№2808 2024年5月 今月は何があった 何をやった

 全世界の抗議の声にも、国際司法裁判所の措置命令にも、ひたすら「聞く耳持たず」で執拗にパレスチナ攻撃を繰り返す、イスラエル・ネタニヤフ政権。「第2のスターリン」を目指すつもりか?超長期政権に足を踏み入れ、さらには中国から「お墨付き」を得たいと言わんばかりの、ロシア・プーチン大統領。結局、似た者同士だねえ。一方でこの両者と、彼らが起こす戦争に、良くも悪くも密接にかかわりあってきたイラン・ライシ大統領の、突然の事故死。世界の悲劇はどこまで続くのか?翻って日本では、「お騒がせ」?氏の辞職で行われた静岡県知事選挙。今のところは国政への影響の方に関心が集まっているが、リニア中央新幹線はどうなる。「自由・権利」を弄ぶ「つばさの党」摘発に、ワタシ出るオレ出ると騒々しくなってきた東京都知事選。河口湖では富士山を隠す黒ネット設置の大騒動。政治も社会も、のどかだねえ?宇野 昌磨の引退発表で、フィギュアスケート界は完全に世代交代。セブン・イレブン一号店開店から50年、アイルトン・セナ事故死から30年。新型コロナ「五類」移行から1年経った今月は、どのような事が起きたのか。

 4月30日 大相撲 大関琴ノ若 「琴櫻」襲名

 1日 ビッグモーター事業引き継ぎ新会社「WECARS」 伊藤忠商事が設立
 2日 佐野 慈紀元近鉄投手 右腕切断手術を報告
 3日 中国 無人月面探査機「嫦娥6号」打ち上げ成功 月の裏側の岩石など採取目標
 4日 東京・銀座首都高速道路 一時通行止め 歩行者に解放
 5日 JR京都駅構内 列車内に不審物 約1時間半京都駅発着列車運行停止
 6日 DeNA筒香 嘉智 5年ぶり日本球界復帰 決勝の逆転3ランホームラン
 7日 ダイハツ本社工場 4ヶ月半ぶりに操業再開
 8日 LINEヤフー 経営体制見直し 取締役2人退任
 9日 航空自衛隊C2輸送機 新潟空港に緊急着陸

10日 「セキュリティークリアランス法案」 参議院本会議で可決・成立
11日 裁判員裁判制度開始15年 シンポジウム開催
12日 大相撲名古屋場所 1横綱4大関全員敗北 昭和以降では初
13日 「母乳バンク」規模拡大再整備 完成式典
14日 シャープ TV液晶パネル生産停止発表
15日 かんぽ生命・大和証券グループ 資本提携で合意
16日 連合 次回衆議院選挙の新方針発表 立憲民主党・国民民主党両党支援を明確化
17日 「青切符」で自転車交通違反取締り 改正道路交通法成立
18日 七尾市 道の駅「能登食祭市場」 一部営業再開
19日 パドレス・ダルビッシュ 有 日米通算200勝達成 史上3人目

20日 富士山の登山日予約・通行料決済の新システム 山梨県側で受け付け開始
21日 ソフトバンク 今宮 健太 1イニング2三塁打 78年ぶり3人目
22日 江東区長選挙公職選挙法違反事件 前区長に連座制適用 立候補5年間禁止の判決
23日 国の責任で教育費無償化 関東地方知事会で要求確認
24日 10年もの国債利回り1.005% 約12年ぶりの高水準
25日 カンヌ映画祭 パルムドールは「アノーラ」
26日 ラグビー・リーグワン 東芝ブレイブルーパス東京初優勝
27日 歌舞伎俳優 尾上 菊之助 「八代目尾上 菊五郎」来年襲名発表
28日 国連人権理事会作業部会 独立した人権機関設立を日本に勧告
29日 長期金利1.065%に上昇 2011年12月以来の高水準

