№2769 「よん・さん・とお」復刻版 読んでみた 6.東海道本線・東京口

交通公社の時刻表 1968年10月号復刻版.jpg
 結構間が空いてしまったが、「よん・さん・とお」の時刻表から50~60年くらい前の鉄道事情を読み解く…と書いてしまうと大げさすぎるが、シリーズ6回目は、東海道本線です。と言っても今回は、我が街戸塚を中心とした、東京発着がほとんどになってしまうが。

「よん・さん・とお」というと東北方面に目が行きがちだが、東海道本線東京口でも、特に優等列車は割と変化がありました。まずは東京駅を出発する東海道本線の優等列車(特急・急行)の時刻を、前年・1967(S42)年10月1日改正と、「よん・さん・とお」(1968(S43)年10月1日改正)で比較してみます。
(毎日の運転が確約されている定期列車のみ書き出した)

よんさんとお 1967年10月1日東京駅優等列車時刻表.jpgよんさんとお 1968年10月1日東京駅優等列車時刻表.jpg
「よん・さん・とお」までは、「第〇××」と「××〇号」が併用されていたが、この改正で「〇号」に統一されている。
 東海道新幹線が開業して3~4年経って、当然昼行特急は皆なくなっているが、急行は割と残っていて、しかも30番台と特急並みの列車番号の長距離急行が、かなり走っていた。「よん・さん・とお」ではさすがに削減されているものの、それでも東京を昼前に出発し、九州内では2ルートに分かれて西鹿児島を目指す急行が残ったのは、現代の感覚では信じがたい。夜を迎えるのは大阪を過ぎてからで、西鹿児島までは、鹿児島本線経由の〔霧島〕が25時間15分、日豊本線経由の〔高千穂〕が28時間15分かかった。停車駅も特急並みだったし、米原が通過だったのが意外。〔霧島〕には食堂車が連結されていたが、寝台車は〔霧島〕〔高千穂〕両方ともなかった。
 急行〔紀伊〕は、紀伊勝浦行の他、鳥羽行と、さらには関西本線経由の王寺行(奈良から普通列車)の連結もあった。
「よん・さん・とお」で廃止になった列車で注目されるのは、米原経由金沢行の急行〔能登〕。関西本線経由の〔大和〕と併結ではあったが、東海道本線経由で北陸へ直通する列車が、これでなくなる事になった。福井~金沢間は信越本線経由上野発着の急行〔越前〕が残るが、敦賀に関しては、今週土曜日に北陸新幹線が延伸開業すると、56年ぶりに東京への直通列車が走る事になる。
 寝台特急は、博多行〔あさかぜ〕が1往復増発になり、6往復体制となった。まだ全てが九州行。
 特急はまだだが、日中は伊豆方面へ向かう急行〔伊豆〕が、〔あまぎ〕も統合して、定期6往復体制となった。また、御殿場行〔ごてんば〕が新設になっている。昼行電車急行でも、大垣だ名古屋だまで行く急行が走っていた。この他ここでは書き出さなかったが、季節運転の〔おくいず〕があり、さらにのちの上野東京ラインを先取りするかのような、平(現いわき)~伊豆急下田・修善寺間急行〔常磐伊豆〕が、平発土曜日・平行日曜日に運行されていた(交直両用急行型が、伊豆急行や伊豆箱根鉄道に乗り入れていた)。

 次に、東京駅を出発する東海道本線の時刻を書き出します。当時は横須賀線も、東京~大船間で線路を共用していました。

よんさんとお 1968年10月1日東京駅発車時刻表.jpg
 これも、基本的には毎日運転の列車のみです(一部休日運休、逆に休日運転の列車も入れている)。初列車が早くて4時台だった(今は品川始発)。
 のちの「大垣夜行」→〔ムーンライトながら〕につながる夜行はともかく、5時19分発の普通列車321Mも大垣行、というのが、今の感覚では信じがたい。大垣まで8時間21分かかり、大垣では西明石行の普通列車に接続していた。静岡で14分、豊橋・名古屋で9分などの停車時間はあったが、尾張一宮での臨時急行〔ながさき〕(東京7時25分発長崎行)以外には退避はなかった。電車列車だが、何を使っていたのだろう?111・113系ではないだろう。バリバリ現役の80系?当時「青春18きっぷ」があったら、垂涎の的、か?
 ちなみに、今週土曜日の改正ダイヤにおいては、東京5時20分発に乗ると、沼津・静岡・浜松での乗り換えはあるが、浜松からは新快速(土休日特別快速)になり、大垣着は11時47分で、2時間近い短縮。

