「2024年」としては最後となる「JTB時刻表2024年12月号」、先月20日には刊行になっていました。先月末の2回の泊りがけ旅行でもお供をしてもらっています。
「のりもの情報局」は、「津軽鉄道『ストーブ列車』12月から運転」「下山学園高等学校『クラウドファンディングプロジェクト』」と、2件とも津軽鉄道がらみになりました。
(クラウドファンディングは11月30日までで、既に終了している)
沖縄の鉄道遺産を訪ねる
前号・2024年11月号「のりもの情報局」では、「時刻表から見る『沖縄県鉄道の歴史』@与那原町」のトークイベント(12月1日開催)が予告されており、これに連動した企画だと思われます。
戦争前に運行されていた3路線の概況が簡単に記されているが、嘉手納線は23.6㎞で約1時間。軽便鉄道という事もあってか、現代の感覚だと、ややかかりすぎかもしれない(現代の三岐鉄道北勢線と同じくらいか、やや早いかも知れないが)。1914(T3)年開業、という事は、わずか30年で戦火にあって、歴史が潰えた事になる。形式的な表現かも知れないが、あまりにも悲劇的だ。それから、まもなく80年、か。
本当は車両が貨車1両でもいいから残っていると良かったのだろうが、全部戦火で焼失してしまったのだろうか?客車の台車だけが残っているそうだが。
もし戦争がなかったら、沖縄の鉄道はどう変わっていったのだろうか。ただ、本土でもそうだが「軽便鉄道」のままでは、特にこの位の長距離だと、どこかで頭打ちになって、電化や改軌などの大規模な近代化が行われないと、モータリゼーションに太刀打ちできなくなってきたのではないかと推測される。本格的な近代的通勤鉄道に脱皮する機会は、与えられたのだろうか。それがあれば、沖縄の交通網は、現代とは全然違ったものになっていたろう。
与那原町役場への足がごく簡単に書いてあるが、系統番号の記載がないのは不親切。沖縄のバス路線は(鉄道がない事もあって)複雑なので。37・38系統が与那覇町役場入口に止まるが、本数は多くない。30系統泡瀬東線・泡瀬営業所行が与那原まで行くので、ここから歩いてもそんなに違わないはず。那覇バスターミナルのほか、ゆいレールの首里駅(バス停は鳥堀)からもバス路線191・391系統があり、本数は少ないけれど、ゆいレールと一体で訪れるのも、一興ではないだろうか。この付近を走る東陽バスの時刻表を読んでみたが、長距離という事もあるのか、便によって所要時間が相当違うのが、少々悩みの種になるかもしれない。与那原は皆単なる中間のバス停で、核となるバスターミナルは存在しない。この点でも、今はまだ構想段階とされるLRTまたはBRTの整備が、待望されるのではないだろうか。与那原に限らず、鉄道を中心とした街づくりは、沖縄でも実現しないだろうか?案外、公共交通機関が活躍できる余地が、沖縄県は本土以上にあるような気がするのです。
特集のページ
「NEWS」の4文字は、泉北高速鉄道の〔泉北ライナー〕用12000系。南海の「サザンプレミアム」と同系で、こちらは20番台を付与されている。このまま、来年の南海合併を迎える事になるのだろう。個人的には、泉北車として撮る機会はなくなりそう?何とかチャンスを作れればいいが、基本的に日中は走らないから…。
「大みそか終夜運転」、今号では、路線図は首都圏のJR東日本のみの掲載になりました(この後近畿圏のJR西日本も発表になっている。基本的に前シーズンと同規模で、3時前後までの運行)。
「築城基地航空祭」(今年は11月24日に行われた)は、今年は小倉→大分間〔にちりん91号〕・大分→小倉間〔にちりん90号〕が増発された。どちらも787系の運行だったが、885系使用の臨時〔ソニック〕と、時間的にはほぼ同じだった。普通列車は小波瀬西工大前折り返しはなくなって(苅田1往復あり)、ほぼ全列車が小倉発着で運行。
