№2732 大阪と京都 去りゆくものと生まれるものを訪ねて 1.金剛バス と うめきたエリア
大阪府に本拠を置く金剛自動車(金剛バス)が、今月・12月20日を持って事業を廃止する事になりました。経営悪化に加えてドライバー不足という、バス業界が全国的に抱えている問題が極端な形で表面化したケースとあって、一般のニュースでも大々的に取り上げられてきたところです。
発表が9月で、3ヶ月間の「余裕」があった事で、撮影したいな、乗りたいな、とは思っていたが、先月のシフトで連休が発生したので、天気予報も微妙だったし、何よりコストが相当かかる事になる(往復新幹線なので)からいろいろな面でしんどくなるけれど、とにかく後悔したくなかったので、急遽関西行きを決定したのでした。
あとは、逆に3月に開業した、大阪駅「うめきたエリア」を見てくる事にします。
11月15日(月)
2か月前に乗ったばかりの〔ひかり533号〕。
新大阪到着直前、阪急の淡路駅高架駅舎が見える。だいぶ高い。付近に高層ビルがないから、よりそう感じられるのかも。電車が走るようになるのは、いつの日か。
新大阪から天王寺に出るわけだが、乗車券は「大阪市内」行だから、JRに乗り継いで行けばいいはずだ。が、大阪で乗り換えなければならんし、時間もかかるので、今回は大阪メトロの御堂筋線を選択。当然まだラッシュの真っただ中で、梅田で相当混雑するが、本町で逆に、一気に空いた。
近鉄南大阪線・大阪阿部野橋駅前の、近鉄バスのBYD製EV。
今日の目的地は富田林だが、いったんやり過ごして、長野線の河内長野まで乗り通す。両側に並んでいて、左が先発だったが、右側に乗車。
河内長野の行先表示は今も、「河内長野」と「長野」が混在している。大阪阿部野橋などもそう。
7連だったが、古市で2両切り離し、5連となる。
富田林が近づくと、右手にPLの塔が見えてくる。正直「富田林=PL」のイメージが、強かったんだけれどなあ。
富田林で上り準急の到着を待つ。この時間帯の準急は、6200系×3+6400系×2の5連が目立った(昼間は4連)。
富田林から先は単線で、急にローカル色が出てくる。
河内長野到着。今は右側の線路しか使っていない(左側は3両分くらいしかない)。南海高野線接続駅で、6300系の姿があります。
近鉄の河内長野駅。といっても今は入口だけ、通路を上がって、南海と同じ橋上駅舎からホームに降りる形態(近鉄の駅員はいる)。
一つ後の電車で、富田林の一つ手前、富田林西口で降りる。富田林市役所の最寄り駅で、金剛バス事業廃止以降の代替交通の資料が何か手に入らないか、と思ったからだった。
関係部署に案内はされたが、訪問時点では、具体的な運行に関する資料はまだできていない、という事。
路線図を渡された。といってもこれは金剛バス発行の公式のものではなく、代替交通の検討のために地域公共交通活性化協議会が作成したものなので、完全に正確なものではない(同協議会のWEBでも見られる)。これを見ると、金剛バスは近鉄長野線の東側及び南大阪線の東側にエリアを広げている事が分かります。富田林市・太子町・河南町・千早赤坂村にまたがっていて、この4市町村で協議会が造られていました(上ノ太子駅は羽曳野市だが、協議会には関わっていない)。
富田林西口駅近くの、富田林西口バス停。田舎のバスのような、チープな標柱。平日のみ5時台に1本便がある、事になっているが、この富田林循環線は運休中(とは書かれていないのだが)。この路線は代替されず、廃止。
市役所・西口駅から富田林駅だと、歩いても大した距離ではない(なお市役所は今月から順次移転しているので注意)。こぎれいな富田林駅東口広場。
各乗り場に掲げられた、事業廃止のお知らせ。
乗り場に掲げられた、金剛バスの路線案内。
なるほど、寺内町の観光ガイドもある。
やはり、金剛バスに乗らねばならない。JTB時刻表にも掲載がある、千早線・千早ロープウェイ行に乗車。11時05分発だが、だいぶ早くから②番乗り場で乗客を待っていた。最初で最後の金剛バスの旅。
この1704号車(大阪230あ1704)の車内は面白い事に、後部の公式側がロングシートになっている。ラッシュ用に収容力を増加させるためだったのだろうか。
千早赤阪村に入ると、山道という感じ。勾配がきつく、カーブも多くなる。
千早ロープウェイの終点。富田林駅からだと約40分。
乗客は少なかったけれど、と言って私一人だけになってしまった、という事もなかった。
ここには河内長野駅から南海バスも入ってきているが、南海バスは金剛山ロープウェイと呼称している。バス停は、昔のマークが見えるから、昭和の頃から使っているみたいだ。
