№2699 JTB時刻表2023年9月号(JTBパブリッシング)

「JTB時刻表9月号」、先週発売になりました。
 表紙は東武日光線・下小代~明神間の東武「スペーシアX」。

「のりもの情報局」は、「弘南鉄道『ナゾトキクエストin弘南鉄道』開催中」「岡山市 交通政策課『運賃無料DAY』&イベント実施中」「広島電鉄 G72023広島サミット記念乗車券『広島たびパス』発売」。
 岡山の運賃無料DAYは、11月までの日曜日1日+11月3日(文化の日)に実施、次回は明日9月3日。事業者を見ると、岡山市内の一般路線バスを運行する全事業者が入っています。岡山市のバス業界内部の対立はこれまでも何度か書いてきたし、公のニュースにもなったりしているが、6月には再編協議が再開(コロナ禍後初)し、これまでとは一転して協調姿勢が見られたそうで、風向きが変わってきたようです。
 弘南鉄道は先月、大鰐線で脱線があって、2週間全線が不通(バスで代行)になったりして、先行きが少々不安。

「スペーシアX」ができるまで

スペーシアX広告.jpg
 また、特集の予想が外れてしまいましたねえ…。
 最初の2ページの、企画から設計、製造、そして運行開始まで、の流れは、時刻表でやるものではない気も、しないではない。
 デザインスケッチを見ると、先頭部はパノラマカー的で(遠い昔、欧州のどこかにこんな感じの電車があった気がする。ドイツだったっけ?)、運転台を2階に上げた、運転席越しではない、完全な展望サービスの提供も考えられていたのだろうか。ただ、この窓配置では、強度を確保できなさそうだ。
 手許にある、スペーシアX記念乗車券の付録のカタログを読むと、コックピットラウンジのソファーやテーブルは、床面には固定されていないそう(急停車しても動く事はない)。
 33年前の100系スペーシアもかなり奢った仕様だと感じさせたが、さすがにDRCから続く、日光・鬼怒川方面行東武特急の「伝統」の意気込みを感じさせる中身、だとは思いました。ただ今回は、やや敷居が高くなっちゃったかな、という気もしました。全体的に在来の特急よりも料金が高く、浅草~東武日光・鬼怒川温泉間では、一番レギュラーなスタンダードシートでも、300円高い(1,940円)。今後の日光・鬼怒川特急はどういう方向に行くのか。スペーシアXとリバティの2本立て、という事になるのか。

特集のページ
「NEWS」の4文字が、宇都宮ライトレール。3車体連接なので、「E」と「W」は中間の車体に並んでいます。

 その宇都宮ライトレール「宇都宮芳賀ライトレール線」の、全列車の時刻が掲載されています。快速運転も想定されているそうだが、まずは各駅停車のみ。平日は朝方7~8分毎・日中12分毎・夕方6~10分毎、土休日は12分毎(平日とは時刻が異なる)。全区間通しの他、車両基地がある平石と、グリーンスタジアム前を発着する区間運転あり。
 全区間通しで乗ると、所要時間48分と、結構かかる。14.5㎞と長距離、という事もあるだろう。表定速度は18.13㎞/h。阪堺電軌の天王寺駅前~我孫子道間は13.8㎞(途中27駅)を約47分で17.62㎞/h、都電荒川線は12.2㎞(途中28駅)を55分で13.31㎞/hだから、「路面電車」としては早い方だろうが、途中17駅しかないので、ややまだるっこしい気がする。今後運行状況を精査し、それを踏まえた上で来年早々にはまたダイヤ改正を行うとも聞いているので、その時点ではもう少し早く走れるようになるのではないだろうか。

 F1の鈴鹿グランプリ(今年は9月22~24日)は、今号では快速・普通・近鉄特急の時刻も発表になりました。4年前、2019(R元)年と比較すると、9月23日(予選)・24日(決勝)の名古屋~鈴鹿サーキット稲生・鈴鹿サーキット稲生間の快速がかなり増加している。伊勢鉄道の臨時普通列車は9月22日(フリー走行のみ)のみの運行。近鉄特急も、22日に名古屋~白子間1往復の運行があります。

 会社線は、東急東横線の「Q SEAT」サービス実施列車の時刻が掲載になりました。実車が編成に組み込まれてからだいぶ経っていて、最初はメトロ副都心線からの営業になるのではないかと思っていたが、結局渋谷始発の東横線・みなとみらい線内の急行5本になりました。19時35分~21時35分の間の30分間隔。お盆休み直前の8月10日スタートとは、ずいぶん中途半端という気がする。