 今月はこの他、奥島 孝康元高野連会長・劇作家唐 十郎氏・脚本家小山内 美江子氏・元広島・近鉄投手清川 栄治氏・作曲家キダ・タロー氏・俳優中尾 彬氏・漫才師今 くるよさんら死去、水俣病患者団体との懇談会でのマイク音切りで環境大臣が謝罪、玄海町が「核のゴミ」文献調査受け入れ表明、ニューカレドニアで暴動、ドローン撮影の護衛艦の動画がSNSに投稿、女子サッカーの三菱重工浦和レッズがアジアチャンピオン、広島市新スタジアムでステンレス製の棒が落下、「太陽フレア」で日本でもオーロラ観測、ヤクルト村上 宗隆が史上最年少200号ホームラン、パラ陸上世界選手権が日本で初開催、横浜市教育委員会が教員の事件で職員動員問題、日中韓首脳会談が4年半ぶり開催、巨人戸郷 翔征がノーヒットノーラン達成、パプアニューギニアで大規模地滑り、北朝鮮が軍事偵察衛星ロケット打ち上げ失敗、ジョージアが「ロシア法」可決で混乱、などがありました。今朝は米トランプ元大統領に有罪評決、の大ニュースも飛び込んできています。
 先月から引き続きの那須の一件も加え、今月は殺人事件が多かった。どこも「カネ」と、身内のゴタゴタが絡んでいるような。殺人ではないが、信越~南東北にまたがる連続強盗事件や、昨日は川口市のタクシー車内発砲事件(今日容疑者逮捕)の発生もありました。
 シンガポール航空機の乱気流遭遇事故は、乗客に犠牲者が出るほど(身体の直接の損傷が原因ではないようだが)の事故となり、全世界で大々的に報道されました。また、カタール航空機でも乱気流事故があり、改めて乱気流事故が急増していて、その規模も大きくなっている事が浮き彫りになりました。この最中、JALでは相次ぐトラブルで国土交通省の監査が入る事態にもなりました。その全てがJALの責任に帰すものかどうかは分からない部分もあるが、極めて遺憾な事態であり、今一度足元を見つめ直して、体制を建て直して頂きたい。

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≪今月この一枚≫

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 私事になるが、今月から新しい仕事に就いています。休みが火・金になって、土日が休みにならないのは構わないが、連休がないので、当分の間…夏休みを過ぎるあたりまで…は、泊りがけはしないで、近場でおとなしく、という事になりそうです。早速17日、早起きして、流鉄の電車を撮りに行ってきました。流鉄だけでなく、関東鉄道の列車やバスも撮ってきたのだが(№2801で書いています)。鰭ヶ崎~平和台間で撮影したこの5003Fは「あかぎ」の愛称があるが、この日は「令和6年6月6日記念号」のヘッドマークを付けていました。
 流鉄は、20世紀の内は、朝ラッシュ時は3連が4本出動(馬橋・流山が交互発着)、12~13分間隔くらいの運行があったが、つくばエクスプレス開通はやはり大打撃で、徐々に本数が減って、コロナ禍もあって現在は、朝のラッシュ時も日中と同じ、2連の2運用に留まっています。平和台駅から南流山駅まで、徒歩でも15分くらいで行けてしまうのでねえ(自転車利用が多いようだ)。やはり都心までダイレクトに行けてしまう、しかも新幹線と錯覚するくらいの高速鉄道が開通してしまうと、利用者の転移は当然、でしょうか。5000形は西武101系として製造されてから42年、流鉄に来てからもはや12年、置き換えもそろそろ考えなければならない時期かもしれないが、当分は流鉄そのもの共々、現状維持でしょうかねえ。

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 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 JR東日本は今日、京葉線の9月1日のダイヤ改正を発表しました。3月16日改正から半年足らずという事という事になるが、快速の運転本数が増加するものの、3月改正以前より少なく、沿線自治体の不満はなくなっていない模様。とにかく3月改正の内容自体が間違いだったし、前にも書いたが、京葉線はその距離や、房総半島に直結する幹線的な性格をも帯びている事を考えれば、東京駅の6~22時台は、コンスタントに快速の運転が設定されて然るべき。京葉線ダイヤに限った事ではなく、みどりの窓口の見直し凍結もそうで、どうもこの数年のJR東日本は、列車にしろそのダイヤにしろ、あるいは駅にしろ、鉄道会社として真っ先に考えなければならないはずの「鉄道輸送の機能の強化」が、かなりおろそかになっている所が見られるように思えてならない。 

《What's New》
30日 旧優生保護法は憲法違反 福岡地裁 国に賠償命令
31日 ドラマ原作コミック作者死亡事件 日本テレビ 特別調査チーム報告書公表

 関東地方は幸い、予想されたほどの台風の影響はなかったが、それでも今日は一日曇天でした。そろそろ梅雨入り、スカッとした青空の日はしばらくは少なくなりそうで、休みの日が晴れになったら、有効に使いたいと思います。来月もよろしくお願いいたします。

