№2738 JTB時刻表2024年1月号(JTBパブリッシング)

「2024年」の第1号、JTB時刻表2024年1月号が、先週発行になりました。
 表紙はグラビア特集連動で、箱根登山鉄道の上大平台信号所。進入する3連の先頭の106号は旧塗装復刻の青+黄色のツートンカラーになっているが、これは11月で終わっていて、来年1月に「標準塗装」(オレンジ+グレー+白帯)になる、との事。

線路鉄 ダーリンハニー吉川さんが選ぶ 魅惑のレール
 この頃のJTB時刻表のグラビアはタレントの起用が多いが(前12月号はタレントのマネージャー)、(本当に申し訳ないが)「ダーリンハニー」は知りませんでした。プロフィールを見ると、スカパーの「鉄道チャンネル」に出ているそうだが、そういえば、少し前のJTB時刻表では、「鉄道チャンネル」のページがあったよね?いきなり終わってしまったけれど。なるほど、吉川氏自らが撮影した写真が多い。

箱根登山鉄道大平台駅.jpg
 本題の箱根登山鉄道だけれど、表紙にもなっている上大平台信号所は、当然信号所だから一般の旅客は立ち入れない。3か所のスイッチバックの内の唯一の旅客駅、大平台の「スイッチバック」を撮ってみたけれど、キチンとスイッチバック、とは解らなかったかも知れない。やはり実際に乗って、車窓共々実感するのが一番だろう。アナウンスにもなっているから、この特殊な線形(急カーブ・急勾配)自体が、箱根登山鉄道の「経営資源」になっていると言える。保守管理が相当大変なはずだが。
「三線軌条」は、なぜ3線なのか、という説明がもう少し突っ込んで書かれれば良かったかも(昔は小田原まで3線だった)。箱根登山(標準軌)は、今は検車区への回送出入庫だけなので、ここには記されていない電圧の違い共々、本当はもうムダな機能なのだが、検車区自体を動かせない以上は、なくしようがないか。
(現在「三線軌条」の狭軌・標準軌の両方を旅客列車が走るのは、奥羽本線・山形~羽前千歳間のみ)
 スイッチバックは、箱根登山鉄道以外だと、豊肥本線の立野が有名だが、いっそのこと全部リストにして書き出してみても、面白かったのではないか?しかし、箱根や立野のように、絶対になくせない構造のスイッチバックは少なくて、近年では車両の性能の向上や短編成化、列車そのものの削減などを理由に、急こう配があっても本線に直接ホームを設置する事で、スイッチバックを廃止する例が多い。ヘタすると、後に駅そのものが廃止になる事も(奥羽本線の赤岩など)。肥薩線・人吉~吉松間など、スイッチバックとループ線両方があるので本当はここで大いに取り上げられて良い所のはずだが、果たして再開はいつになるのか。というか、再開する日は、来てくれるのか?
 今回はプレゼントキャンペーンがあり、防寒用のパーカーやグッズが、合計25人にプレゼントされる。ピクトグラムになったJTB時刻表表紙風のロゴマーク入り。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、先日デビューした新観光列車「ひなび(陽旅)」と、その元となった「リゾートあすなろ」。

「ひと目でわかる! JR線 電化区間と複線区間」は、最新の事項は日田彦山線・添田~夜明(日田)間のBRT化、だが、鉄道としてはまだ廃線になっていないので、鉄道(非電化単線)としたままの方が、良かったのではないか。
 逆に、これは去年も書いて、その前からしつこく書かせてもらっているが、札沼線・北海道医療大学前~新十津川間の廃止は、2020(R2)年5月7日が正当。確かにこの年の4月17日を持って、急な列車の運行の終了を余儀なくされたが(新型コロナ禍のため)、それ以降も列車運休のまま、路線自体は存続しており、JR北海道のWEBでも、「廃止は5月7日」とはっきり記されている。国土交通省鉄道局監修の鉄道要覧にも、廃止の実施は「令和2年5月7日」とある。早いうちに修正が必要ではないか?
 それら以外の最新事項は、留萌本線・石狩沼田~留萌間の廃止(今年3月いっぱいを持って廃線)。
 次回の最新事項は、北陸新幹線延伸による、北陸本線・敦賀~金沢間の第3セクター(ハピラインふくい・IRいしかわ鉄道)移管になるはず。

「大みそか終夜運転」の案内があり、JRの記載があるが、前12月号でも書いた通り、西だけでなく、東もだいぶ寂しくなってしまった。西のアーバンネットワークは終夜運転(といっても3時前後まで)列車の時刻が全て記されているが、東の首都圏は、青梅線と横須賀線のみ。東ももう、実施路線の全列車の時刻を掲載して欲しい。万葉まほろば線(桜井線)・和歌山線(高田~王子間)は、三が日+4・5日の日中が変ダイヤ。奈良線も三が日は、日中の快速が稲荷に停車する変ダイヤ。
 京葉線は終夜運転はないが、「COUNTDOWN JAPAN」(12月28日~1月1日5時)開催のため、1月1日早朝に東京→蘇我間2本・海浜幕張→東京間3本の臨時列車を運転。12月28日は、21時台に海浜幕張→西船橋間2本の運行が予定されている。

