№2676 JTB時刻表2023年7月号(JTBパブリッシング)

 前回の最後で「鉄道の被害がないように」と書いたのに、また、大規模な鉄道の豪雨による被災が起きてしまいました。美祢線は鉄橋が完全に崩落、山陰本線も鉄橋が変形してしまって、不通は長期間に渡りそうです(美祢線は少なくとも、今年中の再開はないだろう)。どちらも、JR西日本が「単独での維持は困難」としている区間だけに、地元では早速「廃線」への不安が高まっています。山口県の他、九州北部も「記録的豪雨」になっていて、久大本線は、豊後森~由布院間が不通になっています(こちらは今月下旬には再開できそうだが)。どうもこの数年、6~7月になると決まって全国的に大雨となり、人的な被害も多数発生するとともに、ローカル鉄道線も毎年必ず、どこかの路線が長期間の不通を余儀なくされる被害が起きています。復旧する路線もあるが、ローカル線に関しては、「1歩進んで3歩下がる」という状況に陥っているように思えてなりません。災害以外の要素も多数あり、憂慮すべき状況にあると思う。

「JTB時刻表2023年7月号」、先月発売になっていたが、PCが一週間ほど使えない状態になったため、遅くなってしまいました。
 表紙は五能線・深浦~広戸間を行く「リゾートあすなろ」の「ブナ編成」。

「のりもの情報局」は、「鉄道・運輸機構『第24回 鉄道のある風景写真コンテスト』作品募集」「三岐鉄道 全駅入場券セット発売」「『鉄道の日』関東実行委員会 第8回『鉄道の日』記念フォトコンテスト開催中」。

全国のおトクなきっぷ 大集合!
 7月15日に南阿蘇鉄道が全線の運行を再開するので、合わせて熊本の鉄道の特集でもやるのかなと思っていたが、大外れでしたね…。

 今月はJR・私鉄各社から発売されているフリーきっぷの特集だが、もちろん、これが全てではない。比較的通用範囲が広いものが中心、だろうか。
「青春18きっぷ」の他、四国・北海道・九州の「三島会社」では、それぞれ自社全線の「フリーきっぷ」を発売している。どれも通年。
 JR四国の「四国フリーきっぷ」は、JR四国バスも乗れる(と言ってももう2路線しかないが)。北海道や九州も、分社したJRバスに乗れるようにしても、良いのではないか?(北海道は、札幌付近は無理だろうが)。
 JR東海の「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」は、JR東海の全線と、関連する私鉄が利用できて、全部堪能するには、2日では足りなさそうだ。ただ、四日市あすなろう鉄道と、三岐鉄道の三岐線は利用できない。JR線と直接接続していないからか?
 この他、最近は私鉄やバス各社で様々なスタイルのフリーきっぷが発売になっている。当然全部は載せられないだろうが、少なくとも、自社の鉄道全線が利用できるタイプ(ここにないものでは「名鉄電車全線2DAYフリーきっぷ」など)を、どこかで一覧にして頂けると、ありがたい。特にローカル私鉄。支援も兼ねて。
 JRグループでお願いしたいのは、以前も書いたが、新しいタイプの「周遊券」の復活。特定の(できれば旧「ワイド周遊券」位の)範囲のJR線が数日間乗り放題で、それが全国のJRの駅で買えるようにする(東日本の駅で九州の「周遊券」を買える、とか)。特にローカル線の集客はどこも課題のはずで、利用促進のためにも是非。また、毎日発売の上、シーズン別の料金の設定により、オフシーズンの平日への誘導を図る事も、考えられるべきではないか。とにかく、近年はJRで周遊する旅が何かやりにくい、割高だなあという気がするので、何とか復活をお願いしたい。

特集のページ
「NEWS」の4文字は、大阪メトロの400系。

 今月号は、花火大会の臨時列車が多数掲載されています。「4年ぶり」という所も、多いだろうと思う(ここにはないが、隅田川の花火大会とか)。「長岡まつり大花火大会」(今年は8月2・3日)は去年は開催されていて、去年は8月号に臨時列車の記載があった。比較すると、上越新幹線は、去年は下りで越後湯沢始発・浦佐始発があったが、今年は長岡始発に統一。下りは3本・上りの新潟→長岡間は2本、去年より増えている。当然全列車E7系となったが、全車自由席は変わらない。在来線は、東三条→長岡は1本増。一方で去年運行があったトキめき・妙高はねうまラインは、今月号では掲載がない。運行されるなら8月号か(公式WEBもまだ記載がない)。
 また、去年は3年ぶりの開催はあったが臨時列車の運行がなかったような(少なくとも時刻表の掲載はなかった)、「博多祇園山笠追い山」(7月15日早朝)の臨時列車が掲載になっています。しかし2019(R元)年以前も掲載がなく、ひょっとして今年が初設定?(JR九州のWEBをチェックしているわけではないから正確には分からない)門司港3時01分発博多行〔きらめき91号〕(787系・DX含むグリーン車・指定席設定あり)の他、門司港・荒木・直方→博多及び筑前前原~博多空港間の普通列車の設定があります。

