№2803 中国地方 ローカル線めぐり 5.35年ぶり より一層ひなびた小野田線

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 最終日になりました。今回の中国ローカル線紀行、最後は小野田線です。

 4月11日(木)

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 この日は妻崎駅から始まります。泊まったホテルは家電量販店などが並ぶ国道沿いの一角にあったが、駅は歩いて15分程の静かな住宅地の中にあります。もちろん無人駅。
 長門本山への支線に乗らなければならないから、ホテルの朝食は後回しにしています。
「青春18きっぷ」シーズンは前の日に終わっているから、今日は全部運賃を払って乗る事になります。小野田線だけなら、そんな大した額にはならないはず。

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 便数は、これだけ。電化された路線としては、かなり少ないです。妻崎駅は行き違いができるが、行き違いがあるのは18時05分の1回だけ。

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 長門本山直通の1223M。クモハ123-3の単行。以前は可部線で使われていた車両。3人先客があったが、2人は雀田で下車していった。

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 その雀田で、小野田からの1222Mを待つ。向こうもクモハ123-6の単行。乗り換え客はいない。

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 1日3往復だけの、長門本山への支線。住宅地というか、農村地帯というか、沿線は両者が混在した感じ。

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 長門本山駅に進入。カーブが少々不自然で、遠い昔は側線があったようだ。

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 長門本山駅に到着。
 ここは30年以上前、平成の世になって間もなくの1989(H元)年5月8日に来ています。雰囲気は、そんなには変わっていないかな。

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 ちょっと見づらくなっているが、こんな駅でも、駅前には観光案内図がある。観光には到底使えないダイヤになって久しいが、いつからあるのだろう。

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 もう少し離れた所から撮ると、右手にバス停があります。

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 船木鉄道バスの小野田駅~本山岬路線が、駅前を経由していきます。こちらは本山岬行。

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 反対側の、小野田駅行の時刻表。頻発とは言えないが、それでも便数はそれなりに多く、日中も便があります。ただ、バス停の名称とか、路線図とかは、だいぶ色褪せて読みにくくなっているのに、そのまんま。

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 海に面していて、道路の反対側には築堤があるが、その築堤には、長門本山支線を描いた大きなイラストがあります。

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 その傍らにはクモハ42の写真があるが、一昨年掲げられたばかりだ。

 これから雀田折返し運転の、1322M~1323Mと乗って行きます。1322Mは、乗客は他に5人いました。皆女性で、うち3人は高校生。

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 雀田駅。駅舎は昔からのものだが、比較的最近、改装されたようだ。

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 雀田駅の時刻表。3方向とも本数が少ない。

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 長門本山へ戻ります。宇部新川からの1225Mからの乗り換え客はなく、1323Mの乗客は、終始自分一人のみ。

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 クモハ123-3の車内。長ーいバケットタイプのロングシートが続いている。

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 クモハ123-3の銘板で、国鉄時代最末期の改造だが、上のプレートもひたすら「日本国有鉄道」のまま。

 宇部新川直通1224Mで妻崎に戻る。今度は、長門本山から18人、浜河内からは3人の乗車があった。大半は高校生。

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 長門本山駅の駅名標。これは標準的なJR西日本のスタイル。

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 一方の雀田駅は、デザインが全く異なる。近くにある大学のスクールカラーだそう。宇部新川からの1227Mからも、学生が大勢降りてきた。

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 ここでまた、年齢が思いっきりバレそうな画像を並べてみました。平成になってすぐ、1989(H元)年5月8日の撮影です。クモハ42がまだ現役だった頃。国鉄時代末期は黄色の警戒色が入っていたようだが、この時は茶色一色だった。重圧なボックスシートが並ぶ様が旧型国電の黄金時代をしのばせるようでいいですねえ(ただしひじ掛けがない)。長門本山駅自体は今とあまり違わないが、自転車がズラリと並んでいるのが今と全然違う。長門本山発着が朝晩だけだったのは今と同じだが、当時は朝方6往復・夕方~夜間に5往復(他に土曜のみ日中に1往復)ありました。

 いったんホテルに戻ってモーニングにして、チェックアウトして再び妻崎駅に戻ります。今度は小野田へ。

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 9時35分発1229M。クモハ123-6。阪和線羽衣支線で使われていた車両。同じクモハ123型でも、先のー3とは、パンタの位置が逆だ。