 さらに、朝ラッシュ時の上り、東京着7時30分~9時30分の、熱海→東京間の時刻を書き出してみました。

よんさんとお 1968年10月1日東海道本線時刻表.jpg
(網掛けは休日運休 品川・新橋は、東海道本線は着、横須賀線の列車は発の時刻)
 東京7時30分着〔あさかぜ1号〕~9時30分着〔あさかぜ3号〕の間の2時間は、完全に通勤電車のみの到着になっています。本来はこの位の時刻が夜行列車の到着には理想のはずなのだが、この後のブルトレ全盛期~全廃に至るまで、この2時間の枠がきっちり守られてきました(だから現代の〔湘南〕が7時台後半・9時台前半に東京駅地上ホームに着くなどとは、コロナ禍の副産物だろうが、時代が変わったという印象)。
 東海道本線の列車は、保土ケ谷はもちろん、当時は戸塚も通過だった(というのが戸塚に長年住んでいるものとしては隔世の感)。さらに朝方は川崎も通過になっていた。都心方面への通勤は、横須賀線と京浜東北線にお任せ、という事だったのか。横須賀線が品鶴線にルート変更・東海道本線から分離→総武快速線と直通運転、を開始するのは、12年後の1980(S55)年10月1日です(東戸塚駅は、この時に新川崎駅と共に開業した)。この時点で東海道本線も、普通列車は川崎に全て停車。

 ここでは書き出さなかった列車としては、修学旅行専用列車というのもありました(一般の人は乗れない列車だと思うが、なぜ時刻表に掲載されたのか)。東京・品川発着では6往復の設定があり、特に〔わこうど〕は東京~下関間、〔わかば〕は東京~明石間の夜行でした。当時の修学旅行事情はわからんが、少なくとも飛行機で海外へ、などという時代では間違いなくないし、新幹線も一般的ではなかったはず。〔わこうど〕もさすがに全区間乗り通す学校はなかったと思うが、深夜の停車もあり、急行型と同じボックスシートだから、大変な旅行だったろうねえ。

 首都圏の関連線区では、横須賀線の日中の久里浜発着の区間運転は横須賀折返し、東京行へは横須賀での乗り換えだった。
 横浜線は、日中は磯子~八王子間が約20~30分間隔、これに新幹線2次アクセスという事か、東神奈川~小机間の区間運転も設定されていた。
 相模線はまだ非電化(電化は平成になってから)、それでも非電化路線としては、比較的本数が多かった。茅ヶ崎~寒川・西寒川間及び原当麻~橋本間の区間運転が多く、当時は、厚木付近は利用の底になっていた事が窺える。当然海老名駅もなかった。
 伊東線・伊豆急行は、普通列車もほぼ全て1等車連結。
 のちに1往復体制になって廃線を迎える清水港線は、当時は朝夕に4往復の設定があった。
 飯田線は、当時は中央自動車道がなかったから急行も全区間に渡って多数の設定があり、特に辰野側は新宿発着の急行〔こまがね〕が3往復設定されていた。うち1往復はDCで、全区間電化されているのに不思議と思われるだろうが、当時は篠ノ井線が非電化で、長野から直通する急行〔天竜〕も3往復DC、うち1往復が、飯田線内で〔こまがね〕と併結運転だった。飯田線のDC急行も、現代では想像が難しい。豊橋側の〔伊那〕は3往復中2往復が名古屋発着、1往復は名古屋~上諏訪間の運転だった。

 次回は、東海道本線・山陽本線の大阪付近を中心に見る予定。

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《What's New》
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 東日本大震災から13年経ちました。毎年の事だが、私の立場としては、亡くなられた方々の冥福を祈る、としか言えません。今年は能登半島地震もあり、近頃は千葉県で地震も頻発しています。地震そのものは地球に住んでいる限り逃れる事はできないが、せめて少しでも被害が少なくなるような方策を、人任せでなく、自分で考えたいものです。私も含めて。
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表

