№2645 東北へ ローカル線乗り歩きの旅 2.初乗り 秋田内陸縦貫鉄道

2023_0326_00.jpg
 当ブログでも何度かしつこくボヤいているが、秋田県の第3セクター鉄道、秋田内陸縦貫鉄道には、これまで乗った事が全くありませんでした。
 同鉄道は1986(S61)年11月1日、旧国鉄阿仁合線(鷹ノ巣~比立内間)及び角館線(松葉~角館間)を引き継ぎ開業、平成の世になった1989(H元)年4月1日、比立内~松葉間が開通して、今の姿になりました。しかしその前身の阿仁合線・角館線すら、乗った事がなかったのです。
 今回は角館から鷹ノ巣まで1往復。しょせんこの程度で秋田内陸の何がわかるものか、ではあるが、ともかく乗ってみなければ始まらない。3月2度目の個人的3連休を利用、ようやく乗る機会を作る事ができました。どのような姿を見せてくれるのか。

 3月26日(日)

 しかしまず、大曲から角館への足はどうしよう?田沢湖線の普通列車は、大曲発7時02分の次は、なんと11時16分まで4時間以上ない。7時台では早すぎるし、仮に無理してこの列車で角館に出ても、秋田内陸は9時50分発となって、2時間30分以上も待たされる事になる。なので、角館までは秋田新幹線〔こまち〕を利用する事としました。

2023_0326_01.jpg
 改めて、大曲駅。前に秋田からE3系時代の〔こまち〕で経由した事は書いたが、列車で降り立つのはまたも何十年ぶり、だろう?
(羽後交通の夜行〔レイク&ポート〕で降りた事もあるが)

2023_0326_02.jpg
 5月27日より、東北地方3エリアに、新規にSuicaが導入される。そのお知らせ。だけど秋田県の奥羽本線は和田~追分間のみ。大曲は、今導入では何の関係もない。少なくとも湯沢~秋田~大館となるべきではないか?羽越本線も象潟まで、五能線の能代も含まれるべき。盛岡も青森も、これでは狭いだろう(IGR・青い森が導入できれば良いのだが)。

2023_0326_03.jpg
〔こまち〕なので特急料金に加えて乗車券も必要になり、角館まで合計1,090円。乗車券は330円だから、別払いと言ってもそんな大した出費にはならないが。

2023_0326_04.jpg
 秋田新幹線のホームへは、通常の新幹線同様、専用改札を通過していきます。

2023_0326_05.jpg
 標準軌(1,435㎜)と狭軌(1,067㎜)を比較する展示コーナーも。

2023_0326_06.jpg
 8時43分発〔こまち14号〕。E6系は初乗り、だが、所要わずか12分では、良し悪しの評価は下せない。ともかく空席について、窓の外を眺めるのみ。

2023_0326_07.jpg
 秋田内陸の角館駅。JRの駅舎を出て、右手になります。冷たい雨が降る。

2023_0326_08.jpg
 沿線は、韓国のドラマのロケ地になったらしい(田沢湖も含まれる)。
 ワンデーパス全線タイプ(2,500円)を購入。

2023_0326_09.jpg
 9時50分発110Dの改札が始まった。家族連れが目立つのは、やはり日曜日だからか。

2023_0326_10.jpg
 メインの基地は阿仁合にあるが、角館にも車庫があります。格納庫の中のクルマは、この後11時50分発212D阿仁合行になるのだろうか。

2023_0326_11.jpg
 AN8806号の車内。平成初期くらいの第3セクター鉄道車両の標準、という感じ。

2023_0326_21.jpg
 トイレ部の壁面には、大きな秋田県の写真が貼られている。窓上にも、犬の写真が並べられています。

2023_0326_12.jpg
 鷹巣方にはモニターがあって、いろいろ情報を流している。阿仁合駅舎内のレストラン「ウェルカムステーション」のメニュー。

2023_0326_13.jpg
 角館を出発して、しばらくは農村地帯。この付近は雪を見ない。

2023_0326_14.jpg
 直線は割と長いが、スピードはあまり出ない。
 八津で急行〔もりよし1号〕の通過待ちがあった。

2023_0326_15.jpg
 山間部にかかると、積雪が多くなってきた。

2023_0326_16.jpg
 国鉄角館線時代の終点、松葉。行き違いを想定した造りになっている。

2023_0326_17.jpg
 雪がかなり多くなってきた。カーブも多くなり、勾配もきつくなる。

2023_0326_18.jpg
 長いトンネルを抜けて、阿仁川を見る。

2023_0326_19.jpg
 国鉄阿仁合線時代の終点、比立内。ここがほぼ中間の地点。
 角館からここまで、乗車も降車も全くなかったが、阿仁マタギで初めて、地元のおじさんの乗車があった。

