今日は午前中、蒲田と川崎に行ってきました。
蒲田から東急多摩川線に乗り、下丸子で、11日に運行を開始したコミュニティ「たまちゃんバス」(東急のポンチョ)を撮影。
川崎ではなんと、臨港バスにエアロスター・ノンステップ!
これについては後日書く予定です。
「JTB時刻表大研究」、今日は1991年です。
新幹線関連のトピックスが多くなりつつありました。
信楽高原鉄道の正面衝突事故は世間に大きな衝撃を与えました。
第三セクター鉄道の経営のあり方そのものにも影響を与えています。
3月16日に統一改正が行われた後、9月1日に北陸地域、11月21日に四国、12月1日に首都圏で単発のダイヤ改正が行われています。
《1991年の十大トピックス》
◆ 東北・上越新幹線東京駅乗り入れ
御徒町での事故もあってかなり遅れていた東北・上越新幹線の東京乗り入れが、6月20日にようやく実現しました。
ダイヤは既に織り込み済みで、最速の<やまびこ1・4・5・8号>(すべて2階建て車両連結)は東京~盛岡間を2時間36分(途中仙台のみ停車・上野は通過)で結ぶ事になりました。
ただし、東京駅は東北・上越合わせて当面ホームが1面2線しかないため、臨時列車はほとんど全てが、引き続き上野発着で設定される事になります。
◆ 成田空港ターミナル駅にJR・京成乗り入れ 〈成田エクスプレス〉運行開始
元は成田新幹線用に建設が済んでいながら新幹線計画の頓挫により放置されていた、空港ターミナル直下の新駅を在来線用として使用し、JRと京成が乗り入れる事になりました。
JRは成田から分岐する支線を建設し、全国改正から遅れる事3日の3月19日に開業。
(池袋・新宿・横浜~)東京~成田空港間の<成田エクスプエス>は、当初は23往復の設定でした。
また、開業後初の夏休みシーズン等には、青森→成田空港間の寝台特急<ウイングはくつる>・東京~成田空港間の特急<ウイングエクスプレス>・長野~成田空港間の特急<ウイングあずさ>の設定もありました。
京成は旧成田空港への路線の途中から分岐する新線を建設、JRと同日に開業しました。
スカイライナーを新型(AE100形)に置き換え、スピードアップを図るとともに、ダイヤ体系を全面的に改めています。
旧成田空港駅(ターミナルまではバスへの乗換が必要だった)は、東成田に改称。
<成田エクスプレス>はスカイライナーと共に、4月号の乗り物風土記シリーズ44で取り上げられています。
◆ 七尾線南部電化 北陸本線より電車特急直通開始 北部はのと鉄道へ移管
国鉄時代末期からDC特急<ゆぅトピア和倉>(大阪~金沢間は<雷鳥>に併結)が直通運転していましたが、9月1日の電化開業以降、これに変わって電車特急の<スーパー雷鳥><しらさぎ>が直接乗り入れるようになりました。
時刻表と直接は関係ありませんが、七尾線は直流方式で電化されています。
一方、北部の和倉温泉~輪島間はのと鉄道が運営する事になりました。
ただし、のと鉄道は第2種鉄道事業者で、引き続き第3種鉄道事業者として線路施設を保有するJR西日本から、施設を借りて営業を行なうという形になります。
のと鉄道の<のと恋路号>は曜日限定の運転で、パノラマ料金を必要とする快速として運転されていましたが、9月より急行に格上げの上、毎日運転に改められています。
◆ 「夢空間」連結の〈北斗星トマムスキー〉運転
「夢空間」とは、1989年に開催された「横浜博覧会 YES'89」の時に桜木町駅前に展示されていた超豪華車両で、展望食堂車・ラウンジカー・デラックススリーパーの3両で構成されていました。
<北斗星トマムスキー>はこの3両を連結して横浜~トマム間に設定されたものです。
横浜発 15:33 → 10:53 トマム着 1月10・17・24日、2月14・21・28日、3月7・14日出発
トマム発 14:40 → 10:39 横浜着 1月13・20・27日、2月17・24日、3月3・10・17日出発
料金は「エクセレントスイート」が一室66,000円、「スーペリアツイン」が50,000円。