№2768 銚子電気鉄道 「新旧交代劇」

 銚子電気鉄道の2501編成(外川方のみレトロ調に改装)が、南海2200系移籍により引退が発表になり、今日は一日中走るというリリースも出ていたので、「青春18きっぷ」1日分を使って、撮りに行きました。前日は関東地方も雪(今回は大した事はなかったが)で一時はどうなるかと思ったが、今日は朝から快晴。

銚子電気鉄道1.jpg
 銚子10時20分発。当然お客さんは多かったし、車掌も乗っていました。左は〔しおさい8号〕。255系もあと1週間。今月、そろって消える2者の顔合わせ(255系は今後どうなるか分からないが)。

 仲ノ町に着くと、高野線ズームカー色を復刻した2200系(22007F)が車庫にいて、それだけではなくて、セレモニーも行われるよう。南海の社員の姿も見られ、プレスもかなり出ていました。2200系が今日動く、という事は、私は知らなかったですけれどね。

 笠上黒生で降りて待っていると、2200系が来て、2501Fと行き違い。2200系は関係者のみで、一般の営業ではない。
 この時は「団体」みたいな方向幕だったが、外川から戻ってくると…。

銚子電気鉄道2.jpg
 なんと!「サザン」の方向幕になっていました。
 この後外川まで往復して、仲ノ町に戻ってみると、「空港急行」の幕を出していました。どちらも、2200系(22000系)では当然、運用された事がないものだったが。

 さすがにつやつやの濃淡グリーンは綺麗だったです。車号(22007+22008)もプレートではなく塗装だったが。欲を言えば、ドア横のマーク、このカラーだったら「Fine& Bright」ではなく、その前の古いものにして欲しかったかな。南海本家では6000系でやっているみたいだし。
 また営業運転が始まったら、…正直いつになるかは確約できないが、乗りに行きたいと思っています。車内はどうなっているのか。

銚子電気鉄道3.jpg
 犬吠駅の自販機に張り出されていたものです。むろん黒字経営は大いに結構なのだが、やはり日本では、公共交通機関と言えども採算が重視されなければならず、赤字経営は認められる状況にはなっていない、と、改めて思い知らされた気がします。もちろん日本に限らずどの国でも、少なくとも「赤字垂れ流し」は許されないだろうが。№2269で書いた事の繰り返しになるが、「絶対あきらめない」で恒常的に運営を続けたいのなら、やはりどこかで設備の抜本的な近代化が必要だと、今日再訪して改めて思わされました。むろん銚子電鉄単独では、例え黒字経営でもその利益全てを近代化に投資する事は出来ないだろうし、銚子市や千葉県が、銚子電鉄を銚子市の公共交通ネットワークにどう位置付けたいのか、そこが問われるのだろうと思っています。それは、銚子電鉄だけの話では、ない。

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《What's New》
 8日 米軍オスプレイ 飛行停止措置解除を発表
 9日 石川県アンテナショップ「いしかわテラス」 東京八重洲に移転オープン
 鳥山 明先生、TARAKOさんの訃報が相次いで報じられ、日本だけでなく、世界中にショックが走っています。鳥山先生に関しては、フランスのマクロン大統領や駐日大使館もお悔やみのメッセージをSNSに出しました。TARAKOさんは、静岡鉄道の「ちびまる子ちゃん」の電車の放送もしていました。私もお悔やみを申し上げます、としか言えないが、それにしても二人とも、まだ60代だからねえ…、若すぎる。「マンガ」を作り世に出した人、「マンガ」のアニメ化で人物に命を吹き込んだもの、という二人だったが、「漫画なんて読むとバカになるという時代からバトンを受け取り大人も子供も漫画を読んで楽しむという時代を作った」人、という尾田 栄一郎氏の鳥山 明評に、ああそうだよな、と思った。さくらももこ先生、TARAKOさんも、間違いなくそうです。日本発のポップカルチャーを世界的メジャーに押し上げた、その貢献は二人とも間違いなく大、でした。
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)日記