2023_0326_23.jpg
 阿仁合駅。ある程度の乗客の入れ替わりがあった。反対側は角館行211D。原色のままのAN8804号。

2023_0326_24.jpg
 構内のAN2200型。改装されて今は「秋田縄文号」。

2023_0326_25.jpg
 一方、先代の旧校舎AN8900型は2台揃って、その片隅に留置されていました。

2023_0326_26.jpg
 阿仁合を出ると急坂を下って行って、雪は少なくなる。阿仁合は高台にある街なのだと感じる。
 阿仁前田温泉は英語・韓国語・中国語のアナウンスが入る。パンデミック前はインバウンドの降車も多かったのだろうか。この列車でもここで降りる客が多く、出発すると乗客は6人だけ。

2023_0326_27.jpg
 阿仁川も、川幅が広くなってきた。

2023_0326_28.jpg
 鷹ノ巣が近づくと、また普通の農村地帯の風情。しかし町は、これでも「都会」に思えたほどだ。

2023_0326_29.jpg
 鷹ノ巣到着。JRのホームの傍らに着きました。

 数年前から考えていた秋田内陸線乗車。今回は「お試し」的なものだったので、今日は片道だけ、鷹巣から盛岡へは、花輪線を経由して行こうかと考えていました。しかしご存知の通り、花輪線は去年の水害で、大館~鹿角花輪間が不通・代行バス輸送になってしまっていて、これでは意味がない。なので、帰りも秋田内陸線に乗車、角館から盛岡までは、再び田沢湖線とします。
(なお花輪線は今日4月20日、5月14日の全線運転再開が発表になりました)

2023_0326_30.jpg
 秋田内陸の、鷹ノ巣駅舎。ホームは同じでも、駅舎はJRとは別です。

2023_0326_31.jpg
 オリックス・バファローズの中嶋監督、ここが出身地だったのか。現役時代はイチローらと共に、前身のブルーウェーブで活躍していました。

2023_0326_32.jpg
 秋田内陸のコロナ対策。私は秋田内陸に限らず、何の心配もしないで乗るけれど、世間の皆さんはどうなのだろう。
 今日の鷹ノ巣滞在はわずか13分。15D阿仁合行で、早々に立ち去らなければなりませんでした。乗客は、ここからは皆、地元の人のよう。JRの652Mから乗り継いだ人もいた。

2023_0326_33.jpg
 小ヶ田駅は3年前、縄文小ヶ田と改称しています。駅名標も特製。

2023_0326_34.jpg
 しかし、駅のすぐ南側を高規格道路の国道7号バイパスが走っていて、空港や大館の方まで直結しているので、ローカル鉄道にとっては、少々辛い。
 大館能代空港は、ちょっと頑張れば、駅から歩いても行けそうな距離。

2023_0326_36.jpg
 合川で〔もりよし2号〕と交換。向こうは「笑 EMI」。この車両は、基本的には日曜日のみ運行されるよう(月1回は「秋田縄文号」になる)。

2023_0326_37.jpg
 米内沢は秋田内陸でも主要な駅だと思ったのだが、今は行き違いはできない。

2023_0326_38.jpg
 去年の秋田の水害では秋田内陸も被害を受けて、長期間不通になりました。秋田内陸は昨年の内に再開できたからまだ良かっただろうが、爪痕がまだ残っています。

2023_0326_39.jpg
 ブルーシートがかけられたままの所も。鷹ノ巣~阿仁合間は戦前に開通していた区間だが、やはり他のローカル線同様、貧弱だなあの印象がありました。今後も災害に難儀する事になってしまうのかも。

2023_0326_40.jpg
 阿仁前田温泉駅。

2023_0326_41.jpg
 15Dは阿仁合が終点となり、215Dへの乗り換えとなります。阿仁合駅。

2023_0326_42.jpg
 215Dは2両編成。AN8802+AN8803。ただし2両目は回送扱いで乗れない。2週間前のJR四国と同じ。

2023_0326_44.jpg
 前方を見る。雨が本降りで、視界が良くない。趣があると言えばある眺めだが。

2023_0326_45.jpg
 再び山を越えて、羽後中里駅。

2023_0326_46.jpg
 角館が近づくと、雪がなくなってきた。秋田内陸は山越えの鉄路と、思わされる。

 こうして、角館に戻ってきました。
 日曜日と言う事もあるだろうが、ある程度行楽の利用があったのは頼もしくありました。角館~阿仁前田温泉間という、長距離の利用が少なくなさそうなのも、ありがたい話だろう。あとは平日、日常の利用はどうなのか、という所も、いずれ確かめなければならない。特に南側(仙北市側)は運行本数が急行・快速を含めても片道一桁、というのは、ちょっと辛いかもなあ。