なおロープウェイと言っても、村営のロープウェイは長期運休中で、このまま廃止の公算が大。金剛山への登山口としては機能していて、折返場は広いし、脇にはマイカー向けの駐車場も。
ここから金剛登山口バス停まで、歩いて下っていきました。その途中、行きに乗ってきた便の折返しを撮った画像が、№2729でご覧いただいたものです。
河内長野駅から来た南海バス。南海バスは平日約1時間毎、土休日は約30分毎に便があります。
そして、1時間後の金剛バス便。
金剛登山口バス停。左側にシャッターが閉じた車庫があるが、金剛バスが使っていたのか?ずいぶん大きく、富田林駅までの運賃が書かれている。
金剛登山口時刻表。「金剛タクシー」は、既に廃止になっています。1時間毎に便がある(朝晩はここで折り返し)。
千早線は、転換後は千早赤坂中学校で系統が分断され(折返場がある)、富田林側は南海バスと村営バスが共同運行、その先は村営バスのみ12往復で運行。金剛登山口折返しとなって、千早ロープウェイには行かなくなる。協議会では「当面の間代替の足はない」と記されているが、恐らくもう設定される事はないと思われる。
富田林駅に近づくと、南海バスとすれ違う。「回送」表示だったが、教習の運行だったのではないか。
事前の天気予報通り、昼前からスッキリした青空が広がってくれました。どこかで撮影を、と思いながら駅まで戻ってくると、何の事はない、駅前の信号が、絶好の撮影ポイントになってくれていました。一網打尽、とはいかなかったはずだが、大方のタイプは撮れていたと思う。来年第1回目の更新でご覧頂ければと思います。
改めて、富田林駅前。
先の南海バスが(たぶん千早赤坂中学校前から)戻ってきた。が、駅前広場には入らなかった。南海バスは、富田林市の西側の住宅地に路線があるが、駅前に入るのは初めてになる(はず)。
金剛バス唯一なのか?中型車。しかも日産ディーゼル。大型は全部三菱ふそうらしい(昔はいすゞもあったようだ)。
この広場の片隅に、富田林営業所があります。バス1台分が突っ込めるスペースがあります。ドライバーの点呼もここで行われるよう。別に定期券・回数券発売窓口もあります。見ていると、通常はバスは乗り場で乗車扱いを行っている最中も、ドライバーはその場を離れて、営業所の中で待機している事が多いよう。
15時を過ぎて、富田林を後にします。金剛バスとは、これでお別れ。
近鉄道明寺線で、柏原に立ち寄ってみます。道明寺からのワンマン2連。
柏原駅は橋上駅舎になったが、駅員はJR西日本だけ、というスタイルは変わらない(ICカードリーダーがホームにある)。もうすぐ全て引退、という201系が、大和路快速221系の通過を待つ。
夜になって、久宝寺からおおさか東線に乗ります。平成最末期の2019(H31)年4月1日に乗って以来。もちろんうめきたエリア延伸後は初。車両が221系になりました。
今の221系では、こんな表示が出る。久宝寺は大和路線(関西本線)とホームが共用で、大和路快速が天王寺経由で大阪に向かうので、誤乗が発生しないか、少々気になる点ではあります。
暗くなってしまって見苦しいが、貨物列車とのすれ違いもあります。
新大阪を過ぎて淀川を渡ると、JR京都線(東海道本線)と別れ、左手にちゃやまちアプローズを見る。これは新鮮。
久宝寺行とすれ違って、地下線へ。
大阪駅「うめきたエリア」に着きました。
京都・久宝寺方面(上りホーム?)の、発車案内表示。うめきたエリアは2面4線だが、㉑番線…〔はるか〕関西空港行・〔くろしお〕和歌山方面行、㉒及び㉓番線…おおさか東線、㉔番線…〔はるか〕〔くろしお〕京都行。
ホームにある構内案内図。
㉑番線のみ、フルスクリーン式のホームドアが設置されています。
ちょっと柱で分かりづらくなってしまったが、戸袋部分も稼働するのが、大きな特徴。今のところは基本的に特急だけのはずだから、フル稼働という事には、なっていないと思われるが。
㉒番線は、そんなに発着はまだないかな?直通快速が使用しているようだが、この19時35分発奈良行は、はっきり言って…ガラガラだった。
最後に、地上に出て、大阪駅の地上部全景。手前に大阪シティバスのデマンド車両が見えるが、回送ではないだろうか。
という事で、慌ただしくも、金剛バスとうめきたエリアを見て、乗ってきました。金剛バスは残り2週間を切ってしまったが、最後まで事故もトラブルもなく、ラストを迎えて欲しいと願います(それには我々の協力も必要)。逆にうめきたエリアは、まだまだこれから、かな…。
明日(11月16日)はまた晴れのち曇り、という微妙な空模様だが、京都に行く事にします。
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