 前述の「NEWS」の背景イラストになっている「ひなび(陽旅)」は12月30日より、盛岡~花巻~釜石間の臨時快速〔ひなび 釜石〕で運転される。
(車両そのものは、23日の団体列車でデビューしている)
〔ひなび 釜石〕はダイヤが2パターンあり、土曜日・日曜日以外の休日と、日曜日・連休最終日では時刻が異なる。

12月30日~ 主に土曜日
下り 9592D~9623D 盛岡10:40 → 13:26釜石
上り 9622D~9593D 釜石16:28 → 19:39盛岡

12月31日~ 主に日曜日
下り 9590D~9621D 盛岡9:45 → 13:26釜石
(遠野→釜石間は9623Dと同時刻)
上り 9620D~9591D 釜石14:48 → 17:45盛岡

 全て途中花巻・新花巻・土沢・宮守・遠野・上有住・陸中大橋に停車。
 グリーン車と普通車各1両(共に指定席)。普通車の指定席料金は乗車日に関わらず、JR東日本の他の、「乗って楽しい列車」と同額の840円(小児420円)が必要。

 会社線は、伊豆箱根鉄道大雄山線の終夜運転の時刻を掲載。36分間隔。また、小田急〔ニューイヤーエクスプレス〕の時刻もあります。新宿~片瀬江ノ島間1往復。EXE10連。
 また、南越後観光バス(越後交通の子会社)の、スキー場へ行く路線の時刻がいくつか掲載になっています。どこもこの数年は雪不足に悩まされていたと思うが、今年は先週の大雪もあって、充分な雪があるようです。ルーデンススキー場への路線は土休日・年末年始運休では、行楽では利用できないのではないか。しかもスキー場は、今シーズンはホテル共々休業だそうで、掲載の意味がなさそうだ。
 なお、「本文の訂正」という形で、1月20日からの高野線(+泉北高速鉄道も)の時刻修正が予告されています。橋本~高野下・極楽橋間の区間運転列車の運行区間の一部変更、極楽橋駅でのケーブルカー乗り換え時間の延長(5→8分)、土休日日中の九度山停車時間を5分以上に延長(駅構内での「おむすびスタンド」でのおむすび購入を可能にするため)、泉北高速直通列車の一部区間延長・夕方の増結などを実施、との事。
 12月25日改正のJRバス関東・多古本線は、平日ダイヤを土休日ダイヤと統一(=減便)。

本文
 来年3月16日改正のリリースの中で、JR九州・長崎本線では江北22時03分発肥前鹿島行を、20日から臨時列車(毎日運転)として運行(ダイヤ改正時より定期化)、とあったが、比較的急に決まった事なのか、今月号では掲載がない(JR版にもない)。
 今年は運行がなかった、仙台→水戸・偕楽園間の観梅用の臨時〔ひたち〕は、来年は2月23日に〔ひたち92号(水戸偕楽園号)〕として運行(前12月号で掲載済み)。時刻は2年前と、ほぼ変更がない(水戸→(赤塚)→偕楽園→水戸間は快速扱い)。今年から偕楽園駅に営業キロが設定されたので、赤塚折返し偕楽園下車の場合、乗車券は偕楽園までの購入で良い(2年前は赤塚まで必要だった)。

 会社線は、高松琴平電鉄が12月16日に一部ダイヤ変更。平日のみ、高松16時15分発一宮行を滝宮に延長。
(この他、有人駅を滝宮から、綾川(イオンモール最寄り駅)に変更)
 伊予鉄バスの松山観光港リムジンバス(松山観光港~松山駅・道後温泉)は、11月1日(他の電車・バスと同じ日)より、観光港発3便(5時15分・21時55分・22時35分)のみ運行している。
 今号では「当分の間全便運休」と記されている山形~仙台空港路線は、12月16日より2往復で運行を再開。時刻は全く異なり、山形駅発6時30分と13時30分、仙台空港発10時00分発と17時30分発(3月16日まで)。

 次号は例年通りなら、3月16日改正の、まずは新幹線・特急列車の時刻が掲載になるはず。

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 前回書いたその、来年3月16日JRダイヤ改正だが、特に京葉線(朝夕は全列車各駅停車で運行)はかなり衝撃的だったようで、沿線の自治体からはブーイングも起きているようです。確かに前回少し書いたが、いろいろ事情はあるにしろ、やや安易ではないか。京葉線は快速運転のダイヤ編成(特に停車駅の選定)が確かに難しい所もあるけれど、やはり他線区・他社も含め、乗客が減ったからと言って安易に快速運転を取りやめたりせず、緩急のバランスが取れたダイヤ編成が、必要なのではないか。

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posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表