№2679 ひと昔・ふた昔前 私鉄の駅 豊橋鉄道

豊橋鉄道 梅田川橋梁.jpg
 ひと昔・ふた昔くらい前の私鉄の駅の画像を「蔵出し」するシリーズ、今回は愛知県の豊橋鉄道です。
 豊橋鉄道は、JR・名鉄豊橋駅に隣接する新豊橋を起点として渥美半島を西へ向かう鉄道の渥美線と、駅前から東に延びる路面電車の東田本線があります。両方一気にご覧いただきます。
 今回の画像は、大半が1994(H6)年の撮影、だからもう30年位前、「さん昔」になりますか。渥美線は、600V→1500Vに昇圧する前になります。画像の如く、名鉄の中古が主力でした。

渥美線
豊橋鉄道01新豊橋.jpg
新豊橋 しんとよはし
 現在は改築されています。当時は棒線だったが、今は2線です。

豊橋鉄道02柳生橋.jpg
柳生橋 やぎゅうばし

豊橋鉄道03小池 1994.jpg
小池 こいけ

豊橋鉄道04大学前.jpg
大学前 だいがくまえ

豊橋鉄道05南栄.jpg
南栄 みなみさかえ

豊橋鉄道06高師.jpg
高師 たかし
 車両基地があります。

豊橋鉄道07芦原.jpg
芦原 あしはら

豊橋鉄道08植田 1994.jpg
植田 うえだ

豊橋鉄道09向ヶ丘.jpg
向ヶ丘 むこうがおか

豊橋鉄道10大清水.jpg
大清水 おおしみず

豊橋鉄道11老津 1994.jpg
老津 おいつ

豊橋鉄道12杉山 1994.jpg
杉山 すぎやま

豊橋鉄道13やぐま台.jpg
やぐま台 やぐまだい

豊橋鉄道14豊島.jpg
豊島 としま

豊橋鉄道15神戸.jpg
神戸 かんべ
 この駅は平成になって間もない1989(H元)年7月、信号所を格上げして開業しました。

豊橋鉄道16三河田原.jpg
三河田原 みかわたはら
 ここから伊良湖岬に向けたバス路線があり、フェリーに乗り継いで鳥羽に抜ける事も出来ます。この駅はこの直後、この場所のまま駅舎が改築されるが、現在は更に、場所そのものを変えて新しい駅舎が建築されました。交通広場も整備されています。

東田本線

豊橋鉄道01駅前 1994.jpg
駅前 えきまえ
 ここは豊橋駅から少し離れた所にあったが、駅ビル改築に合わせた広場の整備と同時に路線を延伸、停留所も移転して、ペデストリアンデッキから乗降できるようになって便利になりました。なお、駅名は昔も今も、「駅前」で正当です。

 次の駅前大通は、当時はありませんでした。開業は2005(H17)年3月31日です。

豊橋鉄道02新川 1994.jpg
新川 しんかわ

豊橋鉄道03札木 1994.jpg
札木 ふだぎ

豊橋鉄道04市役所前 1994.jpg
市役所前 しやくしょまえ

豊橋鉄道05豊橋公園前 1994.jpg
豊橋公園前 とよはしこうえんまえ

豊橋鉄道06東八町 1994.jpg
東八町 ひがしはっちょう

豊橋鉄道07前畑 1994.jpg
前畑 まえはた

豊橋鉄道08東田坂上 1994.jpg
東田坂上 あずまだ

豊橋鉄道09東田 1994.jpg
東田 あずまだ

豊橋鉄道10競輪場前 1994.jpg
競輪場前 けいりんじょうまえ
 ここには市内線の営業所があり、留置線もあって、日中は車両の留置も見られます。ここから単線になります。

豊橋鉄道11井原.jpg
井原 いはら
 ここで運動公園への支線が分岐します。半径600mの超急カーブ(このため、現在の超低床車は入線できない)。

豊橋鉄道12赤岩口 1994.jpg
赤岩口 あかいわぐち
 ここに市内電車の基地があります。また、バス路線との接続が考慮された構造になっています。

豊橋鉄道13運動公園前 1994.jpg
運動公園前 うんどうこうえんまえ
 井原で分岐した支線の終点です。1982(S57)年の延伸開通時には、「路面電車久々の新線」と騒がれたものでした。運動公園には野球場があり、たまにプロ野球も行われます。

