№95 バスマガジン vol38(講談社)

 スミマセン。4日間も休んでしまいました。
 一昨日の内には順調に帰ってきたのですが、昨日はちょっと色々ありまして…。
 この3日間の九州旅行については、写真が出来上がり次第取り上げます。

 今日は、発売から大分経ってしまいましたが、「バスマガジン vol.38」です。
 一部先日の九州旅行で見聞した内容も混じっています。

◆ 東京と関東各地を結ぶ「公共交通の主役」
 東京都内(23区)と関東地方を結ぶ近距離高速バスについての現状の分析。
 ただ路線毎の時刻表だけを並べてみただけではピンとこないけれど、路線網を地図にしてみると、千葉県への路線が、他の県への路線と比べて非常に密になっています。
 やはり高速道路の発達に対して、鉄道の改良が非常に遅れているという事はあるでしょう。
 例えば、先日館山行ってきた千葉県の館山でも、東京駅行「なのはな」号が終日30分毎(一般路線を含めても、館山駅を発着する路線バスの中では一番本数が多い。)なのに対して、JRの特急「さざなみ」は、日中は運行がなくなっています。
 内房線は線形が非常に悪いし、改良という話も全然聞かないので、千葉・羽田空港・横浜への路線もあるし、この地域では高速バス優位の状況が定着していくのでしょう。
 高速料金の行方にも依りますが…。
 逆に言うと、鉄道で高規格の新線が開業したり、そうでなくてもダイヤが改善されたりすると、一転して近距離高速バス路線がダメージを受けやすくなるという事になります。
 「つくば」号が典型ですが、「マロニエ」号が佐野~宇都宮を廃止したのも、多分に湘南新宿ラインの快速の影響ではないかと考えています。
「マロニエ」 … 新宿駅新南口~宇都宮駅 2時間32分~2時間58分・1,700円
湘南新宿ライン快速 … 新宿~宇都宮 約1時間35分・1,890円(グリーン車は+950円(土休日750円)


 都内のバス乗場では、潮見駅がありませんでしたね。
 京葉線の駅の裏にあり、事実上は折返しの待機所に過ぎないと思われるのですが、このバス停の存在意義についても取り上げてもらえば良かったと思います。
(ちなみに京成・日東の潮見駅~君津線だと、木更津市内に「潮見」停留所があるので、「潮見」と名がついた、全く別の2ヶ所のバス停を通る事になります。)

◆ 両社(日産ディーゼルと三菱ふそう)がOEM供給を受ける大型・中型バス導入事業者カタログ
 日産ディーゼルと三菱ふそうが合弁会社を設立するための覚書を締結した、と言う事で、相互OEM供給車両を運行する事業者の車両をカタログ的に並べています。
 私も本体の方でいくらか掲載していますが、ここで本体未発表のOEM供給車の画像をご覧頂きます。
(3枚とも、本文で紹介されています。)

★日産ディーゼル→三菱ふそう
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阪東自動車 エアロスターS

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知多乗合自動車 エアロミディS

★三菱ふそう→日産ディーゼル
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習志野新京成バス スペースランナーA

 上に挙げた中では、阪東自動車は既に母体のスペースランナーを運行していますし、関東に限っても関東バスや江ノ電バスなどが、スペースランナーとエアロスターSを両方運行したりしています。
 J-BUS(いすゞ・日野)でもありますが、事実上同形式なのに別メーカーの車両を並行して導入するのは、どういう理由があるのでしょうか。
 その辺の所も踏み込んで書いていただければ。

◆ いすゞ純正バスボディ大研究 (第3回:1979~84年)
 今回はK-規制の大型車(CJM・CDM・CJA・CSA・ECM等)。
 今南部バス(コラムにもあります。)で最後の活躍をしている事で注目されているタイプです。
 路線車のCJM系やECM系は、流線型的なフロントマスクが美しく思えました。
 特に末期の、後部ドアや戸袋窓が大型化されたタイプは、モノコック時代の集大成だと思います。
 でも不勉強だったのですが、BU系と同じフロントマスクのCJMがいたのですね。(山陽電鉄)
 あと、以前「バス・ジャパン」の連載で、私が投稿した、と書いた札幌市営バスの試作ボディの写真もあります。
 これは嬉しい。
 ここで、本体では未掲載のこの年代の車両の画像を何点かご覧頂きたいと思います。