№2807 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 23.京王相模原線 橋本駅(後)

京王相模原線 橋本駅ホーム.jpg
 京王相模原線橋本駅のダイヤ回顧、後半は2013(H25)年2月22日改正からです。前年の調布市内連続立体化(地下化)を踏まえ、この年になって本格的なダイヤ改正を行う事となりました。
「白紙的」と自ら称した2001(H13)年改正と同等、あるいはそれ以上の規模かも知れません。
 京王の本線は線路幅が1372㎜と特殊な事もあって、相互乗り入れをする相手が都営地下鉄新宿線だけ、相互直通ネットワークが広域化してはいないので、ここまでのダイヤ改正は数年に一度、という程度でした。しかしこの2013(H25)年改正以降、〔京王ライナー〕運行開始、コロナ禍と明暗様々な事態に対応するためか、ダイヤ改正の頻度が一気に高まっていきます。

京王橋本駅 2013_0222.jpg
2013(H25)年 2月22日改正
 種別形態に大きな変化がありました。
 特急が復活。ただし相模原線に関しては急行からの立て替えという形になり、相模原線の停車駅は急行と同じ。新宿~橋本間の最速は37分。なお本線の特急は分倍河原と北野が新規停車となって、準特急と同じになった。特急と準特急の違いは、高尾線内が各駅の停車(準特急)か否(特急)かという事。平日の準特急は、早朝の高尾山口発上り1本のみ。
 在来の通勤快速は区間急行と改称し、相模原線では土休日も含めて終日運転となった。以降、区間急行が相模原線のメインの列車となったと言って良い。なお日中は新線新宿から都営浅草線内は急行となり、橋本発では「区間急行 新線新宿」行→新線新宿から「急行 本八幡」行と案内していたようだ。
 この改正で、日中の笹塚~調布間は、20分サイクルで特急3(新宿~京王八王子・高尾山口・橋本)・区間急行1(本八幡~橋本)・快速1(新宿~橋本)・各停2(新宿~京王八王子・高尾山口)となり、トータルで21本/h。
 平日の夜間に快速のつつじヶ丘行があるが、地下化により調布では折返しができなくなったのでつつじヶ丘まで回送とするところ、上りは客扱いするため(つつじヶ丘で各停に接続)この形になったと考えられる。

 京王が製作・発売した全線時刻表は、この2013(H25)年改正号が最後、となりました。以降は交通新聞社刊行の「MYLINE 東京時刻表」から時刻表を作成し、一部他文献や、京王電鉄のリリースを参考にしている事をお断りしておきます。

京王橋本駅 2015_0925.jpg
2015(H27)年 9月25日改正
 次の改正は、2年半以上間が空きました。
 準特急の停車駅に笹塚と千歳烏山を追加。日中は特急の3本に2本が準特急となり、特急は、平日は新宿~高尾山口間、土休日は新宿~京王八王子間で運行。
 相模原線の特急は大半が準特急に立て替えられ、橋本発で特急として残るのは、平日は朝方と夜間、土休日は早朝1本のみ。
 区間急行も仙川に新規停車。また日中の快速が都営新宿線に直通となり、笹塚以遠~新宿線直通は、6本/hとなった。
 初列車が大幅に繰り上げられ、4時台の区間急行が2本設定された。橋本4時38分発区間急行は、調布でやはり繰り上げとなった特急に乗り換えると、新宿着が5時21分。京王では早朝の新幹線や航空便の利用が便利になるとアピールしていた。
(もっとも橋本から東海道新幹線、だと、JR横浜線に乗って新横浜から、となろうが)

京王橋本駅 2016_0916.jpg
2016(H28)年 9月16日改正
 パターンとしては、大きな変更はない。平日の新線新宿発17時30分以降の、笹塚以遠行の急行・区間急行・快速は全て10連化。
 この年の9月29日に、〔京王ライナー〕運行開始を見据えた、クロス/ロングシート転換機構を備えた5000系がデビュー。まずはロングシート形態のまま、一般列車でデビューした。