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《What's New》
12日 東京オリ・パラ汚職事件 ADK前社長に懲役2年・執行猶予4年有罪判決
13日 改正刑法 「不同意性交罪」施行
14日 「イプシロンS」 燃焼試験途中で爆発・炎上
 いよいよ明日、南阿蘇鉄道が全線の運転を再開します。7年かかりましたが、ついにここまで来ました。同時に朝の2往復は豊肥本線・肥後大津への直通運転を開始します。豊肥本線への直通は、第3セクター転換後では初めてになります。熊本市内へはもちろん、肥後大津~熊本空港間には「空港ライナー」(無料)が運行されているので、飛行機によるアクセスの便も飛躍的な向上が期待できます。南阿蘇村では同時に「震災ミュージアム KIOKU」も開業、鉄道と共に、地震の記録を伝えていく事になります。今年中には乗りに行くと、宣言しておきます(福岡市営七隈線延伸区間・日田彦山線BRTと同時になると思う)。
 久大本線は7月20日に全線の運行を再開すると発表になりました。久大本線はまだいいが、今月の豪雨で被災した路線は多く、山陽本線でさえ、小野田~厚狭間が不通になっています。今後も豪雨災害の発生が十分予想され、心配でなりません。
posted by 菊池 正人 at 23:00Comment(0)

№2678 この列車の行先・終点はどんな場所 10.西谷

 列車の正面や側面、あるいはホームの表示や時刻表に現れる行先、たどり着いてみたら、それはどんな場所なのか。昨今の、特に首都圏の運行形態の広域化によって、これまで普通に乗り降りするだけでは見る事がなかった地名を日常目にするようになった昨今、その行先を実際に訪ねてみよう、という企画を始めたのが8年前の事でした。以降これまでに9か所の終点駅を訪ねてみたが、4年前、2019(R元)年5月9日の東武東上線小川町が、最後になっていました。その後のコロナ禍や、私個人の腰痛という事情があってだいぶ間が空いてしまったが、今回久しぶりにやります。今後も、恐らくは首都圏が中心になってしまうだろうが、「気になる」列車の終着駅を見つけて、訪ねてみようと考えています。

西谷行001.JPG
 今年3月18日、東急と相鉄の両新横浜線が開通、両社の相互直通運転が始まりました。相鉄は、つい数年前までは神奈川県東部の自社線内だけを行ったり来たりするだけで終わっていたものが、2019(R元)年11月30日のJRに続いて、東急と、さらにその奥の東京メトロ(副都心線と南北線)、都営地下鉄(三田線)、加えて東武東上線と埼玉高速線も加わって、一気に東京都内を抜けて、埼玉県南部にまで、相互直通によるネットワークが形成されました。前述した小川町も、土休日早朝の海老名発で1本、行先としてあります。
 相鉄から他社への直通が走るという事は当然、他者線から相鉄線直通も運行=相鉄線の駅名を見るようになったという事にもなります。JR直通開始の時点で海老名(と、その後の改正で大和)行がJR線内で見られるようになっていたが、今回の改正で、新規直通他者線では加えて、湘南台と西谷、という行先が見られるようになりました(他にかしわ台始発あり)。

 この中で西谷が、他者線内の利用者から見たら、「?」な行先と映るかも知れません。「海老名と湘南台は小田急との乗換駅で割と知名度もあるが(海老名はロマンスカー・ミュージアムもあるし)、西谷なんて駅、あったっけ?」と、ひょっとしたら、鉄道ファンの中にも思われる方もいるかも。JR直通開始までは、各駅停車しか停車しない一中間駅に過ぎなかったのが、いきなり都心へ向かう路線の分岐駅として、全列車が停車する駅になったのだから。では、実際のところ西谷とは、どのような場所なのか、ちょっと行ってみました。地元横浜市なんだけれどね。

西谷行002.jpg
 新ダイヤでは東急東横線~東京メトロ副都心線、東急目黒線~東京メトロ目黒線~埼玉高速鉄道および東急目黒線~都営地下鉄三田線と3つのルートから相鉄線に流入してくるが、3ルート全てで、西谷行の設定があります。JRからはない。
 目黒線関連では、平日は西高島平発5本・赤羽岩淵発1本、土休日は西高島平発2本・高島平発2本・浦和美園・鳩ヶ谷・赤羽岩淵発各1本、西谷行の設定があります。
(埼玉スタジアムでのサッカー開催時に延長運転する列車あり)

西谷行003.jpg
 東横線関連では、平日は渋谷・新宿三丁目・池袋・和光市発各1本、土休日は和光市発1本の設定があります。
 全てのルートで、相鉄の他、東急の編成の西谷行もあります。