1991~1992年シーズンでも設定された他、上述した七尾線電化の記念という事か、9月には<夢空間わくら>として新宿~和倉温泉間で運行されています。
◆ JR・小田急の相互乗り入れ特急〈あさぎり〉運行開始
3月改正で運行を開始。
小田急がSE車を使用して御殿場まで片乗り入れしていた、連絡急行<あさぎり>が発展した形となりました。
運転区間が新宿~沼津間に拡大され、JR東海(371系)と小田急(20000系「RSE」)が2往復ずつ運行される形です。
JRと大手私鉄の特急が相互乗り入れする初のケースになりました。
(<北アルプス>は名鉄からの片乗り入れ)
また、沼津からは東海バスによる<あさぎり>接続の堂ヶ島行特急・急行バスが設定され、<あさぎり>運行両社の車両のカラーを半分ずつデザインした専用車両が話題になりました。
◆ 山形新幹線工事で〈つばさ〉が仙台発着に変更
山形新幹線工事が深度化し、8月27日からはバス代行輸送も発生。
関根・米沢~上山間がバスになり、加えて11月3・4日は福島~山形間が全てバス代行になりました。
5日からは列車の運転が再開されましたが、標準軌化された事で、他の在来線への直通は不可能になりました。
この工事で特急<つばさ>4往復が仙山線経由で仙台発着となり、上野発着で残っていた<9・2号>1往復も仙台経由になりました。
また、快速<仙山>の一部が新庄まで延長される一方、新潟~山形間の急行<べにばな>は新潟~米沢間に短縮された上、快速に格下げされました。
◆ 営団南北線・東京都営12号線・桃花台新交通開業 北総開発鉄道都心へ直通開始
営団南北線は駒込~赤羽岩淵間(11月29日)、都営12号線は練馬~光が丘間(12月10日)の開業で、他の地下鉄網とは接続していませんでした。
12号線が「大江戸線」と呼ばれるようになるのは、2000年の国立競技場延伸時です。
(12号線の路線図・時刻表の掲載は翌1992年1月号)
北総開発鉄道は1979年3月に開業しましたが、都心側の工事の遅れにより、当初は新京成線の北初富に接続、松戸までの相互直通運転を行っていました。
京成線成田空港新ターミナル乗り入れより後の3月31日に京成高砂~新鎌ヶ谷間が開業、京成線から都営浅草線を経由して京急線への相互直通運転を開始しています。
新京成との相互直通はしばらく残ります。
桃花台新交通は3月25日に開業しました。
◆ 信楽高原鐵道長期運休 島原鉄道・伊豆急・武蔵野線は災害で不通
この年は人災・天災さまざまな災害が、日本各地の鉄道に襲いかかりました。
私的な昔話に脱線してしまいますが、私は信楽高原鐵道事故から2年後、3回忌の法要を生で見た事があります。
遠く影ながら手を合わせた後、沿線の食堂で昼食を採っていると、遺族らしき方々も訪れ、法要の様子を伝えるニュース番組に注目していたのが、今も印象に残っています。
時刻表の話に戻ると、急な大事故だったからか、6月号では黄色の付録のページと折り込みの双方で、草津線からの直通列車の削除だけが訂正という形で伝えられ、7月以降は本文の欄外に「運転を休止しています」という断り書きが書かれました。
8月号から付録のページに、代行バスの時刻が掲載されるようになりました。
結局年末の12月8日まで、運行は再開できませんでした。
鉄道先進国のはずの日本で、二度とこんな大惨事は起きて欲しくないと思っていたのですが…。
島原鉄道は雲仙普賢岳の火砕流災害(新聞記者などに多数の犠牲者が出た)により、島原外港~深江間が運休、バス代行になったもので、この後もしばらくは運転再開~運休を繰り返す事になります。
武蔵野線は10月の台風による集中豪雨で新小平駅が冠水し、西国分寺~新秋津間が不通。
11月号では復旧に数ヶ月を要し、ホリデー快速の運転が取りやめとなったと速報的に伝えた後、12月号では府中本町~西国分寺間の折返し運転の時刻を掲載しています。
12月12日の復旧まで2ヶ月を要し、旅客もさる事ながら、貨物営業に大きな打撃を与えました。
なお、一方で前年の水害のため長期運休していた豊肥本線は8月10日に豊後竹田~緒方間、10月19日に残りの宮地~豊後竹田間が開通し、1年半ぶりに全線で運行を再開しました。
