車年鑑1990年版」(鉄道図書刊行会)
東京モノレール公式ホームページ 等
を参考にさせて頂きました。

 次回は、「なぜこのシリーズを書いているのか?」というあたりの事を、簡単に記してみたいと思います。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)



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