西谷行004.jpg
西谷行005.jpg 
西谷行006.jpg
 この西谷という行先、新横浜線だけでなく、本線でも今春改正で、本格的に見られるようになりました。以前は西谷という行先は(少なくとも昭和末期以降は)なかったが、JRとの相互直通開始時に羽沢横浜国大~西谷間の区間運転が設定され、そこで初めて見る事になりました。と言っても早朝の下りだけだったので、実際に目にした人は、多くはなかったろうと思います。新ダイヤでは横浜~西谷間の各駅停車が1時間に2本程度設定され、西谷で新横浜線の列車と接続します。

西谷行007.jpg
西谷駅
 その西谷駅です。横浜から6.9㎞・新横浜から6.3㎞(意外に差がない)。神奈川県横浜市保土ケ谷区にあります。相鉄が今現在公表しているデータは2021(R3)年度まで、だから新横浜線全通はまだ反映されていないが、一日平均の乗降人員は22,430人、相鉄全体では12位になります。駅ナンバリングSO08。
「全列車停車」と書いたが、JR直通開始時に特急停車駅とはなったが、以前から運行されていた急行は通過のまま、でした(横浜~二俣川間ノンストップ)。特急が停車するのに急行は通過、という「逆転現象」が起きていたのだが、今春改正で急行の設定がなくなっています(正式に廃止になったのではないと思う)。

西谷行008.jpg
 改札口は現在、インターホンを使用した遠隔操作になっています。ただ、駅員は事務室に終日常駐しています。相鉄ではこのような駅が、隣の鶴ヶ峰などいくつかあります。コロナ禍も影響しているよう。

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 改札部にある、発車案内表示です。一番右の4番線が新横浜線で、東急東横線…赤・東急目黒線…青・JR線…緑と、直通先で種別の色を分けています。

西谷行010.jpg
 ホームの駅名標。時刻表・路線図と一体になっています。いかに直通ネットワークが広域化しているか。

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 左が4番線・相鉄新横浜線、右が3番線・本線です。昔は2面4線の退避駅で、時期によってはここで各駅停車の急行退避が行われていた事もあった。両側の1番線・4番線をそのまま、新横浜線に転用しています。ホームドアが整備されています。

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 西谷駅を特徴づけているものとして、ホームの上を横切る東海道新幹線の高架橋があります。昔は一目散に通過する列車がほとんどだったが、今は全列車新横浜停車なので、頭上の通過は皆ややスローです。頭上を新幹線が走っているのに、乗ろうと思ったらこれまでは横浜方面へ大きく迂回しなければならず、乗り換えも必要(対JRも対地下鉄も結構面倒)だったから、この新横浜線全通は、確かに革命的だったと言える。

西谷行013.jpg
 駅の西側の歩道橋から見た、西谷駅。

西谷行014.jpg
 西谷行の設定を可能にした要因として、新横浜線と同時に整備された引き上げ線の存在があります。本線の間に2線あります。本線・新横浜線、どちらからも出入りができます。

西谷行015.jpg
 東側の歩道橋から見た西谷駅です。新横浜線(東急編成)が下っていきます。この真下からすぐ、地下線になります。

西谷行016.jpg
 西谷駅の整備はこれで完了しているが、今後鶴ヶ峰駅を挟んだ、西谷~二俣川間の地下線化工事が行われます。本線は帷子川を渡った先から、地下線に入る事になるが、鶴ヶ峰付近の地形から見て、相当な難工事になるのではないかなあ。

西谷行017.jpg
 さて、西谷駅の周辺というと…、実のところ、目玉になるようなものは、正直何もない…と思う。少なくとも、地元の人以外で、「西谷だから降りたい」と思わせるような要素は。この地図を見ても、あるいは前述のホームの駅名標に記された施設等の名称からも、なんとなくそれが窺えるのではないか。

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 先にご覧頂いた橋上駅舎は、駅の南側でした。これは北側です。南も北も、駅前広場と呼べるものがない。

西谷行019.jpg
 北側には、国道16号線が走っています。慢性的に渋滞気味。

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 なのでバスターミナルと呼べるものもなく、西谷駅前バス停も、国道16号上にあります。市営バスの他、神奈中バス・相鉄バスが経由します。周辺には千丸台団地や笹山団地などの大規模な団地はあるが、ここを通過する系統の大半は横浜駅西口を起点としている。この付近の渋滞もあってどの系統も遅延が少なくないのが難点で、このせいもあってか、減便が相次いでいる。画像は市営バス248系統で、千丸台団地と笹山団地を結んでいます。市営バスは、以前は横浜駅西口~千丸台団地間の62系統(急行運転)を神奈中バスと共に運行していたが、市営バスは撤退、代替で設定した系統になります。