会社線は、〔京王ライナー〕〔S-TRAIN〕〔拝島ライナー〕の時刻を掲載。また、東京駅~富士五湖路線は12月1日からの時刻を掲載している。富士五湖行は、富士急便のみ鉄鋼ビル経由または始発で運行されるが、このビルを発着させる意味は、どのくらいあるものだろうか?実態を見ていないから何とも言えないが。東京行は全て、東京駅日本橋口が終点。
特集連動で、「ゆいレール」の全線全駅全列車時刻表でもあればよかったのに。
おトクなきっぷ情報
一般のニュースにもなっているが、「青春18きっぷ」は今冬シーズンから大きな変更点があります。
① 3日間用(10,000円)用を発売
② 3日間用・5日間用とも、連続した日程のみ
飛び飛びでは利用できない。また複数人で利用する事も出来なくなった。
③ 自動改札機を利用できる
あくまで個人的な話だが、特に②は相当困ってしまう。日帰りで比較的近場の路線に乗りに行く(№2843で書いた、吾妻線に乗りに行った時のような)事はほぼできなくなる。私の休みは飛び飛びで、3日以上の連続した休みを取るのは、現状では簡単ではないので。この点の、一般的な利用者の評価はどうなるのだろうか(だから①の如く、3日間用が用意されたと思われるが)。
おそらくは③が、今回の変更の最大の理由になっていると推測する。純粋な無人駅ばかりでなく、比較的大きな駅でも改札口の駅員がいなくなっているところが、最近は少なくなくなっているので。私の地元の戸塚駅も、乗降人員が1日20万人近いのに、橋上駅舎側は駅員が完全にいなくなっていて、「青春18きっぷ」利用の際は、バスの整理券のような乗車駅証明書を受け取って、降りた駅で有効にしてもらう、という事が多くなってきていた。その対策、なのだろうが、要はJR側の都合のために改編が行われたという事になり、好ましい方向性ではない、のではないだろうか?自動改札機利用促進、なら、1日券×5枚(または3枚)という形態にする(コストはかかるだろうが)事は、考えられなかったのだろうか?ちょっとクエスチョンだなあ、の印象は否めず、シーズン終了後に、どのような発売実績が示されるのか(示されるかはわからんが)、気になるところです。
それ以外の効力は、基本的には変わらない。
また、「青春18きっぷ 北海道新幹線オプション券」も発売になるが、今冬シーズンは北海道新幹線利用可能区間が、新青森~木古内間に拡大されました。むろん利便性の向上もあるのだろうが、それ以上に、奥津軽いまべつ駅に隣接している津軽二股駅を発着する津軽線(蟹田~三厩間)が長期運休状態にあり、廃線が現実味を帯びてきている事の方が、変更の理由としては大きいのではないだろうか。
本州側が新青森発着にはなったが、北海道側は木古内のままで、同日中に道南いさりび鉄道との乗り継ぎを完了させる必要がある。では、現状のダイヤ面からの、このオプション券の使い勝手の良さって、どうなんだろう?今回、青森~函館間の乗り継ぎについて、表にしてみました。
道南いさりび鉄道は、木古内停車の新幹線との乗り継ぎが可能な列車のみ記しています。乗り継ぎが成り立つのは上下とも6回のみ、しかも木古内での接続はあまり考慮されておらず、14分~1時間54分と、相当幅があります。
このため、青森~函館間で見ると、新青森の接続も必ずしも良くないから(〔つがる〕は特例で利用可)、最短でも2時間26分、最大では4時間38分かかり、それでいて金額が2,490円→4,500円と大幅な値上げにもなっていて、「コスパ」が良くない。
木古内とか、道南いさりび鉄道(ただし途中下車は不可)そのものを目的にするなら別だが、そうではないなら、本州~北海道間はフェリー利用の方が、現実的ではないだろうか?青森~函館間は2社が運航し、津軽海峡フェリーは3時間40分、青函フェリーは3時間50分~4時間。運賃も(繁忙期で)津軽海峡フェリー3,420円~、青函フェリー2,700円~。津軽海峡フェリーは青森~室蘭間にも就航しているし、また八戸~苫小牧間のシルバーフェリーは6,000円~だが、夜行便があるので、一考の余地があるのではないか。