京王橋本駅 2018_0222.jpg
2018(H30)年 2月22日改正
 この年の2月22日は木曜日でした。近年はJRを中心にどの鉄道会社も、基本的には土曜日にダイヤ改正を行うようになっていたが(いきなり朝ラッシュ時から変更させるのはリスキーという事だろう)、この点で当時の京王は異例でした。
〔京王ライナー〕の運行が始まった。当初は夜間の下りのみ(土休日も運行)で、新宿→京王八王子・橋本間各5本を運行。橋本行は、新宿を平日20~0時台の毎時30分(0時台のみ20分)・土休日は17~21時台の毎時20分の発車だった。
 橋本発では、夜間の特急の一部が急行に変更されている。
 京王ではこの改正から、途中で種別が変わる場合も、行先は終点を表示する方式に改められた。
 なお、2018(H30)年11月より、臨時列車として〔Mt.TAKAO号〕の運行が始まっている(上りは〔京王ライナー〕として運行)。

京王橋本駅 2019_0222.jpg
2019(H31)年 2月22日改正
 平成最後の改正になりました。
 上りも〔京王ライナー〕の運行が始まった。平日・土休日とも2本が設定されている。また土休日は新宿発下り2本(16・22時台)が増発されている。
 平日・土休日共、朝方の準特急の一部は京王多摩センターまで各駅停車として運行。

京王橋本駅 2020_0222.jpg
2020(R2)年 2月22日改正
〔京王ライナー〕は、平日は4本に増強。一方で土休日は、この時点では1本に削減された。なお下りは、新宿発16時40分・17時40分発が設定、7本に増発されている。
 平日日中の準特急の大半が、京王多摩センター~橋本間は各駅停車に変更して運行(区間急行は京王多摩センター折返し)。また平日の夜間は、若干の運行本数の減少がみられる。

 この改正の直後、新型コロナウィルスのパンデミックが日本をも直撃。「外に出るな、出かけるな」では鉄道は当然大打撃で、特に京王は年度別輸送人員が、2020(R2)年度は4億5100万人で、前年度(6億7300万人)の67.0%。実に旅客の1/3が失われる事態になりました。橋本駅も、2020(R2)年度の1日乗降人員(65,241人)は、前年度(98,086人)の66.51%です。
 この一大事に対応すべく、この年の10月30日には早々にダイヤ改正が行われました。全列車掲載の時刻表がなかったのでここでは製作しなかったが、平日の〔京王ライナー〕は、新宿→橋本間18・19時台に2本増発の一方、午前0時台は取りやめ(京王八王子行も0時台→19時台にシフト)、平日の準特急の京王多摩センター~橋本間各駅停車運行の時間帯の延長、22時台以降の新宿発のサイクルを12分→15分に拡大、などの変更点があります。

京王橋本駅 2021_0313.jpg
2021(R3)年 3月13日改正
 この改正以降今年までは、ダイヤ改正日はJRを始めとする各社と、足並みをそろえるようになります。
 基本的には前年10月の改正ダイヤを踏襲しているが、この年の1月から行われた、緊急事態宣言発出により繰り上げられた最終列車が、そのまま正規の最終列車となった。2020(R2)年2月改正時点では、平日の新宿→橋本行最終は0時11分発区間急行(この後の0時21分発準特急京王八王子行が調布で接続)・橋本終着1時06分だったものが、23時52分発快速(この後の0時01分発準特急京王八王子行が調布で接続)・橋本終着0時48分となり、約20分の繰り上げになった。京王全体でも、1時を過ぎて運行される列車は2本のみとなっている。京王では最終繰り上げの理由として、コロナ禍による生活様式の変化とともに、夜間の工事時間の確保を上げている。
 平日のみ、4時38分発の初列車が、区間急行新宿行→快速本八幡行に変更になった(調布での特急接続は変わらない)。
 この後10月30日より土休日のみ、〔京王ライナー〕〔Mt.TAKAO号〕が明大前に新規停車している(新宿~明大前間のみの乗車は上下とも不可)。

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2022(R4)年 3月12日改正

 特急も笹塚・千歳烏山に新規停車、準特急を統合する事になる。変則的な名称と言えた「準特急」は、停車駅を変えながら、21年の歴史に幕を閉じた(この後阪急京都線で復活するとは思いもしなかったけれど)。
〔京王ライナー〕は、土休日が3往復に再度増発された。新宿での降車が多くなる8~10時台の設定に改められている。また平日も全列車、明大前に停車。〔Mt.TAKAO号〕が正式に、毎土休日運行の定期列車となった。
 特急は土休日も、日中は京王多摩センター~橋本間を各駅停車で運行。
 土休日も、4時38分発の初列車が快速本八幡行に変更された。
 都営新宿線の急行運転が大幅に縮小され、京王の急行は、新宿線内は各駅停車として運行される。

