№2757 氷見線・城端線 再生への道 始まる

氷見線氷見駅.jpg
城端線城端駅.jpg

 JR西日本は8日、富山県・高岡市・氷見市・砺波市・南砺市、それにあいの風とやま鉄道と連名で、「城端線・氷見線鉄道事業再構築実施計画」の申請が認定されたと、リリースを出しました。国土交通省から、実施計画が認定された事を受けてのものです。
 ここに至るまでの間、協議会では、当初は富山ライトレールのようなLRT化を想定していたようだが、結局普通鉄道の形態で再生を目指す事になります。
 10年スパンの計画になるが、一番大きなポイントは、計画開始から5年後をめどに、運営がJRからあいの風に転換されるという事です。あいの風自体が第一種鉄道事業者、つまり営業も、線路・施設・車両の保有も、あいの風が行う事になります。このために県と4市が基金を創設し、JRは基金と鉄道施設整備費として150億円を拠出。新型車両(電気式DCも想定にある)の導入やICカードへの対応(あいの風自体は既にICOCAを導入済み)、列車の増便(毎時2本のパターンダイヤを目指す)、さらに城端線と氷見線の直通運転を行うという事で、これらにかかる費用341億2000万円は、社会資本整備総合交付金という事。JR西日本は、あいの風転換後も、要員確保の協力を行うとしています(出向などか?)。本当は、電化という所まで行って欲しかったかなと思うが(あいの風の電車列車の直通運転も可能になる)、そこまではやはり難しかったでしょうか。少なくとも、線路設備の抜本的な近代化は必須だと思う。
 ソフト面でも様々施策を行うようで、この中には、「アニメや漫画を活用したまちづくり」という項目もあります。氷見市は藤子 不二雄Ⓐ先生の出身地で、「花咲くいろは」などのアニメを作っているP.A.WORKSは南砺市にあります。なかなか楽しみ?「べるもんた」はどうなるのだろう?あいの風自身で、新しい観光列車を作る、という方向になるのか。
 現在の氷見線・城端線の輸送密度は共に、民営化時点でも既に4,400人/日程度、令和になって以降は3,000人/日を割り込んでいます。これを、計画終了時には12,000人/日となるように目標を立てていて、結構野心的です。
 計画通りなら2029(R11)年には、あいの風の路線として転換される事になるが、整備新幹線の並行在来線を運行するために設立された第3セクター鉄道が、並行在来線以外の鉄道を引き受けるのは、これが初めてになります。
 氷見線城端線とも以前乗って、当ブログでも簡単に感想を記しているが、やりようによっては、高岡近郊の通勤鉄道として再生できる可能性を大いに秘めているように感じました。それには自身の経営努力ももちろん必要だが、、加えてやはり他交通事業者等、北陸新幹線もそうだし、万葉線や加越能バス、その他自治体が運行するバス等との連携も、欠かせないはずです。
 ともかく、15日にスタートするこの計画が順調に進行し、富山県西部の公共交通の柱として成長する事が、大いに期待されます。他地域の地方交通にも、刺激になるでしょう。

 なお、両路線があいの風に転換されると、富山県内のJR西日本の在来線は、高山本線・猪谷~富山間のみになります。いっそこちらもあいの風、あるいJR東海に任せても良いのではないか?(〔ひだ〕の直通があるからJR東海の方が良いのか?もう民営化時点で決められたスキームに従い続ける必要はなかろう)。そんな事も考えてみたりします。

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 広島の新スタジアムに関しては、№2754で「23日のサンフレッチェvsレッズ戦がこけら落とし」なんて書いてしまったが、プレシーズンマッチの存在を忘れていました。ウソ書いてしまってスミマセン。