(ただし、どの航路も港~駅・市中間の二次アクセスは要確認。昔の国鉄連絡船のように、駅と港が一体化していたりしてはいない)
本文
臨時特急〔カニカニはまかぜ〕は、1月6日~2月28日は「はなあかり」編成を連結し、スーペリアグリーン・グリーン車を営業。この事は既に11月号にも掲載されていたが、12月号発売直後の11月28日に、駅や車内での「おもてなし」についての、具体的な内容の発表がありました。
山口線(334P)では日中の山口~津和野または益田間で、一部に日に臨時の普通列車の運行が行われているが、12月2日(8567D・山口→益田)・9日(8563D・山口→津和野)は、徳佐で約22分停車がある。理由は、時刻表上からでは分からなかった(検索してみても分からず)。
美祢線代行バス(334P)は12月1日より、快速便の停車地・ルートの一部変更を行っているが、今12月号ではまだ反映されていない。美祢線の代行バスは、JRバス中国・サンデン交通・船木鉄道の3社で運行されている模様。
いすみ鉄道(256P~259P)の不通は、今12月号でも注釈すらない(たぶん今年中の再開はないだろう)。
会社線は、京急・京成・北総・東京都(浅草線)が11月23日にダイヤ改正を実施しており、有料の列車の時刻を掲載(720P)。
京成〔スカイライナー〕は、上り成田空港発21時台で1本増発(新鎌ヶ谷・青砥停車)があり、21時00分~23時00分の間で20分間隔運転を実施。下り京成上野発は、最終の2本が青砥・新鎌ヶ谷に停車。〔モーニングライナー・イブニングライナー〕は料金が距離制となり、450円均一→250円~950円になる。〔臨時ライナー〕は運行を継続しているが、ここでは時刻の掲載はない。
京急〔イブニングライナー〕は、去年の改正で「La Ciel」4連が品川→金沢文庫間で快特に併結されるスタイルになっていた14・16号が、再び単独の三崎口行に変更(品川発最終となる16号は21時05分発に繰り上げ)。全列車京急蒲田・京急川崎・横浜に新規停車するが、この3駅は「K Quick」からの予約による乗車のみ。
これで、今年2024(R6)年のJTB時刻表の発売が終わりました。今月20日には2025(R7)年1月号の刊行があるが、例年通り、今年の更新最終日(今年は今のところ、去年と同じ30日の予定)の一回前に、JTB時刻表を中心にした、鉄道を中心とした日本の交通の総まとめを行う予定です。
今年はやはり北陸新幹線・金沢~敦賀間の延長開業が、最大のトピックスになります。初めて福井県に新幹線が到達、福井県ではこれを飛躍の好機ととらえ(加えて越前市では大河ドラマの舞台の一つともなった)、各地で様々なキャンペーンが展開されています。その熱気は、先月末に訪れた福井の旅でも感じる事が出来ました。
並行在来線となった北陸本線は第3セクター鉄道に転換、福井県区間ではハピラインふくいが新規開業しました。特急〔サンダーバード〕〔しらさぎ〕は敦賀で新幹線〔つるぎ〕に接続する形態となり、特に米原発着〔しらさぎ〕は、走行距離45.9㎞のミニ特急になっています。
山形新幹線ではE8系がデビュー、E5系との併結で、将来的には東京~山形間のスピードアップが期待されます。
