「バスラマインターナショナル198」、先月末には発売になっていたが、また遅くなってしまいました。
各地の電気バス ニューフェイス
数号に渡って電気バス関連の記事を読んだ感触としては、主だった事業者では台数とか、大小や用途の違いはあっても、EVバスの導入が積極的に進んでいる。あと1~2年位したら、中小以上の事業者では、EVの導入がない所を探す方が、難しくなるかも、と思うほどだ。通常の自社のカラーをまとうEVも増えてきた(EVである事をアピールするワンポイントのイラストやマークが入る所がほとんどだが)。
大新東は前号で「SORA」が入って、「横浜市金沢区の一般路線でも走れないか?」と書いたが、EVの方が入りました。これは昨日金沢文庫駅前で、朝のラッシュ時間帯に撮影したものだったが、現状では、この時間に訪れるのが、見られる・乗れる確率が高いと思う。その前の日曜日にも来たのだが、車庫で休んでいて、出てくる気配がなかった。ドライバーが専任である事も考えれば、基本的に土休日は運用されないと考えた方が良いだろう(乗車はまた後日)。レイディアントシティ営業所は乗合車8台という事だが、この程度の規模であれば、次の段階として、その8台を全てEVとするという方向に行くべきと考える。むろんコスト(車両そのものだけでなく、充電設備の拡充も必要)の問題もあるが、そうなれば、一般の旅客にももっとEVとか、ひいては路線バスの在り方について考えてもらう事ができるのではないか。
(大新東はICを導入していないので念のため)
神奈中バスがEVを導入しているとは知らなかった。地元なのに恥ずかしい話だが、公式WEBには一切告知がなかった(少なくとも「お知らせ」にはない)ので分からなかった。
トルコのバスは、「年鑑」の海外のバスのカタログを読むと毎年出てくるが、いずれはツバメのマークが描かれたカルサンのEVが、関東地方のどこかに現れたりするのだろうか?ポンチョより小型なので、比較的短距離のコミュニティバスに向くような気がする。
EVバスも、小型に加えて大型も複数のメーカーが出そろって、今後はEVバスの中での競争も始まる事になる。メーカー選定の決め手は何になるのだろうか?あとは電力供給システムの構築で、CNGや水素と違って、自社の営業所内部に設置するケースがほとんどだが、台数が増えるとしたらどこまで対応できるか、が、普及のポイントとなるのだろうか。
バス事業者訪問247 おんたけ交通
おんたけ交通は初登場。こういう小規模な事業者も、今後積極的に出してくれればと思います。
現在のおんたけ交通は、自治体からの受託がほとんどとなって、同社の公式WEBを見ても、一般の路線バスに関しては全て、自治体のページに移行する事になる。JTBの時刻表にも時刻が掲載されている路線がいくつかあるが、全て自治体の運行、という事になっていて、「おんたけ交通」の文字は現れない(御岳ロープウェイ線は、おんたけ交通と木曽町の共同運行の形になっている)。
なので、全体像はやや見えにくい。木曽町は「平成の大合併」によって生まれたが、合併してなお「町」のままで、このエリアでは「核」となる都市がない。木曽福島駅は〔しなの〕も全て停まる主要駅だが、乗降人員は1,300人程度だそうだ(JR東海の公式WEBは、乗降人員は上位10駅しか公表していない)。普通列車の本数は少ない(1時間に1本もない)が、ダイヤを見ると、エリア内の南木曽~木曽福島間が、日常の利用の分水嶺になっているのではないかと思える。南木曽町は岐阜県と接しているし、さらに名古屋の影響も出てくるはずで、こういう所は、運営が難しいだろうと思う。
今号では同時に、木曽町の公共交通システムの構築についても記されているがもともと、利用してくれそうな住民自体がそれほど多くないのに、マイカーからバスに乗り換えてくれるような施策は、簡単ではないだろう。大都市でさえそうだ。前述した金沢文庫駅も、見ているとマイカーの送迎が次々に現れ、バスの降車停留所スペースにまで停めて、家族を送り出すのだから。路線バスの運行にも、影響が出ていた。木曽町に限らず、地方部に限らず、公共性や環境問題だけを掲げて公共交通への移行を促す、というのは、この数十年の各地のケースを見ていても、間違いなくうまくいかない。では何かしらのインセンティブを与える事も必要、という事に、なるのだろうか?長野県は松本市でさえ公主導に移行していて、全県的に路線の廃止も相次いでいて、経営はどこも大変そうです。
車両面では、エアロスターで2段サッシになっている車両があるが、どのような理由でこのような仕様になっているのだろうか。
私は子供の頃、年上のいとこと共に、南木曽駅から妻籠までおんたけ交通のバスを利用した事がある。記録・写真が一切ないので詳細は語れないのだが、その先馬籠宿までは山道の歩きでした。バスには申し訳ない話でもあるが、当時の妻籠~馬籠間は2往復だけだったと思う(馬籠~中津川間は、当時は濃飛バスだったはずだ)。それと1日1往復だけ、南木曽と飯田を結ぶ路線があったはずです。
2023 バステクフォーラム開催!
