№131 私鉄の車両シリーズ3 西武鉄道4000系

「私鉄の車両シリーズ」第3回は西武のセミクロスシート車、4000系です。

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 1969年に開通した西武秩父線は、1989年に西武秩父駅構内に連絡線を新設し、秩父鉄道への直通運転を開始しました。
 4000系はこの前年に、直通のローカル及び快速急行用に製作されました。

 通常のローカル運用と土休日の行楽輸送に対応させるため、両者を両立させるべく、西武では初の2ドアセミクロスシートを採用。
 ボックスシートとはいえ、関東地方では料金不要のクロスシート車は少ない(当時は京急2000形と東武6050系のみ)ので、デビュー当時は注目を集めました。
 塗装も黄色一色の一般通勤車とは異なる、いわゆる「ライオンズカラー」(アイボリーに青・赤・緑の帯)をまとっています。
(ただし白の細帯による境界があり、「レオマーク」は無い。)
 当初は4連×8本、1992年には2次車として4本、合計36両の全車両が東急車輛で製作されました。

 走行装置は101系の廃車再生品を採用、抑速ブレーキ付の抵抗制御で、急勾配が連続する山岳路線に対応しています。
 分割・併合が多くなるため、自動解結装置を装備。

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 車内は、ドア付近にロングシート、中間部・車端部にボックスシートを配置、ボックスシート部の側窓は2連の1段下降窓として眺望に配慮しています。
 TC1車にはWC、くずもの入れと、当初は飲料の自動販売機を備えていました。
 各ドアには半自動扱い用のボタンを配置し、寒冷地での行き違い・通過待ち等の発生による長時間の停車に備えています。
 なお、2001年度から秩父ローカルのワンマン運転に対応した工事が行なわれ、自動販売機を撤去して立席スペース化、他の車端部のクロスシートはバケットタイプのロングシートに変更、他にもワンマン運転に対応した設備の更新が行なわれています。
 パンタグラフは後にシングルアーム化。

 平日は飯能~西武秩父のローカル運用でワンマン運転を行い、土休日には2編成を併結して、池袋に乗り入れて秩父方面行の快速急行で運用されます。
 平日・土休日共2往復は横瀬で分割して、秩父鉄道への直通運転(三峰口行・長瀞行)を行っています。
(平日は飯能発着の各駅停車)

【編成】
←飯能     池袋・西武秩父
 TC1 4001 - *M1 4101* - M2 4101 - TC2 4001
* パンタグラフ

 西武は3月6日にダイヤ改正を行うと発表しました。
 4000系関連では大きな運用の変化はなさそうですが、土休日の秩父鉄道直通快速急行は、池袋発時刻を繰り上げた上、横瀬(長瀞行)・西武秩父(三峰口行)で特急〈ちちぶ〉からの接続を取る事になるようです。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1992年5月臨時増刊号 【特集】西武鉄道」(鉄道図書刊行会)
「鉄道ピクトリアル2002年4月臨時増刊号 【特集】西武鉄道」(鉄道図書刊行会)
を参考にさせて頂きました。


 京王電鉄から今日、6000系に関するプレスリリースが出ました。
 8両編成については今月22日付けで廃車、記念として13・14・20・21日に「高尾」のマークをつけ、新宿~高尾山口間の準特急で運行するとの事です。
 次回のこのシリーズは、6000系と共に引退が近い、井の頭線の3000系を取り上げます。

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