№2767 JTB時刻表2024年3月号(JTBパブリッシング)

北陸新幹線開業車内吊り広告.jpg
 いよいよ北陸新幹線敦賀開業を迎える「JTB時刻表2024年3月号」、先月末に発売になりました。

 前2月号で予告されていたが、今号は2種類の発売になりました。
特別号 「時刻表でたどる 北陸本線」のデジタルブックが読める特典込み 1,705円(本体1,550円)
通常号 いつも通りの1,375円(本体1,250円)

 この両者は表紙の写真自体が異なります。北陸新幹線の新規開業区間を試験走行するE7orW7系、という構図は同じであるが、撮影区間が特別号は加賀温泉~芦原温泉間、通常号は福井~えちぜん武生間になっています。
 私は今回、特別号の方を購入したが、このデジタルブックは「FanTop」のアカウント登録が必要、その後表紙裏に織り込まれている引換コードを入力する事で、読む事ができるようになります(今のところ読んでいない)。
 表紙裏にはデジタルブックの内容と、得点取得の方法が記載されています。このため、「のりもの情報局」は、特別号には掲載がありません(通常号にはある。「福井県 新幹線延伸課」と「JTBパブリッシング」)。ちなみに裏表紙の裏も異なっています。

 グラビア特集「JRグループ ダイヤ改正でこう変わる」は、リリースをもう少し突っ込んで記しているが、記されている事自体は、この後の特集のページで再度記載されている内容と変わりはない。カラー写真と図を使ってより分かりやすく、という意図だろう。
「おもな駅のご案内」は、敦賀駅が新規に掲載になったが、福井駅がない。構造が単純みたいだし、掲載スペースがないからか?

特集のページ

「NEWS」の四文字は、北陸新幹線のE7orW7系で、「S」の字だけ、バックがグランクラスのマークになっている。
 今号では、朝夕の快速をやめますやめないで、のスッタモンダが全国的な一般のニュースにもなってしまった、京葉線の全列車(平日・土休日とも)の全列車が、〔さざなみ〕〔わかしお〕も含めて掲載されています。
 一番の焦点となる朝方上りの通勤快速は、現行ダイヤでは(勝浦・成東始発)蘇我7時44分発→東京8時26分着(2784A)・(上総湊始発)蘇我7時58分発→東京8時39分着(2806A)の2本が設定されていて、所要41~42分。それが各駅停車となる新ダイヤでは54~57分と、大幅に増大する事になる。
 JR東日本のリリースでは、「快速通過駅の乗車機会が増える」「快速退避解消で各停の所要時間が短縮」とあるが、朝に関しては、元々数年前の改正で、通勤快速の前後の快速がほぼ全部各駅停車になっていたため、説得力がない。43.0㎞と比較的長距離の路線であり、通勤に1分1秒が貴重な朝ラッシュ時としては、はっきり配慮に欠けた編成、と言わざるを得ない。
 日中の快速も、平日は去年の改正で30分間隔と削減されている(土休日は15分間隔)。確かに途中の快速通過駅の配慮も必要な所はあるのだろうが(物流関連の企業の立地が多いようだ)、曜日に関わらず、終日で15分間隔くらいの快速の設定が必要な路線なのではないか。京葉線に限らず、JR東日本の首都圏では、埼京線の快速運転区間の縮小があったし、今改正では宇都宮線(東北本線)・高崎線の快速運転時間の縮小も行われて、長距離の移動にだいぶ時間を要するようになってきているように感じられる。コロナ禍で全体の需要が減少している、という事情もあろうが、(JR東日本以外も含めて)緩急のバランスを取ったダイヤ編成を心掛けてもらいたいと思う。

 臨時列車は、札幌~富良野間の〔ふらの〕を掲載。3月30・31日の運転で、今月いっぱいで廃止になる根室本線・富良野~東鹿越(~新得)間の利用者の便宜を図っているのか(ただし下りは、富良野での直接の接続がない)。「はまなす編成」での運行が予告されている。