やはり目玉は旭川電気軌道のMR430で、最新車両を差し置いて、という感もあったようだ。旭川~大阪間の移動も別稿で記されていたが、やはり高速道路は走れないのか。その分一般の人々が触れる機会は多くなったと思うが、どう映ったのだろうか?(旭川電気軌道の公式WEBに拠れば、帰りにはちょっとしたトラブル発生もあったようだ)。試乗を体験できた方々はうらやましい!
一般の展示はやはりEVが多くなったが(BYDはなかった)、オノエンジニアリングのEVは、中型以上はまだ導入例がないはずだ。他社と比較して、出遅れてしまったのか。巻き返し策はあるのだろうか。「9m車は車幅が狭い」と記されているが、という事は、平成の初期まで存在した、いすゞの「ナローバス」のような雰囲気、と考えて良いのだろうか。
低公害バスの系譜をたどる
最終回。EVバスは、現代では地球温暖化(温室効果ガス排出)防止の観点で語られる事が多いが、戦前~戦後まもなくはガソリンの統制、高度経済成長期は排ガスの有害物質の対策、という側面があったと思う。プリンセスラインのBYD大型車一挙5台導入は、インパクトがかなり大きかったのではないか。一方で九州で見られた韓国製EVは、いつの間にか忘れられて姿を消した感もあるが、韓国自体は、どのような状況にあるのだろうか(北九州市交通局は先月、EVM-JのF8シリーズ4を導入している)。
今後はEVが低公害車の主力になると思われ、純国産大型車の早期デビューも待たれるが、コストもそうなのだが、しつこいけれどやはり、それ以前に電力の確保そのものがキチンとできるのか、という方が懸念だと思う。「電力の全てを再生可能エネルギーで賄え」と環境保護活動家らは叫ぶが、それは電力の消費レベルが現状のまま維持され続けられるのなら、何とか可能かも知れない。しかし、一方で現行のガソリン・ディーゼル車を片っ端からEVに置き換えるのだとしたら、必要な電力全てを賄いきれるのか?という疑問が、どうしても拭えない。あるいはやはり何かをガマンしなければならなくなるかも知れないが、では何をガマンすべきか。実は「上」も「下」も、この点については何も答えていない。路上に関してはやはりバスやタクシーを優先して欲しいと願うが、皆が納得できるのか?繰り返すが、昨日の朝方の金沢文庫駅前の光景を思い返すと、その点はやや疑問。「電気自動車への補助金はバスかマイカーかどちらを優先すべきか、国が率先して答えを出すべき」と結ばれているが(もちろんバスラマ誌の答えは決まっているはずだが)、「下」の方も、声高に叫ぶだけでなく、具体的にどのような手順で対策を進めるべきか、案をキチンと示すべきだ。巡り巡って、自らの暮らしにもダイレクトに関わってくるのだから。
「国内ニュース」の「事業者の動向」に、猪苗代の磐梯東都バスが9月いっぱいで事業を廃止する、とあったが、今日現在では磐梯東都バスも、親会社の東都観光バスも、また猪苗代町も、この点について一切記していない(少なくとも私は確認できなかった)。地元紙の報道のみ。このエリアは、会津バスが撤退した後を引き継いだもので、著名な観光地も多数あるが、この報道が本当なら、10月以降はどうなるのだろうか。
巻末の和田編集長の思い出話には涙モノ、という大先輩方は少なくないのではないか?(EF13型は本来は貨物機で、客車に暖房を供給するシステムがなかったので、冬季は暖房車の連結を必要とした)私が初めて新宿発長野行夜行に乗った時(前述した、妻籠~馬籠に行った時)には、もう115系だった。みどり湖経由がまだ開通前で、東塩尻のスイッチバックを体験したものだ。
次号の事業者訪問は関東鉄道で、関鉄もまた、BYDのEVを導入したと記されている。それもいいが、ローカル線の維持、グループ会社になるが、いったん廃止になった路線が自治体主導で復活した事例があり、その経緯などが記されたら良い、と思います。近年では少なくなった鉄道会社のバス直営だが、この形態は今後も続くのか。久しぶりにつくば、行きたいな。
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《What's New》
6日 沖縄県玉城知事 中国福建省トップ周 祖翼氏と会談
7日 ゲーム開発のインサイダー取引 スクウェア・エニックス元ゲームクリエイターに有罪判決
8日 全国高校野球西東京大会開幕 特別支援学校初出場
今日は安倍元首相銃撃事件から1年でした。私はこの前近鉄大和西大寺駅に降りて、現場を離れた場所から見る機会もありました。№2673でも書いたが、当時の大混乱を思い返させるようなものは何もなく、歩行者も普通に行き来していました。それは時の権力者を敬うわけでもなく(と言って蔑むのでもなく)、健全と言えば健全、ではあろうかと思います。
それ以上に今の一大事は西日本の豪雨で、これでまた大雨で被災し、長期間の不通に追い込まれる鉄道が出てくるのではないかと、心配です。まずは人的な被害がない事、そして鉄道も必要以上の災害に遭わないよう、この2点を願うのみです。