◆ JR九州高速船「ビートル」博多~釜山線就航
国内線の博多~平戸~ハウステンボスルートは前年開業していました。
民営化後のJR国際航路の新設は初。
当初は博多9:30→12:25釜山14:00→16:55博多の1往復でした。
現在は韓国側の事業者との共同運航になり、1日あたり3~5往復程度の運航にまで発展しています。
なお、国内線航路は1994年3月いっぱいで休航になっています。
◆ 寝台特急<みずほ><出雲1・4号>食堂車営業休止
本文の記事ではあまり目立った記載がなかったのですが、両列車とも5月31日を持って営業を休止しています。
国鉄時代末期からのリニューアル政策で息を吹き返したかに思えた東海道線のブルートレインですが、そろそろ凋落が本格的に始まろうとしていました。
◆その他
○ 相模線電化
○ 北陸本線米原~長浜間 電化方式変更
○ 山手線に6ドア車連結・11連化
○ JR四国 宇高航路廃止 (前年から休止中だった)
○ 近鉄特急「さくらライナー」運行開始
○ JAL 国際線北極ルート全廃
《表紙の写真・グラビア連載記事》
上述した各トピックスの内容を反映した、タイムリーな写真が目立つようです。
1月号 京都付近
京都を出発する新幹線100系で、手前に東寺。
●ステーションウォッチングシリーズ23 成田駅
●乗り物風土記シリーズ41 JR四国の新型特急列車 振り子式気動車
●駅弁細見45 べにばな寿司(米沢駅)
2月号 身延線 芝川~稲子
165系急行<富士川>。
●ステーションウォッチングシリーズ24 鹿児島駅
●乗り物風土記シリーズ42 路面電車 世界の市電が走る街
●駅弁細見46 珍辨たこめし(三原駅)
3月号 「成田エクスプレス用」電車
この10月から早々にE259系への置き換えが始まっている253系。
撮影場所は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ25 新大阪駅
●乗り物風土記シリーズ43 JR九州の特急列車① オランダ村特急
●駅弁細見47 えびめし(加賀温泉駅)
4月号 奥羽本線 庭坂~赤岩
485系の「つばさ」。
手前の梅の花がきれいですが、間もなく見られなくなるシーン、という訳です。
●ステーションウォッチングシリーズ26 松山駅
●乗り物風土記シリーズ44 空港アクセス特急 成田エクスプレス
●駅弁細見48 季節かやく弁当(天王寺駅)
5月号 羽越本線・今川~越後寒川
漁港を見下ろして走る485系。列車名は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ27 新宿駅
●乗り物風土記シリーズ45 JR九州の特急列車② ゆふいんの森
●駅弁細見49 庄内米茶めし弁当(鶴岡駅)
6月号 東京駅付近
丸の内一丁目の高架線を走る東北・上越新幹線200系。
試運転の光景なのでしょう。
●ステーションウォッチングシリーズ28 下関駅
●駅弁細見50 旅のつれづれ(新宿駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」の発表のため「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
7月号 成田~成田空港
根古屋信号所で下り列車を待つNEX253系。
この信号所は今年3月の改正時に、空港に近い堀之内に移転して廃止になっています。
(成田空港新鉄道建設のため)
上空を、着陸のため進入するノースウェストのジャンボ機が横切っていきます。
●ステーションウォッチングシリーズ29 足利駅
●乗り物風土記シリーズ46 御殿場線直通特急 あさぎり
●駅弁細見51 月見五味めし(松本駅)
8月号 左沢線 羽前山辺~羽前金沢
左沢線色のキハ40の単行。
●ステーションウォッチングシリーズ30 秋葉原駅
●乗り物風土記シリーズ47 飯田線の旅 トロッコファミリー号
●駅弁細見52 海ひこ山ひこ(三島駅)