 会社線は、福井鉄道とえちぜん鉄道、それに上田電鉄の、16日からの時刻を掲載。福井鉄道は、2往復増発。たけふ新5時30分発福井駅行急行は福井駅に6時15分に到着し、6時32分発〔かがやき502号〕に乗り換えが可能。また田原町23時12分発は福井駅発が23時25分で、東京から22時52分に到着する〔かがやき517号〕から乗り換えが可能。下り(武生→福井)初列車は約30分繰り上げ・上り(福井→武生)終列車は約1時間繰り下げになり、上り終列車の終着は24時を過ぎる。現状を考えると思い切ったダイヤ編成と言えるが、実を結んで欲しい。なお、増発分は上り1本を除いて急行だが、この急行は商工会議所前・足羽山公園口は通過。

「本文の訂正」という形で、伊予鉄道「坊っちゃん列車」の運行の再開が予告されました。20日から土休日に運行。

本文
 JR西日本の681系は、新ダイヤでは〔しらさぎ〕〔らくラクびわこ(1・2号)〕のみ。683系との混用。(〔サンダーバード〕は全列車683系だが、681系を連結する場合があるとしている)。
〔やくも〕は、4月6日から新型車両(273系)での運行が確約されているのは、下り5・7・11・21・23・27号、上り4・6・10・20・22・26号。なお下り13・17・29号、上り12・16・28号は、「3月16日~9月30日運転」の注釈が入った、臨時列車扱いの列車番号7000番台。
 また〔スーパーはくと〕も、下り13号、上り10号は列車番号7000番台で、毎日運転ながら臨時列車の扱い。〔はるか〕は全列車、定期列車となった。

 熱海での乗り換えについて、№2762でブーイング?を書いたばかりなのに、夕方の直通が縮小になってしまった。現行の下り1891E~327Mと1595E~329M、上り332M~1660Eと334M~1664Eは、熱海で分断(下りで329Mに相当する時刻の列車は、熱海から豊橋(土休日は浜松)まで運行)。
 また、現行の下り1585E(土休日1581E)~325M、上り336M~1672Eは国府津で分断され、国府津~沼津間はグリーン車なしで運行。325Mは沼津17時41分着、336M改め332Mの沼津発は20時40分と時間が空きすぎるが、熱海~沼津間の区間運転に運用されるのではないか?
 静岡付近は、日中は熱海~浜松間と、興津~島田間区間運転(上り一部は静岡で乗り換え)を交互に運転する形態に整理されている。

 いすみ鉄道は、土休日の急行が廃止になった。大多喜~上総中野間が8往復に削減になり、最終列車は1時間ほど繰り上げ。平日は、大多喜乗り換えになっている下り1本が全線通しになるのみ。あとは時刻の変更だけ。

 飯田線は、日中の豊橋~豊川間区間運転が減便され、その代替で天竜峡・飯田方面への長距離列車も船町・下地に停車になっている。豊橋14時38分発岡谷行は途中94駅に停車するが、全線通しでなおかつ通過駅がない列車は、だいぶ久しぶりの設定ではないだろうか?通過駅なしで94駅、という途中の停車駅の数は、確認を取ってはいないが、たぶん日本の全鉄道の旅客列車で最多(上りの上諏訪発豊橋行544Mは、下地・船町通過で同じ94駅停車)。

 小浜線は、上りの午前中が平日と土休日で時刻が変わり、現行の924M(敦賀6時48分発→小浜)は土休日が運休になり、代わって敦賀を9時50分に発車する、土休日運転の930M(敦賀9時50分発)にシフト(〔かがやき501号〕から接続)。現行の926M(敦賀→東舞鶴)は、土休日は約20~37分繰り上げ。

〔SL人吉〕は、3月23日を持って、一般の営業運行が終了する。3月16・17・20~22日は熊本~鳥栖間1往復、23日はダイヤが変わり、熊本~博多間の1往復を運行し、熊本着17時33分で終了。なお時刻表上には記載がないが、23日の下り(熊本→博多)はDLが牽引。3月24日は熊本→八代間で沿線住民を招待しての終了式典運行を行うが、一般の販売は行わない。「人吉」と言いながら、最後は人吉へ行く事なく終わってしまう…。
 南阿蘇鉄道は、上りは木・金・土休日運転の高森発現行8列車が、高森10時28分発→9時00分発に変更になり(木曜日は運休になる)、毎日運転の現行10列車を、現行8列車の時刻で運転。下りの現行9列車は、立野11時40分発→11時10分発に繰り上げ。〔ゆうすげ〕が今シーズンの運行を開始。JR肥後大津直通は変更がない。