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 小野田駅。

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 なんと!この駅はもう、最初から駅員がいない!
 いや、まったくいないのではなさそうだが、もう常駐はしていないという事のようだ。さすがに驚いた。かつてはブルトレも一部停車していたのに(1989(H元)年3月改正では〔みずほ〕が停車していた)、ローカル線だけでなく、幹線も凋落が著しい、と感じずにはいられない。

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 駅員はいないけれど、そば屋はオープンしている。

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 宇部新川までは乗車券を買う必要があるが(宇部・小野田線はIC不可)、この付近は大都市近郊区間ではないから経路通りに買わなければならないはずで、小野田線経由だと240円になるはず。しかし運賃表には宇部経由しか記されていない。ともかく200円切符を買って、宇部新川に戻る事にする。

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 宇部と同じく、小野田駅の時刻表も寂しい。

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 駅前の通りには船木鉄道のバス停があり、前述の長門本山経由本山岬への路線の時刻も掲載されている。他にサンデン交通バスも入ってくる。

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 小野田線が発着する3番線は、行き止まり。

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 また、山陽本線とはつながっていない。直通運転はできない、という事だ。

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 駅舎側にもホームらしき跡があり(たぶん旧1番線)、線路が残っている。だから、かつての小野田線は駅舎側に発着し、山陽本線は2面4線だったが、山陽本線も本数が減っているので、かつての下りの副本線を小野田線に転用した、という事ではないだろうか(そうすれば、少なくとも山陽本線下り列車と小野田線は同じホームで乗り換えができる。)。
 ただ、両路線とも便数が大幅に減って、駅員の常駐もない、のなら、ここでももう一段のコンパクト化が合っても良いのではないか、と強く感じられました。

 折返し1230Mで小野田を後にする。山陽本線上り3324Mからの乗り換えは、決して少なくはなかったが。

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 小野田港。その名の通り港に面している。この付近は工業地帯という感じだし、船も多い。小野田港は立派な駅舎が建っているが、どうも今は使われていないようだ。ここに限らず、駅舎はどこも必要以上にみすぼらしく見えてしょうがない(雀田は違っていたが)。

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 居能で宇部線に合流する直前、厚東川を渡る。

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 宇部新川駅は、少なくとも到着時点では駅員がいた。先に小野田で買った200円切符は、そのままで良いという事だった。小野田線経由で着いた事は分かっていたはずだが。特例があるのだろうか?

 小野田線に関して、今後はどうする?と問われても、正直、ウーンと唸ってしまうしかない。学生の利用は長門本山支線を含めて少なくはなく、雀田では大学に通う学生が数多く降りていくのを見ているから、通勤・通学に存在意義を求め続ける事になるのだろう。昼間に3時間以上列車がなく、最終列車が大幅に早まっている(宇部新川発は19時23分)現状を見ても、日常の生活にはあまり利用されていないように見えて、しばらくはジリ貧が続くのではないか…。

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 宇部新川駅の駅舎。なりは大きい。

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 宇部市の中心部はやはり宇部新川の方で、市営バスの拠点となっている。新山口へ行く、セレガ使用の特急便もあるほどだ。

 という事で、JR西日本・中国地方のローカル線めぐりは、今回はここまでです。
 この後ここから山口宇部空港に向かい、ANAのB737-800で帰ります。

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 京成が今日、今年度の設備投資計画を発表しました。関東大手では今年度ラストです。まず別リリースで、3200形の2025(R7)年冬導入が発表になった。イラストを見ると、顔つきは3100形の扉を中央部に移したような感じで、「2両単位でフレキシブルに編成両数の変更を可能にする」としている(車種構成は不明)。先頭部は、座席は設けられないようだ(腰当てはあるみたい)。防犯カメラを各車両3台搭載するとともに、京成では初めて、非常通報装置に連動して、防犯カメラの映像が乗務員室で確認出来る機能を採用する。投資計画においては、3200形は、今年度は6連1編成。ホームドアは京成高砂・青砥・鬼越の各駅への設置を推進。勝田台駅南口は、エレベーター設置工事が完了。大森台はエレベーター・バリアフリートイレの整備に着手する。押上線京成立石駅付近の連続立体化と、本線荒川橋梁の架け替え工事を引き続き推進する。また成田空港輸送強化を図るため、宗吾車両基地の新工場建設工事を推進する。投資総額243億円は、昨年度比+52%の増だそう。
 関東大手は、今年度は京成・東武・京王で通勤車両の新形式車の導入の発表がありました(東急大井町線もそうなるかも知れない)。導入時期は多少バラつきがあるが、今後の利用者の日常の足として活躍する事が、大いに期待されます。

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posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)旅行