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上から (路線車)岩手県交通
           秩父鉄道
           諏訪バス
     (貸切車)岩手県交通
           秋田中央交通
           群馬バス
 なお、秩父鉄道は、昔は直営で熊谷付近の路線バスを運行していました。
 現在は秩父鉄道観光バスとして分社になり、路線バスは直営1路線(秩父湖~川又間)、及び熊谷市コミュニティ「グライダー号」「ムサシトミヨ号」を運行するのみです。
 群馬バスのCSAを見て思いますが、いすゞはヘッドライト縦2列が好きだなあ…。

◆ バス大好き!な女の子の活動絵日記 第5回
 廃線跡めぐりとはまた地味な…。
 テンション高い、キャピキャピしたテキストは、あまり合わない気もするけれど…。
 もちろん鉄道・バスが好きになってくれるのは嬉しい事ですけれど。
 北恵那鉄道について補足すると、廃線の直前には電車の運行は朝晩のみに限られ、日中は既にバス代行になっていました。

◆ 読者が選ぶ…全国乗合バス100選
 030ではJR四国バスの大栃線。
 国鉄時代は高知が始発で、もっと奥まで路線があり、味のある支線も相当残っていたらしいですが、現在は土佐山田~大栃のみ。
 でも、この路線では、以前から小規模なアンパンマンのキャラクターのステッカーの貼り付けが行なわれていたのは見ていて、本体でも公開していますが、今は全車両が全面的にアンパンマンのラッピングになっているのですか。
 特急列車でも走っていますね。
 原作のやなせたかしさんも90歳を過ぎてもなお、お元気ですし、このバス路線も、いつまでもJRバスとして頑張って欲しいと思います。
 私も機会があれば乗りに行きたいと思います。
 031は高知東部交通の安芸~甲浦線。

◆ 今月の気になりバス事業者 中紀バス
 中紀バスも、歴史的には結構古い会社で、ルーツは戦前から存在していたようです。
 紀伊半島はちょっと馴染みがなくて、正直利用した事はないので特に語る事もないのですが、ここに昔の中型貸切車の写真があるのでご覧頂きたいと思います。

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 大阪市内で「花博」の時に撮ったんじゃあないかなあ。

◆ おじゃまします バス会社潜入レポート vol.38 東海バスグループ
 東海バスの車両群については、既に本体で取り上げていますので、そちらをご覧頂ければと思います。
 観光路線が多い一方で、ひなびたローカル路線も少なくはなく、魅力的ではありますが、それだけに乗りに行くのは大変そうだなあ。
 伊豆急行が来年春Suicaを入れる事になっていますので、東海バスグループも本当はPASMOを入れてくれたらより便利になるとは思います。
 しかし、他のPASMO事業者よりローカル線が多いので投資も大変だし、その上三島・沼津地域の場合、JR東海のTOICAもあるので、簡単にどのICカードを導入する、とは言えないかも知れない。
 今後は、シンプルかつハイグレードな定期観光バスの導入(江ノ電バスみたいな)を期待したいと思います。
 東海バスグループでは、営業所は「事業所」と呼称するのですね。

◆ 全国バストクトク情報

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 何を隠そう、私も一昨日まで、「SUN Q」パス(今回は北部版)で天草から入って熊本・福岡を回り、北九州空港から帰ってきたばかりです。
 「SUN Q」の影響は大だったようで、東北では期間限定で、四国では回数制限があるものの、長距離高速バスが何度か乗れるような広域パスが発売になっています。
 広域型のパスの場合、やはり高速バスをうまく活用できるかが、トータルでトクになるかどうかを左右する事になります。
 だから、一つの地点に長時間留まって、と言うのはあまり向いていないかもしれない。
 まあ九州だと、早朝から深夜まで頻発する路線が多いから、あまり気にする必要はないかもしれませんが。
 九州と言うと、一つ疑問があって、長崎~宮崎線「ブルーロマン」が、全九州版でも利用不可なのは何でだろう?
 長崎県営と宮崎交通だから問題があるようには思えないし。
 後は地域毎・事業者毎(特に公営だと、地下鉄や路面電車にも乗れるタイプもある)に多数の1日乗車券がありますからぜひ活用して、バス・公営交通を応援しましょう。