 北陸本線・米原~敦賀間と湖西線の普通列車は、あるいは運行形態の変更があるかと思われたが(敦賀側のJR在来線の電車が交直両用である必要がなくなるので)、今回は、少なくとも時刻表上では変化は認められない。長浜や近江今津での乗り換えも、現行と同じ。
 ハピラインふくいは、基本的には福井で分断。敦賀側は、基本的には約1時間間隔+武生~福井間区間運転の設定で約30分間隔。朝夕には快速を下り5本・上り4本設定。敦賀~金沢間40分弱。途中南条・武生・鯖江に停車(今庄に停車しないのは多少意外)。敦賀→福井の最終は快速になる(現行の〔しらさぎ65号〕に近い)。大聖寺側は、朝夕に芦原温泉折返しがある他は、IRいしかわの金沢まで直通。やはり約1時間間隔。
 IRいしかわの新規転換区間は、基本的には福井(一部は敦賀)~金沢直通+小松~金沢間区間運転で約30分間隔(1往復は土休日のみ運転)。大聖寺折返しの設定もある。金沢以北へは、下りのみ津幡直通が2本新規設定されたが(どちらも土休日運休)、その先あいの風とやまやJR七尾線への直通はない。
 金沢以東~あいの風とやま~えちごトキメキ(日本海ひすいライン)は、一部時刻の変更はあるが、大きなパターンの変更はない。

 JR東海の中央西線は、日中の区間快速は名古屋~多治見間を37~38分で走り、現行の快速と1~2分程度しか変わらない。ただし、下りの区間快速は3本に1本(名古屋発毎時42分)は高蔵寺で〔しなの〕通過待ちがあり、退避がない普通列車とほぼ同じ所要時間になってしまう。多治見まで逃げ切れるダイヤは作れないものか。普通列車は、退避がないと名古屋~多治見間が日中は42~43分、早朝・深夜の最速は40分ちょうどになって、現行より2分前後早い。
 JR東日本の中央東線は、東京からの中央特快の大月延長が増えた結果、甲府方面への中距離列車は、日中はほとんどが大月乗り換えになる。高尾14時09分発長野行441Mは、新ダイヤでは甲府始発になり、唯一の東京都内発長野行普通列車が消滅。中央快速のグリーン車サービス開始で予想されるダイヤ形態変更の先取り、なのだろうか?

 常磐線・土浦~水戸・勝田間はワンマン運転が始まるが、このためだろう、土浦での列車の分断が進み、下りは上野9時06分発345M(土休日は品川8時56分発1145M)と品川3時35分発(土休日13時36分)発1173M、上りは勝田9時14分発1162Mが、土浦で分断。なお1162M改め622Mは、高萩→水戸間の現行532Mと一本化し、高萩→土浦間で運行。

 磐越西線では、快速〔あいづSATONO〕が運行を開始する。

下り 郡山10:05 → 12:01喜多方
上り 喜多方15:32 → 17:16郡山
停車駅:磐梯熱海・猪苗代・会津若松
 全車指定席(グリーン車あり) 普通車の指定席は840円。
 4月6日~6月9日の土・日曜日(4月27・28日除く)と5月3~6日運転。

 また左沢線では、〔さくらんぼSATONO〕の運行が開始になる。

下り 山形11:15 → 12:02左沢
上り 左沢14:06 → 14:47山形
停車駅:北山形・羽前山辺・羽前長崎・寒河江

 全車指定席(グリーン車あり) 普通車の指定席は840円。
 6月15~30日の土・日曜日運転。

 3月いっぱいを持って廃線になる、根室本線・富良野~東鹿越~新得間は、富良野~東鹿越間は全列車列車番号9000番台の臨時列車として運行。また全列車富良野発着になる(最終日の東鹿越発最終のみ、全区間臨時列車の扱いで滝川まで直通)。また、午前中に1往復増発(代行バスも増発)。

