№2721 千歳相互観光バス 路線譲渡と経営問題

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「2024年問題」がいよいよすぐそこ、という段階になり、各バス会社からは、4月1日に向けたダイヤ改正のリリースがぞくぞく出されて、どこもかしこも芳しくないなあ、と思っている所へ、北海道の千歳相互観光バスが、4月1日より2路線の運行が他社に変更になると、昨日16日リリースしました。
 同社に関しては昨年から労使間のゴタゴタがだいぶ先鋭化しているらしく、労働組合側は「36協定」を締結していないのに残業を強要されているとか、バスの整備で不正があったとか訴えて、会社側に路線バス事業の譲渡を要求していると報道されていたようです(新聞社の有料記事引用でカネ払っていないから全部は読めていない)。昨年の4月と11月にはそれぞれ24時間ストライキも実施されたそう。事業譲渡のいきさつについては、同社の公式WEBでも代表取締役名でリリースが出されているが、これを読んだ感触として、同社内部では、労使間の信頼関係がかなり損なわれている事が窺えます。その直後の12月より、全路線で減便も行われていました。
 今回の2路線の事業者変更がその事業譲渡の一環なのかどうかは分からない。が、私は地元の住民でもないし、労働者でも経営幹部でもないヨソ者がどうのこうの言えないが、運行に関わる立場にあるものが毎日毎日ツンツン角突き合わせながら、ギスギスした空気の職場の中で職務をこなそうとしたって、間違いなく全ての人にとって、何一つ良い事にはならない(それは過去の交通事業者各社の事例で明らか)。どういう決着になれば皆納得できる環境になるのか分からないが、ともかく関係する皆が一度冷静になって、会社、ひいては他社も含めた千歳地域のバス路線の維持のためになるか、考えてもらえればと思います。

 ところで、この2路線の4月1日からの運行だが、「市民プール線」は富士交通となっていて、これは恵庭市にある会社だが、「富士ハイヤー」が正式社名のようです。タクシーが主力だが、近年は貸切バスも運行しているそう(市民プール線は土休日運休)。
 驚いたのが「図書館青葉線」で、十勝バス?帯広の会社、だよね?記されている問い合わせ先の電話番号も、間違いなく帯広の本社になっています。十勝バスは千歳市にも営業所があり、貸切バスの配置があるよう。新千歳空港に降り立つ団体客の送り迎えのために設けられている営業所だと思うが、ここが新たに路線バスを運行する、という事だろうか。
 土曜日のリリースであり、富士ハイヤー、十勝バス両社とも、正式なリリースはまだ出されていないし、新聞・TV等のニュースにもなっていないようです(少なくとも、当方のネット検索には引っかからなかった)。ともあれ、現行の路線・便数は維持されるのか、そして千歳相互観光バスの経営の行方はどうなるのか、注視していきたいと思います。

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《What's New》
15日 ホンダ・日産自動車 EV開発等包括的協業の覚書締結発表
16日 殺人事件遺族団体が会合 代執行制度導入など活動方針確認
17日 JR芸備線志和口駅 ネコ駅長「やまと」・副ネコ駅長「ちどり」就任

 いよいよ北陸新幹線が、敦賀へ延伸開業しました。まずは盛業のようで何より、直接は関わらないかも知れないが、地震で傷ついた能登半島へのエールにもなればいいと思います。私は、今年中には乗りに行くと宣言しておきます。もう少し落ち着いたら、夏以降、かな(というか、上越妙高~金沢間もまだ、なんだよなあ)。その場合は、七尾線・のと鉄道とセットにしたいと考えています。
 一方で、JR北海道に関しては、斎藤国土交通大臣が、3年間で1000億円の支援を行う一方で、経営改善を求める「監督命令」を出すと発表しました。前にも書いた事だが、JR北海道に関しては、どういう事をすれば「経営改善」になるのか、この辺が明らかになっていない。単にJR北海道の経営が黒字になったりするとかすれば良いのなら、ローカル線や、「秘境駅」をバンバン廃止して、北海道新幹線や函館本線、千歳線などの運営だけに集中すれば、そうなるかも知れない。そう単純はいかないから問題なのであって、この辺の方向性も、誰かが示さなければならないと思う。