◆ LED式行先表示器の秘密
 3日間九州に行ってきた中では、西鉄が、少なくとも福岡市内路線では99%以上がLEDになっていました。
(幕車は1台しか見なかった。)
 LEDの導入に際しては、事業者ごとにはっきり姿勢の差が出ていて、知る限りでは西鉄の他、西武バスや川崎市営バス、神奈中バスあたりは短期間でほぼ全車両がLEDに置き換わりました。
 一番最初に全LED化を達成したのは青森市営だったそうで、雪国という地域の特性もあるようです。
 一方では基本的には新車のみLEDとして、在来車は引き続き幕という事業者も多数見られます。
 また、京都市営はLEDは本格的には導入しないとしています。
(ポンチョと、MKからの引継車両のみLED。)
 羽田空港ターミナル循環の側面カラーLED表示についてコラムがありますので、ここで実物の表示を、表示順に見てみます。

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 国際線ターミナル出発直後。
 第1ターミナルは主にJALが使うので、イメージカラーの赤に白文字を使用。

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※どのターミナルでも、停車中は日本語・英語・韓国語・中国語で「次は○○ターミナル」とスクロール表示を行ないます。
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 第1ターミナル出発直後。
 第2ターミナルは主にANAが使うので、イメージカラーの青に白文字を使用。
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 第2ターミナル出発直後。
 国際線ターミナルは白地で、文字を抜いて表示しています。

 後部のLED表示はコメントを表示する、というテキストもありますので、ここでは相鉄バス(相鉄ホールディングス)の一例を。
 既に本体の「ア・ラ・カルト」でも取り上げているのですが、70㎞/h・80㎞/h制限の路線を走行する一般路線バスの系統があるので、その場合にはステッカー表示に加えて、後部の行先表示でもこういう表示を出します。

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 東戸塚駅西口~(横浜新道・70㎞/h制限)~星川ランプの〔旭16〕系統で見られます。(他にもあります。)

 イラスト表示は、都営バスの〔王55〕〔梅01〕系統で見られますね。

 本来はLEDに限った事ではないのですが、特にLEDになった後、前面・側面とも一考を要するべきと思われる表示内容が目立つ気がします。
 その点、先日の西鉄バスではある程度工夫が見られたのですが、それについては機会を改めて考察してみたいと考えています。
(実は、先行してフルカラーLEDの採用が進む鉄道の方に多々問題があるように感じられるので、先行して考察してみるつもりです。)

◆ Close-up NEWS
 小豆島バスの経営危機は、正直初めて知りました。
 本土とは橋でつながっていないので、対外的な要因(別項でも再び挙げられている高速料金のような)は考えにくいのですが、島そのものの過疎化と、観光客の減少が主な要因になっているようです。

◆ 都府県別・地域別路線バス全方位レポート vol.38 宮城県
 宮城県は仙台市内が市営バス、その他ほぼ全域が宮城交通・ミヤコーバスというのが大まかな構造になっているようですが、やはり最近は小規模な事業者が増えてきているようです。
 特に愛子観光バスは堂々と仙台駅前に入ってきているのですね。
 桜交通は一時期高速バスも運行していましたが、早々に撤退。
 ただ、確か郡山市内だったと思うけれど、「運休中」の張り紙を張ったバス停が、道端に残っていましたね…。
 ノンステップ率は政令指定都市所在の県としては最低レベルですか。
 市営はともかく、宮城交通グループはローカル線が相当多いので、資金的に導入が苦しいのかもしれない。
 今後は首都圏を中心にノンステップの中古車が出回るようになるので、それらを活用してノンステップ化を進める、という方向に行くのでしょうか。

 次号はヒュンダイ・ユニヴァースを取り上げるそうで、実は私も熊本の交通センターで見たのだけれど、撮影する機会がなかったのは残念でした。
 また、3月一杯で廃止の姫路市営バスの特集も予告されています。
 撮りに行く機会が作れるといいけれど…。
 
 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)

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