 会社線は、JRと同日3月16日に改正を行う所が多いが、改正時刻を掲載しているのは関東など東日本がほとんど。西日本も北大阪急行の箕面萱野延伸(3月23日)の他、名鉄・近鉄・西鉄などが改正を行い、名鉄と西鉄では新駅の開業もあるが、今号では掲載がない。西武の〔小江戸〕は、平日下りは午前中2本が取りやめ(西武新宿7時40分~15時40分まで毎時40分発)、上りは午後の2本が所沢始発に短縮。
 困った事に、再三書いている、昨年9月30日を持って廃止になった根室交通の厚床~中標津路線が、「1月26日現在」として、未だに掲載されたまま。現状はどうなっているのかというと、中標津~別海高校(今春センバツに21世紀枠で出場)前間は阿寒バスが引き継いで、平日4往復・土休日2往復を運行。土休日は中標津発8時00分と12時00分、別海高校前発9時30分と13時30分発。この他、根室市内~厚床~別海~中標津~根室中標津空港間は根室交通の空港バスが引き続き4往復運行されていて、10月1日より一部ルートを変更、厚床~中標津路線が停車していたバス停の一部に、追加して停車している。だから全くバスなしになったわけではない。

「列車の編成ご案内」では、現行の〔びわこエクスプレス1・4号〕は〔サンダーバード〕と共通の9連だが、改正後の〔らくラクびわこ1・2号〕は、〔しらさぎ〕と共通の6連になる。〔しらさぎ〕編成も吹田基点の運用になるので、送り込み・返却を兼ねているのだろう(〔らくラクびわこ〕は土休日運休だが、回送列車が走るのかも知れない)。また、指定席を連結する〔F直通快速〕〔Q区間快速〕も掲載。どちらも、1号車の半分が指定席「うれシート」(〔Q区間快速〕の天王寺→大阪は全車自由席)。
 
 まだまだ書き足りない部分が多いし、見落としている部分も多々あるはずだが、できるだけ次の4月号で拾いたいと思います。特急料金の変更(新幹線⇔在来線間乗り継ぎ割引廃止のほか、〔成田エクスプレス〕が(成田空港関連の区間を除き)B特急料金に変更)は、次回に整理して記します。

 最後に。
 北陸新幹線の高崎~長野間(当初は長野行新幹線または長野新幹線と呼称)が開業したのが、長野の冬季オリ・パラを間近に控えた1997(H9)年10月1日。
 それから四半世紀以上かかって、ようやく福井県の嶺南までたどり着きました。
 一方で信越本線・北陸本線は並行在来線として、原則県単位で第3セクター鉄道に移管されたほか、横川~軽井沢間は完全に廃線ともなり、北陸新幹線をめぐる鉄道網は激変しました。
 26年半となると、若い人は長野開業以前を知らない人がほとんどとなるはずです。なのでここで、高崎~長野間開業前日の1997(H9)年9月30日現在、そして今回の敦賀延伸開業日の2024(R6)年3月16日時点の、北陸新幹線の並行在来線となる信越本線・北陸本線を比較してみようと、今回かなり簡略化したが、路線図を作ってみました。

北陸新幹線並行在来線1.JPG北陸新幹線並行在来線2.JPG

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 黒部峡谷鉄道は今日、能登半島地震で被災した鐘釣橋について、付近の山の落石防止対策を施したうえで鉄橋の修復工事を行い、10月1日を目標に全線の運行を目指すと発表しました。それまでは、例年通りのGW直前の営業再開時より、宇奈月~猫又間で運行するとの事。秋の紅葉シーズン前には、なんとか全線再開をさせたい所でしょう。私は、できたら今年、初の乗車をしたいと思っていたのだが、残念ながら来年以降に見送り、かな…。

《What's New》
 5日 “建築界のノーベル賞” プリツカー賞 建築家山本 理顕氏受賞発表
 6日 野球日本代表 欧州代表と強化試合 能登半島地震被災の小学生が始球式
 7日 福島県双葉町の郵便局 13年ぶり営業再開
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)時刻表