№145 私鉄の車両シリーズ12 下北交通キハ85形

 今日は2001年に廃線になった、下北交通大畑線のキハ85について取り上げますが、その前に。
1.京王の「高尾」のマーク付6000系の運転は明日(20日)・明後日(21日)も取り止める事になったそうです。
 引退の時期自体もしばらく先になるという事。
 これで日曜日は、京成の新連接バス(ベンツ・シターロ)かなあ。
2.その京成では、「成田スカイアクセス」が7月17日(土)開業予定と、今日プレスリリースがありました。
 新スカイライナー、非常に楽しみです。
 今年は電車もバスも、「京成」が熱い!

 それでは本題に入ります。
 当シリーズ初のディーゼルカーです。

 下北バスは下北半島一体を中心に路線網を持つバス事業者でしたが、1985年7月1日に旧国鉄の特定地方交通線だった大畑線(下北~大畑・18.5㎞)を引き継ぎいで鉄道事業者となり、下北交通と改称しました。
 この時国鉄よりキハ22形3両を導入し、開業年にちなんでキハ85形として運行を開始しました。
 津軽鉄道より北の、本州最北の私鉄という事になります。

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 国鉄キハ22形は、ローカル線の主力だったキハ20系の酷寒地向けとして製作された形式です。
 両側にドアを設け、デッキを仕切りで客室と完全に分離した構造は、他のキハ20系各形式には見られないものです。
 窓も二重とし、車内の保温性を高めて酷寒に備えています。
 北海道・東北にかけて配置され、主に普通列車で運用されましたが、一部は急行でも使用されました。
 80年代に入り、老朽化や特定地方交通線の相次ぐ廃止により急速に数を減らし、一部は中小私鉄や第3セクター鉄道に譲渡されました。

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 下北交通には、1962年に製造されて東北地方で使用されていた3両が入線しました。
 ワンマン運転を行なうため、ロングシート延長とデッキの仕切り・トイレの撤去、ワンマン対応各機器の取り付けなどの改造を行っています。
 外観は同社のバスと同じイメージの、白と赤のツートンカラーに塗り替えられました。

 下北交通大畑線は、1985年7月の転換後は1日10往復に増発され、朝方は2連、他はワンマンの単行で運行されてきました。
 しかし、利用者の減少に歯止めが掛からなかった上、キハ85形の老朽化が深刻な状況に陥った事もあり、2001年3月31日を持って廃線になりました。
 16年近くに渡り、終始このキハ85形3両が走り抜きました。

 廃線後、日本エアシステム機長の有志による「大畑線キハ85動態保存会」により、旧大畑駅構内で動態保存が行われてきました。
 この活動は後にNPO法人の傘下で行われるようになり、現在は4月~11月の第3日曜日に運転会が行われています。
 キハ85-2は旧国鉄色のキハ22 150に復元されました。
「大畑線キハ85動態保存会」については、こちらをご覧下さい。

 ここで、下北交通の駅の写真をご覧頂こうと思います。
 転換時に、ほとんどの駅(下北除く)で、キハ85と同色の駅舎に建て替えられました。

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下北交通 下北駅ホーム

下北
 JR東日本の管理駅。
 レールは転換時に分断されました。

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海老川 下北から1.4㎞

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田名部 海老川から1.7㎞
 むつ市の中心に近く、少々離れた場所にむつバスターミナルがあります。
 駅前にはJRバス東北が乗り入れていました。

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樺山 田名部から4.8㎞
 この駅は乗降が皆無に近く、12月~3月の冬季4ヶ月間は全列車通過扱いでした。
 今残っていれば、間違いなく「秘境駅」の仲間入りでしょう。

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陸奥関根 樺山から2.7㎞

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川代 陸奥関根から2.6㎞

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正津川 川代から2.3㎞

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大畑 正津川から2.5㎞
 本州最北の駅でした。
 大間へ行くバスが発着していて、大間からフェリーで函館へ行く事もできました。

 今回の記事は
「鉄道ピクトリアル1997年4月臨時増刊号 【特集】東北地方のローカル私鉄」(鉄道図書刊行会)
「ローカル私鉄車輌20年 東日本編」
「私鉄廃線25年」
「私鉄気動車30年」(いずれも寺田裕一・JTBキャンブックス) 等
を参考にさせて頂きました。

 次回から、このシリーズは西日本に向かい、久々に大手を取り上げます。
 最初は名鉄の7500系です。
 ただし、明日は違う事を書きます。

 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)

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