本文
 8月28日にスタートした、日田彦山線のBRT「ひこぼしライン」の時刻が発表になりました。
 添田~日田間全区間通しが10往復。それに添田~彦山間と筑前岩屋~日田間の区間運転が加わっている。が、豪雨被災前(もう6年前…)の添田~夜明(~日田)間が9往復、それに添田側で彦山折返しが1往復だったから、確かに便数は増えたが、大幅に、というわけでもない。しかも中・小型車だから、輸送量はやはり、多くないのだろう。福岡県と大分県の県境は宝珠山~吉竹間にあるが、彦山と筑前岩屋の間が、利用の分水嶺という事になるのか。東峰村は、日田の方に利用が向いているのだろうか。なお、専用道は彦山~宝珠山間で、一番利用が少ないだろう区間になるが、今後は専用道の延長も行われるのだろうか?
 開業に合わせて駅、というかバス停がかなり増えたが、基本的には全て営業キロ・擬制キロが降られている(一部便のみ経由する林工西口・昭和学園前・日田市役所前にはない)。なお10月7日の朝方は、添田~彦山間で運休が発生する(「ツール・ド・九州2023」開催のため)
 添田町では、彦山駅~豊前坊間の町営バスを運行していて、平日のみ添田駅発着で運行されていたが、今号には掲載がないが、BRT開業と同時に時刻を改正している。添田駅発は下りの7時台1本のみになった一方、平日1往復を除いた全便が、豊前坊まで運行されます。

 中央線・八王子~高尾間は、中央線快速グリーン車連結に対応した高尾駅構内線路切り替え工事のため、10月21日の八王子~高尾間は、19時20分頃から終電まで、全列車が運休する。
 特急は、下りは新宿19時00分発〔あずさ49号〕から、上りは松本17時20分発〔あずさ50号〕から、全列車が運休する。ただし一部列車は、高尾発着の臨時列車に変更して運行。

下り
 あずさ55号 → あずさ65号(高尾発21時28分)
 かいじ57号 → かいじ67号(高尾発22時37分)
 かいじ59号 → かいじ69号(高尾発23時27分)

上り
 かいじ56号 → かいじ64号(高尾着21時13分)
 かいじ58号 → かいじ66号(高尾着21時42分)
 あずさ60号 → あずさ68号(高尾着22時21分)

 なお、高尾発着の臨時〔あずさ〕〔かいじ〕も、全車指定席。
 この他、豊田~八王子間・高尾~相模湖間も、一時的に全列車が運休になる時間帯がある。

 会社線は、ライトレール開業に伴う宇都宮地域のバスの時刻変更が、今号はJRバス関東のみ掲載。路線網がライトレールのフィーダーサービスにシフトする格好で、宇都宮駅へ行く(東武宇都宮駅経由作新学園発着)便は平日2往復・土休日3往復のみになる。JRのバスなのに、JRの駅へ行く便がほとんどなくなる事になる。一方で、清原地区市民センター(ライトレール乗り換え)~真岡鐵道市塙駅間の路線が新設になるが、運行は平日のみ。また、モビリティリゾートもてぎへの乗り入れがなくなる。

 航空では、トキエアの新潟~札幌(丘珠)路線の時刻が初掲載になりました。当面は月・金・土・日の週4日、新潟発は9時50分と14時20分で所要1時間40分、丘珠発は12時00分と16時30分で所要1時間45分。運賃は24,000円~29,000円と記されていて、新千歳発着のJAL・ANAより1万円程度安い設定になっています。
 ただし、「8月下旬就航予定」と記されているが、9月に入った今になっても、まだ就航していない。トキエア公式HPにも一切理由が記載されていない。
(台風7号の影響で国の審査が中断された事が理由らしい)

 次号10月号は、会社線でやや気がかりな動きがいくつかあるようです。京王・京急で運賃改定(値上げ)が行われる他、北海道では、旧国鉄特定地方交通線転換のバス路線の廃止がいくつかアナウンスされています。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


 北陸新幹線敦賀延伸の来年3月16日は、やはり日本全体で、鉄道に関わる動きがかなり起きそうです。昨日は名鉄からまとめて発表がありました。運賃改定(初乗り170円→180円・名鉄名古屋~名鉄岐阜間570円→630円など)と精神障害者割引の導入、加木屋中ノ池(公立西知多総合病院前)駅の開業、三河知立駅の移転を実施。

《What's New》
 1日 「豪雨災害伝承館」 広島県安佐南区に開館
 2日 大相撲横綱審議委員会稽古総見 4年ぶりに一般公開
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)時刻表