 会社線は、上高地・乗鞍・立山(室堂)等への直行バスが中心。

本文
 JR九州は7月1日より、一部列車の時刻を変更している。
● 〔ソニック1・3・44・48号〕〔にちりんシーガイア5号〕〔きらめき5号〕が福間に新規停車。関連して一部の快速・普通の時刻を修正。
● 長崎本線・佐世保線の長崎~諫早~湯江・新大村間で、朝方の一部の快速〔シーサイドライナー〕・普通の時刻を、最大3分繰り下げ。

 JR四国はお盆の8月11~20日に〔しおかぜ〕と〔いしづち〕、〔南風〕と〔しまんと〕の分離運転が行われるが、12~15日の〔しまんと4・7号〕は、8600系で運行される。電車の〔しまんと〕がまた見られる(逆にDCで運行される〔いしづち〕もある)。なお〔いしづち〕は、3連休の初日となる7月15日・9月16日と、最終日の7月17日・9月18日も、一部で分離運転になり、9月16日の〔いしづち8号〕は185系で運行される。

 南阿蘇鉄道は全線運転再開と同時に、朝方の2往復が、豊肥本線・肥後大津まで直通運転を行う。豊肥本線への直通は、第3セクター鉄道転換後は初。

下り
8451D~5 (熊本6:39→)肥後大津7:28 → 8:17高森
8453D~7 (熊本8:48→)肥後大津9:26 → 10:14高森

上り
4~8450D 高森6:29 → 7:12肥後大津(→7:57熊本)
6~8452D 高森8:26 → 9:09肥後大津(→10:06熊本)

 トロッコ列車〔ゆうすげ〕は、7月15日再開初日は運行しない。南阿蘇鉄道直通運転以外の豊肥本線の列車には、変更がない。

 秋田内陸縦貫鉄道は、7月15日にダイヤ改正を実施。角館15時33分発快速116Dを普通列車に変更。列車統合により、鷹巣~阿仁合間は1往復、阿仁合→比立内間は1本減。現行の18D(阿仁合17時30分発鷹巣行きは取りやめ。現行の419Dと421Dを、新421Dに統合する。鷹巣~阿仁合間は上下とも最終列車が繰り下げになり、鷹巣発阿仁合行新23Dは鷹巣21時20分発。秋田方面からの接続は、秋田19時23分発快速3627Mからになる(36分待つ事になる)。秋田18時35分発普通1683Mからは、鷹巣での直接の接続がなくなる。

 高速バス・空港バスは相変わらず運休便が多い。コロナ禍の影響を引きずっているだけでなく、乗務員不足の面も大きいだろう。
 その中でも、少しずつ再開の動きも見られる。現在全便運休中の新宿~那須・塩原線は、7月21日より関東自動車便のみ2往復(時刻表では斜字で記載されている便)で再開。
 また、「運転状況要確認」となっている、大宮~成田空港間〔ONライナー〕(現在は全便運休中)は、7月14日より5往復で運行を再開する(国際興業は入らない)。当面はさいたま新都心は通過。また運賃は2,850円→3,200円となる(なお、大宮側の起終点は西武バスの大宮営業所)。
 全然知らなくて申し訳なかったが、大阪~福岡間は現在、大阪バスによる夜行バスが、3往復設定されているます(2往復は運休中)。大阪~福岡間ノンストップで9時間30分。福岡の発着地点のHEARTバスステーション博多は、博多駅の南の「HERATSカプセルホテル&スパ」に併設されているらしい。JRの高架のすぐ西側。
 会社線では、仙台市営地下鉄が南北線・東西線とも7月1日にダイヤ改正を行った。両路線とも、平日の日中と、土休日の日中以降は10分間隔に削減。
 また、流鉄も同日ダイヤ改正を実施。減便を実施。日中の20分間隔は変わらないが、夕方の15分間隔の時間帯の一部が20分間隔になる。

 次号は、宇都宮ライトレールが8月26日開業と発表になったので、路面電車・LRTが特集、かな?

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
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 前回から予告なく、5日も空いてしまって申し訳ありません。前にも少し書いたが、やる事・やりたい事が多数あって、ブログ製作に若干手が回らなくなっている所があります。当面、先月同様、3日毎おきくらいの更新になるかと思うが、できるだけ回数を増やそうとも思っています。「お茶濁し」的な記事が多くなるかも、知れないです。
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)時刻表