京王橋本駅 2023_0318.jpg
2023年 3月18日改正
〔京王ライナー〕は、平日の上りで7時10分発が増発された。新宿着が8時00分ちょうどで、これまでならラッシュのピークの真っただ中と言える時間帯に、有料の列車が都心のターミナルに到着する事になる。他社でも見られるようになったが、コロナ禍の副産物と言える現象だった。また下りは、平日の橋本行は3本増発されて18~20時台は毎時2本となり、便数では京王八王子行を上回る事になった。土休日は新宿15時20分発が新規設定されている。
 一般の列車は、夜間に再度の減便が行われているが、パターン自体の変化は少ない。

京王橋本駅 2024_0316.jpg
2024年 3月16日改正
 そしてこれが、この3月16日から使われている時刻表になります。
 土休日の〔京王ライナー〕がさらに1往復増発され、11時台まで設定されている(平日も9時台に、京王多摩センター始発で増発)。また下りでも、新宿10時15分発を新設。

 以上、かなり駆け足で京王相模原線橋本駅の時刻の移り変わりを見てきました。舌っ足らずで終わった所も多々あったはずです。ご了承ください。
 特にコロナ禍以降は、輸送量の減少と反比例するかの如く、〔京王ライナー〕の拡充が目立つようになりました。「密」にならないゆったり通勤・通学やおでかけを求める層が、特に多摩ニュータウンで多いのかなあ。京王では〔京王ライナー〕を鉄道輸送の柱とすると掲げていて、今年度も5000系の増備が行われるので、さらに増発・運転時間帯の拡大が行われる事が予想されます。一般の特急の一部を指定席にする、という形態もありそう。
 一方で一般列車は、京王全体で見ると、特急の停車駅がかなり増えた事もあって、種別による差が小さくなってきています。また、相模原線末端区間の各停化や笹塚~仙川間の連続立体化工事の影響もあって、都心まで全体的にやや時間がかかるようになっていて、新宿~橋本間の場合、現状の最速は38分。もう少し停車駅を整理し、単純化する事も必要かと。立体化が完成すると、明大前と千歳烏山は2面4線の退避駅となる計画なので、この時点で、スピードアップなどの抜本的な輸送形態の変更などが行われるのだと、思っています。
 あとは、橋本駅で言うと、やはりリニア中央新幹線、でしょうかねえ。開通すると京王も、良くも悪くもかなり影響が出ると思うが(この時点でJR東日本も含め、「橋本」の駅名が変わる事になると思う)、全体の完成・開通は大幅に遅れそう。橋本駅自体の乗降人員は急速に回復しているが、それでもパンデミック直前の83.63%に留まっていて、しばらくは〔京王ライナー〕を柱に据えつつ、質的な改善に注力する、という事になるでしょうか。再来年デビュー予定の2000系にも、期待したい所です。

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 鉄道の乗車券・乗車システムに関する大きなニュースが相次いでいて、昨日は熊本県の電車・バスが一斉に、年内に全国交通系ICカードの取り扱いを終了すると発表、また今日はJR東日本・京成・東武・西武・京急・東京モノレール・新京成・北総の各社で、2026(R8)年度末以降、近距離の時期乗車券を、QRコードの乗車券に置き換えると発表しています(既にゆいレールがやっているような事)。いろいろ感じる事は多々あっても、それを詳しく書く余裕は今日はない。が、その他の交通事業者の動向も合わせてみると、「クレジットカードのタッチ決済」+「QRコード活用」が、今後の鉄道利用のトレンドになるのか、と感じさせます。ICカードでさえ、今後は絶対的な鉄道利用の主役ではなくなってくるのか。

《What's New》
28日 国連人権理事会作業部会 独立した人権機関設立を日本に勧告
29日 長期金利1.065%に上昇 2011年12月以来の高水準

№2806 駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷 23.京王相模原線 橋本駅(前)