 何もない…だけではミもフタもないので、ちょっとばかし南側を歩いてみました。

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 駅前の通りの街路灯には、今でも新横浜線開通の祝賀の幕が掲げられていました。

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 最近では、「緑の軸」という散策路が整備されているようです。西谷浄水場(近年はJリーグ・横浜FCのクラブハウスがある)まで続いています。

西谷行023.jpg
 駅の南西にある、逆田橋公園。この公園は、保土ケ谷区と旭区の境にもなります。

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 紫陽花が咲いていたので撮ってみたが、やや発色が良くないかな…。

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 帷子川を挟んで反対側にあるのが、田原橋公園。

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 最後に、帷子川。本線及び引き上げ線と交差しています。側壁で遮られているが、11000系が通過しているのがお判りでしょうか。後方の大きな煙突は、旭環境センター。

 という事で、西谷駅とその周辺を、やや駆け足になったが巡ってみました。相鉄自体の営業・運転の面ではさらに大きく貢献する事になるだろう西谷駅だが、それが駅周辺も変えていくだろうか、と問われると、正直ウーン…です。地域交通の拠点としては弱いのが難点で、本当はこの機に再開発等が行われれば良いのかとも思うが、簡単ではない。そういう計画も構想もないようだし。
 ともあれ新横浜線共々、西谷駅が新たな拠点として発展する事が期待されます。それは、相鉄を始めとする各鉄道のダイヤをどのように変えていくだろうか。

(西谷駅とその周辺の撮影は2023(R5)年6月12日)

 なお、相鉄の新ダイヤそのものについては、№2656で書きました。

IMG_5610.JPG
 相鉄では現在、全駅へのホームドアの整備を進めていて、西谷は整備が完了しているが、まだという所もいくつかあります。今回東急編成が直通するようになったが、目黒線の編成(ちなみに3020系は今のところ相鉄直通に入らない)には連結面間の柵がなく(相直先も含めて運行全区間にホームドアが整備されていたため)、相鉄線内では応急的に、このような柵をホームに設置した所があります。去年からあるそう。これは星川駅です(土休日に目黒線編成発着あり)。8連停止位置のみ対応、なので各駅とも7か所のみ設置されています。

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《What's New》
 9日 そごう・西武労働組合 ストライキ権投票開始
10日 国際物理オリンピック 日本で初開催 東京都内で開会式
11日 トランスジェンダーのトイレ使用制限 最高裁 国の対応は違法判決
 北九州はまた豪雨で、鉄道の被害が心配だったが、全部見たわけではないから確実ではないが、調べた限りではとりあえず、この豪雨による不通区間の発生はなかったようです(平成筑豊鉄道田川線が徐行で遅延発生と予告している)。しかしまだ全国的に豪雨の警戒を緩める事は出来なさそう。これ以上の被害はカンベンして欲しい、のだが…。

№2677 バスラマインターナショナル198(ぽると出版)

「バスラマインターナショナル198」、先月末には発売になっていたが、また遅くなってしまいました。

各地の電気バス ニューフェイス
 数号に渡って電気バス関連の記事を読んだ感触としては、主だった事業者では台数とか、大小や用途の違いはあっても、EVバスの導入が積極的に進んでいる。あと1~2年位したら、中小以上の事業者では、EVの導入がない所を探す方が、難しくなるかも、と思うほどだ。通常の自社のカラーをまとうEVも増えてきた(EVである事をアピールするワンポイントのイラストやマークが入る所がほとんどだが)。

大新東EV.jpg
 大新東は前号で「SORA」が入って、「横浜市金沢区の一般路線でも走れないか?」と書いたが、EVの方が入りました。これは昨日金沢文庫駅前で、朝のラッシュ時間帯に撮影したものだったが、現状では、この時間に訪れるのが、見られる・乗れる確率が高いと思う。その前の日曜日にも来たのだが、車庫で休んでいて、出てくる気配がなかった。ドライバーが専任である事も考えれば、基本的に土休日は運用されないと考えた方が良いだろう(乗車はまた後日)。レイディアントシティ営業所は乗合車8台という事だが、この程度の規模であれば、次の段階として、その8台を全てEVとするという方向に行くべきと考える。むろんコスト(車両そのものだけでなく、充電設備の拡充も必要)の問題もあるが、そうなれば、一般の旅客にももっとEVとか、ひいては路線バスの在り方について考えてもらう事ができるのではないか。
(大新東はICを導入していないので念のため)
 神奈中バスがEVを導入しているとは知らなかった。地元なのに恥ずかしい話だが、公式WEBには一切告知がなかった(少なくとも「お知らせ」にはない)ので分からなかった。
 トルコのバスは、「年鑑」の海外のバスのカタログを読むと毎年出てくるが、いずれはツバメのマークが描かれたカルサンのEVが、関東地方のどこかに現れたりするのだろうか?ポンチョより小型なので、比較的短距離のコミュニティバスに向くような気がする。