この他、〔やくも〕に新型特急273系デビュー(381系は、今年末年始輸送で再び運行がある)、北大阪急行電鉄の箕面萱野延伸がありました。一方で富良野~新得間は廃止により、根室本線の分断が起きました。広島県のスカイレールサービスは4月いっぱいでEVバスに転換され、廃止になっています。あとは観光特急「はなあかり」運行開始、阪急「PRiVACE」サービススタート・松山駅が高架駅に移転、トキエア就航、国際線になるがJALのA350-1000就航、あたりが、今年のトピックスになるでしょうか。「2024年問題」の影響で、残念ながら特にバスでは高速も一般も、路線の廃止・減便が全国的に相次ぎました。能登地震によるバス路線や、大雨の影響で各地の鉄道路線と、大規模災害による運行停止も、各地で起きています。上越新幹線では、工事時間確保を理由とした最終列車繰り上げがありました。
来年は関西万博開催と、そのアクセスとしての大阪メトロ中央線夢洲延伸があります。なんとなくイマイチ盛り上がらないかなあ、の万博だが、中央線を始めとする交通の活躍には期待。それ以上に来年は、東西で大手私鉄がらみの大規模な再編があり、新京成電鉄は京成電鉄に、泉北高速鉄道は南海電気鉄道に、それぞれ吸収合併があります。京成の場合はバス事業の再編もあるが、近年の日本ではあまり例を見ない程の大掛かりなもので、これが高速でも一般でも、どのような影響を与える事になるでしょうか。この両社以外でも、バスではドライバー不足を見て、グループ内の再編成が活発に行われるかもしれません(神奈中バスがそう)。
中央線快速は、来年春よりグリーン車のサービスが開始になり、既に車両を組み込んで、普通車の扱いで運行している編成があります。単なるグリーン車サービスのみならず、あるいは高尾以西の運行形態の変更を伴う事にも、なるのでしょうか。また、どれだけダイヤに影響が出るかは分からないが、常磐線各駅停車と南武線で、ワンマン運転が始まります。じわじわと進められてきたワンマン運転も、いよいよ首都圏の中心部に近いところまで実施が及ぶ事になります。
来年3月24日に開業する広島駅新駅ビル「MINAMORE」(ミナモア)に広島電鉄が乗り入れ、同時に運行形態の再編成が行われます。まだ具体的な計画は発表されていないが、バスも含めて、広島市中心部の公共交通は、大きく変わりそうです。
災害で不通になっている路線の再開も期待されるし(奥羽本線は非電化となるが)、陸羽西線は多少遅れ気味だが、道路工事の終了による列車の運行再開が予想されます。くま川鉄道は「2025年度の運行再開を目指す」としているが、再来年・2026年に食い込む可能性もあり、来年の再開はないかも知れない。上越新幹線で実施された最終繰り上げは、他の新幹線にも及ぶのか。新幹線といえば、〔のぞみ〕の指定席拡大(自由席は3→2両)もアナウンスされています。
仕方ないかもしれないが、JR九州や京阪など、来年に運賃・料金の改定を行うと発表しているところが、いくつかあります。JR西日本では「アーバンネットワーク」の電車特定区間を見直し、値上げになる区間、値下げになる区間様々出てくる事になりそうです。同エリアでは「うれシート」サービス提供区間・列車の拡大もリリースされていて、高止まりになりそうな運賃・料金を、快適なサービス提供でいかに補えるか、が今後の課題になりうるでしょう。
とりあえず、今月13日と予想される、(JR以外も含めて)来年3月のダイヤ改正の発表を待ちたいと思います。
当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。
伊予鉄バスの車両1台が自動運転「レベル4」として認可されたと、四国運輸局が発表しました(伊予鉄グループからのリリースは、今日現在は確認できない)。電車の高浜駅と松山観光港間1.6㎞を運行するが、運行計画や安全対策は、これから煮詰める事になるようです。ドライバー不足からバスの自動運転への期待は高まるが、これだけで一気に問題が解消するわけでもない。が、その一歩は、いよいよ刻まれようとしている、のでしょうか。
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