京王電鉄02-11橋本14ホーム.jpg
 「駅の時刻表から見る 私鉄ダイヤの変遷」、今回は京王相模原線の終点、橋本駅です。
 相模原線が橋本まで延伸したのは、平成の世になって翌年の1990(H2)年3月3日です。多摩ニュータウンを都心と直結させるのが主な使命だった相模原線だが、神奈川県相模原市にあり、JR横浜線と相模線が合流する橋本まで延伸した事で、新たに神奈川県北部と東京の都心をダイレクトに結ぶルートとしての役割も担う事になりました。2022(R4)年度の一日の乗降客数は82,307人、新宿・渋谷・吉祥寺・調布に次いで京王では第5位になり、古くからの京王八王子などを大きく上回っています。

 さて、本当なら開業時の時刻表から始めたかったが、この当時は、京王は時刻表を刊行していませんでした。いや、実は昭和の間に2回刊行があったのだが、当然橋本駅の時刻はなく(相模原線は京王多摩センターまでだった)、従って、橋本駅の開業時の時刻を記した文献を、見つける事ができませんでした。あれば相当貴重な記録になったはず、ですけれどねえ。
(だから8年前に書いた高尾山口駅の時も、昭和の2回については記載しなかった)
 ちなみに、橋本延伸前の1986(S61)年9月に刊行された時刻表に拠れば、当時の相模原線は快速・通勤快速・各停の3本立てで、快速は、稲城・若葉台は通過でした。日中は快速と各停が20分間隔と、まだまだ少なかった。
 京王では、ダイヤ改正を「ダイヤ改定」と呼称していた時期もあったが、ここでは「改正」で統一します。

京王橋本駅 1992_0528.jpg
1992(H4)年 5月28日改正
 なので、橋本延長後最初の時刻表が刊行された、1992(H4)年5月改正から始めます。京王ではここから、土曜日と休日が一本化されました。
 急行がなかった相模原線だったが、一気に特急の運行を開始した。当時の特急の停車駅は非常に少なく、明大前・調布・京王多摩センターのみ。橋本~新宿間は最速37分。
 快速は相模原線内が各駅停車になり、日中は京王多摩センターで特急を退避。
 当時の京王本線・笹塚~調布間は、平日の日中は20分サイクルで特急(新宿~京王八王子・橋本)2:急行(新宿~高尾山口)1:快速(本八幡~橋本)1:各停(新宿~京王八王子・高尾山口・橋本)3、トータルで21本/hの設定と、複線ながら当時から相当な高頻度だった(土休日は高尾山口発着の各停が調布折返しになるので18本/h)。この改正から、急行がつつじヶ丘に新規停車している(平日は比較的早じまいになり、通勤快速に移行する)。
 なお、当時の京王は行楽輸送シーズンの休日は専用ダイヤとなり、高幡不動での特急の分割・併合も行われていたが、相模原線には影響がなかった。
 今の目で見ると、橋本発の最終電車が、上りとしても早い。日付が変わる前に若葉台行最終が出発している。

京王橋本駅 1997_1224.jpg
1997(H9)年12月24日改正
 平成の半ばくらいまでの京王はダイヤ改正の頻度が低く、次の改正は5年以上も後になった。クリスマスイブの日の改正とは、またずいぶんと慌ただしい。
 相模原線内に関しては、基本的なパターンの変更はない。最終電車が平日のみ初めて、日付が変わった後の発車になった。

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2001(H13)年 3月27日改正
 ダイヤ体系が大きく変わった改正で、京王自らは「白紙的」と称しているようです。
京王電鉄時刻表 2001年3月改正.jpg
 この時刊行された時刻表は、都営地下鉄やモノレール、京王のバスなどの時刻の掲載もあるが、割と分厚いです。

 本線の最高速度が105㎞/h→110㎞/hに引き上げられた。また準特急が新規に設定され(当時の停車駅は特急+分倍河原・北野)、日中の新宿~高尾山口間の急行を置き換えている。
 相模原線の特急は、急行に変更された。急行は相模原線では初設定となった一方、特急は一度なくなる事になる。急行は調布で日中は京王本線の特急と、夕ラッシュ時は準特急と相互に接続する形態となった。乗り換えは必要になるが、新宿~橋本間の最速は34分と、逆に短縮されている(改正前の直通の特急は、上下とも先行する急行に阻まれて、ノロノロ運転を強いられた事もあった)。
 急行は、日中は都営新宿線内の急行と一本化され、本八幡まで通しで急行運転となった。なお土休日の朝夕には都営線内は各駅停車の列車があるが、この場合は「急行 新線新宿行」→新線新宿から「各停 本八幡行」と称していたようだ。
 この他、快速が八幡山と仙川に新規停車。平日の笹塚~調布間の各停が6本/hに削減されたため、その代替の意味があると考えられる。相模原線の各駅停車は、日中以降は調布折返しの線内区間運転に短縮。
 最終電車が、平日・土休日共24時30分過ぎまで繰り下げ。

