№48 リニューアル 東武博物館 2

 一昨日行ってきた、新装オープンの東武博物館の2回目です。
 今日は鉄道の展示について書きます。
 今回のリニューアルに際し、新たに鉄道車両3点(+ロープウェイ)が展示に加わりました。
 まず、それらをご覧頂きます。

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 1951年製の特急車5700系・5701号で、平成の世になってからもしばらくは団体用や臨時快速として走っていました。
 1991年リタイア後、東武動物公園駅構内(たぶん杉戸工場)に保管されたものを移動して展示を始めたもので、同時に前頭部を「ネコみみ…じゃなくひげ」と呼ばれた流線型に復元しています。
 流線型で製作されたのは2編成だけで、3編成目以降(登場時5710系)は貫通型になりました。
 その貫通型の前頭部(5711→5703)も屋内に保存されています。

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 車内は転換クロスシートが並んでいます。
(中に入って腰掛ける事はできません)
 最近の工業デザイナー等の手が入った、新型特急車や改造車の旅も楽しいと思いますが、一度でいいから、こういう、原型を留めたままの旧型電車に乗って、うんと遠くへ行きたいと感じました。
 もはやかなわない夢だとわかってはいますが…。

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 東武鉄道初の電気機関車、ED101。
 近江鉄道で使われていましたが、今回博物館の展示車両の一員に。

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 かつては貨物用として使われ(当時の番号は不明だそう)、リタイア後はトキ1と改められ、杉戸工場で事業用として使われていました。
 何だか「Bトレインショーティー」みたいです。

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 明智平のロープウェイのゴンドラ。

 ここまでがリニューアルによる新規展示です。

 以下、以前からの展示車両等です。

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 入口を入ってまず目に付くのがこのSL。
 明治32年に英国のメーカーから購入した12台のSLの内、2台が展示されています。
 5号は開業当時の姿に復元され、腕木式信号機と共に展示されています。
 また、もう1機、6号機が、館の外の「SLスクエア」に展示されています。

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 伊勢崎線の高架の下にあるのですが、水戸街道を隔てた反対側にあるので、あるいは目立たないかも知れません。

 
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 1924年製の東武初の電車です。
 業平橋(浅草)~西新井で走りました。
 営業を退いたあとは1101号となり、ベージュ&オレンジのツートンカラーで、西新井工場の入換用となっていたようです。
 この1101号、及びB1型SLに続いて今回、先述したED101が加わった事で、博物館では「東武初のSL」「東武初のEL」「東武初の電車」が揃った、としています。

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 東上線の貨物列車で使用されていたED5010形・5015号。
 ED5010形は、ED5000形をベースにした量産機で、14両が製造されました。
 東武鉄道はなんといっても、昔は貨物営業が非常に盛んで、2003年まで貨物列車が運行されていました。
 そのためか機関車の展示が多いのが特徴といえます。
 ちなみに、上のB1形5号の記念撮影もそうですが、この日は近くの小学校数校が見学に訪れていて、ED5015の前では皆で仲良くお弁当、というシーンが見られました。
 地域密着という感じもして、微笑ましく思えました。

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 日光~馬返(いろは坂の入口)で走っていた日光軌道線の連接車203号と、その車内。
 日光軌道線は1968年に廃線となり、単車については大部分が岡山電気軌道に移籍、現在はうち1両が当時のカラー(203号と同じ色)に再現されていますが、運行される日・便数が限られているのが残念です。
(一般からの募金に寄る市民グループの運行なので、仕方ないですが)

 
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 スペーシアデビューまでの東武のクィーン、DRC(デラックス・ロマンスカー)1720系。
 ボンネット部のライト類の形状が独特です。
 残念ながら、当時の搬入の経緯で、ボディの大部分がカットされてしまっています。

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 そのDRCを置き換えたのがスペーシア(100系)で、6連の模型がデハ1形5号の前に置かれています。

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 スペーシアの6号車は、私鉄唯一の全個室車両で、その個室を製作する際に先行して造られたモックアップです。
 立ち入りは自由です。