9月号 仙山線 八ッ森~奥新川
455系仙台色(白地+緑帯)。
●ステーションウォッチングシリーズ31 伊勢市駅
●乗り物風土記シリーズ48 SL列車 パレオエクスプレス
●駅弁細見53 銀河鉄道(盛岡駅)
10月号 因美線(河原~国英)
キハ58系+キハ40系のローカル。
どちらも国鉄色で、手前の柿ノ木とよくマッチしています。
●ステーションウォッチングシリーズ32 小樽駅
●乗り物風土記シリーズ49 北東北に針路をとれ。 みちのくの鉄道
●駅弁細見54 斗牛弁当(宇和島駅)
11月号 電化完成の七尾線 良川~能登二宮
パノラマグリーン車を先頭にした「スーパー雷鳥」。
●ステーションウォッチングシリーズ33 尾道駅
●乗り物風土記シリーズ50 七尾線電化開業 能登半島を走る
●駅弁細見55 きのこめし弁当(長野駅)
12月号 土讃線 土佐新荘~安和
キハ185系の特急。列車名は不明。
●ステーションウォッチングシリーズ34 松江駅
●駅弁細見56 おでん弁当(奈良駅)
「JTB時刻表フォトコンテスト」の発表のため「乗り物風土記シリーズ」はお休み。
《裏表紙の広告》
1月号 山一證券 「Breakthrough」
2月号 キリンビール キリン一番搾り
3月号 山一證券 「Breakthrough」
4月号 キリンビール キリン一番搾り
5月号 山一證券 「Breakthrough」
6月号 キリンビール キリンラガービール
翌年はバルセロナオリンピックがあり、小泉今日子を起用して、キャッチコピーは「自分のことでもないのにドキドキする。オリンピックは魔法をつかうね。」
7月号 山一證券 「Breakthrough」
8月号 キリンビール キリン一番搾り
9月号 山一證券 「Breakthrough」
10月号 キリンビール キリンラガービール
やはり小泉今日子起用のオリンピックにかけたCMで、「バルセロナの思い出をくれる人が今、日本のどこかで汗を流している。」
11月号 山一證券 中期国債ファンド
12月号 キリンビール キリン一番搾り
《その他》
「私鉄時刻表」は、
1月号は一回お休みして営団・都営地下鉄の運賃表
2月号(27)…近鉄1
3月号(28)…近鉄2
4月号(29)…東武
5月号(30)…小田急
6月号(31)…西武
7月号(32)…京成
8月号(33)…京阪
9月号(34)…阪神
10月号(35)…山陽
11月号(36)…京成
12月号(37)…阪急
一つ疑問だと思ったのが、東急が全く取り上げられていない事。
1988年の「JTB時刻表」スタート時に始まった私鉄時刻表ですが、1988年11月号の第1回は小田急。
第2回が京王と南海でした。
以降、短い間隔で掲載される会社がある一方で(1991年に限っても、京成が2回も取り上げられている。)、東急は1回も掲載されていません。
また、京王も第2回以降は一度も出てきません。
このアンバランスはどうした事でしょう?
3月号よりページ数が本文で48ページ、営業案内のピンクのページが16ページ増えています。
ピンクのページでは、「新幹線各駅間の自由席特急回数券早見表」が加わった一方、「レール&ホテル」がなくなっています。
《定価》
1~12月号 850円(本体 825円)
※その他のトピックス
◆ 横綱千代の富士引退(ちなみに引退表明は信楽高原鐵道事故と同じ日)
◆ パン・アメリカン航空倒産
◆ ソビエト連邦崩壊
プロ野球日本シリーズ 西武(4-3)広島 MVP:秋山幸二
日本ダービー優勝馬 トウカイテイオー 鞍上:安田隆行
申し訳ありませんが、コメントは受け付けない事にしています。この記事について何かありましたら、本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。
また、何か質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。(名前は公表しません。)
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