 EVバスも、小型に加えて大型も複数のメーカーが出そろって、今後はEVバスの中での競争も始まる事になる。メーカー選定の決め手は何になるのだろうか?あとは電力供給システムの構築で、CNGや水素と違って、自社の営業所内部に設置するケースがほとんどだが、台数が増えるとしたらどこまで対応できるか、が、普及のポイントとなるのだろうか。

バス事業者訪問247 おんたけ交通

おんたけ交通高速車.jpg
 おんたけ交通は初登場。こういう小規模な事業者も、今後積極的に出してくれればと思います。
 現在のおんたけ交通は、自治体からの受託がほとんどとなって、同社の公式WEBを見ても、一般の路線バスに関しては全て、自治体のページに移行する事になる。JTBの時刻表にも時刻が掲載されている路線がいくつかあるが、全て自治体の運行、という事になっていて、「おんたけ交通」の文字は現れない(御岳ロープウェイ線は、おんたけ交通と木曽町の共同運行の形になっている)。
 なので、全体像はやや見えにくい。木曽町は「平成の大合併」によって生まれたが、合併してなお「町」のままで、このエリアでは「核」となる都市がない。木曽福島駅は〔しなの〕も全て停まる主要駅だが、乗降人員は1,300人程度だそうだ(JR東海の公式WEBは、乗降人員は上位10駅しか公表していない)。普通列車の本数は少ない(1時間に1本もない)が、ダイヤを見ると、エリア内の南木曽~木曽福島間が、日常の利用の分水嶺になっているのではないかと思える。南木曽町は岐阜県と接しているし、さらに名古屋の影響も出てくるはずで、こういう所は、運営が難しいだろうと思う。
 今号では同時に、木曽町の公共交通システムの構築についても記されているがもともと、利用してくれそうな住民自体がそれほど多くないのに、マイカーからバスに乗り換えてくれるような施策は、簡単ではないだろう。大都市でさえそうだ。前述した金沢文庫駅も、見ているとマイカーの送迎が次々に現れ、バスの降車停留所スペースにまで停めて、家族を送り出すのだから。路線バスの運行にも、影響が出ていた。木曽町に限らず、地方部に限らず、公共性や環境問題だけを掲げて公共交通への移行を促す、というのは、この数十年の各地のケースを見ていても、間違いなくうまくいかない。では何かしらのインセンティブを与える事も必要、という事に、なるのだろうか?長野県は松本市でさえ公主導に移行していて、全県的に路線の廃止も相次いでいて、経営はどこも大変そうです。
 車両面では、エアロスターで2段サッシになっている車両があるが、どのような理由でこのような仕様になっているのだろうか。
 私は子供の頃、年上のいとこと共に、南木曽駅から妻籠までおんたけ交通のバスを利用した事がある。記録・写真が一切ないので詳細は語れないのだが、その先馬籠宿までは山道の歩きでした。バスには申し訳ない話でもあるが、当時の妻籠~馬籠間は2往復だけだったと思う(馬籠~中津川間は、当時は濃飛バスだったはずだ)。それと1日1往復だけ、南木曽と飯田を結ぶ路線があったはずです。

2023 バステクフォーラム開催!
 やはり目玉は旭川電気軌道のMR430で、最新車両を差し置いて、という感もあったようだ。旭川~大阪間の移動も別稿で記されていたが、やはり高速道路は走れないのか。その分一般の人々が触れる機会は多くなったと思うが、どう映ったのだろうか?(旭川電気軌道の公式WEBに拠れば、帰りにはちょっとしたトラブル発生もあったようだ)。試乗を体験できた方々はうらやましい!
 一般の展示はやはりEVが多くなったが(BYDはなかった)、オノエンジニアリングのEVは、中型以上はまだ導入例がないはずだ。他社と比較して、出遅れてしまったのか。巻き返し策はあるのだろうか。「9m車は車幅が狭い」と記されているが、という事は、平成の初期まで存在した、いすゞの「ナローバス」のような雰囲気、と考えて良いのだろうか。

