「JTB時刻表大研究」、今回は2003年です。
東海道・山陽新幹線で大きな営業政策の転換がありました。
3月15日に西日本・九州(西日本の一部は6月1日にも)、10月1日に東海道・山陽新幹線を含むJRグループ全体、さらに12月1日に再び西日本(アーバンネットワーク中心)でダイヤ改正が実施されました。
モノレールではありますが、沖縄県で戦後初の鉄道が開業しました。
《2003年の十大トピックス》
◆ 東海道新幹線品川駅開業
在来線の品川駅の東口にホーム2面の駅を新設したもので、裏口というイメージが否めなかった東口(港南口に改称)は新幹線停車以降、開発が急激に進みました。
元々は、車両基地への回送列車の設定のため、東京駅に発着できる旅客列車数が少なくなるのを補う意味もあったのですが、今の所、品川発着の列車は、2008年に設定された始発の〈のぞみ〉1本に留まっています。
また、山陽新幹線の小郡は新山口と改称。
同時に姫路・福山・徳山と共に、一部の〈のぞみ〉が停車する事になりました。
この時点での駅の所在地は小郡町のままで、2年後の2005年10月、山口市と合併する事になります。
◆ 〈のぞみ〉大幅増発 自由席設定
東海道区間では、ピーク時間では一気に10分間隔の設定になり、〈ひかり〉に変わって主役になりました。
また、自由席車が3両設定され、指定席も値下げになりました。
一方、100系は東海道区間からは撤退、2階建て車両も廃止になって、編成を短縮した上で山陽区間の〈こだま〉のみに運用される事になりました。
◆ 東京-大垣間全車指定席臨時〈ムーンライトながら〉運転
旧「大垣夜行」の〈ムーンライト〉化以降も、多客時には急行型を使用した全車自由席の夜行が設定されていたのですが、夏シーズンより特急型(183系・189系)を使用した〈ムーンライトながら91・92号〉に立て替えられました。
◆ 特急〈しらさぎ〉 快速〈マリンライナー〉新型車両に置き換え
〈しらさぎ〉は、〈サンダーバード〉と同じく683系に置き換え。
3月改正時点では4往復。
所要時分も、米原~金沢間では最速1時間47分に短縮。
7月19日からは〈加越〉にも投入されています。
〈マリンライナー〉は原則、223系5000番台(西日本)+5000系(四国)の編成に一気に置き換え。
5000系は基本的には223系と同系列ですが、ダブルデッカー車(2階…グリーン車指定席・1階…普通車指定席)が連結されています。
◆ 営団半蔵門線延伸 東武伊勢崎線と直通運転開始
水天宮前~押上間が3月19日に開業、同日開業した東武伊勢崎線の支線と接続し、伊勢崎線(日光線南栗橋・埼玉県栗橋町)~半蔵門線~東急田園都市線中央林間(神奈川県大和市)間98.6㎞の直通ルートが生まれました。
東武の車両が神奈川県に乗り入れるのは初めてです。
◆ 名古屋市営上飯田線開業 名鉄小牧線と直通運転実施
3月27日開業の上飯田線は、平安通~上飯田間のわずか1区間という短い路線です。
しかし、起点が孤立した場所(上飯田)にあった名鉄小牧線は、これで上飯田線を介して他の地下鉄路線網と接続する事になり、飛躍的に利便性が向上する事になりました。
名古屋市営では12月13日にも4号線(当時)の砂田橋~名古屋大学間が延伸し、全通まであと一歩になりました。
◆ 沖縄にモノレール えちぜん鉄道運転開始
沖縄都市モノレールは、1945年に沖縄県営鉄道が廃線になって以来、約58年ぶりの沖縄の鉄道(法規上は軌道)として8月10日に開業しました。
愛称は「ゆいレール」。
起点の那覇空港は日本最西端(これまでは松浦鉄道・たびら平戸口駅)、次の赤嶺は日本最南端(これまではJR九州指宿枕崎線・西大山駅)の駅のタイトルを獲得しました。
8月号の「旬の駅から小さな旅へ40」で美栄橋駅が取り上げられています。
