でも、機内の乗客・乗員の心情はいかに…。
ところで今日20日、西日本鉄道がプレスリリースで、3月以降バス部門で大幅な路線の廃止・減便、一部の100円バスの設定の取り止めを発表しました。
3月1日には高速バスで3路線を廃止・9路線で減便、一般路線も4月1日以降秋にかけて、9路線で全線・45路線で一部を廃止、48路線で減便を実施するというものです。
(対象の路線名は公表されていない。)
他の報道を総合すれば、これは西鉄史上最大のバス事業縮小であり、合わせて営業所の統廃合や、運転手の新規採用の停止も行われるとか。
昨日、「企業は健全な経営が出来なければ、何の評価もされないものだ。」と書きましたが、優良バス企業(のはず)の西鉄でさえも、今や会社そのものの経営の健全さを保とうとしたら、大規模な路線網の縮小が避けて通れないのでしょうか。
本題に入ります。
昨日は急遽JALの経営問題について書いたので1日延期してしまいましたが、今日はバスラマ・インターナショナル117号を取り上げます。
昨年の末には発売されていましたが、かなり遅くなってしまって申し訳ありません。
いつもの通り、気になるトピックスを拾い、取り上げてみます。
◆各地の新車から
西鉄の新〈はかた号〉が、ついに姿を見せました。
この号では外観だけで、詳細は次号との事。
福岡の梅と、東京の桜を取り入れた、古風なデザインになっています。
しかし、20年前に京王との共同運行でスタート(2往復)しながら、一時は廃止の瀬戸際まで追い詰められたのに、ここまで盛り返すとは、〈はかた号〉、さすがです。
熊本県天草市コミュニティ「のってみゅーかー」の青系のポンチョの写真もあります。
先月私が訪れた時は、あいにくの天候で赤系しか撮れなかったのです。
赤系については、こちらをご覧下さい。
平和交通の高速バスは初耳だったし、「BE TRANSSE」グループという名前も知りませんでした。
なお、PASMO、Suicaで乗れます。
(「バス特」はないが、運賃の割引があります。)
◆ バス事業者訪問113 北陸鉄道
「1993年№17以来の再訪」との事です。
当時はすでに能登地方で一部分社(旧七尾バス・旧能登西部バス・旧能登中央バス)が営業を開始していましたが、他の地域は金沢市内も含めて、すべて北陸鉄道が直営で運営していました。
路線網を見た感じでは、能登半島全域に一応網状に路線があるものの、基本的には金沢市・その周辺の一極集中という感があります。
加賀温泉バスは、一般路線は他のエリアとつながっていないようです。
(一日一往復、金沢~山中温泉間のローカル高速バスがありますが、表では北鉄奥能登バス運行になっていますが、加賀温泉バスの間違いではないですか?)
能登を中心としたローカル輸送の厳しさは今更の話ですが、気になったのは、金沢市内中心部(金沢駅~兼六園下間)の100円バスの競争の下り。
談話の節々からは、「まちバス」のみならず、行政当局の政策そのものへの不信感が感じられます。
西日本JRバス(「まちバス」はJRに運行を委託)も若干あるとはいえ、基本的に金沢市内の路線は北鉄グループの独占に近いので、バス事業に関して行政との溝が出来てしまうのは、好ましい事ではありません。
何とかいい方向に解決できないでしょうか。
車両のアルバムの内、16-798(日産ディーゼルKC-UA460LAN)は、中部地方からの移籍車とだけありますが、全体のプロポーションやクーラーユニットの形状からして、9月に一般路線を全廃したJR東海バスからではないかと思われます。
(本体から持ってきました。改築前の金沢駅前)
あと、初代の「城下町かなざわ周遊」車(前後ドアの日野KC-HT2MMCA)は、一般路線に転用され、各地に散っていって、まだバリバリで走っていると思われるのですが、写真がなかったですね。
なお、2月1日の本体の次回更新時には、巻末の車両データより、本体のデータの追加を行います。
◆ 日本バス協会 第58回中央技術委員会全国大会 開催
この大会の発表から①路上故障削減の取り組み(名古屋市交通局)、②安全教育におけるドライブレコーダー等の活用(東京空港交通)、③多客路線の車両仕様変更について(西武バス)の3件が取り上げられています。
③なのですが、標準仕様のノンステップ・ワンステップ車の場合、後部の段差以降の立ち客スペースが狭く、多客時でも乗客が移動してくれずに混雑の原因になっているとして、特に後部の立客スペースの拡大とフラット化、基準に合わせた座席配置や寸法を見直して運用に入れているという報告です。
ところで、本来ならこういう事は車両メーカーや、ひいては行政当局も関わらなければいけないはずだと思うのです。
しかし、飛躍し過ぎかも知れないけれど、ベースだけは作ったけれど、あとは乗降性の向上を一バス事業者の努力に委ねる、という今の状況はは、「バス事業者はバスメーカーにとってお客様」という事も考えたら、非常にまずいのでは?
考えすぎとも思うけれど、仮にもし韓国あたりが「ユニバース」のような高速・貸切車だけでなく、画期的なノンステップ路線車を開発し、日本に売り込みをかけてきたら、ひょっとしたら日本のバスメーカーは生きて行けなくなるのではないか?
(現に後半に、韓国のドンイルバスが、最新ノンステップの「プリモス」を導入したとの記事があります。)
深読みかもしれないけれど、その辺も最近の「バスラマ」誌の、国産ノンステップ車の技術の停滞に苛立ちを隠していない部分の一つではないかと思ってしまうのです。
(どうもこの所、「バスラマ」誌と業界サイドの意識の乖離が目立ってきてしょうがない。)
◆ BUS WORLD Kortrijl 2009
そういう国産車への苛立ちもあってか、「バスラマ」誌では最近特に海外のバス専門ショーを大きく取り上げ、ひるがえって日本では…?という論陣を張っているようです。
(この号の冒頭でも、バスの展示が皆無に近かった日本のモーターショーはどうなんだ?と疑問を呈しています。)
ただ、そうであるなら、展示車両の車内の写真がコーチ中心で、一般車ではトルコ製の中型車のみ車内を公表しているのですが、同じトルコの大型車や、スイス製の3連接車(3連接自体は日本では疑問)の写真もあるのだから、是非その車内の様子も公開して欲しかったと思います。
◆ その他
1.イタリアではトロリーバスが再び見直され、復活や新規開業が相次いでいるとの事。
2.JRバス関東に元東急のノンステップ車、長崎県営に元京急車、道北バスに元神奈中の日野中型車、産交に元横浜市営のJP、など。
あと、前後してしまいましたが、はとバスがオープントップバス「'O Sola mio」の運行をスタートさせたという記事。
明らかに日の丸の「スカイバス」への対抗なのですが、実は、前回のバス事業者訪問(当時はユーザー訪問)で北陸鉄道を取り上げた1993年の17号に、ベースとなったドレグメーラ・メテオールの紹介記事があるのです。
デビュー前、お祓いのために明治神宮に3台並んだ姿が掲載されています。
なるほど、17年も経った今になってオープントップに出来るとは、ボディは頑丈なんですね。
いっその事、カラーも初代オープントップバスのデザインを復刻できたら受けたかも?
明日は、年鑑(2009→2010)について書きます。
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)