低公害バスの系譜をたどる
 最終回。EVバスは、現代では地球温暖化(温室効果ガス排出)防止の観点で語られる事が多いが、戦前~戦後まもなくはガソリンの統制、高度経済成長期は排ガスの有害物質の対策、という側面があったと思う。プリンセスラインのBYD大型車一挙5台導入は、インパクトがかなり大きかったのではないか。一方で九州で見られた韓国製EVは、いつの間にか忘れられて姿を消した感もあるが、韓国自体は、どのような状況にあるのだろうか(北九州市交通局は先月、EVM-JのF8シリーズ4を導入している)。
 今後はEVが低公害車の主力になると思われ、純国産大型車の早期デビューも待たれるが、コストもそうなのだが、しつこいけれどやはり、それ以前に電力の確保そのものがキチンとできるのか、という方が懸念だと思う。「電力の全てを再生可能エネルギーで賄え」と環境保護活動家らは叫ぶが、それは電力の消費レベルが現状のまま維持され続けられるのなら、何とか可能かも知れない。しかし、一方で現行のガソリン・ディーゼル車を片っ端からEVに置き換えるのだとしたら、必要な電力全てを賄いきれるのか?という疑問が、どうしても拭えない。あるいはやはり何かをガマンしなければならなくなるかも知れないが、では何をガマンすべきか。実は「上」も「下」も、この点については何も答えていない。路上に関してはやはりバスやタクシーを優先して欲しいと願うが、皆が納得できるのか?繰り返すが、昨日の朝方の金沢文庫駅前の光景を思い返すと、その点はやや疑問。「電気自動車への補助金はバスかマイカーかどちらを優先すべきか、国が率先して答えを出すべき」と結ばれているが(もちろんバスラマ誌の答えは決まっているはずだが)、「下」の方も、声高に叫ぶだけでなく、具体的にどのような手順で対策を進めるべきか、案をキチンと示すべきだ。巡り巡って、自らの暮らしにもダイレクトに関わってくるのだから。

「国内ニュース」の「事業者の動向」に、猪苗代の磐梯東都バスが9月いっぱいで事業を廃止する、とあったが、今日現在では磐梯東都バスも、親会社の東都観光バスも、また猪苗代町も、この点について一切記していない(少なくとも私は確認できなかった)。地元紙の報道のみ。このエリアは、会津バスが撤退した後を引き継いだもので、著名な観光地も多数あるが、この報道が本当なら、10月以降はどうなるのだろうか。
 巻末の和田編集長の思い出話には涙モノ、という大先輩方は少なくないのではないか?(EF13型は本来は貨物機で、客車に暖房を供給するシステムがなかったので、冬季は暖房車の連結を必要とした)私が初めて新宿発長野行夜行に乗った時(前述した、妻籠~馬籠に行った時)には、もう115系だった。みどり湖経由がまだ開通前で、東塩尻のスイッチバックを体験したものだ。

 次号の事業者訪問は関東鉄道で、関鉄もまた、BYDのEVを導入したと記されている。それもいいが、ローカル線の維持、グループ会社になるが、いったん廃止になった路線が自治体主導で復活した事例があり、その経緯などが記されたら良い、と思います。近年では少なくなった鉄道会社のバス直営だが、この形態は今後も続くのか。久しぶりにつくば、行きたいな。

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《What's New》
 6日 沖縄県玉城知事 中国福建省トップ周 祖翼氏と会談
 7日 ゲーム開発のインサイダー取引 スクウェア・エニックス元ゲームクリエイターに有罪判決
 8日 全国高校野球西東京大会開幕 特別支援学校初出場
 今日は安倍元首相銃撃事件から1年でした。私はこの前近鉄大和西大寺駅に降りて、現場を離れた場所から見る機会もありました。№2673でも書いたが、当時の大混乱を思い返させるようなものは何もなく、歩行者も普通に行き来していました。それは時の権力者を敬うわけでもなく(と言って蔑むのでもなく)、健全と言えば健全、ではあろうかと思います。
 それ以上に今の一大事は西日本の豪雨で、これでまた大雨で被災し、長期間の不通に追い込まれる鉄道が出てくるのではないかと、心配です。まずは人的な被害がない事、そして鉄道も必要以上の災害に遭わないよう、この2点を願うのみです。