えちぜん鉄道は、2度の正面衝突事故により運行を停止していた、京福電気鉄道(福井支社)の路線を引き継いだ鉄道で、7月20日に一部区間で運行の再開にこぎつけ、10月19日に全線で運行を再開しました。
(永平寺線はそのまま廃止)
この他、近鉄北勢線は4月1日より、三岐鉄道に譲渡されました。
◆ 上越・長野新幹線 徐行運転実施
本庄早稲田駅新設工事のため。
7月1日~11月30日の間実施。
基本的に東京側は東北新幹線と共用のため、ダイヤを大きくはいじれず、熊谷以北を調整する事で対応しています。
特に上りは大半が早発する事になります。
◆ 可部線一部区間廃止
(1988年5月3日 戸河内駅)
非電化だった末端の可部~三段峡間が11月一杯で廃線。
末端といっても46.2㎞あり、全体の4分の3以上を占めていました。
JR西日本のローカル線としては、美祢線(大嶺支線)に次ぐ廃線になります。
◆ 能登空港開港
7月7日開港、同日ANA(当時はANK)の東京便が1日2便就航しました。
金沢~輪島間などの特急バスの一部が経由しますが、ローカルのアクセスは事実上、予約制の乗合タクシーしかないのが難点。
この空港は、ターミナルビルに奥能登行政センターが同居している他、日本航空学園が併設されています。
(高校の野球部が今年(2009年)、夏の甲子園に出場していますね。)
毎年10月には航空祭が行なわれます。
写真は2007年10月7日の撮影。
7月号の「新のりもの風土記シリーズ38」で取り上げられています。
◆ その他
○ 米原~大阪間通勤特急<びわこエクスプレス>新設
○ 東北・上越新幹線 「ドリームキャンペーン」号運転
○ JAL・JAS 経営統合 他社機材・乗務員便を運航
《表紙の写真・巻頭グラビア》
「旬の駅から小さな旅へ」は多少内容を変更しています。
新たに「道物語」「等身大の旬」「達人訪問」のページが設けられています。
10月号では鉄道が入らないバスターミナルが取り上げられました。
それから、「新のりもの風土記」は、なぜか1月号が32回目と、前年12月号(<はやて>など)と同じ番号になってしまっていて、しかもそれに気づかなかったのかそのまま番号が続いていく事になります。
(ここでは誌面の番号をそのまま使います)
1月号 東海道新幹線
700系と富士山という、定番のカット。
●旬の駅から小さな旅へ33 茅ヶ崎駅
●新のりもの風土記シリーズ32 魅力満載!日本最短の鉄道 芝山鉄道
●駅弁細見187 宮小町(宇都宮駅)
2月号 特急「しらさぎ」
置き換え間近の485系。
トンネルを抜けてきますが、どこかは不明。
●旬の駅から小さな旅へ34 八戸駅
●新のりもの風土記シリーズ33 冬木立の丹沢・大山参り 大山ケーブルカー
●駅弁細見188 磯かきめし(仙台駅)
3月号 特急「スーパー白鳥」
789系。
撮影区間は不明。
●旬の駅から小さな旅へ35 日田駅
●新のりもの風土記シリーズ34 アーバンライナーnext
●駅弁細見189 広島おまかせ寿し(広島駅)
4月号 予讃線 海岸寺~詫間
8000系特急〈しおかぜ〉または〈いしづち〉。
●旬の駅から小さな旅へ36 大歩危駅
●新のりもの風土記シリーズ35 もうひとつのみなとみらい シーサイドライン
●駅弁細見190 大阪寿司(新大阪駅)
5月号 長崎本線 多良~肥前大浦
885系〈かもめ〉。
●旬の駅から小さな旅へ37 飯田駅
●新のりもの風土記シリーズ36 はとバス定期観光 はとまるくん
●駅弁細見191 きじ焼丼(長野駅)
6月号 札幌駅
281系〈スーパー北斗〉か〈スーパーおおぞら〉。
バックにそびえるJRタワーは、北海道最高層ビルでもあります。
●旬の駅から小さな旅へ38 鳥羽駅
●新のりもの風土記シリーズ37 ゆとりの休日はSL列車で パレオエクスプレス
●駅弁細見192 ソースかつお弁当(日立駅)
7月号 セサミストリート 4-D ムービーマジック号