2023_0326_64.jpg
 角館に戻って、クリアファイル、それとレトルトカレーを購入。カレーは黒くて、私の父は少々顔をしかめていましたが、全く普通のカレーで、おいしいですよ(辛口)。
 しかし、到着時の2両編成を分割する作業に窓口の駅員も出ていて、終わってからの購入、となったので、ちょっと待たされた。この間に田沢湖線の840Mが到着しており、角館も駅舎自体がJRと別、しかもコインロッカーに荷物を預けてもいたので、正直少々焦った。まあ5分前には手に入って、普通に歩いて乗り継げたのだが。「青春18きっぷ」、この日はここからスタート。

2023_0326_47.jpg
 その840M。標準軌の701系。

2023_0326_48.jpg
 車内には、前潟駅に隣接するイオンモールのリニューアルの広告が掲げられていました。
 ここから仙台(さらに名取)まで、JRの普通列車をひたすら乗り継いで行きます。

2023_0326_49.jpg
 田沢湖~赤渕間の志度内信号所で、下り〔こまち25号〕を待ち合わせる。この区間、普通列車は4往復しかない。〔こまち〕がなかったら間違いなく「秘境路線」であり、「輸送密度500人以下」になるはず。

2023_0326_50.jpg
 そんな山間部を越えていく。本当にトンネルができたら、この車窓も見納めだ。

2023_0326_52.jpg
 雫石で、〔こまち34号〕の通過待ち。左は田沢湖行841M。

2023_0326_53.jpg
 さらに次の小岩井で下り〔こまち27号〕通過待ち。「こまちファースト」になってしまうのは、まあやむを得まい。

2023_0326_54.jpg
 前潟駅直前、右手にイオンモール盛岡を見る。

2023_0326_55.jpg
 前潟駅。棒線。幸い乗客はそれなりにいた。京葉線の幕張豊砂、あるいは新駅ではないがことでんの綾川など、「イオンモール」頼みの駅は少なくないが、とにかく買い物客(それ以外もいるが)が、積極的に鉄道を利用してもらえれば良いし、イオンモールに限らず、各地のショッピングセンターも、公共交通機関の利用を促す策を施して欲しい。マイカー頼みはもうほどほどにしないと、いろいろな意味で限界だし、問題ではないだろうか。

2023_0326_56.jpg
 盛岡直前、新幹線の高架橋が分かれていく。

2023_0326_57.jpg
 盛岡の田沢湖線ホーム。左が840Mで、回送になる。右は雫石行843M。

 意地が悪い事に、東北本線の一ノ関行は2分前に出ていったばかり。次に一ノ関に行ける普通列車は、18時17分までない。仙台着がかなり遅くなるので、ここの駅ビル内のうどん店で、少し早いが夕食にする。コロナ禍の影響なのか、18時には店じまい。

2023_0326_58.jpg
 盛岡近辺の、ダイヤ改正のお知らせ。

2023_0326_59.jpg
 運行が終了する、〔SL銀河〕の展示コーナーもありました。

2023_0326_60.jpg
 盛岡駅の時刻表。東北本線やIGRは良いが、他の路線は皆、本数が極めて少ない。

 この先はもう暗い。しかも雨。お見せするような画像がありません。18時17分発1550Mと、一ノ関発小牛田行562Mを乗り継いで行きます。共に701系。562Mは2連ワンマン。

2023_0326_61.jpg
 一ノ関駅の、ポケモン列車の展示コーナー。鉄道もバスも飛行機も、今再び「ポケモン」ブーム?

2023_0326_62.jpg
 一ノ関駅からの路線は、輪をかけて本数が少ない。

2023_0326_63.jpg
 一ノ関からの仙台行2566M。701系+E721系の6連。石越に仙台発2597Mで到着したと思われる回送列車がいて、この列車が小牛田から客扱い、となっているようだ。

 こうして22時前、仙台に到着。しかし、最終日は只見線に乗る事になっていて、会津若松発の時刻から逆算すると、仙台駅付近では翌朝、時間に余裕がなくなってしまうかも知れない(朝食はちゃんと食べて出たいので)。なのでもうひと頑張り、名取まで22時00分発588Mに乗って、駅から少々離れたホテルにたどり着いたのでした。

 最終日は、只見線。全線乗り通します。

 当ブログでは直接のコメントは受け付けません。何かありましたら、引き続き本体の「日本の路線バス・フォトライブラリー」上からメールを下さい。折返し返事をしたいと思います。質問がありましたら、やはり本体上からメールを下さい。解かる範囲でお答えをしたいと思います。質問と答えは当ブログにも掲載します。
 当ブログ上からでは発表できない緊急の事態が発生した時は、本体でお知らせします。


《What's New》
19日 イエメン首都サヌア 学校で群衆事故 
20日 日本モンキーパークのニシゴリラ「タロウ」 50歳誕生日
posted by 菊池 正人 at 22:00Comment(0)旅行