 先代のDRCはジュークボックス(若い人は知らないか)を備えたフリースペースや、英語も話せる女性スチュワーデス(これも死語になりつつあるのか)の乗務など、まさにデラックスな特急だったのですが、スペーシアになってからは、車両自体は豪華であるものの(ブルーリボン賞を獲った位だし)、フリースペースはなくなり(座席ごとのオーディオは設けられたが後に廃止)、スチュワーデスの乗務も、ビュッフェもなくなってしまい、人的サービスに関しては寂しくなってきているなあという感が否めません。
 一方で小田急のVSEが、車両そのもののレベルの高さもさることながら、専門のアテンダントの乗務や、オリジナルメニューの搭載など、ホスピタリティあるサービスが、さらに評価を高めているようです。
 来年デビュー20年を迎えるスペーシアでも、ぜひ今一度、人的なサービスの再評価・復活を期待したいと思っています。
(今更全部の列車では無理だろうけれど)

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 以前からあった8000系のシミュレーターを改修した上、新たに50050系を新設しました。
 スクリーンがフルハイビジョンに改められています。

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 10030系のシミュレーターは、先頭部のモックアップの中に設けられています。
 こちらもフルハイビジョンに改められました。
 シミュレーター用の撮影については、現在配布中の「東武博物館だより№102」に裏話が書かれています。
 結構面白いので一読をお勧めします。

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 いつでもどこでも人気なのが模型の運転会。
 「パノラマショー」もリニューアル。
 中央部に、業平橋に建設中の「東京スカイツリー」が、早速登場しています。

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 「安全に走るシステム」。

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 年代ごとの路線の移り変わりと、鉄道及びバスの年表が掲げられています。
 今の東武鉄道の路線網は、押上~曳舟を除けば、全て太平洋戦争の前には開通していました。
 戦後はローカル線や貨物専用線の廃止が進む事になります。
 年表ですが、昨日のバスもそう(バス事業部が廃止になった2002年9月30日が最後)ですが、鉄道も2005年の女性専用車導入が最後で、それ以降の重要な出来事(2006年3月の東武~JR相互直通特急の運転開始や、2008年6月のメトロ副都心線への直通及び「TJライナー」の運行開始等)が盛り込まれていません。
 この辺は、常に最新の出来事を記載するようにして欲しいと思いました。

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 東向島駅は、1987年に玉ノ井から改称しました。
 その玉ノ井駅の高架化の推移を模型で再現しています。
 仮線方式だったようだけれど、今と比べたら工事としては易しかったんだろうなあ。

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 1階と2階の間は吹き抜けになっていて、2階からも1階を俯瞰する事が出来ます。
 右端に少し見えるのは、隅田川の競技用ボートです。

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 「駅のしごと」のコーナー。
 右側の窓口では、磁気定期券を模した、入館記念券を発行してもらう事ができます。
(無料。なお、受け付けない時間帯がある)

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 内部には、駅の仕事で使う器具や、制服の展示があります。

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 「記念物・保存物展示コーナー」では、特別展として、日光線開通80周年記念の展示を行なっていました。
(12月6日まで)
 日光線にまつわる、過去から現代までの写真も多数掲げられていますが、その中から1枚。

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 2006年3月に始まった、スペーシアの新宿乗り入れの様子を、上空から撮影したもの。
 もはやありえない、JR201系(中央線)・205系(山手線)との併走が見られます。

 以上、2回に分けて、リニューアルオープンした東武博物館について書いてみました。
 他にも博物館の上を走る実物の電車が見られる「ウォッチングプロムナード」や、なぜかドイツの鉄道模型のジオラマなどもあったりします。
 おそらく、純粋な私鉄の博物館としては最大級で、また歴史の古さもさることながら、先に述べたように貨物営業が非常に盛んだったという事も反映して、バラエティに富んだ、見ごたえのある施設に仕上がっていると思いました。
 ただ、何度か書きましたが、現状の東武グループを反映した内容が今ひとつ少ない(特にバス)のが、唯一気になる点ではありました。
 この辺は改善されれば良いと思います。
 ともあれ、家族連れも、熱烈鉄道ファンも充分納得できる博物館で、明日からの3連休にはぜひお出かけをお勧めしたいと思います。

 ちなみに毎週月曜日は休館日ですが、12日(体育の日)は開館します。(翌13日が休館)
 また、14日は「鉄道の日」と言う事で、入館料が無料になります。

 今日の記事では、東武博物館公式サイトの他、
「鉄道ピクトリアル1990年12月臨時増刊号」「同1997年12月臨時増刊号」「同2008年1月臨時増刊号」(鉄道図書刊行会)
「私鉄の車両24 東武鉄道」(保育社 -現在はネコ・パブリッシングによって復刻-
を参考にさせていただきました。


 申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
 また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません)

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