ユニバーサルシティ駅に停車するUSJラッピング編成で、103系(高運転台)。
「セサミストリート」は、今年(2009年)放送開始40周年を迎えましたが、現在日本の放送局では見る事ができません。
●旬の駅から小さな旅へ39 酒田駅
●新のりもの風土記シリーズ38 7月7日オープン! 能登空港
●駅弁細見193 北の駅弁屋さん(函館駅)
8月号 沖縄都市モノレール(ゆいレール)
恐らく那覇空港での撮影で、いかにも南国という感じがしました。
●旬の駅から小さな旅へ40 美栄橋駅
●新のりもの風土記シリーズ39 クルージングトレイン リゾートしらかみ
●駅弁細見194 あなご三昧(新神戸駅)
9月号 長野新幹線 軽井沢~佐久平間
コスモス畑と、高架橋を快走するE2系〈あさま〉。
●旬の駅から小さな旅へ41 江差駅
●新のりもの風土記シリーズ40 夏のセブンアイランド ジェットフォイル
●駅弁細見195 巌流島弁当(小倉駅)
10月号 品川駅
上空からの撮影。
●旬の駅から小さな旅へ42 熊本交通センター
●新のりもの風土記シリーズ41 日本列島を走る 新幹線コレクション
●駅弁細見196 松茸すきやき弁当(福山駅)
11月号 特急「スーパーおおぞら」
撮影場所は不明ですが、駅ではなく信号所。
俯瞰撮影で、ポイント部を覆うシェルターが物々しく思えます。
●旬の駅から小さな旅へ43 直江津駅
●新のりもの風土記シリーズ42 青函トンネル探訪 ドラえもん海底列車
●駅弁細見197 ハローキティのだるま弁当(高崎駅)
12月号 東北新幹線「はやて」
E2系。
雪景色。
●旬の駅から小さな旅へ44 函館駅
●新のりもの風土記シリーズ43 冬の秩父盆地へ一直線 ニューレッドアロー
●駅弁細見198 蝦夷鴨めし(旭川駅)
《裏表紙の広告》
1月号 トヨタレンタカー
この年のキャッチコピーが、「電車を降りたら トヨタレンタカー」。
駅レンタカー、特に「レール&レンタカーきっぷ」の存在を意識しているのかなあ、と思います。
2月号 大塚製薬 ポカリスエット
3月号 トヨタレンタカー
4月号 大塚製薬 ポカリスエット
5月号 トヨタレンタカー
6月号 大塚製薬 ポカリスエット
7月号 トヨタレンタカー
8月号 大塚製薬 ポカリスエット
9月号 トヨタレンタカー
10月号 大塚製薬 ポカリスエット
11月号 トヨタレンタカー
12月号 大塚製薬 ポカリスエット
《その他》
JR東日本の完全民営化(政府保有株の売却の完了)を記念した、「JR東日本パス」が発売されました。
3月1日~16日の間の土・日の間の1日か連続する2日に、JR東日本全線で乗車できるというもの。
東海道・山陽本線の時刻表については、10月1日のダイヤ改正時より使用される車両の系列が表記されるようになりました。
(9月号の付録ページから)
10月号には、「のぞみ停車全15駅発車時刻表」(通勤電車の駅で配布されるような体裁の時刻表)が綴じこまれています。
10月号より、月間の「天候ダイヤグラム」の掲載が始まりました。
過去30年間の気象庁の資料を統計したもので、10月号は付録のページの最後、11月号よりグラビアの最初のページ「旅・歳時記」に掲載されています。
《定価》
1~12月号 1050円(本体1000円)
※その他のトピックス
◆ スペースシャトル・コロンビア号事故
◆ 個人情報保護法成立
◆ 米カリフォルニア州知事にアーノルド・シュワルツェネッガー
プロ野球日本シリーズ ダイエー(4-3)阪神 MVP:杉内俊哉
日本ダービー優勝馬 ネオユニヴァース 鞍上:ミルコ・デムーロ
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
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