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2003年12月 1日改正
 これまで相模原線の朝方ラッシュ時の上りは通勤快速が主役で、線内は全列車各駅停車だったが、この改正で橋本発7・8時台の急行が6本設定され、朝方上りの急行運転が始まった。うち4本は、都営新宿線に直通する。橋本→新線新宿間は54~55分となり、通勤快速と比べて5分程度の短縮となった。
 平日夕ラッシュ時は、急行と線内折返しの各停が交互に10分間隔で運行されている。
 平日の初列車が通勤快速に変更されている。

 この後、2005(H17)年3月にダイヤ改正を行っているが、時刻表の発行が行われませんでした。なので時刻表の作成はナシ。
 平日夜間の急行の10分間隔運転時間帯を拡大した。なお一部時間帯では、新線新宿~調布間は快速で運行、橋本発は「急行 調布行」→調布から「快速本八幡行」として運行されていたようだ。

京王橋本駅 2006_0901.jpg
2006(H18)年 9月 1日改正
 9000系(9030番台)の増備があり、日中以降の都営新宿線直通急行・快速の大半が10連化された。
 ただ、この時点で10連は京王だけで、東京都側はまだ8連のみだった。このため日中は、新宿線直通急行は全て京王編成だったのに対し、相模原線内折返しの各駅停車は、ほぼ全列車が都営新宿線10形での運用だった。
 この改正時より、土休日のシーズンダイヤは廃止。準特急の高尾線内各駅停車運転が始まっている。
 調布駅付近の連続立体化(地下線化)工事のため、所要時間の見直しが行われている。新宿~橋本間(調布乗り換え)の最速は38分。

 この後、2010(H22)年3月には、相模原線へのATC導入と、急行・快速の10連運転の増強(東京都も10連が導入された)による修正が行われている。
 東日本大震災による節電ダイヤ施行時には、平日日中の急行は相模原線内は各駅に停車となり、各停は運休となった(イヤな時期だった…)。

京王橋本駅 2012_0819.jpg
2012(H24)年 8月19日改正
 次の改正は、6年あとになりました。だけど、時刻表の刊行がなかったんだよねえ…。
 これ以降の時刻表に関しては、次の2013(H25)年2月改正を除いて、交通新聞社刊行の「MYLINE 東京時刻表」から作成している事をお断りしておきます。調布駅付近の地下線化が完成、線路の切り替えも行われたが、この時の改正はまだ暫定的なものと言え、この時点で早々に、来年2月の全面改正が予告されていました。本線の特急は全て準特急に変更。一時的と分かっているとはいえ、大手私鉄から特急がなくなるのは、異例でした。相模原線は大きなパターンの変更はなく、線内折返しの各駅停車も調布発着のまま(つつじヶ丘あたりまで回送していたと思われるが私は未確認)。

 翌2013(H25)年2月22日に、予告通り大きなダイヤ改正を実施、相模原線でも特急の再設定、通勤快速に変わって区間急行の設定、など、大きな変化が起きる事になります。
 相模原線はこの後、〔京王ライナー〕スタート、コロナ禍による減便、と激動の時期を迎え、対応すべくダイヤ改正の頻度も、これまでとは比べ物にならないほど高くなって、特にライナー運行開始以降は、ほぼ毎年改正が行われるようになります。その変遷は、次回です。

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 黒部峡谷鉄道は、猫又~欅平間の今年の復旧は断念すると発表しました。何とか紅葉シーズンに間に合えば良かったのだが。鉄道の総務部長は謝罪しているが、自然災害が原因なので、仕方がないですね。簡単に工事ができる(というか工事に行ける)ロケーションでもないし。私は先月に猫又まで往復して、それは来月書きたいが、欅平まで乗れる日が、できるだけ早く来れば良いと思っています。
 静岡県知事選挙の結果は、リニアの工事には、どのような影響を与えるでしょうか。現在はむしろ、今後の国政の運営への影響の方に関心が集まっているように見えるが。

《What's New》
25日 カンヌ映画祭 パルムドールは「アノーラ」
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